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2014年12月

2014年12月31日 (水)

まんがで読破「資本論」

『まんがで読破「資本論」』っていうから、多少の期待と、多少の恐れで読んでみたのだが……

Photo 『まんがで読破「資本論」』(カール・マルクス著/企画・漫画:バラエティ・アートワークス/2009年5月15日刊)

「商品のメタモルフォーゼ」とか、

Shihonron_1

「剰余価値」あたりの説明は、なんとなく納得できるのだが。

Joyokachi

「労働力という商品」とか、

Roudou_no_baibai

いうあたりから、ちょっと首をひねる表現になって来て、

Roudou_toiu_shohin

 この「投資」という部分になると、ちょっと違うぞと思えてくる。

Toushi2

 つまり、投資家はビジネス(目的が分かっている)に「投資」をしたわけで、「融資」をしたわけではないんだなあ。

Kane_kaesu

 なので、「投資」をした以上、そのビジネスで失敗してもそれは投資家の失敗であって、経営者はあくまでも「有限責任」しかない、というのが資本主義の基本的な考え方だ。だから、経営者はビジネスに失敗したって、投資家にお金を返す必要はない。そういうサイクルを繰り返して資本主義は伸ばしてきたわけだ。

 勿論、融資(目的が分かっていない出資)であれば、銀行にお金を返す必要はあるんですがね。

 そうバラエティ・アートワークスの方々は「なるほど、君は基本的なことがわかっていない」なのであります。

 やっぱり『まんがで読破「資本論」』というのは、ちょっと無理があった?

 草葉の陰でカール・マルクスが泣いてるかもしれないゼ。

『まんがで読破「資本論」』(カール・マルクス著/企画・漫画:バラエティ・アートワークス/2009年5月15日刊)

 というのが今年の最後のエントリーです。

 どうだったでしょう。今年のサントリーは?

2014年12月30日 (火)

日経平均の年間振れ幅4000円、波乱含みの年越し

 今年最後の日経新聞は『日経平均の年間振れ幅4000円、波乱含みの年越し』をクリップ。そうか、今日は東証の大納会だもんな。

 今日の終値は「1万7450円」。

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『今年の日経平均は大幅安で始まった。米景気が寒波の影響でもたつく中、新興国通貨安や中国の高利回り商品の債務不履行問題が重なったためだ。新興国経済への懸念はその後も尾を引いた。ウクライナ情勢の緊迫など地政学リスクが重なり、日経平均は4月まで4カ月連続で下落。消費増税直後の4月14日には1万3910円と今年の安値を付けた。13年末の高値からは2400円弱の下げだ。

 緩やかな上昇相場に入ったのは5月下旬からだ。株価の戻りを支えたのは企業の資本効率の改善や株主還元の強化、欧州の追加金融緩和だ。だが、10月上旬に再び株式相場をショックが襲った。米国の量的緩和終了で金融市場に不透明感が高まり、欧州など世界景気に対する警戒が強まったのだ。日経平均は10月17日には1万4532円と9月の高値から約1800円下げた。

 株式市場にくすぶる懸念を一気に吹き払ったのが、10月31日に日銀が打ち出した追加緩和策「黒田バズーカ第2弾」だった。国内経済のマイナス成長、原油安や新興国通貨の下落など売り材料も相次いだが、日銀緩和を支えにした日本株の先高観測は崩れず、年末にかけて相場は強含んだ。

 新年も企業収益という「ミクロの強さ」と、米利上げの影響や新興国経済など「マクロの懸念」をてんびんにかけながらの相場展開になりそうだ。野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは「米利上げが実際に始まれば懸念は徐々に和らぐ。日経平均は秋ごろに2万円を目指す動きになる」とみる。国内では賃上げなどを通じてマクロに波及するかどうかも課題だ。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは「実質賃金が上昇に転じるためにも、春闘で大企業が平均3%程度の賃上げに応じるかどうかが注目点」と指摘していた』

 とは言ってもねえ、バブルの時みたいに「日経平均3万8957円44銭」なんてとんでもない高値を付けた時代を知っている我々にとっては、まだまだ半値以下。この程度の金融緩和策では日本経済が昔日の繁栄を戻すことにはならないだろう。

 まあ、『マッサン』で主役を務めるシャーロット・ケイト・フォックスが今年の終わりの打鐘をしたこと位が、まあ楽しかったところでしょうかね。

 可愛いねえ。

『クラウド版 デッドライン仕事術』って、別に特別なことじゃないんだ

『ノマドワーカーという生き方』の立花岳志氏とトリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎氏が以前からの知り合いだったとは知らなかった。

 つまり、立花氏の生き方にもトリンプの仕事術が影響していたってことなんだ。

Photo 『クラウド版 デッドライン仕事術』(吉越浩一郎・立花岳志著/東洋経済新報社/2014年11月28日刊)

『19年連続増収増益、会社の売上を5倍に伸ばしつつ、本社スタッフの人数を4割減らし、しかも毎日が残業禁止で全社員が定時退社する。
 そんな会社が実際にあるのです。そしてそれは現代の日本における話です。それこそが、平成のカリスマ経営者である吉越浩一郎さんが社長を務められたトリンプ・インターナショナル・ジャパンで起こったことです』

 というのは以前から知ってはいた。その代わり、就業時間中の仕事への集中の度合いが普通じゃないことも……。

『だらだらと残業して深夜まで居残り、翌日は寝不足で出社。当然午前中はエンジンがかからず、どうでもいいようなメールに返信したり、ネットを眺めたりしているうちに昼休みになる。昼食を食べて満腹になると眠くなり、午後の会議はウトウトして半分も聞いておらず、午後3時くらいになってからようやく始動する。当然定時には仕事は終わらずその日も遅くまで残業』

 っていうのが日本のサラリーマンの姿だというのは知っているし、私がいた会社にもそんな人もいた。

『私は残業こそが、日本企業の生産性が低い、諸悪の根源だと思っています』

 というのは全くその通りだと思う。とはいうものの、私が残業をしていなかったかと言えば、それはそうでなく、それなりに残業はしていたし、映像制作セクションにいた頃は、部署の中でも最も残業が多いクチではあった。

 しかし、それは仕事が多かったからであり、ダラダラ残業していた訳ではなく、残業時もかなり仕事に集中していたのである(ということにしておこう)。その後、営業セクションに異動になったからは、私は多分部署の中では残業が一番少なかったクチであったと思う(これもそういうことにしておこう)。

『日本人には、仕事の成果は、「時間×能力」だと考えている人が多いと思います。

しかし、実際の仕事の成果とは、「時間×能力×効率」で決まるものです』

 で「デッドライン仕事術」ということになる。

『デッドライン仕事術は、2つの柱で構成されています。
①すべての仕事に期限を設定すること
②1日の仕事の終了時刻を設定し、それを死守すること』

『トリンプの場合、特に時間の設定がない場合はデッドライン当日の午前8時と決めてありました。それは8時半から始まる毎朝の会議に間に合わせるためです』

『デッドライン仕事術では、設定されるデッドラインは原則「翌日」です。長いものでも1週間で、それ以上はありません』

『よく「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」が大切だ、と言いますが、いちいち部下に細かく報告をさせ、その都度上司が介入すれば、仕事はそのたびに遅れ、スピードは落ち、担当者が本当に進めたかった方向には進まなくなります』

 など、いちいち納得させられる。

 で、その吉越氏の「デッドライン仕事術」をクラウドを使って、更に効率的に進めようというのが、立花氏の『クラウド版 デッドライン仕事術』だ。

『本書で紹介する「クラウド時代のデッドライン仕事術」のコンセプトは以下のとおりです。
☆いつでもどこでも必要な情報すべてにアクセスできること
☆時間と場所に縛られないノマドワークスタイルに対応していること
☆すべての仕事について、「誰が、何を、いつまでに」するかが明確であること
☆離れた場所にいても、関係者全員に必要な情報すべてがリアルタイムで共有できること
☆ノイズに邪魔されることなく集中して仕事をこなすことができること
☆ムリ・ムラ・ムダのないスマートなシステムであること
☆パソコンやスマートフォンが壊れたり紛失したりしたときに情報が失われてしまわないこと』

 つまり、パソコンやデジタル・ガジェットを駆使して効率的に「デッドライン仕事術」を完成させようということなのだ。

 立花氏はMac(iMacやMac Book Air)やiPhone、iPadなどを使って積極的にライフログを付けていることは、彼のブログ No Second Life でもよくわかるが、とにかく半端じゃないライフログである。私も自分のライフログは付けているが、立花氏の足元にも及ばない。

 とにかく、何にでも徹底する人で、その辺が「ブログで食えない、ヘッポコ・ブロガー」と、「ブログで飯を食う、 アルファ・プロ・ブロガー」の違うところなんだが、まあその辺の彼我を比べても始まらない。取り敢えずは私も少しは立花氏を見習って、もうちょっと積極的にライフログをとろうかな。

『20世紀のように、会社の仕事だけをやっていれば定年まで安心して連れていってもらえ、何となく「一億総中流」で幸せ、という「単一指向性」の時代は終わりました。21世紀には、僕たちはもっと自由で自律的な人生を摑み取ることができます。そしてそれは会社に勤めているとかフリーとかに関係なく、無数の選択肢の中から、もっとも自分が望む形を手に入れることができるのです』

 確かに、今はそんな時代だ。会社に勤めていようが勤めずにフリーで仕事をしていようが、時代の変化には対応していろいろな生き方を選択しなければならないだろう。これからの(私より)若い人には、そんな「変化に対応した生き方」をしなければならないとしたら、自ら「仕事にはかならずデッドラインがある」ということを常に意識して仕事をしなければならない。

 それは厳しい生き方ではあるが、うまくいけば楽しい生き方にもなる。

 なんて暢気なことを書いているから「勝ち逃げ」なんて言われるのかな?

『クラウド版 デッドライン仕事術』(吉越浩一郎・立花岳志著/東洋経済新報社/2014年11月28日刊)電子版(Kindle版)は紙版のほぼ半額だ。こうなったら電子版を買うっきゃないでしょ。

こちらもどうぞ。『ノマドワーカーという生き方』

2014年12月29日 (月)

巣鴨・上野・築地、師走の東京そぞろ歩き

 ここ数年は毎年大晦日は麻布十番の布谷太兵衛に行ってたんだけれども、今年は地元(駒込)で大晦日という雰囲気になって来たので、その前に師走の東京をそぞろ歩きしてきた。

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 出発点はやっぱり巣鴨地蔵通りだよなあ。

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 相変わらずの人通り。

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「日本一のマルジの赤パンツ」については10月26日のブログにも書いた通り。

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 で、『「出没!アド街ック天国」 一月十日(土)夜9時よりテレビ東京で 巣鴨地蔵通り商店街放送』って、そんなに書かなくても、ちゃんと地蔵通り商店街にはお客さんは来ますがな。と言いながら、ささやかに番宣。

 で、次に都電荒川線庚申塚から王子駅前まで乗って、王寺駅から上野駅まで。

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 アメ横は一昨日の「出没! アド街ック天国」で取り上げられたこととは関係なく、今の時期は大混雑。ラッシュアワーの高田馬場駅状態です。

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 なので、ここにいる人の大半は買い物客じゃなくて、単に人の流れにのって歩いているだけの人。だって、まともに買い物なんて出来る状態じゃない。

 なので、こんな『アド街ック天国 海苔三点セット』なんて札を軒先にブラ下げても、殆ど意味ない。

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 で、そこから東京メトロ銀座線で銀座まで行って、築地まで行った。

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 もう、ここまで行ってしまうと、もう場外市場まで入る気にもならなくて、周囲を歩いただけ。

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 最後は築地本願寺を撮影しておしまい。

 って、結局それらの場所に出かけても、なにかを買うために行ったわけじゃなくて、単に人混みを見に行っただけの、迷惑千万な人間であったというだけなのでした。

 ほんとにジャマだなあ。

 スミマセン。

 ちなみに、築地のちょっと先でやっている「冬コミ」には行ってません。

Fujifilm X10 @Sugamo, Ueno and Tsukiji (c)tsunoken

2014年12月28日 (日)

「電気のF1」静かに熱く かつての英名門サーキットに活気 試走に若者ファン集う

 今日の日経新聞は『「電気のF1」静かに熱く かつての英名門サーキットに活気 試走に若者ファン集う』をクリップ。

F1

『かつて名門とうたわれた英国のサーキット場に活気が戻り始めた。原動力は9月に開幕した電気自動車レース「フォーミュラE」だ。参戦チームが各国から集まり、騒音や排ガスを抑えたマシンのテスト走行に励む。本家のF1(フォーミュラ1)発祥の国で高まる次世代モータースポーツの機運。今後の可能性を秘めた分野だけに幅広い関係者が注目している。

 英イングランド中部の都市ダービー。ロールス・ロイスなどが製造拠点を置く工業都市の郊外に、全長約4キロのサーキットコースを持つ「ドニントン・パーク」が広がる。

 赤や青、銀など色とりどりのレーシングカーが猛烈な速度で駆け抜けるが、エンジンの爆音はなく、代わりに「キューン」という耳慣れない小さな電子音が聞こえる。疾走するのは電気自動車。修理のためピットインする際は「静かすぎて、整備士がマシンの到着に気づかないため」(サーキット場関係者)、係員が合図のサイレンを鳴らしている。

 ドニントン・パークは1931年にオープンした英国きっての名門サーキット場として知られる。93年には自動車レースの最高峰F1も開催されたが、2009~10年、金融危機の影響で一時閉鎖に追い込まれていた。

 こうしたなか、電気自動車のF1と呼ばれるフォーミュラEの第1回大会が今年9月、北京で開幕し、最終戦は来年6月に英国で迎える。ロンドン中心部近くのバタシー・パークで開催予定で、にわかにテスト走行の拠点としてのドニントンに光が当たり始めた。

 日本からは元F1ドライバーの鈴木亜久里さんがオーナーを務める「アムリン・アグリ」が参戦を果たした。メンバーの女性ドライバー、キャサリン・レッグさん(34)は「観客の歓声が聞けるのがうれしい」とハンドルを握る手に力が入る。

 騒音や排ガスの懸念から縁遠いモータースポーツに対し、運営者側の期待は大きい。フォーミュラEの統括会社の最高経営責任者(CEO)、アレハンドロ・アガグさん(44)は「新たな世代のためのレースだ」と強調する。テスト走行目当ての行列が会場の外にできるなど、若者のファンは着実に育っている。

 自動車以外の業界も熱い視線を向ける。半導体大手、米クアルコム社は、充電器を接続せずに給電できる非接触型の高速充電システムを提供する。既に緊急時にレーシングカーを先導するセーフティーカーに使われており、同じシステムをレーシングカーにも搭載する計画だ。

 現在は蓄電量が低下すれば、レースの最中にマシンを乗り換える必要があるため、事業開発担当のアンソニー・トムソンさん(47)は「いずれ走行中の充電が実現できれば、一段とレースが面白くなる」と話す。

 英国では1950年に第1回のF1開幕戦が開かれた。本家ではルーブル危機のあおりを受けたロシア資本のチームが撤退するといった逆風も吹くが、次世代技術を生かしたモータースポーツは伝統の地に根をはりつつあるようだ』

 フォーミュラEという電動自動車によるレースは今年、北京で第1回のレースが行われ、日本ではテレビ朝日が中継しているのを見た。

 本当のF1のような爆音はまったく轟かせない静かなレースはある種感動的でもあった。しかし、蓄電量が少なくて途中でマシンを乗り換えなければならないなど、まだまだ改善の余地は多そうだ。

『新文化』20104年出版界10大ニュース

 出版会唯一の専門紙『新文化』12月25日号は例年の通り『2014年 出版界10大ニュース』であります。さて今年はどんな年だったの?

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①消費増税で書店の販売環境が悪化 売上減少、いまだ「底」みえず

『取次ルートにおける出版販売金額は年間を通じて前年比5%程度の減少とみられ、昨年1兆6800億円だった販売金額は1兆5000億円台になる可能性も高い。
 今年4月からは消費税が8%になったことで、書店の販売環境はさらに悪化。依然底が見えない状況が続いている』

 とは言うものの、一方では

『電子書籍の点数は、経産省の支援事業「コンテンツ緊急電子化事業」(緊デジ)などもあり、12月19日現在で72万点に及んでいる。スマホなどの新たなプラットフォーム向け配信点数は68万点(hon.jp調べ)。
 2013年は、神の書籍・コミックスの売上げが9878億円で前年を下回ったが、電子書籍の売上げを加えると1兆0800億円前年比0.8%増になっている。
 14年は電子書籍の売上げが1000億円を超えるとみられており、紙の書籍の落ち込み分を電子書籍が補てんするかたちとなることが予想される』

 というのだから、書店業界は苦しいかもしれないが、出版業界全体ではいい傾向だといえるのではないか。

②著作権法改正が成立 出版権、電子書籍に拡張

『ネット上の海賊版を差し止めるため、出版界は著作隣接権の創設を求めたが、経済界などの高い壁に阻まれ、出版権を電子書籍に拡張することで決着し、著作権法の改正が4月25日、参議院本会議で可決・成立した。出版界が要求した出版権の紙と電子の一体的な設定も認められず、著者と出版者の出版権設定契約が不可欠となった』

 というのは当たり前で、これまで出版契約もなしに出版活動を行ってきた業界自体がおかしいのである。

『書協や出版協などは出版契約書ヒナ型(紙・電子の一体型、紙版のみ、電子版のみ)を作成、出版協は9月29日、書協は10月15日に説明会を開いた』

 って、なんて遅れた業界なのかしら。

③大阪屋、本社売却し37億円を増資 債務超過解消で〝再生″へ

 これって、昨年の10大ニュースの『①大阪屋、楽天などの出資暗礁に 臨時株主総会は来年に持ち越し』の続編であります。今年は定時・臨時株主総会を2月、6月、10月11月の4回開催し、楽天、講談社、小学館、集英社、KADOKAWA、大日本印刷などが増資分を引き受け、160人の早期退職、大阪本社社屋を売却して債務超過を解消したというもの。

 とは言え、売上げ増はあまり期待できないので、来年のニュースではどうなるか?

「大阪屋 やっぱり会社整理」とか? 大竹さん、どうするの?

④割引サービス、消費税免税…アマゾンが話題の中心に?

