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2014年12月15日 (月)

「How Google Works」から見えてくるもの②

 今日はグーグルで有名な「20%ルール」について書きます。

How_google_works_2 『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

 グーグルの「20%ルール」とは、仕事の時間の20%を自分本来に割り当てられていた業務でないことをやってもいいというルール。当然、それは自分勝手な仕事ではなくて、会社の仕事ということで、会社にいる他の誰かが提案した仕事を手伝うとかのことなのだ。

 ここでひとつあげられている「20%ルール」についてのエピソードから。

『2004年夏、ケビン・ギブスというグーグルのエンジニアがあるアイデアを思いついた。ケビンの表現を借りると「リポジトリにあるすべてのURLと、過去のすべてのグーグル検索のクエリに照らしてリアルタイムに入力の自動補完を実施し、総合的な人気度に即して分類したシステム」である。普通の言葉に翻訳すると、ユーザが入力しようとしている検索語を予測し、「完成形はこれですか?」といくつかの案を提示する仕組みだ。ケビンは仕事の空き時間にプロトタイプを完成させると、新しいアイデアを共有するのが好きな人が集まるメーリングリストに概要を送った。メールにはプロトタイプへのリンクが含まれており、プロトタイプに検索語を入力すると、リアルタイムの自動補完がどんなものか実際に見ることができた。

 複数のエンジニアがこのプロトタイプに興味を示し、ケビンのプロジェクトに参加した(デレク・シバースの言葉を借りれば、彼らはケビンの“最初のフォロワー”だ)。こうして現在「グーグル・サジェスト」と呼ばれている機能が誕生した。検索ボックスに「て」と入力すると、グーグルが天気予報を調べるのではないかと推測し、ユーザが入力しなくても済むようにドロップ・ダウンメニューに「天気予報」などと表示するサービスだ。これによって検索にかかる時間が何秒か短縮でき、ユーザーは必要な情報に早くたどり着けるようになった。

たった一人のアイデアがグローバルに展開され、数十億人が「これなしにどうやっていたんだろう?」と思うようなサービスになるまで、ほんの数年しかかかっていない。

 これがグーグルの「20%ルール」の威力だ。エンジニアが仕事時間の20%を好きなプロジェクトに使うのを認める制度である。ここから「グーグル・ナウ」「グーグル・ニュース」「グーグル・マップ」の交通情報など、数々のすばらしいプロダクトが生まれた。ただ、このルールについては誤解が多い。ここで重要なのは時間ではなく、自由だ。この制度があるからと言って、グーグル・キャンパスが毎週金曜日に夏休み状態になり、エンジニアがクリエイティブなさぼり方を競っているわけではない。実際には夜や週末を使って「20%ルール」のプロジェクトをする社員も多いので、「120%ルール」といったほうが妥当かもしれない』

『社員を信頼して自由を与えると、贅沢で実現性のないプロジェクトに時間を浪費するような者はほとんど出てこないということだ。』

『優れたアイデアを実現させる第一歩は、全力で取り組む仲間をつくることだ』

『20%ルールの最も重要な成果は、そこから生まれる新プロダクトや新機能ではない。新しい試みに挑戦する経験を通じて、社員が学ぶことだ』

『20%プロジェクトが成功しても報酬を出すことはない』

 うーん、これも昨日の「採用」に関してのルールと同じく、日本の会社でも、というか出版社というか、私のいた出版社では、普通に行われていることではある。

 出版社というのは企画が第一である。なので編集者(じゃなくても出版社の人間は)は常に企画を追い求めて街を歩いている。別に、営業の人間であっても、特にデスクワークもないし営業がなくても別に街に出て行っても、なにも言われない。というか、会社にいて何もしていないのなら、外に出て何かを吸収してこいと言われるくらいだ。

 勿論、編集者であっても、自分が思いついた企画が自分ではあまり得意分野ではないこともある。そんな時には、その分野が得意な同僚編集者や外部の関係者、非関係者に会って、意見を聞いたり、仕事を手伝ってもらうことだってある。でも協力してもらった同僚編集者には、その分の報酬は出ない。まあ、企画した編集者からご馳走してもらう位なもんだ。勿論、外部の協力者には、編集者個人からお礼をしたり、企画が通ったらその協力者に執筆を頼んだり、それなりの報酬を提供することはある。

 つまり、昨日の「採用」についての考え方と同じなんだけれども、別に、日本の企業であっても、グーグルと同様のことをしているんだ(あるいは、していたんだ)ということ。

 日本の企業が「護送船団方式」で、あまりモノを考えないやり方でもって伸びてきた状況を考えると、その中で「イノベーション」というものに対して次第に後退してきたということなのかも知れない。

 つまり、経営者が政府に働きかけて、その結果、大蔵省(現在の経済産業省)が決めたルールに従っていれば安心・安全・伸長という安寧な考え方だ。その場合、結局、大変なのは経営者だけであり、社員はその会社の言っている通りに働けば、給与は保証され、雇用も保証され、家族も安心、これで定年まで安寧安心という働き方を従業員はできるということだ。

 まあ、それが日本企業の足腰を弱め、イノベーションが出来ずに、これまでの成功パターンに囚われて、新しい事業を興せないままに、世界的な競争力も失い、日本自体の世界におけるプレゼンテーションも低下してきた理由なのだろう。

 というか、そこまで日本企業って従業員が自由に働けない社会なのかしら。

 従業員が勝手に行動することを、そこまで束縛する社会なのかしら? 日本って。

 まあ、そんな会社は没落しても仕方がないんじゃないのだろうか。

 もっと、従業員が自由に働ける(遊べる)会社にすれば、多分、日本企業も再生するんじゃないだろうか。

 というのが、本日の結論でした。

『How Google Works―私たちの働き方とマネジメント』(エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジ他著/土方奈美訳/日本経済新聞出版社/2014年10月17日刊)

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