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2014年11月22日 (土)

『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』というのも意味はないなあ

  11月19日の拙ブログ「『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』じゃなくて徳川総理大臣だよ」で、『どうやって「9勝1敗」を決めたのかは分からないが、なんでそこまでして自分の国とよその国を「優勝劣敗」で分けなければいけないのか? ということがよくわからない。

 まあ、編集者がつけたタイトルなのかもしれないが』

 と書いたわけなのだが、その同じ著者の前著を読んでみた。まあ、そうすればもう少しは本当の考え方が分かるかな……、ってところなのだったが。

Photo『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』(川口マーン恵美/講談社+α新書/2014年10月1日電子版刊)

 まあ、私のアタマが悪いのかも知れないが、やっぱりドイツと日本を比べて何が面白いのか、というのがよくわからない。ひとつだけわかるのは、高等教育では完全にドイツの方がいいが、義務教育では日本のやりかたの方が素晴らしいという部分。

『大学入試で必要がないからか、日本の学校では、試験でろくに論文も書かせない。

 ドイツでは、主張のない人間は、頭が悪いと思われるのがオチだ。

 昔から日本では、「出る杭は打たれる」風潮が強く、現代でもそれは変わらない。しかし、世界基準を考えれば、そろそろ出る杭をさらに突出させてやる社会に変えていかなくてはならないはずだ。

 ドイツの職人の世界には、もともと徒弟制度という親方(マイスター)の下での修業の伝統がある。それがいまでは他の職種にも拡大し、大学生も皆、インターンという名の修業に励んでいるわけだ。そして、最終的に、そのインターン経験にものをいわせて就職先を探す。

 日本の教育の問題は、子供をうまく独立させてやれないことだと思う。遅くとも高校の時点で、子供を大人にしてやるべきだ。

 かつて二〇〇年以上も鎖国をしていた国の人間が、あっという間に外国語で講義を受けたり、論争をしたりしていたというのに、小学校から英語に接していながら、大学生になってもまだろくな英語ができないとすれば、これは、ハングリー精神だけの問題ではなく、英語教育に落ち度があると考えるべきだ』

 というのが高等教育における彼我の違いについて述べた部分。

『ドイツの学校は、とくに四年間の小学校が終わると、勉強をするだけのところとなる。教師は、生徒のプライベートな事柄には一切かかわらないので、日本のように、クラスがコミュニティー性を持つこともほとんどない。  学校では、まず成績がものをいい、人間性を育むといった二義的な機能は重視されない。義務教育の最中でも落第がある。当然のことながら、勉強ができない子にとっては、学校は憂鬱な場所となり、教師と生徒の関係もあまり発展しない。

 いまのドイツの教育は、全体として見るなら日本よりももっと崩壊している。上位と下位の学力の差は甚だしく、そのため、ただギムナジウムだけを見ればその教育はなかなか立派だが、下を見れば、日本人はホッと安堵の溜息をつくはずだ。

 ドイツの学校制度は、戦前の形をほとんどそのまま踏襲している。四年間の一斉教育のあと、進路が三本に分かれる。大学に進学する子供の行くギムナジウム、職人になる子供の行く基幹学校、そして、その中間の、職人にはならないが、学問をするほどでもないという子供の行く実業学校である。ドイツ社会が、アカデミックな柱と職人の柱という二本の柱にしっかりと支えられていた時代の名残だ。

 日本の義務教育は、間違いなくドイツよりも良い』

 というのが義務教育に関する彼我の違いを述べた部分だ。

 で、どうかね。確かに、大学教育における日本とドイツの違いで最も大きなものは、アカデミズムなのではないだろうか。2010年のOECD調査によれば、大学進学率は日本が51%でドイツが42%とそれほど差があるわけではない。ところがドイツの場合、大学における勉強の方法がより専門性が強いのに対して、日本ではもっと一般的な座学が多い筈である。それは日本における新卒一括採用に合うような一般性を持たせた授業が多く、一方、基本的に中途の経験者採用の多いドイツでは、大学の授業はよりアカデミックなものが多いため、学生としてはインターンを数多くこなして大学生でありながら既に就業経験者になるのである。

 つまり、これはどちらがいいか、どちらが勝ちか、という問題ではなく、単に国情の問題であり、日本だってドイツみたいに経験者の中途採用がメインになればいやでもドイツ式の勉強をする学生が増えるに違いないのだ。

 こうした国情やお国柄の違いを無視して「どっちが勝ちか」なんてことを考えても意味はない。

 そんなところから

『ドイツ人は常に物事を悲観的に考えるので、燃え尽き症候群に対しても報道はかなり大仰だ。「これは新しい国民病であり、軽視してはいけない、兆候が出れば、すぐに医者にかかるべきだ」とな』り、何ごとにも「なんとかなるだろう」と楽観的なに日本人の考え方だって、別に比較する意味はない。それぞれのお国柄に合わせて、それぞれの国の中で考えればいいというだけのことだ。

 ただし、この記述だけは同感できる。

『ドイツも日本も、それぞれに自分たちの道を模索している。脱原発に向かって果敢な努力を続けるドイツ、そして、さまざまな可能性を視野に入れて、安全で採算の取れるエネルギー政策を模索する日本。  エネルギー政策は、まさに現在進行形で動き始めている。状況は熾烈だ。しかし、両国のテクノロジーに対する信頼と、地球の明るい将来のための希望だけは、捨てないでいきたいと思う』

 まあ、まともですね。

 ということなので、今回は「徳川総理大臣」なんて茶々は入れない。

『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』(川口マーン恵美/講談社+α新書/2014年10月1日電子版刊)

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