『出版社の格付けや、販売データの突然の有料化、その一方でコンビニ受取りなど各種サービスを拡充するアマゾンは、年間を通じて話題の中心にあった』

 という一方で

『アマゾンほか電子書籍を海外のサーバーから配信する事業者は、消費税が免税となっている問題では、超党派の議員が公平課税の施行前倒しに前向きな姿勢を示した』

 という話題も提供した。

⑤超人気!キャラクター「妖怪ウォッチ」 800億円市場創出!社会現象に

『小学館の「妖怪ウォッチ」が大ヒットし、社会現象になった。ドラえもん、ポケモンに続く人気キャラクターに育った。その市場規模は800億円以上、関連商品は1000点超となり、いまも売れ続けている』

 う~ん、相変わらずキャラクター作りのうまい小学館だなあ。

⑥文具・カフェ・雑貨…書店複合化進む 取次各社、新業態に取り組む

『出版社や取次各社が「書店マージンの向上」に様々な施策を打ち出すのと並行して、書店の複合化が進んだ。主要な書店を中心に「文具・雑貨」「カフェ」「コンビニ」を併設する新規出店、リニューアルが相次ぎ、収益性の高い店づくりに挑んでいる』

 まあ、基本的に収益性の向上というのは、小売店なら当然皆考えていることで、やっと書店も自分で考えることが出来るようになった(ただし、未だに一部の書店だけ)ということなのだろう。まだまだ、複合化・新業態はこんなもんじゃないという気がするが……。

⑦KADOKAWAとドワンゴが経営統合 ネットから書店に送客

『KADOKAWAとドワンゴが経営統合し10月1日、㈱KADOKAWA・DWANGOが誕生した。
 昨年10月には出版社10社を統合して社名も変更。今年はドワンゴとの統合を果たし、日本発の「コンテンツプラットフォーム」の構築に向けて、アクションを起こしている』

 う~ん、保守的な日本の出版業界の中では動きの速い角川歴彦さんだが、本当のこと言うと、この程度の合従連衡は他の業界では当たり前のとこ。まあ、変な話、こんなことが10大ニュースになるくらい、日本の出版業界は遅れている、ってことなのかも知れない。

⑧ミリオンセラー、今年は1点のみ 文芸書、トップ20に4点

『昨年の豊作から一転、今年のミリオンセラーはアスコム『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』の1点のみだった、。文芸書が振るわず、日販・トーハンの年間ランキングでトップ20入りしたのは和田竜『村上海賊の娘』(新潮社)や村上春樹『女のいない男たち』(文藝春秋)など4点。
 一方、中国・韓国バッシングの本が多く刊行され、ベストセラ-にも』

 まあ、ミリオンセラーに文芸書が入らないというのも、その年、その年ごとの作家の活動次第だからしょがないだろう。問題は、反中・反韓本の多さだ。別に、中国や韓国で「反日」の動きが多いからって言って、別に日本がそれに一対一対応して反中・反韓本を出さなくってもいいと思う。もっと、「大人の国」としての対応をすべきだ。反中・反韓本が売れるからって、それに乗るのはどうかな。まったく浅薄極まる話だ。

⑨特定秘密保護法が12月10日施行 署・雑協が廃止訴える

『国民の「知る権利」や「報道の自由」を損なう怖れから、出版界が反対の声を挙げ続けた特定秘密保護法が12月10日、施行された。審議時間の短さや対象範囲のあいまいさなど多くの問題点が指摘されている』

 まあ、安倍晋三首相の右翼的・保守的傾向は分かりやすくていいのだけれども、この人の心境からすると、じゃあ特定秘密保護法とか集団的自衛権とかを発動はできないだろう。なにしろ、内部進学で成蹊大のお坊ちゃんだぜ、そんな命を懸けた決定なんかできないくせに、見栄だけでやっている、って感じなんだけれどもな。

⑩「料理レシピ本大賞」創設 主婦と生活社がダブル大賞

『書店発の「書店大賞」が全国各地で盛り上がっているなかで、今年は書店員有志と取次各社が実行委員会を組織して「料理レシピ本 in Japan」大賞が創設された。これまで小説など文芸書分野で書店賞をつくる動きはあったが、実用書部門では初めて』

 というのも、実用書では「著者」というのは、あくまでも編集者の企画にあわせて「本を書いた」というだけで、著者としては尊敬されないものだったからだ。その辺が、自分で企画して書く文芸書との違いがある。

 とは言うものの、書店員が今まで以上に注目の的になることはいいことだと思う。「出版界」というのは、出版社の人間だけじゃなくて、出版社、印刷会社、製本会社、広告会社、取次会社、運送会社、書店など多くの人たちで作られる業界なのだからね。特に末端の、ということは一番ユーザーに近いところにいる書店員に焦点があたるのはいいことだ。

2014年12月27日 (土)

『自分の運命は他人が決める』って言うけど、やっぱり自分で決めてるじゃん

 実はこの本、鳥井弘文という人がやっているブログ「隠居系男子」で『なぜ若者は旅をしたほうが良いのか。』という記事があってそこに

『例えば東南アジアに旅に行くとするでしょ。で、空港に降りて外に出たらばタクシーの運転手がウワァーって来るじゃん。その中から、誰か一人を選ばなきゃいけないわけよ。その時に絶対自分の感覚が研ぎ澄まされて、「あいつはボッタクりそう、こいつは騙さなそう」って何かしら判断する。で、読みが外れてボッタクられたり、無事に切り抜けたりしているうちに、だんだん判断が鍛えられてくる』

 という引用があったので、てっきり旅の本だと思って読んでみたら、そうじゃなくて起業の本だったのだ。

Photo『自分の運命は、他人が決める。 主体性ゼロの起業術』(小倉ヒラク著/WOODY/2014年11月3日刊)

 なので、旅に関する記述は、他には

『高校であんまり友達ができなくて、『シェルタリング・スカイ』とか『深夜特急』とか、そういう「異国への一人旅」に憧れて、あちこちバックパッカー旅行に行くようになりました』

 くらいなもので、あとは奇妙な起業話が続くのである。

 とは言うものの、結構その奇妙な起業話にも頷けるところがあって、

『ちゃんとビジネスモデルを組み立てると、優秀な人は沢山居なくても会社は伸びるってことがよく分かったっていう』

 とか、

そのモデルがいったん動き出すと、スタッフひとりひとりのパフォーマンスに依存せずに、ちゃんと事業が成長するようになる。そういう、「属人化しないモデル」をつくりあげた経営者の二人は優れていたよね』

 なんていうところはなるほどなあ、と思えるのである。

 なにしろ最初に入った「あきゅいらず美養品」という訳のわからない会社自体が変なのである。

『でも、そこもヘンな会社だった(笑)。面接に行ってみたら、アパートの壁をぶち抜いてすごい変な色に塗ってある、ベトナムのファンキーなバックパッカーカフェみたいなわけの分かんないオフィス』

 とか、

『そういうベンチャーが急拡大する時期に働きだしたので、当然何でもするじゃん。入って3ヶ月目くらいの時に社長にいきなり呼ばれて、「あんた新卒採用の担当やりなさい」とか言われて。「僕就活もしたことないのにできません」と言ったら「ヒラクくんは元気が有り余っているからできる」みたいなよくわからない説得をされて(笑)』

 って、やっぱり変でしょ。

『ひと通り仕事を覚えてからは、もう本当に経営に近いところで社長・副社長と一緒にいて。どういう経営の方向性で行くのか、どういう会社でありたいのかを経営者と一緒に考えるところまでやるようになりました』

 というのが起業のきっかけみたいなんだけれども、

 でも、結構理念みたいなものは持っていて、

『そういう風に“もしダメであっても自分がこれだけあれば幸せだ”っていうものがあれば、全然怖くないなって気付いた。もっとカッコいいセルフイメージ持てよって話だけど(笑)』

 っていうのは、結構大事なことではないか。

『僕そのとき26歳ぐらいで生意気盛りだったから、勝手に「仕事のルール」みたいなのをつくりました。一つは「代理店とは仕事しない」、次に「経営に関わるひととしか仕事しない」、最後に「社会に役に立つことしかしない」。いま思うと「お前なにをエラそうに」っていう感じなんだけど(笑)』

 って、これはこれで大事な理念だし、

『1回目の独立の時にまったく理念がなかったのに、2回目の起業の時になぜ理念があったかというと、仕事を通して出会った人のおかげだよね。お金もないし実績もない自分にたまたま仕事をくれたお百姓さんとか、地場産業の職人さんとか、生態系の研究をしている人達とか。いわゆる一般的な経済から外れたところで動いている人達の影響』

 というのは基本的に大事な経営理念ではある。

『街場の中小企業モデルなんだよね、僕は。ベンチャーとかスタートアップっていうよりは、単純に中小企業なの』

 なんて完璧に起業イメージとして重要なことである。

 つまりベンチャーとかスタートアップっていうのは、最初は中小企業、零細企業として始まって、成功すれば大企業になれるんだが、その殆どは中小企業か零細企業のままに終わってしまうのである。

 それでも、起業できれば当初の目的は果たせたわけで、それでも満足しなければならないというところなんだけれども、でも起業する時には、皆、成功イメージを持って起業するので、なかなか満足のいく結果にはならないっていうだけで……。

 実は結構堅実な考え方で起業している小倉ヒラク氏なのであった。

『主体性ゼロの起業術』なんてウソウソ。

『自分の運命は、他人が決める。 主体性ゼロの起業術』(小倉ヒラク著/WOODY/2014年11月3日刊)電子版だけの発売。最近こういう本が増えてきたなあ。その分、お気楽に読めるんだけれどもね。

2014年12月26日 (金)

CO2と水で自動車走る 資源小国・日本の救世主

 日経新聞のこんな記事をクリップ。題して『CO2と水で自動車走る 資源小国・日本の救世主』

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『2020年初頭。ゴミ焼却場の隣接地に設けられた巨大プールを眺めると、その底にはいくつもの半導体パネルが太陽に向かって設置されていた。まるで太陽光発電の装置のようだ。だが、発電するわけではない。ゴミ焼却場が排出する大量の二酸化炭素をこのパネルで取り込んで一酸化炭素を生成。自動車数百台が1日に使う燃料に作り替えた――。

 この青写真が日の目をみる決め手となる技術が人工光合成だ。この技術は水と二酸化炭素からエネルギーをつくり出す光合成の原理を応用する。半導体パネルで太陽光を受け、水を酸素と水素イオンに分ける。次に触媒を使って水素イオンで二酸化炭素を分解し、メタノールなど燃料の原料になる一酸化炭素を作る。厳密に言えば空気から燃料を直接作るわけではないが、環境汚染の原因となる二酸化炭素を自動車の燃料やプラスチックの原料になるメタノールに作り変えることができる』

 というのがその記事。当然、そうした研究は各国で行われているが、日本の東芝研究開発センターが一歩先んじてエネルギー変換効率の上昇に成功。主導権を握る可能性が出てきたというのだ。

 結構、楽しみな話だ。

JXエネ、水素スタンド第1号を開設 1キログラム1000円で販売

 今日の日経新聞は『JXエネ、水素スタンド第1号を開設 1キログラム1000円で販売』をクリップ。

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『JX日鉱日石エネルギーは25日、神奈川県海老名市で同社初の水素スタンドを開設したと発表した。販売価格は1キログラム1000円。トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「ミライ」の場合、水素5キログラムで700キロメートル走行できるとされている。2014年度中に首都圏中心に23カ所、15年度末までに40カ所を整備する。

 店舗型スタンドは14年度中に東京や神奈川など関東4県での9カ所を含め全国に計13カ所を整備する。このうち3カ所は水素専用スタンドで、残りは既存ガソリンスタンドに併設する。さらに移動式も10カ所開く。

 岩谷産業が2カ所開設しているスタンドでは1キログラム1100円で販売しており、JXエネはそれを下回る価格で販売する。

 現在は採算割れだが、JXエネでは1スタンドあたり2000台程度のFCVが定期利用する状況になれば、今後の製造や輸送などでの技術開発と合わせて採算が取れるとみている』

 という記事。

 いよいよトヨタのFCV「ミライ」発売に向けて動きが激しくなってきた。

妙高市と駒込と調布と上越の光源寺

 来年の年賀状の受付が12月25日というのを知ったのが一昨日のこと。なので、昨日は一日中かかって年賀状を作っていた。

 ということで、今日は小ネタでスマソ。

 私の妻の実家のお寺が新潟県妙高市栗原にある「光源寺」というお寺なのだが、先日、家の近所を歩いていたら駒込学園の隣にあるお寺が「光源寺」だというのを発見。

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「浄土宗 天昌山 光源寺」というのが正式名称で、「駒込大観音」という別称もある。

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「明珍本家の墓」というのがあるそうだが、そもそも「明珍本家」とは何なのか?

『平安時代、京都九条の甲冑師・鐔工(つばこう)であった宗介は、その技術のすぐれていることに感をうたれた近衛天皇(1141~1155在位)から「明珍」の号を授かったと伝えられている。以来、その一族は明珍姓を名乗るようになり、代々各地で甲冑・鐔作りを生業としていた』というのだそうだが、ふ~んって感じ?

Dscf55822Fujifilm X10 @Mukougaoka Bunkyo (C)tsunoken

 で、それ以外にも「光源寺」ってあるのか調べたら、調布市つつじが丘にもあった。

 本来は取材に赴くところだが、上記の理由で時間がない。で、画像は「猫のあしあと」というサイトからいただき。

Chofu_kogenji_neko_no_ashiato調布光源寺(「猫のあしあと」より拝借)

 調布光源寺は浄土真宗本願寺派のお寺。築地本願寺の寺中寺院として創建されたのが調布に移ってきたらしい。

 で、調子に乗って調べたら、実は妙高市のお隣、上越市(というか直江津)にも「光源寺」があった。

Joetsu_kogenji上越光源寺(「上越市ホームページ」より拝借)

 こちらも画像は上越市ホームページから拝借。

 こちらの光源寺は親鸞の弟子、最信が創建したお寺なので結構由緒があるお寺だそうだ。勿論、親鸞の弟子なので浄土真宗大谷派のお寺。

2013_08_05_00612こちらが妙高市栗原にある光源寺(RICHO GRDⅢ @Myoukou City (c)tsunoda)

 勿論、ここも浄土真宗大谷派のお寺なので、上越市の光源寺の分家なのかなあ。今度行ったときに聞いてみよう。

 

2014年12月25日 (木)

稼ぐ力、東大が2年連続首位 私立は帝京大が浮上

 今日の日経新聞は『稼ぐ力、東大が2年連続首位 私立は帝京大が浮上』をクリップ。

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 2013年の決算を、全国の86国立大学(大学院大学も含む)と大学院も含めた学生数が1万人超などの基準で主要43私立大学を絞り込み、日経新聞が集計したもの。国立大学は「当期総利益」、私立大学は「帰属収支差額」でもって比較したものだ。

 東大の当期総利益は49億円で、2位の大阪大学に10億円ほどの差をつけて圧倒的に引き離しているのはさすが。以下、東北大学、東京医科歯科、名古屋大学、京都大学と続いている。

 私大では帝京大学が帰属収支差額が169億円と、これまた2位の近畿大学を60億円以上離して圧倒的なトップ。以下、帝京平成大学(!)、早稲田大学、立正大学(!)と続いているが、慶應大学が47億で8位というのは意外だが、資産運用ランクでは逆に55億円とトップなのはさすが。

 その他、私が気になった大学では、日本大学が33億円で13位、中央大学が14億円で21位、立教大学はマイナス1億9千万円で赤字転落というのはちょっと情けない。

志村城(山公園)

 12月5日に『赤塚城(址公園)と東京大仏』を書いたので、今回はその支城である志村城に行ってきました。

 そう、このところ東京や関東の城跡にコッているtsunokenです。

 都営地下鉄三田線志村三丁目の駅をおりて数分あるくと、出てくるのが「志村白山公園」。

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 で、その公園に入るとこんな階段で山に登ります。

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 で、えっちらおっちら山登りをすると出てくるのが「熊野神社」。

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 神社の境内に入ると早々に「志村城跡」という碑と……

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 こんな説明書き。実に簡単に見つかってしまい、少々拍子抜け。

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 で、この熊野神社は二の丸にあたり……、

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 本丸はこちらの志村小学校のところにあったそうだ。

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 で、本丸(志村小学校)と二の丸(熊野神社)の間にあるのが空堀跡であります。

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 なので本当はこの公園は「志村白山公園」ではなく、「志村白山下公園」と呼ぶべきなんじゃないだろうか。

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 確かに、赤塚城ほどの大きさはない志村城。やはり支城なんだな、と納得。

Fujifilm X10 @Shimura Castle (c)tsunoken

2014年12月24日 (水)

講談社が謎のサイトをオープン

 講談社がなんだかよくわからない謎のサイトをオープンした。

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 あと11日ということなので、1月5日になんのことだか分かるということなのだが……。

 それにしても「5・6・7」って、何?

 謎のサイトはコチラ

『鉄道沿線をゆく 大人の東京散歩』でちょっと残念なこと

『鉄道沿線をゆく』っていう鉄オタ、あっ失礼! 「鉄子さん」もいるんだってことに、ちょっと感動!

Photo_2鉄道沿線をゆく 大人の東京散歩』(鈴木伸子著/河出文庫/2010年9月20日刊)

 とは言うものの、かんじんの山手線が池袋と大崎だけで、駒込に関する記述が

『駒込から田畑に向かって歩いた地点で、山手線が急勾配を上がってゆくのを眺めるのもおもしろい。その手前には、山手線唯一となった踏切があって、山手線と湘南新宿ラインが二股に分かれ、片方は急勾配を上がり、片方はトンネルをくぐってゆくというドラマチックな分岐点となっている。電車の行き来を堪能したら、踏切を渡って駒込駅方向に戻り、駅前の駒込銀座の商店街を散歩する』

 ってだけなのがちょっと残念。

 その他では、京浜東北線東十条の章で

『十条、駒込、巣鴨など、都内北部のこのあたりには、商店街を抜けるとまた別の商店街が続いているという魅力的な街が多く見られる』

 つまり、駒込に関しては「霜降銀座商店街」から「そめい銀座商店街」のことなのかな。

 もうひとつは同じく京浜東北線田端、上中里の章で

『駒込から田端に向かって、山手線の線路に沿って歩いて行くと、その途中には山手線で唯一の踏切である第二中里踏切があって、都心の味わい深い鉄道風景となっている、すぐそばに巨大なゴルフボールのオブジェがあるこの地点は、山手線車窓からもよく見えるので、多くの人に知られている地点のはずだ』

 という位かな。

 その他、私が気に入ったというか、私も良く知っている場所の記述としては、常磐線の章で

『駅前の線路近くには、「尾花」という大きな紺色の暖簾を掲げたうなぎ屋がある。明治初年に「江戸天然うなぎ」を名物として創業した店だ。昔々からこの地にあったような貫禄を漂わせているが、実は大正期に音羽から現在地に移転したのだという。今はいつも天然うなぎが食べられるわけではないが、東京のうなぎの老舗として有名だ。前庭があり、玄関で靴を脱いで入れ込みの座敷に入るので、それだけで情趣を感じる。注文すると真っ当なうなぎ屋の常識として、かなり待たされてからうなぎが出てくる』

 って、それがいいんじゃないですか。ねえ。うなぎが焼きあがるのを待ちながら、肝焼きで熱燗をやるって待っている時間が一番いいんです。

 東武伊勢崎線(現在は「スカイツリーライン」)の章では

『馬道通りを挟んだ向かい側には、浅草の老舗「神谷バー」の建物がある。「電気ブラン」というブランデーのような薬草酒のような不思議なお酒が名物で、休日の神谷バー一階に行くと、昼間から年配のお客さんたちの酒盛りでいつも盛り上がっている。戦災で焦土と化した浅草でも、この神谷バーの建物は、大正十年築という、希少なもの、私はここでかつてビールをチェイサーにする「電気ブランの正しい飲み方」を教わって素直に実践したところ、真昼の浅草で泥酔。その日、浅草から家までどうやって帰りついたのかは、未だ不明だ』

 ってのはご苦労さん。

 しかし、『休日の神谷バー一階に行くと昼間から年配のお客さんたちの酒盛りでいつも盛り上がっている』というのは間違いで、別に休日でなくても『昼間から年配のお客さんたちの酒盛りでいつも盛り上がっている』のであります。だって、『年配のお客さん』は別に休日じゃなくてもヒマだからね。もう、ウィークデイだろうがなんだろうが、年配のお客さんはいつも日曜日で真昼間から宴会なのであります。まあ、この辺は鈴木伸子さんの真面目さなんだろうなあ。

 残念なのは王子の章で

『その手前にあるのは「さくら新道」という、元は王子駅前にあった闇市を移転させた飲み屋街』

 というのだが、そのさくら新道はいまは火事で焼けてしまってなくなってしまっており、飲み屋さんで残っているのはホンの数軒ということ。

 埼京線の章では

『その昔、埼京線の池袋と赤羽の間は、赤羽線だった。赤羽線には、山手線から型落ちした、ちょっと古い電車が使われていて、たまに赤羽線に乗ることがあると、都内においての「車両セコハン感覚」というのを味わったものだ』

 と書かれているのだけれども、東武東上線の章ではそんな記述がないことだ。

 実は東武東上線も東武伊勢崎線のセコハン電車が走っていたことは、鈴木伸子さんはご存じないらしい。そこは私よりは多少若いから知らなかったのかも知れないが、実はそうだったんですよ。

 そうかTwitterで教えてあげればいいのか。

鉄道沿線をゆく 大人の東京散歩』(鈴木伸子著/河出文庫/2010年9月20日刊)

鈴木伸子さんの他の『大人の東京散歩』シリーズもどうぞ

2014年12月23日 (火)

ニュー大崎ビル店舗街

 品川区大崎と言えば、いまや山手線、湘南新宿ライン、埼京線、りんかい線が走る大崎駅を始め……。

 駅前には大崎ゲートシティや……

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 シンクパーク・タワーなんていう超巨大なオフィスビルや、タワーマンションなんかができて、超未来的な街って感じなんですけれども。

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 ちょっと前までは、ソニーや明電舎の工場や、千代田グラビアという印刷会社の工場があったりした「労働者の街」だったわけです。

 で、それを象徴するようなのがこの「ニュー大崎ビル」というマンション。

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 反対側に回ると完全にマンションの風情なのだが……

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 大崎駅西口からの入り口は、何と「ニュー大崎店舗街」となっている。

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 多分、マンションを作った1978年ころには、周辺は工場ばかりなので、マンション住民の利便性を考えて1階と2階に商店街を作ったのかも知れない。

 まあ、中野ブロードウェイと同じ発想ですね。

 でも、中野ブロードウェイがいまや完全な「オタクの巣窟」みたいになったように、ここ、「ニュー大崎店舗街」もいまや完全な「居酒屋街」(飲み屋街)になってしまっている。

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 まあ、駅の反対側まで行けば、ニューシティというところにライフというスーパーマーケットも出来たし、こちら側にもコンビニも沢山ある。

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 まあ、街というものは時代に即して変化していくものである、と考えるのであれば別にどうということではないのかも知れないが、どこか、こうした未来的な街に残された「昭和レトロ」な街を見るとどこかホッとするのは、やはり私が年をとったからなのだろうか。

Fujifilm X10 @Osaki, Shinagawa (c)tsunoken

2014年12月22日 (月)

『資本主義の終焉と歴史の危機』への期待

 昨日のブログを読んだ人は「ああ、次はこの本ね」ってバレてしまっているかも知れないが、その通りです。『資本主義の終焉と歴史の危機』です。

 まあ、そろそろ資本主義の終焉がくるってことは、なんとなく分かってはいるが、その後に来る世界がすでに失敗してしまった共産主義である訳はなく、じゃあどんな経済体制がくるんだってことは誰にも分からないってのは、ちょっと不安だよね。

 とは言うものの、昨日の二つ目のブログにも書いた通り、最早フロンティアはアフリカだけか、というものの、そのアフリカ自体がグローバル化しちゃったのならどうなるのよ、ってのがこの本の論点なのだ。

Photo『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫著/集英社新書/2014年3月19日刊)

『なぜ、利子率の低下がそれほどまでに重大事件なのかと言えば、金利はすなわち、資本利潤率とほぼ同じだと言えるからです。資本を投下し、利潤を得て資本を自己増殖させることが資本主義の基本的な性質なのですから、利潤率が極端に低いということは、すでに資本主義が資本主義として機能していないという兆候です』

 なるほどなあ、つまり超低金利が20年近く続いている日本は既に資本主義国ではないというのか。ところがアベノミクスでは「第一の矢、金融緩和によるデフレ脱却」「第二の矢、積極的な財政出動」「第三の矢、民間投資を喚起する成長戦略」という、これまでの経済政策と変わらない、まさに「資本主義国ならではのインフレ策」がとられている。

『経済学者の高橋伸彰は、『ケインズはこう言った』のなかで、金利を下げられない国も。金利が下がっても不平・不満がなくならない国も、どちらも文明が破綻するというケインズの指摘を紹介しています。
 欧州危機以降、ギリシャなどの南欧諸国は、国債金利を下げられません。国の信用が失われ、大幅に上乗せ(リスク・プレミアム)した金利でないと資金調達ができずに苦しんでいます。一方で、日米英独仏ら経済大国の国債金利は低下していますが、国内の不平・不満がなくなるどころか、ますます高まっています。
 私なりに解釈すれば、利子率の低下とは、資本主義の卒業証書のようなものです。したがって、金利を下げられない国は、まだ資本主義を卒業できていない状態にあり、金利が下がっても不平・不満がなくならない国は、卒業すべきなのに「卒業したくない」と駄々をこねている状態です』

 ということからすると、超低金利に対して大声で不平・不満を言わない我が国の人々は、まだ多少は緩やかに資本主義の終焉というものを受け入れようとしているということなのだろうか。

『資本主義を乗り越えるために日本がすべきことは、景気優先の成長主義から脱して、新しいシステムを構築することです。新しいシステムの具体像がみえないとき、財政でなすべきことは均衡させておくことです。実際に新しいシステムの方向性がみえてきたときに、巨額の赤字を抱えていたのでは、次の一歩が踏み出せないからです。それは単に増税・歳出カットで均衡財政を図ればいいということではなく、社会保障も含めてゼロ成長でも維持可能な財政制度を設計しなければいけない、ということです』

 う~ん、しかし、それは難しだろうな。少なくとも安倍首相が首相でいる限りは成長主義から脱することは難しいだろうし、財界もそれを許さないだろう。むしろ財界こそが成長主義を推し進めていて、短期的なことしか考えていないから、円安になって喜んでいたり(一方で、円安で困っている中小企業は無視して)、超低金利(というかマイナス金利になっていても)すらも受け入れているのである。どうせ内部留保しているから、銀行金利は関係ない、ってね。

『資本主義と一口に言っても、その時代時代に応じて、中身は異なります。資本主義が勃興する時代には重商主義でしたが、自国の工業力が他国を圧倒するようになると、自由貿易を主張し、他国が経済的に追随して自国を脅かすようになると植民地主義に代わり、IT技術と金融自由化が行き渡るとグローバリゼーションを推進したのです』

『マルクスの『共産党宣言』とは真逆に、現在は万国の資本家だけが団結して、国家も労働者も団結できすにいる状態です。労働者が連帯するのは現実的に難しい以上、国家が団結しなければ、資本主義にブレーキをかけることはできません』

 というか、グローバリズムでもって企業は易々と国境を超えてしまって、いまや「国民国家」なんて言葉は誰も信じやしない。

『資本主義の凶暴性に比べれば、市民社会や国民主権、民主主義といった理念は、軽々と手放すにはもったいないものです。実際、今すぐに革命や戦争を起こして市民社会を倒すべきだと主張する人はほとんどいないはずです。もちろん民主主義の空洞化は進んでいます。しかし、その機能不全を引き起こしているものが資本主義だとすれば、現在取りうる選択肢は、グローバル資本主義にブレーキをかけることしかありません』

 とはいうものの、グローバリズムは現在の社会の趨勢だから、それを押しとどめることは難しいだろう。だとすると、資本主義の終わり方は水野氏が期待する「ソフト・ランディング」にはならずに、中国バブルの崩壊が世界を揺るがすという「ハード・ランディング・シナリオ」になるだろう。

『バブルが弾け、経済が冷え込めば、国家債務は膨れ上がりますから、財政破綻に追い込まれる国も出てくるに違いありません。日本はその筆頭候補です。
 これまでの歴史では、国家債務が危機に瀕すると、国家は戦争とインフレで帳消しにしようとしました。つまり力づくで「周辺」をつくろうとしてきたわけです。
 しかし現代の戦争は、核兵器の使用まで想定されますから、国家間の大規模戦争というカードを切ることはおそらくないと思います、けれども、国内では、行き場を失った労働者の抵抗が高まり、内乱の様相を呈するかもしれない。資本家対労働者の暴力的な闘争、そして資本主義の終焉というマルクスの予言にも似た状況が生まれるのではないでしょうか』

 なるほどなあ、ということは、あと10年か20年後くらいにはまさしくマルクスの予言が当たるということなのかも知れない。う~む、それは楽しみだなあ。

 とは言うものの、日本ではそんな「資本家対労働者の暴力的な闘争」というものは起きないだろう。というか、日本にそんな労働者に敵対する「明確な」「分かりやすい」資本家なんていないものなあ。多分、日本ではもうちょっと緩やかな資本主義の終焉というものが起きるのではないかと予想するのだ。

『私がイメージする定常化社会、ゼロ成長社会は、貧困化社会とは異なります。拡大再生産のために「禁欲」し、余剰をストックし続けることに固執しない社会です。資本の蓄積と増殖のための「強欲」な資本主義を手放すことによって、人びとの豊かさを取り戻すプロセスでもあります』

 ということは、やはりそれは計画経済を行わなければ実現しないだろう。

 それが世界規模で行われたら、まさしくそれこそがマルクス、レーニン、トロツキーが夢見た世界なのかもしれない。

『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫著/集英社新書/2014年3月19日刊)Kindle版も出ていたんだ。そりゃ最初に紙版を刊行してから半年以上も経っているものなあ。

2014年12月21日 (日)

東南アジア、賃金2~3割上昇 中国に迫る

 今日は日経新聞1面トップ『東南アジア、賃金2~3割上昇 中国に迫る』をクリップ。

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『日本企業の生産移転が続く東南アジア各国で労働者の賃金が急上昇している。2015年の月額最低賃金はインドネシア、ベトナム、カンボジアで前年比2~3割上がる。一部の国では中国の主要都市の8~9割の水準に達する。低賃金を求めて中国から東南アジアに拠点を移してきた日本企業にとってコスト上昇要因となり、対応を迫られる。

 1990年代から低賃金を求めて日本企業などは、中国に生産拠点を構えてきたが、中国の主要都市ではここ4~5年で最低賃金が1.5~1.6倍になった。コスト上昇に直面した企業は中国以外に新たな工場立地を探る「チャイナ・プラスワン」戦略を進め、東南アジアに生産を移転してきた。

 だが、ここに来て東南アジアの一部で中国以上に賃上げが加速している。

 翌年の最低賃金水準は年末にかけて決める国が多い。これまでに明らかになった15年の上昇率では国別ではカンボジアが28%で最も高い。

 インドネシアの15年の主要都市の最低賃金は最大で2割強伸び、円換算で約2万7000円と北京や工場集積地である広州など中国主要都市の約9割の水準になる見通しだ。10年比では2.6倍にもなる』

 ということは、最早フロンティアはアフリカしかないというのだろうか。

JR日立駅の海の見えるカフェで常陸野ホワイトエールを飲む

 JOMO→ENEOSの前身である日本鉱業は日立銅山を買収したことから歴史が始まる。

 で、その日立銅山の機械のメンテナンスをしていたことから始まったのが、日立製作所(HITACHI inspire the nextのHITACHI)の起源である。

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 つまり、茨城県の日立市っていうのは、完全に日立関連企業の企業城下町であり、ということは、朝夕は別として昼間はまったく町から人の姿が見えなくなってしまっている。

 この辺は豊田市なんかも同じで、企業城下町の宿命なのかもしれない。

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 ところが、そんな日立市で唯一昼間っから賑わっている場所(店?)があるのだ。

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 それがJR日立駅海岸口にある「海の見えるカフェ」である。

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 称して「SEA BiRDS CAFE」。

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Sea Birdsだから「海鳥」とか「ウミネコ」というような意味なんだろう。アメリカにSea Bird Electronicsという海洋開発機器の会社があるようだが、それとは関係ない(当たり前だよね)。

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 で、そこでいただいたのが上の写真の「常陸野ホワイトエール」。小麦ベースのエールビールで、オレンジやコリアンダーなどが加えてあるビールで、ちょっと不思議な味。

 作っている木内酒造は日立市と隣接する茨城県那珂市の日本酒の造り酒屋。でも、ビールも作っちゃうんだなあ。

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 まあ、やっぱり茨城県に行ったら茨城のビールを飲まなきゃね。

 で、カフェからの見晴はこんな感じ。太平洋が目の前です。

 いいなあ……津波は怖いけど。

 SEA BiRDS CAFEのサイトはコチラ

 常陸野ホワイトエールについてはコチラをどうぞ

2014年12月20日 (土)

Tor使った匿名告発サイト日本版、来年稼働へ 「技術でジャーナリズムの刷新を」

 今日は「IT mediaニュース」から『Tor使った匿名告発サイト日本版、来年稼働へ 「技術でジャーアナリズム刷新を」』をクリップ。

Tor

『匿名化ツール「Tor」を使って匿名で内部告発できるサイト(内部告発.jp)が、来年2>月ごろの本格稼働を目指して準備を進めている。サイトはすでに構築済み。今後、告発を受け取るジャーナリストの確保など準備を進め、来年2月ごろの本格稼働を目指す。開発者で駿河台大学講師の八田真行さんは、「技術を使ってジャーナリズムの刷新に関与できればうれしい」と狙いを語る。

 内部告発プラットフォーム用のフリーソフト「GlobaLeaks」を活用して構築した。URLは「http://4ge3uua3uaxuhhaq.onion」(Tor経由でのみアクセス可能)。現在は八田さんがダミーとしてジャーナリスト登録しているが、実際のジャーナリストは参加しておらず、デモサイトのような状態になっている』

「IT mediaニュース」はコチラ

秀作和書を電子書籍で世界へ 翻訳ビジネスに新風

 今日じゃないけど昨日の日経新聞からクリップ。『秀作和書を電子書籍で世界へ 翻訳ビジネスに新風』

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 著者のエージェント業を結構早い時期から始めていたクリーク・アンド・リバー社が始めるビジネス。

 海外の出版社に版権を売らなくてもいいということではハードルは低いが、そのためには日本で海外のマーケット情報を持っていなければならないという難しい問題もある。クリーク・アンド・リバー社というのは作家のエージェントなので、これまでは海外の出版社に作品を売り込んで、出版社が自国のマーケットを見ながら買うかどうか判断したわけだ。それを日本にいながら各国のマーケットについての情報をどこまで収集できるか、というのがビジネスが成功するかどうかのキーポイントになるだろう。

 まあ、始めは「クール・ジャパン」らしくコミックからになってしまうのは仕方がないのかな。小説なんかが諸外国に売れるようになるのはちょっと難しいかも知れない。


『モノクロ×ライカ』って最高の写真の撮り方だ

『写真家 秋山泰彦が 愛用のライカで パリ~ブリュッセルを モノクロフィルムで 撮った写真集。』と腰巻に書いてある通りなんだけれども……

Photo 『モノクロ×ライカ フランス・パリ~ベルギー・ブリュッセルをライカで撮る』(秋山泰彦著/スタイルノート/2010年7月6日刊)

 それだけではない。

 基本的に三部構成になっていて、まず最初は「ライカを楽しむ10のポイント 愛機であるM型ボディを例に」という記事ページがあって、次が「モノクロ×ライカ 写真 フランス・パリ~ベルギー・ブリュッセルをライカで撮る」という、この本のコアな写真集があって、最後が「旅の記憶 パリ~ブユッセルでの7日間」という撮影記がある。

 まず「ライカを楽しむ10のポイント」では、初っ端が何と「バースディ・ライカ」なんだなあ。

 最初、秋山氏は「バルナック型のⅢfとズマリット50mm/f1.5」を購入したのだが、バルナック型のファインダーが距離計用と撮影用に分かれているのが使いづらくて1年ほど使って手放してしまう。

 で、秋山氏はバースディ・ライカを手に入れる。1966年生まれらしい秋山氏なので、そこはライカM3になる訳で、M3は1954年に登場したので1951年生まれの私の場合はバルナック型のⅢfになるのだが、私の持っているライカはM3の初期型のツイン・ストロークのモデルだ。M3はファインダーが50mmまでしかないので、35mmレンズを付けるとなると「メガネ付き」かビュー・ファインダーを付けて使うことになる。で、ここは「M3ボディとズマロン35mm、f2.8、メガネ付き」ということになる。

 私なら、35mmや28mmレンズだったらM6の方を使うだろうし、50mm、90mm、125mmだったらM3だな、いやいや、以前はM5も持っていた。なんてちょっと自慢したりしてね。

 いやいやしかし、ライカ使いの潔さは「ワンカメラ+ワンレンズ」に止めを刺すのであるから、M3とM6を使い分けて、なおかつレンズも沢山持っていくというのは下品なのであります。アンリ・カルチエ・ブレッソンだって、木村伊兵衛だって、カメラはM3に50mmレンズだけなのである。たったそれだけのワン・イシューでもって名写真をモノにするというのが、正しいライカ使いなのであります。

 で、その「M3ボディとズマロン35mm、f2.8、メガネ付き」でもって撮ったパリやブリュッセルの写真はどうなんだと言えば、それはそれ、パリは被写体が最高であるから何を撮ってもサマになってしまう。ウジェーヌ・アジェの『パリ』でも、安井道雄の『パリのカフェで』でも傑作写真ばかりだ。更に言ってしまうと、パリで写真を撮るとみんな絵葉書みたいになってしまうきらいがある。それが要注意事項だ。

 絵葉書的でないパリ写真といったら森山大道くらいしか知らない。

 で、40葉のパリとブリュッセルの写真があって、最後が『「旅の記憶 パリ~ブユッセルでの7日間」という撮影記』だ。

 で、その撮影記の末尾に「旅のまとめ」が書かれていて……

●カメラはタスキ掛けにすること
●どこでもそうだが変な時間には出歩かない
●移動は地下鉄または、バスが便利
●現地での日本食は期待するな
●フランス人は冷たい
●トイレはどこに行っても有料
●愛煙家にはやさしい国
●少年ギャングに気をつけろ

 の8項目が並んでいる。

 どれも私も経験したことだし、未だにそうなのかと、ちょっとガッカリしたり。

 つまり「フランス人は冷たい」という項目。

 以前、私が初めてモナコへ行こうとしてシャルル・ド・ゴール空港でフランス国内線にトランジットしたら、飛行機が強風のため、本来ニースに行く筈なのにマルセイユに降りてしまった。やむなくマルセイユから列車でモナコまで行こうとマルセイユ駅に行って窓口で切符を買おうとしたら、窓口のお姉ちゃんがまるでこちらの存在を無視している。なおかつ、しつこく切符を売れって言っていたら、無言で右の方を指さす。で、そちらの窓口に行ったら「Je parler anglais」なんて、フランス語で「I Speak English」という看板が出ている。つまり、「私は英語なんか喋る気ないけんね」というポーズなんですな。こりゃあ、さすがにおフランス帝国主義の国なんだと、妙に納得した経験がある。

 さらに、パリのカフェの立ち飲みカウンターで煙草を吸おうと「アシュトレィ?」と言ったらバーテンが指で下を指す。「うん? 何だ?」と下を見れば、そこは吸殻だらけ。つまり、煙草の吸殻はそのまま地面に捨てろってわけ。確かに、街を歩いていても歩き煙草の人はいっぱいいるし、犬のウンチもそこらじゅうにある。

 まあ、なんてパリは汚い街なんだろう、というのが私のパリのファースト・インプレッションなのであった。

『モノクロ×ライカ フランス・パリ~ベルギー・ブリュッセルをライカで撮る』(秋山泰彦著/スタイルノート/2010年7月6日刊)

「アジェ:パリ」「パリのカフェで」もどうぞ

2014年12月19日 (金)

『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』を今更読んでもなあ

人事コンサルタントの城繁幸氏が書いた本なので、当然ノンフィクションだろうと思ってポチッしたら、小説だったとは……、勿論テーマは当然「終身雇用の罪と罰」「同一労働同一賃金制度」だ。

10 『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』(城繁幸著/夜間飛行/2014年6月20日刊)

 連合が傘下の企業を使って横浜ベイスターズが(多分)モデルのプロ野球チームを買収。そのチームに終身雇用制度を導入しようっていうバカげた話なんだが、全15話の話にすべて教訓やら、演習やら、コラムがついている。

第1話 日本型雇用の未来は君の肩に……
 教訓1 主体性を持って仕事をする

第2話 波乱の記者会見
 教訓2 嘘と本当を見分ける目を持つ

第3話 見よ、あれがユニオンズの星だ
 教訓3 会社と戦えるように準備しておく

第4話 キャンプイン 静かな戦いの始まり
 教訓4 環境が人を変える

第5話 オープン戦
 教訓5 流動性のない組織に成長はない

第6話 闘志なき者は去れ
 教訓6 “研修”ですべてを変えるのは無理

第7話 奮起
 教訓7 自分の市場価値を高める

第8話 開幕
 演習1 これまでの教訓を使って、
      日本の雇用問題を解いてみよう

第9話 毒まんじゅう
 コラム1 出向を有効に活用する方法

第10話 底辺決戦
 コラム2 目標管理とうまく付き合う方法

第11話 派遣切り
 教訓8 世の中にただ飯はない

第12話 デッドライン
 教訓9 きれい事しか言わない人を信用してはならない

第13話 ハゲタカ
 教訓10 ローンは組まないほうがいい

第14話 最終戦
 教訓11 若手に仕事を任せる

第15話 朝生
 教訓12 過去の成功体験は捨てる

第16話 席替え
 教訓13 「人に優しい会社」などない

第17話 赤裸々
 教訓14 会社の“社会保障”には期待しない

第18話 裏切り
 教訓15 ブラック企業の心配をする暇があったら勉強しろ

最終話 ユニオンズは永遠に不滅です

エピローグ
 教訓16 未来の成功体験はこれから作られる

 まあ、この「教訓」の部分をしっかり読んで、その教訓を生かすようにすれば、「10年後失業」に遭っても「仕事」は失わないということなんだな。

 確かに本書にも書いてある通り、「新入社員一括採用」とか「終身雇用制度」とか「年功序列」とか「護送船団方式」とかは、第二次世界大戦後、殆ど破綻国家になってしまった我が国を生き返らせる方法として採用された方式である。それに朝鮮戦争という状況がプラスされて日本の経済復興がなったのである。つまり、それまでの、戦前の日本には「新入社員一括採用」とか「終身雇用制度」とか「年功序列」とか「護送船団方式」なんてなかった、というか欧米と同じような企業と従業員は自由契約で、基本的に中途採用だった。勿論、企業が社員を解雇するのは自由だったし、社員も転職するのは当たり前だった。要は、そんな日本独特の雇用制度なんて、日本の長い歴史の中でほんの60年ほどだけ続いた制度でしかない。

 なので、そのような緊急回避的な制度は最早経済大国となってしまった日本では既に「いらない制度」なのである。

 なので、結局、そんな制度を守ろうとしているのは、そうした制度の中で出世の段階を上がってきて経営者になった、まさに一流企業のサラリーマン経営者たちであるし、そんな一流企業の労働組合の集まりである連合くらいなものでしかない。

 以前は、「サラリーマン」というのは結構ツブシがきく仕事だと思われていたものが、実は全然ツブシがきかない商売であったということがバレてしまったあとは、ひたすら今所属している企業にしがみつかざるを得ないという状況に陥ってしまったわけであるな。

 まあ、これからのサラリーマンは一生その会社で働くという発想も既にないだろうし、であるならばそれなりに転職・起業の準備もしながらサラリーマンとして働くってのがデフォルトになるだろう。

 今はこのような「転職・起業」お勧め本が流行っているようだが、そんなブームはもうすぐなくなって、そんなことは当たり前っていう時代が、それこそ10年後くらいにはやってきそうな気がする。

 その頃には、今の経営者も既に辞めているだろうから……。

『「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話』(城繁幸著/夜間飛行/2014年6月20日刊)

2014年12月18日 (木)

日本復活の処方箋 競争激化も人口減も無関係

 今日の日経新聞は『フォーブズ』からの引用記事『日本復活の処方箋 競争激化も人口減も無関係』をクリップ。

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 結論は実に単純。

『日本の課題への答えは非常に単純。すべては政策にかかっている。政府支出の削減、減税、円相場の安定、静かな日銀――これで経済を前進させる力となる生産性のある企業を自由にできる。第2次大戦後にうまくいったことが、今回も機能するはずだ。経済を成長させるのは単純で、政府がつくった障壁を削減すれば実現する。残念なことに、政治家や経済評論家たちはこんな基本的なことを理解していない。日本の有権者が早く政治家や評論家の言うことに耳を貸さなくなりますように。そうすれば、日本の復活は近い』

 要は規制緩和ということである。

『YouTubeで食べていく』人が増えていくのだろう

『YouTubeの役割は、「稼げる」「儲かる」ことではなく、むしろ社会におけるセーフティネットに近いものではないかと感じています。10年前にはなかったこうした仕組みがあれば、初期投資ゼロで、お小遣い程度であってもお金を得ることができるのです。たとえば、食えないと言われる業界で夢を追う若者を支えるものになりうるかもしれません』

 う~ん、なるほど。

 YouTubeで生活している人のことを「ユーチューバー」って言うんだ。まあ、ブログを書いている人のことはブロガーって言うから、当たり前なんではあるが……。

Youtube 『YouTubeで食べていく 「動画投稿」という生き方』(愛場大介(ジェット☆ダイスケ)著/光文社新書/2014年8月20日刊)

 YouTubeを見てみると、ホンの数秒のものから、映画をまるまる収録した2時間あまりのものまである。しかし、基本的には90秒だそうだ。

『結論から言えば、最初から最後まで再生される動画作成のコツは、トータルで90秒』

『90分の長編映画なら最初の10分で観客を引き込まなければいけないというセオリーがあります。いわゆる「つかみ」です。これが90秒のYouTube動画の場合だと最初の10秒が勝負。動画の冒頭、アバンタイトル(オープニング前に流れるシーンのこと)の段階で、ちらっとオチを匂わせるくらいの勢いが必要です』

『90秒で視聴者が離脱するということであれば、60秒から90秒にかけて起承転結の「転」をあてて、その後が気になるような構成で回避することも可能です』

 なるほどなあ、いろいろなテクニックがあるようだ。

『インターネットでの動画配信は始まったばかりの分野です。常識にとらわれない新しい手法がどんどん増えてこなければ、成熟した文化になりえないでしょう』

『●企画立案……不要です』

『●台本/脚本……場合によっては多少の構成を考えもしますが、基本的には不要、ノープランです』

『●編集……「ジェットカット」を多用して、ムダなところをざくざく切ってつなぎ合わせ、短い動画に仕上げます』

『●撮影……最もスキルが問われるのは、何といっても実際に撮影する段でしょう』

 まあ、この辺はブログが登場して「ブログ文体」というようなものが登場したように、YouTubeが出来て、「YouTubeならではの映像文体」とでもいったようなものが出来るのもよくわかる。特に、90秒で表現をしようとなれば、それなりの映像文体が出来ていないと表現ができないだろう。

 ただ、やはり最近のテレビの表現が参考にはなっているようで……。

『こうした風潮は、ネット動画の普及に端を発したものではなく、それ以前からのテレビの変化が一因となっています。90年代の中頃から必要以上にテロップが多用され、笑いどころや重要なセリフが強調されるようになりました。制作側の意図が一目でわかるので、前後の文脈を読み取らなくても、視聴者が番組を楽しめるようになったのです。こうしたテレビの過剰な演出が広まり、セリフやテロップでの説明なしでは映像から意味を読み取れない人が増えたというのが実情でしょう』

 とは言うものの、こうした言い方はちょっとショックではあった。

『「ブログで記事を読む人は動画を見ないし、チャンネルで動画を見る人は記事を読みません。YouTubeチャンネルに動画をアップして、『詳細はこちら』とサイト記事へのリンクを貼っても、YouTubeのコメント欄に質問を書かれるのです」』

『ブログで記事を読む人は動画を見ないし、チャンネルで動画を見る人は記事を読まない――。これは衝撃的です。今あなたが(もしくはあなたの会社が)ブログメディアしか展開していない場合、YouTubeの利用者層にまったくリーチできていないということです。さらに、YouTubeを動画の置き場として使うだけでなく、これもまた別個のメディアとして運営していくことで効果が現れるのです。もはやテキストのメディアだけでは片手落ちな時代に入っているのです』

 なるほどなあ、それは確かかも知れない。要は文章を読むのが好きな人と、映像を見るのが好きな人がいて、それぞれが異なる表現に親しんでいることは良くわかる。しかし。基本的には、だんだん文章を読む人は減ってきているんだろう。やがてブログは読まれない時代になっていくのかもしれない。「活字離れ」というのは、以前は「そんなことはない、インターネット上で若い人たちは活字を読んでいる」と言われていたのだが、実はネット上でも次第に活字表現は縮小していくのかも知れない。

 とは言うものの、映像制作の方に入っていったら、今以上に時間を取られてしまうことになる。特に私の場合、学生時代は16ミリ映画を作っていた時期があったわけで、作れない訳ではないのだが、しかし、私の映像制作手法ではYouTubeに相応しい映像は作れないだろうから、その時にはYouTube文体で作らなければならない訳で、その手法の獲得には時間がかかりそうだ。なので、多分私はユーチューバーにはならないだろう。ブログと共に活字文化の終わりを見届けてやろう。

 ただし、製作機材は昔に比べれば圧倒的に安くなっており、誰でも製作できる時代がやってきたことだけは間違いない。多分、ジェット☆ダイスケ氏あたりはYouTube第一世代だろうから、もっともっと参入障壁は低くなってくる第二世代、第三世代になってくれば、もっと斬新な手法でもって映像制作をしてYouTubeに参入してくる時代がやってくるかもしれない。

 ブログが「誰でもライター」時代を切り開いたように、YouTubeが「誰でも映画製作者」時代を切り開いている。

 そう考えると、これからの時代はもっと楽しみが増えるようで、ワクワクしてくるのだ。

『YouTubeで食べていく 「動画投稿」という生き方』(愛場大介(ジェット☆ダイスケ)著/光文社新書/2014年8月20日刊)

2014年12月17日 (水)

大型トラック自動運転 独ダイムラー、25年までに実用化

 今日の日経新聞は『大型トラック自動運転 独ダイムラー、25年までに実用化』をクリップ。

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 まあ、確かに大型トラックという分野は、あくまでも「お仕事」として車を運転している訳で、こうした分野では自動運転というのは重要なテーマである。

 旅客機なんかは既に自動操縦になっていて、機長はその間、航空機操縦以外のいろいろな仕事をこなしている。つまり、大型トラックの運転手なんかもそうして自動運転中に運転以外の仕事をするようになるのかな。荷物の整理とか。


「休まない米国人」に休暇取得のススメ

 今日はCNNジャパンから『「休まない米国人」に休暇取得のススメ』をクリップ。

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「休まない○○人」って、日本人のことだと思っていたら、アメリカ人とか韓国人の方が、今や「休まない人」になっていたんだ。

 日本人も休むようになったのかな。


CNN.co.jpはコチラ

「獺祭」でお馴染み、旭酒造を訪ねる

 妻の親戚に不幸があって、12月14・15日と山口県周南市徳山に行ってきました。

「How Google Works」について三日連続で書いたのは、書くことが沢山あったというのもその理由だけれども、二日ほどブログの更新が出来ないかも知れないということもあったのであります。

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 前に妻の母親の実家がある周南市鹿野に行ったときは、東海道・山陽新幹線で徳山まで行ったんだけれども、何せ東京駅から徳山駅まで4時間半も乗っていなければならなかったので、今回は飛行機にした。羽田空港から岩国錦帯橋空港まで1時間半。岩国からはレンタカーで徳山まで1時間ほどなので、列車で行くより2時間ほど圧縮できた。う~ん、これって正解だったのかなあ?

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 で、岩国と言えば「錦帯橋と岩国城」だったわけだが……。

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 今や、岩国と言えば「獺祭」であります。「純米大吟醸2割3分磨き」という、ワインのようにフルーティーな日本酒として有名になった「獺祭」も岩国のお酒。じゃあ、その酒造りをしている場所を訪ねようじゃないかと、カーナビに「岩国市周南町獺越」と入れて走り出す。

 と、車はどんどん山の中へと入っていき、途中の道では猿の姿を見ながら山の中へと走っていくと、突然こんな大きなビルを造成中のところに出くわす。えっ? なんでこんな山の中にマンションが? と、思っていたら……。
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 と、そこが「獺祭」を作っている「旭酒造」なのでした。

 現在、衰退を続けている日本酒の世界で、唯一凄い伸長率を示しているのがこの旭酒造なのである。つまり、1990年にそれまで作っていた普通の日本酒「旭富士」をやめて「獺祭」を作って東京に売り出して以来の快進撃を続ける旭酒造の現在の姿がこの大きなビル造成というわけ。

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 本社の前には直売所があるのだが……。

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 今はとにかく品薄で、「獺祭」も一人一本だけしか売ってくれない。なので、私は妻の分と私の分で二本買ってきた。

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 旭酒造のサイトはコチラ

 ビルが完成するとこんな風になるそうだ。

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RICHO GRDⅢ @Iwakuni Yamaguchi (c)tsunoken

2014年12月16日 (火)

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 クリス・ギレボー氏よりメール。

 題して「2014 Annual Review」。う~ん、今日は12月16日だから、そんな時期なのか。

 私は今年を振り返るのはもうちょっと先にはなりそうだが……。

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Chris Guillebeau氏のサイト「Chris-Gullebeau.com」はコチラ

「How Google Works」から見えてくるもの③

「How Google Works」から見えてくるもの第3回目は、やはりあのグーグルですら、下手をすれば我々日本企業と同じになるかもしれない、という話。

How_google_works_2 『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

 以前、問題になった例のきっかけ:

『2002年、ラリー・ペイジは過去に出版されたすべての本をネットで検索できるようにすることは可能だろうか、と考えはじめた。ベストセラーなど一部の作品ではなく、ありとあらゆる本である(その後の計算では、世界でこれまでに出版された作品数はちょうど1億2986万4880点であることがわかった)。これまでに出版された本がすべてネットで入手できるようになり、またすべての言葉が翻訳できるようになったときに、世界中のすべての知識をすべての人が利用できるようになったと言えるのではないか、とラリーは考えた』

 これは「オプト・アウト」方式のアメリカの著作権に対する考え方でもって始めた試みが、それ以外の国では基本的に「オプト・イン」の考え方で進められているということに対する無知から生じた例である。

 基本的に、アメリカでは「著作権登録」を行わないと著作権を主張できない。これは著作を発表した時点で著作権が発生していると考える、日本やヨーロッパの国々との決定的な違いで、実はその時考えたのは、グーグルって全然グローバル企業じゃなくて、たんなるアメリカのローカル企業だったということ。

 今では、世界中に会社を持つ企業になって、それぞれの国の事情も分かって来たと思うのだが、それは当然、あのグーグルですら、若い(世間知らずの)企業にとってはエスタブリッシュな「古い」企業になってしまったということでもある。

 で、メディア状況からみたグーグルの感覚。

『産業革命後の20世紀を特徴づける組織は「企業」に変わった。21世紀に入り、経済活動のハブとしての企業の立場を脅かしているのは「プラットフォーム」だ』

『プラットフォームにはもう一つ、重要なメリットがある。プラットフォームが成長し、その価値が高まると、投資が集まってくることだ。その結果、プラットフォームが支えるプロダクトやサービスの質を高めることができる。ハイテク業界で「プロダクトよりプラットフォーム」という考え方が一般的なのはこのため』

『これが20世紀型経済と、21世紀型経済の違いだ。20世紀は閉鎖的ネットワークを持つ巨大企業が支配していたが、21世紀を引っ張るのはグローバルでオープンな企業だ。プラットフォームをつくる機会は、私たちの身の回りにいくらでもある。それを発見するのが優れたリーダーだ』

『成熟企業は本質的にリスク回避的であり、大きな変化に対しては身体がウイルスに反応するように抵抗する』

『ウェブ1・0は1990年代、ブラウザとHTMLとウェブサイトと称するモノの登場とともに始まった』

『2000年代初頭に新たなテクノロジーが登場したことで、より強力なウェブサイトや堅牢なウェブインフラができた。複数の国でブロードバンドが普及し、ネット動画が急成長し、ユーザはウェブのモノを消費するだけでなく、ウェブでモノを発表できるようになった。この2・0のフェーズでは、ウェブは単なる巨大なショッピングモールや百科事典ではなくなり、ユーザが「なんでもできる場」になった。世界中の何十億という人々がネットを使うようになり、彼らの多くが最初にすることの一つが検索だった』

『世界中の国々が技術的ハブとしてのシリコンバレーの奇跡を再現しようと努力しているにもかかわらず、そうした国々で生まれたスマート・クリエイティブがテクノロジー業界でのキャリアを築くためシリコンバレーにやってくるのはこのためだ(グーグル社内のカフェでは驚くほど多様な言語が飛び交っている)』

 問題はこの後;

『破壊される側の人間にとっては、変化がこれほど急速に襲ってくるのは厄介なことだ。一方、あなたが新しい事業を起こそうとしているなら、あらゆることが加速している状況は追い風になる』

『おそらくいま、どこかのガレージ、学生寮の一室、研究室、あるいは会議室で、勇ましいビジネスリーダーが数人の熱意あるスマート・クリエイティブのチームを集めているだろう。もしかするとそのリーダーはこの本を手にしているかもしれない。そして私たちのアイデアをもとに、いずれグーグルを蹴落とすような会社をつくるかもしれない』

 そう、今やグーグル(でさえも)は他のもっと若い企業から追われて、あるいは追い落されて行く対象なのだ。

 企業というものは、常にイノベーションを怠らず、企業革新を怠らず、従業員の革新を怠らずしていないと、即、後からやってきた新企業の餌食になるものなのだ。

 グーグルであっても、既にエスタブリッシュの立場になってしまった以上は、その「餌食」になる対象であるに違いない。

『おそらくいま、どこかのガレージ、学生寮の一室、研究室、あるいは会議室で、勇ましいビジネスリーダーが数人の熱意あるスマート・クリエイティブのチームを集めているだろう。もしかするとそのリーダーはこの本を手にしているかもしれない。そして私たちのアイデアをもとに、いずれグーグルを蹴落とすような会社をつくるかもしれない』

 というのは、まさしくグーグルが自らエスタブリッシュメントであるという宣言をしたと同時に、自らが下手をするとそんな若い企業から追い落とされてしまうかもしれない、という警鐘なのかも知れない。

『「How Google Works」から見えてくるもの』は今日でおしまい。何故、同じ本で3回も書いたのか? その理由は近々明かします。

『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

2014年12月15日 (月)

「How Google Works」から見えてくるもの②

 今日はグーグルで有名な「20%ルール」について書きます。

How_google_works_2 『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

 グーグルの「20%ルール」とは、仕事の時間の20%を自分本来に割り当てられていた業務でないことをやってもいいというルール。当然、それは自分勝手な仕事ではなくて、会社の仕事ということで、会社にいる他の誰かが提案した仕事を手伝うとかのことなのだ。

 ここでひとつあげられている「20%ルール」についてのエピソードから。

『2004年夏、ケビン・ギブスというグーグルのエンジニアがあるアイデアを思いついた。ケビンの表現を借りると「リポジトリにあるすべてのURLと、過去のすべてのグーグル検索のクエリに照らしてリアルタイムに入力の自動補完を実施し、総合的な人気度に即して分類したシステム」である。普通の言葉に翻訳すると、ユーザが入力しようとしている検索語を予測し、「完成形はこれですか?」といくつかの案を提示する仕組みだ。ケビンは仕事の空き時間にプロトタイプを完成させると、新しいアイデアを共有するのが好きな人が集まるメーリングリストに概要を送った。メールにはプロトタイプへのリンクが含まれており、プロトタイプに検索語を入力すると、リアルタイムの自動補完がどんなものか実際に見ることができた。

 複数のエンジニアがこのプロトタイプに興味を示し、ケビンのプロジェクトに参加した(デレク・シバースの言葉を借りれば、彼らはケビンの“最初のフォロワー”だ)。こうして現在「グーグル・サジェスト」と呼ばれている機能が誕生した。検索ボックスに「て」と入力すると、グーグルが天気予報を調べるのではないかと推測し、ユーザが入力しなくても済むようにドロップ・ダウンメニューに「天気予報」などと表示するサービスだ。これによって検索にかかる時間が何秒か短縮でき、ユーザーは必要な情報に早くたどり着けるようになった。

たった一人のアイデアがグローバルに展開され、数十億人が「これなしにどうやっていたんだろう?」と思うようなサービスになるまで、ほんの数年しかかかっていない。

 これがグーグルの「20%ルール」の威力だ。エンジニアが仕事時間の20%を好きなプロジェクトに使うのを認める制度である。ここから「グーグル・ナウ」「グーグル・ニュース」「グーグル・マップ」の交通情報など、数々のすばらしいプロダクトが生まれた。ただ、このルールについては誤解が多い。ここで重要なのは時間ではなく、自由だ。この制度があるからと言って、グーグル・キャンパスが毎週金曜日に夏休み状態になり、エンジニアがクリエイティブなさぼり方を競っているわけではない。実際には夜や週末を使って「20%ルール」のプロジェクトをする社員も多いので、「120%ルール」といったほうが妥当かもしれない』

『社員を信頼して自由を与えると、贅沢で実現性のないプロジェクトに時間を浪費するような者はほとんど出てこないということだ。』

『優れたアイデアを実現させる第一歩は、全力で取り組む仲間をつくることだ』

『20%ルールの最も重要な成果は、そこから生まれる新プロダクトや新機能ではない。新しい試みに挑戦する経験を通じて、社員が学ぶことだ』

『20%プロジェクトが成功しても報酬を出すことはない』

 うーん、これも昨日の「採用」に関してのルールと同じく、日本の会社でも、というか出版社というか、私のいた出版社では、普通に行われていることではある。

 出版社というのは企画が第一である。なので編集者(じゃなくても出版社の人間は)は常に企画を追い求めて街を歩いている。別に、営業の人間であっても、特にデスクワークもないし営業がなくても別に街に出て行っても、なにも言われない。というか、会社にいて何もしていないのなら、外に出て何かを吸収してこいと言われるくらいだ。

 勿論、編集者であっても、自分が思いついた企画が自分ではあまり得意分野ではないこともある。そんな時には、その分野が得意な同僚編集者や外部の関係者、非関係者に会って、意見を聞いたり、仕事を手伝ってもらうことだってある。でも協力してもらった同僚編集者には、その分の報酬は出ない。まあ、企画した編集者からご馳走してもらう位なもんだ。勿論、外部の協力者には、編集者個人からお礼をしたり、企画が通ったらその協力者に執筆を頼んだり、それなりの報酬を提供することはある。

 つまり、昨日の「採用」についての考え方と同じなんだけれども、別に、日本の企業であっても、グーグルと同様のことをしているんだ(あるいは、していたんだ)ということ。

 日本の企業が「護送船団方式」で、あまりモノを考えないやり方でもって伸びてきた状況を考えると、その中で「イノベーション」というものに対して次第に後退してきたということなのかも知れない。

 つまり、経営者が政府に働きかけて、その結果、大蔵省(現在の経済産業省)が決めたルールに従っていれば安心・安全・伸長という安寧な考え方だ。その場合、結局、大変なのは経営者だけであり、社員はその会社の言っている通りに働けば、給与は保証され、雇用も保証され、家族も安心、これで定年まで安寧安心という働き方を従業員はできるということだ。

 まあ、それが日本企業の足腰を弱め、イノベーションが出来ずに、これまでの成功パターンに囚われて、新しい事業を興せないままに、世界的な競争力も失い、日本自体の世界におけるプレゼンテーションも低下してきた理由なのだろう。

 というか、そこまで日本企業って従業員が自由に働けない社会なのかしら。

 従業員が勝手に行動することを、そこまで束縛する社会なのかしら? 日本って。

 まあ、そんな会社は没落しても仕方がないんじゃないのだろうか。

 もっと、従業員が自由に働ける(遊べる)会社にすれば、多分、日本企業も再生するんじゃないだろうか。

 というのが、本日の結論でした。

『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

2014年12月14日 (日)

消える「放浪男子」

 今日の日経新聞は『消える「放浪男子」』をクリップ。

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 ここのところ男子学生の海外旅行が減っているそうだ。

 日本みたいに、朝まで安心して友だちとツルんでいられる居酒屋のようなものがない海外には行きたくない、というのがその理由だそうだ。さまざまなメディアで日本にいても海外の情報は手に入るし、海外放浪をしてきたというのが、別に就活のプラスにはならない、という理由もあるようだ。

 しかし、実際に自分で足を運んで肌で触れる体験というものこそが、海外体験では一番だ。

 みんな、アジアでいいから海外旅行をしようよ。

「How Google Works」から見えてくるもの①

 400ページ近い結構な大著であるので、読むのに数日かかってしまった。といっても、私の場合、いっぺんに何冊か同時並行して本を読むので、そのせいもあるのだが……。

 いずれにせよ、なかなか示唆に富む本なので、何回かのテーマに分けてお伝えしたい。

How_google_works 『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

 グーグルの従業員は社内では「グーグラー」と呼ばれているらしいが、そんなグーグラーには「スマート・クリエイティブ」であることが望まれている。

「スマート・クリエイティブ」とは何か?

『少なくとも従来の意味での知識労働者ではないのだ。私たちが「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ新種で、インターネットの世紀での成功のカギを握る存在だ』

『スマート・クリエイティブは、自分の〝商売道具〟を使いこなすための高度な専門知識を持っており、経験値も高い。私たちの業界ではコンピュータ科学者か、少なくとも日々コンピュータの画面上で起きている魔法の背後にあるシステムの理論や構造を理解している人材ということになる。だが他の業界では、医師、デザイナー、科学者、映画監督、エンジニア、シェフ、数学者などがスマート・クリエイティブになるかもしれない。実行力に優れ、単にコンセプトを考えるだけでなく、プロトタイプをつくる人間だ』

 で、そんな「スマート・クリエイティブ」をどうやって採用するのか?

『グーグルの創業者たちは初めから、最も優秀な人材を採用しつづけるには、産業界ではなく学術界のモデルを見習う必要があることを理解していた。大学は通常、教授に採用した人間を解雇しないので、専門委員会を立ち上げ、教員の採用や昇進の検討に膨大な時間を費やす。私たちが採用はヒエラルキー型ではなく、委員会によるピア型が好ましいと考えるのはこのためで、候補者の経歴が空きポストと合致するか否かにかかわらず、とにかく優秀な人材を採用することに集中する』

『Aクラスの人材は同じAクラスを採用する傾向があるが、BはBだけでなく、CやDまで採用する。だから妥協をしたり、誤ってBの人材を採用すると、すぐに社内にBのみならずCやDまで入ってくることになる。そしてプラスかマイナスかにかかわらず、群れ効果が最も強く出るのは、従業員にスマート・クリエイティブが多く、会社がまだ新しいときだ』

『アンドロイドの創業者アンディ・ルービンは、ロボットが大好きだ(現在はグーグルが立ち上げたばかりのロボット事業を率いている)。グーグルのエンジニアリング部門の初代トップであったウェイン・ロージングは望遠鏡に、エリックは飛行機と空を飛ぶこと(そして飛行機の操縦にまつわる話をすること)に情熱を感じる。  こうした一見仕事とは無関係の情熱が、会社に直接的な恩恵をもたらすことも多い。アンドロイドの天文学アプリ「スカイマップ」を使うと、スマートフォンが星図になる。これは数人のグーグラーが自由時間(あとで詳しく説明する「20%ルール」)に開発したものだ。コンピュータ・プログラミングが好きだからではなく、熱狂的なアマチュア天文学者だったからだ。私たちが感心したグーグルへの応募者のなかには、サンスクリット語の研究に情熱を持っていた人や、古いピンボールマシンの修理が大好きという人もいた。何かに深い興味を持っている人は話がおもしろい。だから面接をするときの私たちの哲学は「ムダ話をさせるな」ではない。むしろ、求職者が興味のあるテーマについては〝ムダ話〟を奨励したいと思っている』

『人種、性的志向、身体的障害などさまざまな面で多様な人材を採用することは、道徳的に正しい行為であるのは間違いない。ただそれ以上に、企業戦略的に見た場合のほうがはるかに大きな意義がある。バックグラウンドの異なる人々は世界を違う目で見る。女性と男性、白人と黒人、ユダヤ教徒とイスラム教徒、カトリックとプロテスタント、退役軍人と民間人、同性愛者と非同性愛者、ラテン系と欧州系、クリンゴン人とロミュラン人、アジア人とアフリカ人、車いすを使う人と使わない人――こうした視点の違いは、まったく新しい発想を生む』

『多様な人材が同じ職場で働くことで生まれる幅広い視点には、はかり知れない価値がある』

『これほどの手間暇をかけ、最高のスマート・クリエイティブを獲得するための採用プロセスを整えたら、彼らはどんなふうに報いてくれるだろう? そう、退社するのである! これは動かしようのない事実だ。よくよく頭に入れておこう』

『グーグルの「採用のおきて」 ●自分より優秀で博識な人物を採用せよ。学ぶもののない、あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。 ●プロダクトと企業文化に付加価値をもたらしそうな人物を採用せよ。両方に貢献が見込めない人物は採用してはならない。仕事を成し遂げる人物を採用せよ。問題について考えるだけの人物は採用してはならない。 ●熱意があり、自発的で、情熱的な人物を採用せよ。仕事がほしいだけの人物は採用してはならない。 ●周囲に刺激を与え、協力できる人物を採用せよ。ひとりで仕事をしたがる人物は採用してはならない。 ●チームや会社とともに成長しそうな人物を採用せよ。スキルセットや興味の幅が狭い人物は採用してはならない。●多才で、ユニークな興味や才能を持っている人物を採用せよ。仕事しか能がない人物は採用してはならない。 ●倫理観があり、率直に意思を伝える人物を採用せよ。駆け引きをしたり、他人を操ろうとする人物を採用してはならない。 ●最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない』

 うーん、意外と普通だ。

 というか、日本の大企業ではいくつか採用されている考え方でもある。まあ、『『人種、性的志向、身体的障害などさまざまな面で多様な人材を採用することは、道徳的に正しい行為であるのは間違いない』というところまではいっていないが、それでも多様な人材を採用することは、企業にとって企業活動を活発化させる要素になるということは理解されていて、別に優秀な人間ばかりを採用すると、あまり動かなくなる人間ばかりになってしまい、企業の力は衰える。まあ、採用時には優秀だと思っていても、いざ実際に仕事をさせてみたら全然使えない奴だった、っていうこともある。でもそんな人間だって、実は企業にとってみたら、いないよりはいる方が良かったりする。優秀な人間と、そうでもない人間、まったく使えない人間の三種類がいて、始めて社会として成立するということもある。

 結局、企業というものはある意味で、その企業が属する社会の縮図であると考えればよい。

 しかし、こうしたグーグルの採用ルールが新しい、ということはアメリカ企業の最近の採用ルールがもっと硬直化し、「優秀な人間」しか採用しない会社があったり、もっともっといい加減な会社があったりしていたのかも知れない。まあ、中途採用の多いアメリカ企業社会だから、そうした「優秀な人間しか採用しない」会社もあるのかも知れない。

 しかし、アメリカもその前はいろいろな人間を採用して、社内で教育して、定年まで勤め上げる社会だった時代もあったのだ。

 グーグルも、新しいようで、実はそんな昔のアメリカ企業のような採用に戻ろうとしているのかも知れない。

『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

2014年12月13日 (土)

米朝・マツコ…人間型ロボット、ここまで人くさく

 今日の日経新聞は『米朝・マツコ…人間型ロボット、ここまで人くさく』をクリップ。

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 大阪大学の石黒教授がこんな人間そっくりのロボットを研究・開発しているのは知っていたが……

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 こんなマツコ・デラックス(右)にそっくりな「マツコロイド」(左)を作ったそうだ。製作は電通なので、今後テレビにも出る予定があるらしい。

 面白そうだな。取り敢えずはマツコ・デラックスとの共演ですね。

『日本の論点 2015~16』に書かれた「自民党の4つの体質」

 11月26日のブログで『「日本の論点」って言っても情報が古くちゃなあ』と書いたので、新しい『日本の論点』を読んだのでありました。

201516『大前研一 日本の論点 2015~16』(大前研一著/プレジデント社/2014年11月20日刊)

 とは言うものの、前著と同じく『本書はプレジデント誌で連載している「日本のカラクリ」の一年間のストック及び特集記事から、読者の反響の大きかった稿をピックアップし、加筆修正して再構成したものである』というところは変わらないので、章ごとに取り上げる話題はかなり変わる。

 なので、明日の総選挙ではほぼ自民党の圧勝という予想が出ているので、その自民党政権に関して触れた部分をピックアップ。

『自民党政権には主に四つの特質がある。第一は、自民党は決して言葉に出しては言わないが、「中央集権」の体質であるということだ。』

『中央集権を補完するのは、中央官僚である。すなわち官僚依存、官僚主導による中央集権的国家運営が、自民党政権の第一の性格なのだ』

『自民党政権の特質の二番目は「票を金で買う」ことだ』

『巨大な予算をつくり、赤字国債を発行して、地方に金をばらまく。自民党の政治家の多くは利益誘導で地元に交付金を持ってくる運び屋、アメリカで言う「ロビイスト」である』

『政治家が運び屋になって地方を交付金漬けにして、地方は地方で中央に無心する陳情体質が染みつき、日本では本当の地方自治が育ってこなかった』

『自民党政権の特質の三番目、以前に本連載でも取り上げたが、「継続性を担保する形になっていない近隣外交」である』

『時の指導者が「密約ベース」で外交関係を築いてきた。それは第一の特質に挙げた中央集権主義とは矛盾した〝属人的な外交〟であり、その内容を文書として残していない(残っているかもしれないが、外務省は残っていないと言う)』

『「日本の実効支配を認める代わりに棚上げ」という尖閣に関する日中間の暗黙の了解について自民党政権は国民に説明してこなかったし、民主党政権にも引き継がれなかった。それが民主党政権の外交失点という形で表面化し、日中関係を今日のように悪化させてしまったのだ』

『最後にもう一つ、自民党政権の特質の四番目。自民党の綱領にも書いてあるように、「憲法改正」である。その急先鋒が安倍首相で、国民投票法案を通した安倍首相自身も憲法改正論者であることを隠していない』

『自民党的中央集権体制では日本の長期低落が免れないのは明らかで、財政改革は待ったなし。もはや密約外交では国際社会の信は得られない。アメリカでさえも近隣と揉める安倍外交に危機感を持ち始めている』

『安倍首相の応援団は二派ある。一方は経済重視のアドバイザリーグループで、「靖国参拝は封印して経済に専念せよ」と安倍首相の手綱を引っ張ってきた。もう一方は、地元サポーターなどの伝統的な保守勢力からネトウヨ(ネット右翼)まで含めた右派グループで、彼らは「国民の代表である首相が靖国に行くのは当然」と考えている。安倍首相のメンタリティはどちらかといえば後者に近い』

 もうひとつ、自民党の問題点を挙げると、「次世代が育っていない」ということだろう。つまり、現在の安倍、麻生、谷垣体制のあとにリーダーシップを取りそうなのが、小泉進次郎あたりまで下がってしまっていて、その中を継ぐ世代がいないということにありそうだ。つまり、その間の世代、松下政経塾あたりを出た世代が民主党に行ってしまっていること。ところが、その民主党は2009年の総選挙で「早すぎる勝利」を掴んでしまい、何の準備もないところで政権を取ってしまったために、2013年の総選挙では惨敗してしまった、というところなのである。

 英米では「ネクスト・キャビネット」といって、次に自分の政党が政権を取ったら入閣する人間を想定して政治に当たるわけだが、日本ではそれが間に合わず、準備不足で政権を取ってしまった。これには民主党の小沢一郎氏の責任が大きいと言わざるを得なかったが、彼があそこまで検察に追い込まれたのにはバックに何らかの理由があった筈だ。

 一つには、当然自民党筋の「揺れ戻し」があったのだろうし、もう一つ考えられるのは、アメリカの存在だ。

 小沢一郎が首相になったら、彼は当然アメリカとの関係を、それまでの「従属的」なものから「対等」なものにしようとするだろう。沖縄の米軍基地だって県外移設、国外移設という措置をとったかもしれない。自衛隊の海外派兵については「国連主義」を、以前は唱えていた。日米安全保障条約の見直し、特に、同条約第6条に基づいて締結された日米地位協定というものがある。

 これは「裁判権」「原状回復義務を負わない」「将兵の地位」「電波法の適用除外」など、極めて日米の間で不平等の協定であり、特に沖縄では問題視されている協定なのだ。これって、アメリカにとっては面白くないですね。なので……。

 しかし、既に小沢一郎氏は「最早死に体」の人になってしまっているし、どう考えても自民党の圧勝は間違いないので、あとは如何にして安倍自民党の暴走を抑えるかと言う問題が大きいだろう。

 以前の自民党は極右から極左(沖縄の自民党には本当にいた)まで、その政党の中に存在するという、政党と言う名の「鵺(ぬえ)的存在」だったであり、それゆえに権力の暴走を抑えることもできたのだが、現在の自民党は完全に右翼政党になってしまい、河野太郎のようなリベラル派の数は極めて少ない。

 そんなところから、私は小渕優子さんには結構期待していたんだが、あんな古い体質の後援会長にお任せのお嬢様だったとはなあ。

 ということで、上に挙げた大前研一氏の『自民党の4つの体質』を踏まえて、今後の政治を見ていきたい。

 いずれにせよ、自民圧勝を受けてアベノミクスの化けの皮は早々にはがれるだろうから、その段階で何が起きるか、それが問題だ。

『大前研一 日本の論点 2015~16』(大前研一著/プレジデント社/2014年11月20日刊)私はKindl版で読んだが、当然紙版もある。

2014年12月12日 (金)

「貝と地酒専門 かいのみ(四谷)」3,000円で冷蔵庫にある日本酒が飲み放題! しかも時間無制限! 貝を肴に

 今日はコグレマサトさんのブログ「[N]ネタフル」から『「貝と地酒専門 かいのみ(四谷)」3,000円で冷蔵庫にある日本酒が飲み放題! しかも時間無制限! 貝を肴に!』を紹介。

3000

 どうですか? 今日は金曜日だし、これから……

 コグレマサトさんのブログ「「[N]ネタフル」はコチラから。

ルンバの頭脳はマイコン1個 軍事が鍛えたロボの中身

 今日の日経新聞は『ルンバの頭脳はマイコン1個 軍事が鍛えたロボの中身』をクリップ。

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20113月の東日本大震災で福島第一原子力発電所の事故が発生した後、原発の建屋内を小さなロボットが走り回っている姿を報道番組などでご覧になった読者もいるだろう。このとき使われていたロボットの1つは、米国マサチューセッツ州に本社を置くiRobot(アイロボット)の製品である。同社は自走式の掃除機ロボット「Roomba(ルンバ)」を開発したメーカーとしてよく知られている』

 ということなのだが、このルンバ、前身は地雷探査目的の軍事ロボットだったのだ。うーむ、やはりそうだったのか。

 結局、技術革新には軍事が欠かせないのか。

 

『戦略思考トレーニング2』なのは何故なのか?

『戦略思考トレーニング2』なのは何故なのか? なんで『1』じゃないのか? って、これも先日書いた「日経電子版体験Day」でいただいた本だからなのだ。

 この本については書かなくてもいいと思っていたのだけれども、なんか結構いい本だなあと思ったので、書いてみます。

 しかし、こうした教科書的な本となると、全体的な書評も難しいし、かといってどこかだけを取り上げて、勝手なことをほざくというのも、これまた難しい。で、なおかつクイズ形式の本なので、答えを書いちゃったらいけないでしょ。なので、取り敢えず、どんなことが書いてあるのかをご紹介。

Photo_3『戦略的思考トレーニング2』(鈴木貴博著/日経文庫/2013年8月9日刊)

 戦略思考において大事なのは

『①常識を取り払う、②問題を論理的に分解する、③柔軟に発想する、④多くの事例から類推する』という4つのステップ。

 ところが優秀なビジネスパーソンの場合

『日常的な仕事では、(A)常識的に、(B)定型的に生産性よく、(C)同じ分野で専門性を高めて』仕事をしていくことが多い。つまりこれ、「戦略的思考」とは逆のパターン。

 なので、たまには意識して非日常的な思考力をトレーニングする必要がある。それが、たとえばあなたはエクゼクティブになった時に役に立ちます、っていうんだけど、もうリタイヤした私には関係ないような気もするが、でも、頭を柔軟にするのはボケ防止にもつながるし、まあ、いいか。

 で

1 なぜだろうから考えてみようの章

『そこでオススメしたいのが、正解が出なくてもいいので最低でも3つ、できる人はできるだけ多く、正解の可能性を考えてみてください』

 つまり、クイズは正解を出すことが本来の目的なんだけれども、別に正解を出すことが目的じゃなくて、どれだけ多くの解を出せるかが戦略思考にとっては大事だということ。

2 ビジネスモデルの秘密の章

『気づかれにくい、そして真似されにくいことがビジネスモデルの本質です』

『とは言ってもこの章で取り上げた『俺のフレンチ』や『ABB』のビジネスモデルの場合は、いくら研究しても簡単には真似することは難しいかもしれません。これらの会社も、だからビジネスモデルをそれほど秘密にしていないのでしょう。
 いずれにしてもビジネスモデルという題材は、戦略思考力を鍛えるためには格好の素材です。発想力の参考にもなるのですが、それ以上に論理力の訓練にビジネスモデルを分析することは向いていると私は思います』

3 あの経営者の経営判断の章

『経営者の方に話を伺うと異口同音に同じことをおっしゃるのでまず間違いないのですが、
「とにかくどう考えていいかわからないことを判断しなければならない」
というのが彼らの日常のようです』

 つまり誰にも相談できないような問題に毎日のように出くわす。なので、『社長になったらなるべく多くの先人の自伝を読んでみるのがいいのではないでしょうか』ということ。

4 何を狙っているのだろうの章

『目的から手段を考えるタイプの問題では、意識的に発想を広げることが重要です。一度常識を取り払って、さまざまな戦略オプションを考えたうえで、よりよい着眼点の手段はどれだろうかと考えてみることが大切です。
 反対に手段から目的を考えるタイプの問題では、トップ、つまりリーダーの視点で見て何を達成したかったかのかを想像する力を鍛えることになります』

『ひとつの現象には単一ではなく複数の見方ができるものが多々あります。
 不思議に思える現象に出会ったら、ひとつの側面だけではなく、必ず別の側面からその物事を見る訓練をするということも、戦略思考を鍛えるためには必要なことなのです』

5 昔はそんな時代もあったのだの章

『みなさんも古い経営事例を目にすることがあったら、なぜこのようなことが起きたのか、そして現代でも同じことが起きる可能性はないのか、考えてみるといいですよ。それが戦略思考を広げるひとつの訓練になるはずです』

6 売るための工夫! マーケティング力の章

『マーケティングの要素は4つのPで表すことができると言われています。商品(Product)、流通(Place)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)です。
 マーケティングというと「宣伝や販促のことか?」と狭く捉えてしまう人もいるのですが、それだけでなく、商品そのものをどう設計するか、いくらで売るのか、どこで売るのかといった要素を含めた立体的な戦略思考がマーケティングには必要だということになります』

7 グローバルなビジネすには違いがあるの章

『結局のところ、グローバルビジネスとは、国ごとに異なるローカルビジネスであるという点に本質があるようです』

8 経営理論は難しいか? の章

『ITが進化し技術革新が進んだ結果、現代では企業が持続的に優位性を維持することはできないことがわかったきたということです。
 長期にわたって高収益を続けている企業を分析してみると、実は長期的持続的な優位性を享受しているのではなく、あひるの水かきのように水面下で努力して常に新しい戦略を打ち出していることがわかってきたのです』

『経営者はまさに進化を続けるビジネスのまっただ中どっぷりと浸かって、最前線で市場や競争環境の進化を見続けられる立ち位置にいます。しかも自分の経営判断で巨額の投資を行い、そこで起きることを全て見届けられる立場にあります。
 その観点で言えば、偉大な大企業の経営者は、経営学者や経営コンサルタントが足元にも及ばない優れたインサイトを持っているものです。
 ただ、深い経験という意味では、ひとつの企業での経験値しか見えないという点が難点です』

9 難問に挑戦してみようの章

 戦略思考力を広げるための4つのポイントをおさらい。

『まず第1に、常識を意識的に取り払うこと。
 自分の頭の中で「これが常識だ」と思っていることが、実際はクリエイティブな新しい発想を阻害していることは少なくありません。いくら普段は常識的なビジネスパーソンとしての行動をとっているとはいっても、頭の中の訓練においては一度、その常識を取り払ってみることが大切です』

「2番目に、論理的な思考をしてみること。たとえば問題の構造を一度、紙やホワイトボードに図で書いてみるといいでしょう。問題分だけを読んでみただけでは気づかない問題の急所が、構造図にしてみると見えてくることはよくあることです』

『3番目に、発想を広げること。問題の答えをひとつだけピンポイントで「これだ!」と断定するのではなくて、「あれかもしれない、いやこれかもしれない」と5~10くらいの可能性を考えてみる訓練が重要です』

『そして4番目に、知識の量。いろいろなことを事例として知っていれば、それだけ発想の引き出しも増えるものです』

 さてさて、あなたは戦略思考を身につけることが、できるかな?

『戦略的思考トレーニング2』(鈴木貴博著/日経文庫/2013年8月9日刊)Kindle版もある。この辺、日経の戦略ってよくわからないなあ。あっ、もしかしたら戦略なんてないのかも……

2014年12月11日 (木)

団塊世代が大量退職する現場 トヨタの解

 今日の日経新聞は『団塊世代が大量退職する現場 トヨタの解』をクリップ。

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 トヨタでは普通はロボットが製造工程を行う作業を、あえて非効率でも人間が行うような工程を導入している。

愛知県で開催され、12月1日に終わった技能五輪全国大会。トヨタは出場した10種目中で金賞5個を獲得した。昨年の6個よりは少ないが、まずまずの成績。しかし、トヨタ幹部には不安がよぎる。2014年度で900人超を見込む団塊世代熟練技能職の大量退職と、同時並行で進む工場の自動化。現場を取り巻く環境が大きく変わるなかで、ものづくりの暗黙知を次世代に継承できるのか、という不安だ』

 「ジュッ、ジー」という音と共に飛び散る青色の火花。ヘルメットをかぶった従業員が黙々と作業する。手づくり工房のような光景だが、ここはトヨタの本社工場内だ。「ランドクルーザー」向けに8機のロボットが足回り部品を溶接するれっきとした量産工程だ。2011年、ロボットの作業の一部をあえて手作業に置き換えた。

  ロボットなら90秒で終わる溶接だが、人がやると約14分かかる。溶接に携わってきた人でも、ロボットの作業を代行するには2カ月は訓練する必要があるという。秒単位の工程改善を目指すトヨタが非効率なことをなぜやるのか。「お客さんに渡すという緊張感が技能を高める」。トヨタの技能職トップの河合満技監はこう話す。

  手作業ラインでは、入社5~10年目程度の計17人が訓練を受けた。彼らが今活躍しているのがタイなど新興国の工場だ。高価な設備の導入を抑え、人が作業できるところは人が担う。「言葉が通じなくても、腕を見せれば神様」(河合技監)。国内で磨いた技能を新興国で生かし、現地社員への伝承につなげる』

 「様々な工場に設けてきた。手作業による技能、勘やコツという暗黙知を数値にし、機械化して技術に変えてきたことで今がある。技能と技術は常にスパイラルアップしていくもので、技能は技術に負けてはいけない。俺はこんなの作った、それは自動で作れるんですよ、じゃあもっと上のレベルのものを作るぞという繰り返しだ」

  「リーマン・ショック後に生産量が下がった際、本当にこれでいいのかと思った。リーマン前は台数が伸び、お客さんを待たせるわけにいかないから機械化は必要だったが、技能を高めるより技術が先行したという部分は確かにあった。最新鋭の機械が並び、ボタンを押せば機械加工した製品が出てくる。工程を進化させるには人の知恵が要る。知恵を出すにはモノがどうやって作られるのか、原理原則を理解しなければならない。エンジン工場で、高度な機能を持った4千万円くらいの計器がある。現場で必要な要素だけを見直して組み直したら200万円程度でできた」

「車を造る技能はお客さんに渡す商品を造るとき本当に身につく。不良は絶対流してはいかん、喜んでもらいたい、そういう気持ちになると伸びる。『国内300万台』というのは、工程を進化させるために必要な台数。工程が本当にいいかどうか、ある程度の量を造らないとわからない」』

 昔、フォルクスワーゲンの工場でも同じように、流れ作業で作る工程と、そうでなく数少ない人が車づくりの全工程を行うというラインを作ったことがあるそうだ。当時はまだ現場にロボットは配置されていなかったが、発想は同じだろう。

 そう、効率だけでは承継されない技術ってものがあるんだろう。

『普通の人がゼロから始める資産づくり』が当たり前なこと

 先日、ブログで書いた「日経電子版体験Day」でいただいた本だ。だから褒めるってわけではないが……。

Photo_2『日経電子版徹底活用! 普通の人がゼロから始める資産づくり』(日本経済新聞社=編/日経ビジネス人文庫/2012年7月2日刊)

『現在、60代、70代のサラリーマンOBの方は、平均像として持ち家があり、住宅ローンの支払いは終わっています。退職金も年金もしっかりもらえる世代なので、「資産は増えなくても、大きく減らなければいい」と考えがちです』

 と、ああそうか私のことなのね。

 しかし、この本が出版されたのが2012年7月なので

『夫婦が月25万円程度の年金を受け取り、預金を取り崩すのは、たまの旅行や孫の入学祝いくらい。日本経済はデフレが続き、物価が上がらない状態がもう20年も続いています。まとまった現金を持つ高齢者にとって実は今の日本は経済的には過ごしやすい環境が続いているのです。今、年金を受給している世代は、資産運用とは無縁でも生きていける、幸福な世代といっても間違いないでしょう。
 一番お金を持っている層が、低い利息で増えないことを承知で銀行に預けたままにしている。これではいくら政府が「貯蓄から投資へ」と叫んでも、証券市場に個人のお金は流れません。銀行は銀行で、たくさん預かった預金をすべて融資に回せるわけではありません。景気が低迷し、企業の設備投資意欲は衰えたままなので、銀行からお金を借りる企業はなかなか増えません。銀行は仕方がないので、余った預金で国債を購入しています』

 という状態も、2012年の総選挙で終わり、その後は円安、株高という、いわゆる「アベノミクス経済」になった。結果、デフレ経済は終わり、物価の上昇が始まり、消費税も増税になり、それにそなえてリタイヤ世代は自身の資産防衛をしないと先行きが怖くなる、という状況になってきた。

 で、『日経電子版徹底活用! 普通の人がゼロから始める資産づくり』というわけなのだ。

 資産運用の基本は「分散投資」ということ。

『かつて読者の方からこんな相談を受けたことがあります。
「父が退職金で購入した新興国株の投信が半値近くになってしまいました。今後、どうしたらいいでしょう」
 よく聞いてみると、この方は東北地方にお住いの30代前半の方で、2008年末に父親が60歳で定年退職し、退職金3000万円を受け取ったそうです。父親は堅実な性格で、これまで株式投資の経験はゼロ、投信すら買ったことがなかったそうです。
 退職金が振り込まれてからしばらく経った6月、自宅に地元の地方銀行の行員が訪ねてきて、新興国株で運用する投信を勧めたそうです。ボーナス期なので、銀行員には販売目標などがあったのかもしれません。
 父親は銀行員が勧める商品なのだから、間違いはないであろうと考え、いわれるままに3000万円で、この投信を購入しました。初めての資産運用です。
 それから3か月後、リーマン・ショクで世界的に株式相場が急落しました。この父親が購入した投信の時価(基準価格)は、買値から半分近くになってしまいました。こうなると、「今後どうしたらよいでしょう」といわれてもどうにもなりません。
 この父親のケースででは、やってはいけない間違いを2つ、していました』

 として

『1つ目は、リスクの高い商品を単品で買ったことです』

『もう1つの失敗は、新興国株投信をいっぺんに買ってしまったことです』

 というのだが、私に言わせれば、実はもう一つこの父親は間違いを犯してしまっているのである。つまり、それはその地銀の行員の言うことを真に受けてしまったということ。基本的に「投資は自己責任」なんだから、人の言うことを信じちゃいかんのです。

 銀行員っていうとマネーの専門家のように、我々素人から見ると思えるのだが、実は全然専門家でもないし、投資市場のことなんかはまったくわかっていない素人集団なのである。なぜなら、彼らは自ら投資をしている訳ではなく、個人の投資家からお金を預かってその手数料で収入を得ているだけなのだ。つまり、彼らは自分のお金が一瞬の間にゼロになってしまう投資リスクを負っている訳ではない。自分のお金を投資リスクにさらす危険性をもって投資市場に挑んでいない以上、彼らは単なる素人集団以上のものではない。

 つまり、資産運用と言うのは、基本的に自分以外の人の言うことは絶対信じちゃいかんということ。じゃあ、そのための自分の勉強と言うか、情報収集はどうすればいいかと言えば『日経位電子版徹底活用! 普通の人がゼロから始める資産づくり』なわけですな。

 同じことが証券会社社員にも言えて、実は私の妻が2年半ほど前、私たちの娘が入社した会社の株を買おうかしらというので、調べて見たら、結構、他の誰もがまだ手を付けていない業態で、これは今後の成長はかなり見込めるブルーオーシャンだとみて、買いを指示したところ、その証券会社員は、その会社のことを全く知らなかった、ということがあった。「えっ? なんでこんな会社の株を買うんですか?」というようなリアクションだったというのである。

 それがあなた、2年半で株価は約2倍になっているのである。

 それ以来、私は日本株の投資を行っているが、結構いい結果を残しているんですな。その前にJALの株を買って10万円をドブに捨てたことなんかは、忘れてしまいましたがな、がっはっはっ。

 その場合の基本は「分散投資」ということ。

 本書では

『預金20%/日本国債20%/日本株5%/外国国債10%/外国株(先進国)25%/外国株(新興国)20%』と『日本国債20%/日本株20%/外国国債30%/外国株(先進国)15%/外国株(新興国)15%』

 という「年3%の利回りを目指すには―運用のプロが示す資産配分の事例」というのが出ているが、まさにその通りで、結局これはリスクの分散であり、利益の極大化はないが、一方、負債の極大化は絶対に犯さないという基本なのである。結局、機関投資家という人たちもそうやってリスクを分散しながら、投資活動を行っている訳である。まあ、投資金額が違うっていうくらいのもんで(それがデカい)。

 本書には「日本株投資」「投資信託」「金投資」「外貨投資」「不動産投資」について書かれているが、最後の「不動産投資」はちょっと一物件での投資額が大きいのでそうではないが、それ以外は基本的にすべて「分散投資」がベストとして書かれているのは、現実に即していていいところ。

 不動産投資については、「投資用マンション」を購入(当然、ローンを組んではいけません)がいいのか、あるいは「REIT投信」がいいのかはまだわからない。この辺は、今後の勉強次第だな。まあ、あまりお金を持っていないのなら、当然REITですがね。

  『日経電子版徹底活用! 普通の人がゼロから始める資産づくり』(日本経済新聞社=編/日経ビジネス人文庫/2012年7月2日刊)

2014年12月10日 (水)

アップル、横浜に開発拠点 米国外で初 日本の技術取り込み

 今日の日経新聞第二のクリップは『アップル、横浜に開発拠点 米国外で初 日本の技術取り込み』

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 確かに、アップルのガジェットには日本のパーツもかなり使っているわけで、日本に開発拠点を置くということは、そうしたパーツ・メーカーとの共同開発などの点でも有利になるだろう。

 ただし、それは技術者の引き抜きということもある訳で、日本全体にとってはいいことだが、企業単独にとっては厳しい側面もあるということだ。


ユーグレナ、1部昇格が試すミドリムシの実力

 今日の日経新聞は『ユーグレナ、1部昇格が試すミドリムシの実力』をクリップ。

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ユーグレナが3日、東京証券取引所のマザーズ市場から1部へと昇格した。新規株式公開(IPO)から約2年の「スピード出世」で、東京大学発ベンチャーの1部上場は初めてだ。藻の一種であるミドリムシを培養、健康食品として販売して知名度を高めてきた。足元で時価総額は1200億円を超え、予想PER(株価収益率)は700倍前後。投資家の期待はミドリムシを使ったジェット燃料事業の行方に向けられている。1部昇格をテコに株価はさらに上昇を続けるのか』

 たしかに、ユーグレナは私が持っている株式のなかでも優良株ではある。楽しみだなあ。

 

IME2014に行ってきた

 有楽町にある東京国際フォーラムで昨日と今日開催されている「IME2014」(第24回 国際ミーティング・エキスポ)に行ってきました。

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 IMEとは何か? 日本におけるMICEビジネスを発展させようという目的のイベントであります。

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 MICEとは何か? 『MICEとは、Meeting(会議・研修)、Incentive Travel(招待旅行)、Conference(国際会議・学術会議)またはConvention、Exhibition(展示会)またはEventの4つの頭文字を合わせた言葉である。ビジネスと関わりがあり多数の人の移動を伴う行事という、企業などの会議やセミナー、報償・研修旅行、国際会議や総会・学会、展示会・見本市・イベントなど、観光および旅行の観点から着目した総称で、「ビジネスイベンツ」とも呼ばれている』(Wikipedeiaより)

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 つまり、日本全国のコンベンション推進機関や自治体、会場、ホテル、旅行会社、運営会社、映像・音響関係企業、及び海外からの出展者も含めた、コンベンション関係者が集まって情報交換などと行う催しです。

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 となれば、世界に冠たるビジネス都市、東京がまずその存在感を示すのはよくわかりますが……

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 地方都市も負けてはいないのです。

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 来年春に北陸新幹線が開通する北陸では、それを期にコンベンション・ビジネスを活発化させようとするのですが、既に観光都市として世界にも知られている金沢はちょっと地味な展開なのですが……

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 金沢に比べると観光客が少ない富山県では、東京都並みの大展開でコンベンションの誘致をしているというわけなのです。

 とは言うものの、なんかなあ、いかにも官製イベント(主催は観光庁/一般社団法人 日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)/日本政府観光局(JNTO))という感じで、皆どこか「やらされている感」があったりして、今一つノれない。

 問題は、こうした催しを日本国内でやっても、あまり意味はないだろうということ。結局、国内イベントに関しては、別にこうしたコンベンションをやらなくても、それぞれ主催者が勝手に探してイベントを開くだろうということ。

 むしろ、この種の催しを海外で積極的に開いて、国際会議やコンベンションを日本に誘致しなければならないということなのですね。

 そうしなければシンガポールやソウルに抜かれてしまった国際会議開催件数を取り戻すことは不可能だと思うのですが。

 まあ、各ブースを回ればいろいろな地域の名産品やお菓子なんかを貰えるので、それが目当ての人には興味があるかもね。

 IME2014は事前登録が必要なので、行こうと思った人はコチラをクリックして、来場事前登録を。

 ただし、やっているのは昨日と今日だけ。

NIKON D7000 AF-S NIKKOR 10-24mm @Tokyo International Forum (c)tsunoken

2014年12月 9日 (火)

考える工場 ドイツから新産業革命

 今日の日経新聞は『考える工場 ドイツから新産業革命』という記事をクリップ。

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『車、電機、機械産業が集うドイツ南部。後世の歴史家はここを「21世紀の産業革命発祥の地」と命名するかもしれない。

  カイザースラウテルンにある人工知能研究センター。シーメンスなど独製造業10社が参加する「近未来工場」の実験が始まった。生産する製品の材料が近づくと、機械がICチップの情報を読み取って必要な工程を指示し、複数の生産設備を最適のラインに組み替える。人は不要。機械同士が「会話」して、どんな製品でも生産する究極のフレキシブルラインだ。まずは日用品が対象だが、機械部品や自動車部品など何でも応用できる。

 「インターネットの進歩で究極の多品種少量生産が可能になった」。「工場長」の同センター教授、デトレフ・ツュールケ(65)は胸を張る。

  狙うのは工場の枠を超えた連携だ。自動車なら素材や部品メーカーから販売店、電力、輸送会社などまであらゆる産業がネットでデータをやり取りする。極めれば在庫ゼロ、人件費やエネルギー消費も最小化できる。いわばドイツ国内が「1つの仮想工場」。10年以内に独製造業の生産性を5割前後高めるという。

  キーワードは「第4次産業革命」を意味する「インダストリー4.0」だ。18世紀の綿織物工業の機械化が第1次産業革命。電気による大量生産時代の20世紀初頭が第2次、コンピューターによる自動化が進んだ1980年代以降が第3次革命だ。第4次は自動化された工場が業種を超えてネットワーク化され、国家として立地競争力を競う時代と考えればいい。

  米国やアジアとの競争を前に「ドイツの強みである製造業を底上げする」。3年前に4.0を提唱した一人、独SAP元社長のヘニング・カガーマン(67)は話す。

  ドイツの革新は焦りの表れでもある。3Dプリンターでは今や米国勢がせっけん。産業分野のネット活用では米ゼネラル・エレクトリック(GE)が先を行く。「中国製造2025」。ロボットの導入が本格化し始めた中国でも、政府内で25年までに製造業を知能化させる計画作りが進む。

 「中独両国は単なるモノを売り買いする関係ではない」。10月。独首相のメルケル(60)らと会談した中国首相の李克強(59)は「4.0」関連の技術交流や標準化への協力でも合意した。ドイツ企業や政府は外資にも参加を呼びかけ、スイスのABBや米IBMなどが活動を開始。各国の主導権争いも激しさを増す。

 「ドイツは世界標準を作るのが得意だ」。最近、ドイツ工学アカデミーに入会した日立製作所会長の中西宏明(68)は危機感を募らせる。

  モノ作りでなお優位にあるとされる日本。自動化技術も先端を行くが、企業単体や系列内の連携が前提で産業全体でネットワーク化する取り組みは視野の外にある。「考える工場」同士がつながれば、競争力は飛躍的に高まる。ドイツ発産業革命のうねりは20世紀後半の製造業の勝者の条件を根底から覆すインパクトを秘める』

 

 

 

 

『ジャンセンウォーキング』とは何か?

 私は「1日10,000歩」を目標に、毎日歩いている。しかし、漫然と歩いているだけじゃだめなようだ。

Photo_2『ジャンセンウォーキング』(李承憲著/講談社/2008年7月2日刊)

 韓国人の1日の歩数(成人基準)というのがあるそうで

1日推奨歩数 10,000歩

一般平均歩数 5,000歩

よく走り遊ぶ子ども 26,000歩

専業主婦 3,000歩

公共の交通手段を利用した出退勤 5,000歩

マイカー出退勤 3,600歩

受験生 500歩

 くらいだそうだ。なるほどこれは実感がある。確かに、普通に暮らしていると大体1日の歩数って5,000歩位で、10,000歩歩こうとするとかなり意識的に「歩く」ということを目標にしないと難しい。大体、2時間歩くと10,000歩位になるのだが、結構これは意識していないと大変な歩数なのだ。

 が、ただ漫然と歩いているだけではだめなのだそうだ。

 で、ジャンセンウォーキングなのである。

ジャンセンウォーキングのコツ①アキレス腱(足首)に力を入れ、膝をまっすぐ伸ばして数字の11の形で歩く

 つま先を数字の11の形にそろえるだけでも、足や下腹部の丹田に力が入り、歩けば歩くほど体にエネルギーが蓄積されます。数字の11の形で歩くと、脊椎が正しくなるので、人体のエネルギーと血液の循環がスムーズになり、消化や排泄機能も高まります。また、脳脊髄液の流れもよくなり、頭が冴えてきて脳の回転も速くなります。

ジャンセンウォーキングのコツ②親指(足の指)や湧泉に力を入れ、湧泉を指圧するように歩く

 湧泉は東洋医学でもっとも重要視されているツボ(経穴)の一つです。湧泉は「泉の水が土から湧き出るように、人体にある生命のエネルギーが泉のように湧き出る」という意味を含んでいます。湧泉の位置は足の裏を三等分したときの、前方の三分の一に当たるところで、ちょうど「人」という感じの二角が分かれるところにあります。
 楽にまっすぐ立ち、足の裏の重心から1度くらい、前方に力を入れます。ほんの少し体を前に出す感じで立つと、自然に足の裏の湧泉に体の重心がのせられます。

ジャンセンウォーキングのコツ③尾てい骨をまるめて歩く

 尾てい骨をまるめる理由は、身体のエネルギの中心である丹田に、もっともエネルギーを蓄えやすい体の角度を作るためです。尾てい骨をまるめると肛門が閉まり、肛門が閉まれば自然にお尻が引上げられるようになります。そのとき、おのずと丹田にエネルギーが集まり、歪んだ骨盤も整えられるようになります。骨盤が中心の位置にあると脊椎も正しくなり、骨盤の中の消化器や生殖器などのすべての臓器の機能が強化されます。

ジャンセンウォーキングのコツ④明るい笑顔で正面を見つめて楽しく歩く

 頭を後ろに反らしたり前に下げると、頭の重さで頸椎が押さえつけられるので、呼吸によくない影響を及ぼします。あごを少し引き、視線が正面を向いているとき、頸椎もぐんと伸び、脳に入っていくエネルギーの流れもスムーズになります。

ジャンセンウォーキングのコツ⑤両腕を元気よく振りながら、自分の身体を感じながら歩く

 手をポケットに入れたまま頭を下げ、足だけを動かして歩いている人は、肩や首が凝り、腰に負担がかかり、股関節まで硬くなります。全身を感じながら歩くためには、正しい姿勢が基本です。ジャンセンウォーキングの基本姿勢を念頭におき、足の裏の湧泉から頭のてっぺんにある百会まで、一直線になっていると想像しながら、歩いてみてください。自分の体を意識しながら歩くウォーキングは、それ自体が健康手段になります。

 で、このジャンセンウォーキングの効果は

・普通のウォーキングよりカロリー消耗量が三倍以上多くなる。
・ふくらはぎや脳神経が丈夫になり、ストレスがなくなる。
・尾てい骨をまるめて歩くと丹田にエネルギーが溜まり活力が溢れる。
・胸を張って歩くと任脈がほぐされ気分がよくなる。
・明るい笑顔で歩くと脳からよいホルモンが分泌される。

 ということ。

 確かに、足を数字の11の形にするっていうのは、普通に立っていると足は自然に前開きになってしまうので、意識してみると若干重心が前に行って、自然とこのジャンセンウォーキングっぽくなってくる。

『年齢と共に筋力は弱まり、脳も決まったパターンでしか使われなくなります。エネルギーと血液の循環を促進してくれる簡単な動作を通して、手の指や足の指に力をつけながら、脳を活性化させ、体力もつけてみましょう』

 うーん、いいなあジェンセンウォーキング。

 では、早速今からやってみよう。

 行ってきます。

『ジャンセンウォーキング』(李承憲著/講談社/2008年7月2日刊)

 しかし、2008年っていえば、まだ私が在籍していたころだ。でも、こんな本が出ていたことは知らなかった。私が販売促進の部署にいた頃だから、知っていてもおかしくないんだがな。あんまり売れなかったのかなあ。でも、刊行して二週間で2刷がでているんだがなあ。講談社コミッククリエイトっていうのが良くなかったのかなあ。

2014年12月 8日 (月)

鉄腕アトム「正夢」に 右脳再現する新チップに開発熱

 今日の日経新聞(電子版)は『鉄腕アトム「正夢」に 右脳再現する新チップに館発熱』をクリップ。

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 コンピュータは基本的に論理的思考をするものだ。なので左脳的な発達の仕方はごく普通に行われている。問題はやはり右脳的な思考(というより直観的・感情的な思考)をコンピュータが持てれば「鉄腕アトム」になれるということなのだろう。

 IBMが一番研究が進んでいるようだが、やはりここはロボット研究で一歩先んじている日本(東大など)に先頭を切って欲しいものだ。


『本の雑誌』末井昭氏のインタビューが面白い

『本の雑誌』2014年12月たぬきそば夜回り号のカバーストーリー(すみません「特集」のことです)が「天才編集者・末井昭の急接近!」

12『本の雑誌 2014年12月号』(本の雑誌社/2014年12月1日刊)

 最初の末井昭ロングインタビューのタイトルが「なりゆき任せとアマチュアリズム、でも、それが一番面白い!」っていうのがいいよね。まさしくそれが末井氏の雑誌作りの基本なんだものね。

 基本的に「白夜書房の末井昭」って、ビニ本とかエロ本の編集者っていう認識。

 でも、末井氏はそうじゃなくて、『New Self』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』っていう、写真雑誌とか映画雑誌いう名のエロ雑誌を作っていたんだよなあ。

 取り敢えずは『ウィークエンドスーパー』は映画の雑誌、『写真時代』は写真の雑誌という名目なんだけれども、結局はエロ雑誌。ただし、そのエロ雑誌に載っけていた写真は荒木経惟が撮った写真なんだよな。まあ、時代がまだ荒木経惟全開になっていない時代なので、アラーキーといえば「エッチな写真を撮る写真家」としてしか認識されていなかった時代なんだけれども、もしかしたらそれは荒木経惟自身もまだまだ雌伏の時代だったのかもしれない。

 その後の荒木経惟の活躍ぶりは物凄いことになっているが、多分、それはゴッホが死後になって再評価され大画家として認められたようなものだろう。

 で、末井昭氏が「心情だけで雑誌を作ってきたから、編集術を部下に継承することが出来なかった」という末井氏が、新人教育に使っていたという「編集者十の大切」と「雑誌十の定義」というのがあるそうだ。

編集者十の大切
一、待ち合わせに遅れるな
一、常に礼儀を忘れず
一、誰とも分け隔てなく付き合い
一、原稿を受け取ったらすぐ感想を言う
一、企画は街で考える
一、机上で編集しない
一、思い付いたら人に話す
一、アイデアは貯金しない
一、飽きられる前に飽きる
一、二十四時間営業と思え

雑誌十の定義
一、雑誌は表紙
一、雑誌はタイトル
一、雑誌はビジュアル
一、雑誌はライブ
一、雑誌はバランス
一、雑誌は見出し
一、雑誌はコラム
一、雑誌は元気
一、雑誌は心
一、雑誌は相乗効果

 というのだそうだ。

 まあ、確かにその通りだとは思う。

 基本的に編集者の考え方としては「編集者十の大切」の通りだなと思うし、それは白夜出版でなくても大出版社でも同じものだろう。

「雑誌十の定義」で見て見ると、ちょっと違う部分もある。ただし、基本的にはこれでいいんです。けれども、白夜書房のような「これから新しい分野を切り開く」出版社は、多分、この通りでしょう。けれども、王道を行く講談社とか小学館なんかはそこまで厳しくなくて、「雑誌はバランス」以降はちょっとなくても大丈夫っていうか、まあ、それだけ大出版社はお気軽に編集者生活を送れるってものですけれどもね。

 まあ、いずれにせよ末井昭氏が決して大部数を誇った雑誌の編集長ではなかったにせよ、その時代を作った編集長だったというのは衆目の一致ということなのであります。

 マイナー出版社の編集長として、編集者の経験もないのになってしまった編集長という経験も数少ないとも思うが、そんな編集長が辿りついた結論が、大出版社の編集長が辿りついた結論と同じっていうところが、面白い、

『本の雑誌 2014年12月号』(本の雑誌社/2014年12月1日刊)多分、既にバックナンバー扱いだと思うけど、一部の書店やAmazonでは入手可能。

 まあ、昨日に引き続き今日もちょっとお気楽なエントリーでちょっとスマソ。

 明日からはちゃんと書きまする。

2014年12月 7日 (日)

出版界に覚醒促す永江朗氏、「読書離れ」に異論

 今日の日経新聞は『本の小径 出版界に覚醒促す永江朗氏、「読書離れ」に異論』をクリップ。

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『「本は『所有』するものから『体験』するもの、あるいは『消費』するものに変わった。物体として所有するのではなく、読むことを体験し、情報として消費するのだ」

 とすれば、出版社―取次―書店という旧来の新刊販売システムだけでは、読者のニーズに応えられないのである。少なくとも、「目先のおカネほしさに新刊をジャブジャブつくって書店にばらまく」本の「多産多死」の現状は、変えなければならない、と著者は言う』

 結局、「本が売れなくなった」というのは、読者がそれだけ厳しい目で本を見ているということなのだろう。「出せば売れる」という時代ではなくなってしまった、ということなのだ。

 

「日経電子版 体験Day」に行ってきた

 昨日は品川駅港南口にある品川フロントビルで行われた『日経電子版 体験Day ― 東京開催』というのに行ってきた。

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 まだ日経電子版を体験していない人に、実際にパソコンやタブレットを使って日経電子版を体験してもらうなどして、日経電子版を契約してもらおうという企画なのだ。

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 勿論、既に日経電子版を契約している人にもそれを利用して、いろいろなことをやろうというためのセミナーも行われた。

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 セミナーは

1.これからはじめる日経電子版

2.資産運用のための日経電子版活用法

3.スマホ・タブレットで使う日経電子版

 の三つ。

 私は基本的に日経電子版はパソコンで読んでおり、スマホやタブレットでは読まないので、三つ目はパスして、上の二つだけセミナーに参加した。

 とは言うものの、「これからはじめる日経電子版」というのは、「とりあえずどんなもんかなあ」ということで出てきただけで、特別新しい情報はなかった。まあ、毎日「日経電子版」を読んでいれば普通にいろいろな項目を試してみたりするわけで、そうやっているうちに次第に自分なりの「日経電子版」の読み方が出来てきて、「ああ、この記事はコチラに繋がっているのね」ということが分かってきて、理解が出来てくる。つまり、これって紙版の新聞ではできない、それぞれ個々の人の読み方が出来るという電子版ならではの読み方なのだけれども、それはパソコンやインターネットを経験してきている身では当然に備わっているリテラシーなのでありました。

 で、昨日のポイントは二番目の「資産運用のための日経電子版活用法」なのでありましたが、これは結構使えて、日経電子版のタブの使い方なんだけれども……

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 このタブのうち、「マネー」をクリックするとそこから派生するいろいろなパートがある訳なんだけれでも、そのうち「コラム」の中の「マネーブログ カリスマの直言」がいいとか、「やさしい投資」の中の「投資スタートアップ」がいい。「マーケット」のタブをクリックすると、「日経会社情報」の中の「記者の目」という欄が、まだニュースにならないけれども、投資家が興味を持ちそうな記事が載っているというのが気に入った。

 以前、会社員だったころ、証券会社の支店の待合室で毎日毎日、株価表示板を日がな一日眺めているお年寄りの姿は目にしていた訳であるが、今はそんなこと証券会社まで行かなくても、日経電子版を見ていれば一日中株価は分かるし、それ以外の企業情報も入ってくるってわけで、それこそ日経電子版は老後の年寄りの情報源ではあるなあ、と考えている次第。

 まあ、私も「投資家」なんて呼ばれるほど大金ではないが、多少のお金を株式投資に費やしている。そういう立場からすれば、こうした情報が新聞という紙版で朝夕1回ずつでてくる情報ではなくて、電子版として時々刻々でてくる情報を入手できるというのは大変楽に情報入手の方法ができたということなのだろう。

 今、多少反省しているのは、私が中央大学を出てどこに就職しようかなと考えた時の就職先には讀賣新聞と日経新聞があった。しかし、映画への可能性を信じて講談社を選んだのだが、講談社を退職してからは、やっぱり日経新聞に行ってればよかったかなあ、と考えているということなのだった。

 そうしたら、多少はインサイダー取引なんかの恩恵にもあずかれたかな、というのは冗談だとしても、少なくとも、日本のミクロ経済について、今ほど情報過小にはならなかったということだ。

 マクロ経済は誰でもわかるが(あるいは「見えるが」)、ミクロ経済はその専門家じゃないとわからないものね。

 そうか、そんなミクロ経済の積み重ねが「日経新聞」なんだなあ。

 って、お気軽ブログでスマソ。

 明日はもうちょっと真面目なブログになるかなあ?

2014年12月 6日 (土)

三菱自「パリ・ダカ」の増岡氏、電気自動車に挑む

 今日の日経新聞は『三菱自「パリ・ダカ」の増岡氏、電気自動車に挑む』をクリップ。

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「パリ・ダカールラリー」で日本人初の2連覇を達成したラリードライバーの増岡浩(54)が、三菱自動車で電気自動車(EV)という新天地に挑んでいる。三菱がパリダカから撤退して以降、テストドライバー育成などに転じたが、今年6月、ドライバー兼監督として米国のEVレースに参加し、チームを優勝に導いた。レースで培った知見を「究極のEV」開発に生かす』

 という記事。

 「レース・トゥ・クラウド(雲へ向かうレース)」――。増岡を擁する三菱がEV部門で優勝したレース「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」はこう呼ばれる。米コロラド州のロッキー山脈にあるパイクスピーク山の峠道を、標高2862メートルから4301メートルの山頂まで一気に駆け上がる。草木もない道を最高時速220キロメートルで疾走するため「運転中は空しか見えない」という。

  参加車両「ミーブ・エボリューション3」は市販車「アイ・ミーブ」の3倍以上の620馬力を誇るお化けマシン。アクセルを踏んだ瞬間から約2秒で100メートル走る。ガードレールのない道の幅は約8メートル。「1回のミスが致命傷になる。飛び出したらそれでおしまい。今までやった中で一番緊張した」と増岡は話す。

  三菱の最新レース車は、ハンドルに応じて独立した4つのモーターが内輪差を計算して動く機構を取り入れた。「信じられない速度で車が曲がってくれる。エンジン車とは比べものにならないレスポンスだ」。増岡ともう一人のドライバー、グレッグ・トレーシーが出場した三菱チームはEV改造車クラスでワンツー・フィニッシュを飾った』

 さすがにEVで先行する三菱自動車だな。

昨日のブログ・アクセスの動きがおかしい

 昨日の「tsunokenのブログ」のPVは471だった。

 それはどうでもよいのだが、一日のPVの動きがどうもおかしい。

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 ちなみに時刻ごとのPVの動きは以下の通り。

0時台   17

1時台   13

2時台    3

3時台    4

4時台    9

5時台    5

6時台   12

7時台 143

8時台   12

9時台    7

10時台 19

11時台 24

12時台 15

13時台 24

14時台 15

15時台 11

16時台 12

17時台 22

18時台 16

19時台 11

20時台 23

21時台 11

22時台 23

23時台 20

 つまり、朝の7時台が突出して大きなPVを稼いでいる。

 なおかつ

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 この7時台のアクセスはすべてがパソコンによるもの。Niftyのアクセス解析では「PC、iOs、Android、携帯、その他」というデバイスごとのPVがわかるようになっており、私のブログは普通4割くらいがパソコンからなのだが、昨日の7時台だけはすべてパソコン。

 なんなんだろうな、これは。

 多分、一つかごく少数のパソコンから読んでいるんだろうけれども、でも一時間で143回も読んでいるなんておかしい。あるいはどこかの検索エンジンで引っかかって、それが何かの都合で暴走したとか……。

 なにか心懸かりのある方は名乗り出てください。

 チョメチョメしてあげます。

 

東京駅スターウォーズ・ストリートはマーベル・ストリートでもある

 12月2日に『東京駅行幸地下通路がスターウォーズ・ストリートになっている』 を書いた時にあえて触れなかったのであるが、「スターウォーズ」の対面の壁が、実は「マーベルコミックス」および「マーベル・シネマティック・ユニバース」でいっぱいなのだった。

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 おお、アイアンマンがいっぱい!

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 でマーベルの「お触書」があって……

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 後はコミックスの表紙やら……

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 があって……

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 映画のポスターが沢山、沢山……

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 マーベル・キャラ勢揃いの「アヴェンジャーズ」や……

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「アイアンマン」……

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 何故なんだろうと考えたら、実は2009年にはマーベル・エンタテインメントが、そして2012年にはルーカスフィルムがウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下に入っていたのだった。

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 つまり、『スターウォーズ』にキャプテン・アメリカなんかが出てきても、版権的には別に構わないのだ。まあ、ジョージ・ルーカスは嫌がるだろうけれども、ディズニーの強権をもってしてやらせちゃえばいいのだ。

 う~ん、ルーク・スカイウォーカーとアイアンマン、キャプテン・アメリカにスパイダーマンが協力して帝国軍と戦うなんて面白そうじゃん(無責任)。

Fujifilm X10 @Gyoko Underpass

2014年12月 5日 (金)

厚くて難しそうな本を1時間ぐらいで読んだことにする方法

 今日は日野瑛太郎さんが書いている「脱社畜ブログ」から『厚くて難しそうな本を1時間ぐらいで読んだことにする』をクリップ。

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 方法は簡単。

0.本を入手する

1.目次を眺める

2.訳者のあとがきを読む

3.ネットで読書メモをさがす

4.すでに読んだ人と立ち話をする

5.マンガでわかる~、徹底解説~、系の本を読む

6.残り時間で気になるところだけ拾い読みする

 というもの。

「0」は当たり前。「1」もまず私が本を読む前にやっています。「2」は「まえがき」「あとがき」をまず最初に読むということで、私もやっている方法。「3~6」は私はやっていなません。だって、私は当然その本を読んでいるからです。

 だって、そうじゃなければ自分で読んだ本のブログなんて書けないでしょ。たまに「読んでないでしょ」という指摘をいただいたりしていますが、それはそうじゃなくて、あえて全体を見ないで、わざわざある部分だけをとりあげたりしているからなのです。だって、その方が面白いじゃん、ってことで……。

 私はちゃんと読んでます。

『脱社畜ブログ』はコチラから

赤塚城(址公園)と東京大仏

 都営地下鉄・三田線の終着駅、西高島平駅を降りて南へ行くと首都高速と国道17号線バイパスがあるので、それを歩道橋で越えると、赤塚城址公園に行き着きます。

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 本丸跡は武蔵野台地の北東端の高台にあり、足下には現在の高島平、昔は徳丸が原とか徳丸田んぼと呼ばれていた湿地帯があり、その先が荒川です。

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 平山城と言うだけあって、昔はかなり遠くまで見渡せる場所だったのでしょう。そういえば、東京の城って西ヶ原の平塚城(平塚神社)も本郷台地のはずれにあるし、こうした下を見下ろせる高台にあれば砦としての使い勝手はいいのでしょう。

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 本丸跡を下に下りてくると、溜池公園というのがあります。ここは赤塚城があったころは堀だったという話もあるが、多分、もう少し大きな溜池だったのでしょう。

 この辺一帯は湿地帯で、もともと人があまり動ける場所ではなかったのだから、わざわざ堀を巡らす必要はなかったはず。

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 で、赤塚城址公園のすぐ裏にあるのが東京大仏なのです。実はこの東京大仏というのを見に行ったことがなかったのが、今回初めて赤塚城址公園に行った理由。

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 東京大仏というのは赤塚山乗蓮寺という浄土宗の寺。寺院そのものは元々は仲宿にあったそうですが、首都高速の建設や国道17号線の拡幅に伴い、1973年に現在地に移転したらしい。で、その場所が赤塚城二の丸跡なのです。

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 で、東京大仏なのですが、浅草の仏壇店である翠雲堂が製造寄進したものらしく、なんか由緒があるものかと思っていたら、そうでもなかったのでした。

Fujifilm X10 @Akatsuka Itabashi (c)tsunoken

2014年12月 4日 (木)

ライカMレンジファインダーシステムの60周年記念モデル「ライカM-A」

 マイナビ・ニュースから『ライカMレンジファインダーシステムの60周年記念モデル「ライカM-A」』をクリップ。

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『ライカMレンジファインダーシステムの誕生60周年を記念して発売される、機械式レンジファインダーカメラ。ライカM バヨネットマウント方式を採用し、焦点距離16135mmのライカMレンズを搭載。絞りとシャッタースピードはマニュアルで設定する。シャッター速度は1秒~1/1,000秒で調整可能。

「ライカMP」をベースにして露出計を省略。電池が不要なので、堅牢性に優れるとしている。光学ファインダーには、パララックス自動補正機能搭載の大型ブライトフレームファインダーを搭載し、ファインダー倍率は0.72倍、二重像合致式レンジファインダーを搭載する。

本体はライカのシンボルである赤いロゴを省き、クラシカルでシンプルなデザインを採用。シルバークロームモデルは、トップカバーの上部に「Leica」のロゴを刻印。ブラッククロームモデルは、クラシカルで控えめなスタイルとなっており、ホットシューに小さく製品名が刻印されている。

本体は、単一のパーツからなるフルメタル製シャーシ(開閉式リアパネル付き)に、真鍮製のトップカバーとベースプレートで構成。本体サイズは約W138×D28×H77mm、重量は約578g』

 多分、16mmレンズへの対応からファインダー倍率を0.72倍にしているんだろうけれども、レンジファインダーシステム60周年を記念して出すのなら、M3と同じくファインダー倍率は等倍にしてもらいたかった。

 とは言っても既にM3とM6を持っているので、私は買わないだろうなあ。

 

「アナ雪」に挑むサンリオ、映画には映画で対抗

 今日の日経新聞は『「アナ雪」に挑むサンリオ、映画には映画で対抗』をクリップ。

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 なんで「アナ雪」なのか?

『サンリオが「アナ雪」を意識するのは理由がある。本業がダメージを受けたからだ。北米で「アナ雪」の関連グッズが人気となり、サンリオのハローキティなどのライセンス事業は14年4~9月期に、そのあおりを受け量販店での陳列棚のシェアが低下した。北米の売上高、利益とも当初計画を大きく下回っており、15年3月期の全体の売上高の予想は増収予想から一転、前期比2%減の758億円に下方修正した。従来は最高益更新を見込んでいた営業利益も8%減の193億円の見通しへ修正した。

 映画「くるみ割り人形」は有村架純や広末涼子、松坂桃李といった俳優陣が声の出演をし、主題歌を歌うのはきゃりーぱみゅぱみゅと人気者を配す。興行成績はまずまずの出だしのようだ。映画自体は黒字化を見込むものの、全体の業績を左右するような額ではないとみられる。だが、映画の興行収入だけではなく、主人公などの関連グッズも拡販し、さらに国内だけでなく海外でも映画興行する計画だ。特にタイなどアジア地域でのサンリオの人気は高く、同地域は物販やライセンス契約などの好調さから15年3月期も増収増益の見通しだ。

 サンリオは、「くるみ割り人形」をステップに映画を起爆剤とした本業の拡大という新たな展開に踏み出そうとしている。サンリオ商品に親しみを持ってもらい物販につなげる役割を果たすものにはテーマパークがあったが、これに映画という新たな「触媒」を加える腹づもりだ。サンリオはいくつものキャラクターを抱えており、国内外を問わず映画公開をてこに関連グッズの拡販につなげる戦略を進める方針だ』

 とのこと。

 上手く行けばいいですけどね。

 

1年目の役員報酬なんて月8万円でいい

『1年目の役員報酬なんて月8万円でいい』というのは、どんな根拠があって言っているのか、興味を持ったのが本書を手にした理由。

Photo_2『1年目の役員報酬なんて月8万円でいい』(小林琢磨著/WOODY/2014年7月4日刊)

『僕らが1年目、2年目で未経験だったにも関わらず会社が潰れなかったのは、出て行くお金を本当に抑えたからだと思っていて、役員報酬も1年目は1人8万円に設定していたんですね。事務所も家賃がとにかく安い「ノア道玄坂」っていう斜め前がヤクザの事務所だったんですけど(笑)月9万円のマンション1室でスタートしましたし、本当にとことん出て行くお金を抑えた結果、なんとか潰れずに今があったかなという風におもっています』

 まあ、確かに起業した時には一緒に仕事をしているのは、起業の際に志を同じくしている同志みたいなものだから、それは報酬も最低限でも構わないのだろう。しかし、それでは誰でも生活ができなくなってしまうので、いずれの時期にはそれなりの収入を保証してあげなければならなくなる。

『起業って何をするかよりも誰とするかが一番大事だと思っていて、企業って一人じゃ出来ないんですけど、誰とするかがすごく大事なので、良いパートナーを見つければそれだけで8割方上手く行くと思いますし、どんな良いパートナーを見つけたとしても、どんなに仲のいい親友だったとしても、株式の比率だけは!(笑)ちゃんとやった方がいいです(笑)』

『スピード感の共有を事前にしっかり行う』

『あとは意識と意欲の共有ですね』

 問題は、共同で起業するその会社の経営理念とか、その会社の経営方針、社会における存在理念やら、存在意義などで共通のものを持てる人たちでないといけないということなのだろう。それが共有できなければ、例えば会社の目的は大きな収益を上げて自分の収入を上げること(それだって充分起業の目的ではある)だという役員と、そうではなくて社会での存在意義を高めることだという役員の間では、意思の疎通は図れなくなるだろう。特に、会社の経営が上手く行って売り上げが伸びて来たときが、その起業目的の違いがはっきり出てくるときである。

 何のために起業するのか。何のためにその事業を興すのか。誰のための会社にするのか。その会社ができることで、誰が一番喜ぶのか。

 こうした意思が起業役員の中でひとつになっていないと、決して初期の会社経営はうまくいかない。

 スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックも、最初は一緒に仕事をしていたけれども、ジョブズが一度会社から排斥されて、そして再び戻って来てからは、決して一緒に仕事をしようとはしていない。それだけ、第一次スティーブ・ジョブズのアップルと第二次スティーブ・ジョブズのアップルは別の会社になってしまっていたということなのだ。

『次に1年目に気をつけなくてはいけない事は、とにかく会社を存続させること』

 これが大事。だって誰だって起業することはできる訳だが、問題はその意志が持続するかどうかだ。会社は持続してこそ初めて社会に存在意義を示すことが出来る。そして長く続くことでもって社会から認められるのだ。

 なので、1年目としては……

『1年目は見せ方のブランディングよりも地道な営業活動だと思っていて』

 ということなのだろう。

 だって、1年目はその会社の存在自体がまだ社会から認められていないわけで、基本的には営業活動を地道に行って、自分の会社の存在を社会に知らしめる段階だ。そうした営業活動の結果として、2年目あたりからよその会社からの発注が出てくるというものだろう。で、安定的に活動が出来るのが3年目くらいからなのではないか。

 で、2年目辺りからの動きがこんな感じなのだろうか。

『これも僕が良く言っている持論の1つなんですが、会社経営は3ヶ月に1回は大きなチャンスが必ず来ます。しっかりとちゃんと真面目に、地道に営業活動をしていれば不思議なもので3ヶ月に1回は何かしらの大きなチャンスがくるんです! でもその大きなチャンスは3回に1回くらいしか上手く行かないんですよ不思議な物で。なんであんまり大きなチャンスが来て、オオーッ! やったぜ!!と思っても大体3回に2回は失敗すると言う』

 まあ、3ヶ月に1回は大きなチャンスがあるのならば、それはいい方だと考えた方がよさそうですね。でも、その3ヶ月に1回のチャンスでも3回に2回は失敗するというのであれば、年間で成功するチャンスは年間2回である。というか年間2回も成功すれば会社は回っていくってことなのだろう。

 そんな感じなので、あまり焦って成功を狙っても意味はないってことなのかも知れない。

 で、とにかくスタートアップの時は、余り派手にはしないで地道にやっていけばいいということ。

『とにかく最初は出て行くお金さえ気をつけていれば、ある程度なんとでもなると思っていて、具体的には人件費と固定費。個人的には僕は1年目の役員報酬は生活できる必要最低限に抑えるべきだと思っていますし、固定費も1年目に来客なんてまずないと思いますから、見栄を張る必要なんて全くなくて、打ち合わせとかは近くのカフェで十分ですし、とにかく安いところを借りるべきです』

 って、結局はスタートアップ企業って、基本的にはこんな感じで動いて行ってるのだろう。

 その辺は、別に起業ブーム(?)の現在じゃなくても、ごく普通に起業した人の話として読んでいればいいということなのだ。

『1年目の役員報酬なんて月8万円でいい』(小林琢磨著/WOODY/2014年7月4日刊)

2014年12月 3日 (水)

富士重の新アイサイトが最高評価 自動ブレーキ実車試験

 今日の日経新聞は『富士重の新アイサイトが最高評価 自動ブレーキ実車実験』をクリップ。

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 日経BP社が発行する自動車技術専門誌『日経Automotive Technology』が2014年10月に行った実験。詳細は2015年1月号に掲載される。

 ちなみに、最高評価のAAAを受けたのはEyeSight(ver.3)(富士重工)、EyeSught(ver.2)(富士重工)、City Safety/Human Safety(ボルボ)の3種類。AAがエマージェンシーブレーキ(日産)、ドライビングアシスト(BMW)。AがSBS&CSBS(マツダ)、ドライビングアシスト・プラス(BMW)、プリクラッシュ・セーフティシステム(ミリ波レーダー方式)(トヨタ)、レーダーブレーキサポート(スズキ)、スマートアシスト(ダイハツ)、シティブレーキアクティブシステム(ホンダ)、Front Assist Plus(フォルクスワーゲン)だったそうだ。

 

荒木経惟 往生写集―東ノ空・PARADISE

 銀座花椿通りにある資生堂ギャラリーで『荒木経惟 往生写集―東ノ空・PARADISE』(PARADISEのPは裏焼き)という写真展が開催されている。

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「東ノ空」は東日本大震災で亡くなった方の鎮魂と、被災地の復興を祈って、毎朝自宅の屋上から被災地の空へ向けて撮影した写真13点を、まさしく窓枠を擬したフレームで展示。

 こんな地下室に何で窓枠が? と思ったのだが、この写真展のために普通の壁からもう一枚壁を作って、わざわざ窓枠を作ったのだそうだ。

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 その下に印画紙をピン止めしただけの簡素な展示で見せているのは、本展のために撮り下ろした「銀座」の街13点。電通にいたころの荒木は昼休みになると銀座にでかけ、通行人を撮影していたそうだ。そんな荒木の修業時代を思い起こさせる今年の夏の銀座の風景。

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 ところでこの写真展、一般に日本で開催されている写真展とは異なり「撮影可」なのである。

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 ヨーロッパやアメリカでは当たり前の「撮影可」の写真展。これがきっかけとなって、日本でも当たり前になってほしいものだ。

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「PARADISE」(55点)は「東ノ空」「銀座」と異なりカラーの作品。一見、暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇っているように見えるが、実は朽ちかけた花と人形を写した生と死の物語。

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 まさしく「往生写集」なわけだ。

 陽子夫人を亡くし、自らも前立腺がんを経験した荒木経惟の「生と死」を見つめた写真展とも言えようか。今年74歳になる荒木経惟。早くも死を意識しているんだろうか。

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 こちらは写真展図録。

『荒木経惟 往生写集―東ノ空・PARADISE』は12月25日まで開催。

 資生堂ギャラリーのサイトはコチラ

で、こちらが写真展に合わせて出版された『往生写集』。『センチメンタルな旅』など、以前の荒木経惟の写真の集大成のような写真集だ。

Fujifilm X10 @Shiseido Gyallery, Ginza (c)tsunoken

2014年12月 2日 (火)

パルコ、事業アイデアへの出資募る 消費者から

 今日の日経新聞は『パルコ、事業アイデアへの出資募る 消費者から』をクリップ。

 パルコがクラウドファンディングに乗り出すらしい。

Photo

 今月中旬に専用サイト「ブースター」を開いて、ファッションや音楽、アニメ、ゲームなどのテーマで事業を始めたい若手クリエーターや団体を募集。

 パルコが事前審査・面接などを行い、必要な資金額や期限などの事業計画を作成。事業化できそうだと判断すれば計画をネットで公開し、消費者から一口500円で資金を募る。事業はクラウドファンディングを手掛けるミュージックセキュリティーズ(東京・千代田)が投資家募集で協力。

 パルコはクラウドファンディングという形で体験型消費に若い世代を呼び込むのが目的。一般消費者が提案の成否を決めるため、プロや専門家が想定しない異才が生まれる可能性がある。

 かつては「流行発信拠点」であったパルコ。そんな「パルコらしさ」を再び取り返そうという試みだ。

 いずれにせよ、クラウドファンディングという事業に国内流通王手が乗り出すのは初めての試み。興味津々に眺めて見たい。

Prince Akishino airs anti-war convinctions ahead of 49th birthday

 昨日の記事になってしまうのだがTHE JAPAN TIMESの『Prince Akishino airs anti-war convinctions ahead of 49th birthday(秋篠宮49歳の誕生日を前に反戦の信念を語る)』をクリップ。

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 宮内庁が配布した公文書による記事なのだが、要は秋篠宮が改めて戦後の平和主義に意義を認めたということなのだ。

 一番大きな部分は最後のセンテンス。

『It has been widely believed that Emperor Hirohito, posthumously known as Emperor Showa and the father of Akihito, disliked extreme nationalists. After it was reported in the 1970s that Yasukuni Shrine secretly enshrined several Class-A war criminals from World War II, among them wartime Prime Minister Gen. Hideki Tojo, Hirohito stopped visiting the war-linked shrine. But he never explained why in public. Emperor Akihito has not visited the shrine, either. (明仁天皇の父、昭和天皇裕仁が極端に国家主義者を嫌っていたということが広く信じられていたということです。1970年代に靖国神社に東条英機などの第二次世界大戦のA級戦犯が祀られていることが後から知らされた時。裕仁はそんな戦争と繋がった神社に参拝することはやめたということです。しかし、彼はなぜ参拝しないのかを一般には説明しませんでした。明仁天皇は同じくその神社には参拝していません)』

 記事全文はコチラ

 で、実は気になったのは記事そのものじゃなくて、秋篠宮が使っているパソコンがMac Book Airだってことなんだけれどもね。えへへ。(ナンノコッチャ)。

東京駅行幸地下通路がスターウォーズ・ストリートになっている

 東京駅行幸地下通路がスターウォーズ・ストリートになっている。

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 ルーカスフィルムがディズニーに買収されて初めてのスターウォーズ・シリーズ『エピソード 7』が来年公開されるのを記念してやっているのだろうけれども……

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 ちょっと気が早すぎるという感もあり。

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 まあ、でもいいか……

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 スターウォーズの名場面写真が見られれば。

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 ということで、行幸地下通路からお送りしました。

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 行幸地下通路はコチラ。

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『スターウォーズ エピソード7』の予告編はコチラ

2014年12月 1日 (月)

韓国・現代自動車を悩ませる「労働貴族」

 今日の日経新聞は『韓国・現代自動車を悩ませる「労働貴族」』をクリップ。

Photo

 日本の自動車がアメリカを席巻していた時、ビッグ・スリーを経営難に追いやったのは全米自動車労組(UAW)の労働貴族ぶりだったというのを思い起こさせる現代自動車の労働組合だ。結局、アメリカの自動車産業が立ち直った背景には、UAWの譲歩があった。

 まあ、別によその国のある会社がどうなっても私たちには関係ないのだが、少し暗雲が漂い始めた韓国経済の問題の一つではあるのだろう。


『開成高校野球部の「弱くても勝つ方法」』はビジネス理論なんだ

 原典『弱くても勝てます』をベースに開成高校野球部の青木秀憲監督の話を聴きつつ、それをビジネス論に落とし込んだのが本書であります。

Photo『開成高校野球部の「弱くても勝つ方法」 限られた条件で最大の効果を出す非常識な考え方』(山岡淳一郎著・取材協力:青木秀憲/SB新書/2014年11月25日刊)

 青木氏は語る。

『王道を究めて甲子園で優勝する、選手としてプロを目指そうというのなら、本来、技術的な穴があってはいけません。走攻守すべてを網羅したうえで、一つ、二つ突出したものを身につけるのが王道的な戦略です。これって大学受験と一緒ですね。東大に合格しようと思えば、どの教科も網羅的に頭に知識を叩きこむのが前提です。ただ、ウチは受験技術の習得はともかく、野球ではどう考えても王道は進めない。あえて邪道を究めようという感じです。だって、ウチは王道では勝てないですから。でも、勝負事は、どう転ぶかわかりません。これとこれには目をつぶって、こっちで勝負しようという戦い方になていく。戦略を先につくり、限られた範囲で反復練習をする。こうして勝つ可能性を高めていくわけです』

『攻撃が弱かったら、まぁ、まず勝てません。点が取れませんから。一方、守備では点につながりません。だったら守備はそこそこでいいから、徹底的に点を取る能力を鍛えたほうが、勝てる可能性は高まります。攻撃は、成功してもせいぜい三割、四割の領域なので失敗を怖れなくていい。基本的な技術と、あとはちょっとした割り切りがあれば、何とかなります』

『「最初から勢いをつけてコールド勝ちを狙いたいんです。だったら、最初に打てる選手を入れるのは当然でしょう」
 野球は点取りゲームと割り切っているから、守備はそこそこでよしとする。失点覚悟で、大量得点を狙う。10点取られたら、15点、20点取ろうという発想だ』

 そしてピッチャーのタマを直角にバットに当てろという「直角衝突理論」。

 この二つが、開成高校硬式野球部青木先生の、ごく単純なセオリー。

 結局それは、経営学で言うところの「選択と集中」ということ。1980年代にゼネラルエレクトリックのCEOを務めたジャック・ウェルチ氏が採用した経営戦略なのだが、要は赤字部門を売却し得意な部門に経営資源を集中して投入するというものなのに、開成高校の場合は実は「得意部門」というのはない。基本的にスポーツの得意な生徒は開成高校には入ってこないわけだから、初めからそれはあきらめている。で、せめてバッティングだけでも練習して得点力「だけ」を高めようとする。なので、一週間に一日だけの練習日にはバッティングの練習だけをする。

 要は「割り切り」だけの話なのだが、それがなぜ「弱くても勝てます」になったのかといえば、2005年の夏の高校野球東東京大会で開成高校がベスト16になったことがきっかけだったのである。

 でもこの年の開成高校の試合の相手といえば、1回戦・都立科学技術高校(10対2)、2回戦・都立八丈高校(13対3)、3回戦・都立淵江高校(9対5)と勝って、5回戦で国士舘高校に当たって10対3で負け、ベスト16という結果を残したのだが、なんかこの対戦相手を見ると、開成高校が強かったのではなくて、単にくじ運が良かっただけなのである。

 でも勝ちは勝ちということで、なんで開成高校が勝てたんだろうということになり、監督の青木先生の指導方法が注目を浴びたわけなのである。

 そこから導き出されるビジネスへの応用は;

・王道のセオリーでも、自分には無理と思ったら違う道を考える
・勝つポイントを見つけたら、そこに注力せよ!
・やって当然とおもっていることの中から、「やらないこと」を見つける
・勝ち目がなければ、「ハイリスク・ハイリターン」の戦術を狙え
・時間がないなら、時間の使い方を工夫せよ
・改善策は、違う分野からも見つけられる
・「効率」を追及すれば、常識と違い解決策が見えてくる
・短い時間で効果を上げるには「準備」を怠らない
・できないことはしない。「できること」に集中する
・事実を見れば、気にする必要がないものがわかる
・目的につながらないことに振り回されるな
・相手と自分の立場を見ることで、とるべきスタンスがわかる
・すべての原因となるキーワードを探して伝えよ
・その言葉は相手の記憶に残るか!
・目の前の具体的な課題を目標に掲げる
・仮説で動く習慣こそ、自律につながる
・常にチャンスを狙っていないと本番でうまくいかない

 なるほどなあ、野球もビジネスも同じなんだなあ。

『開成高校野球部の「弱くても勝つ方法」 限られた条件で最大の効果を出す非常識な考え方』(山岡淳一郎著・取材協力:青木秀憲/SB新書/2014年11月25日刊)ソフトバンクの系列会社なのになんで電子版を一緒に出さないのだろうか、よくわからない。

『弱くても勝てます』原典はコチラ。

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