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2014年11月10日 (月)

『驚くべき日本語』はよくわかるのだが、その前に日本人がやらなければならないことがある

 Hitachi Innovation Forum 2014で「日本は、世界を救う?」と題する講演を行ったロジャー・パルバース氏の著書を読んだことがなかったので、一度読んでみようと思って手にした本がこれである。

 すごいんだなあ、だって『「世界語」(リンガ・フランカ)としての日本語』なんですよ。日本語がねえ。

Photo_2『驚くべき日本語』(ロジャー・パルバース著/早川敦子訳/集英社インターナショナル/2014年1月29日刊)

『当時世界で最も賞賛されていた国々は、英国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ポルトガル、ベルギーなど、領土の侵略によって帝国を拡大している国家でした。これらの国々はアフリカやアジア、ラテン・アメリカや環太平洋や大西洋、インド洋の島々など、自分たちより「文明化されていない」人々を、強制的に彼らの支配下におきました。
 そして、征服した国や地域の人々を服従させる最大の武器が、征服者側の言語、つまり、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語などだったのです。
 実際、植民地主義というのは、何よりもまず、勝利者の言語を流布させていく力だとわたしは思います。銃だけで人を服従させあっれる期間は限られています。もし植民地の人々に力があれば、当初、征服者がその地域に及ぼしていた経済力を奪い取ることも可能です、しかし、その土地の言語を奪い、自分たち征服者の言語に取り換えれば、たとえ征服された者たちが革命を起こしたり、ある時期、征服者たちの文化を拒否したとしても、征服者たちに植えつけられた言語にずっと左右され、思いのままに操られることになるでしょう。
 民族固有の言語を破壊することほど、大きな文化の破壊はありません。アメリカ大陸やオーストラリア、そして日本の場合であれば、先住民族であるネイティブ・アメリカンやアボリジニ、アイヌの人たちのことを考えてみてください。彼ら独自の言語のいくつかは今も使われていますが、ほとんどみな英語かスペイン語か日本語に取って代わられています』

 つまり、第二次世界大戦で台湾、朝鮮、満州、中国のいくつかの都市や東南アジア、南アジア、南太平洋などの国々が日本の植民地になり、それら植民地で日本語教育が行われたことを指しているのだ。もし、そのまま、日本が戦争に負けずにいたのなら、もし日本がそのままそれらの地域を支配下に置いたままでいたのなら、それらの地域では「日本語」が、それらの地域での「母語」となって、日本語はある意味では「世界語」として通用していたかもしれない。

『客観的に見ると、日本語は、その柔軟性と日常的に使う語彙の少なさゆえに、多くの外国人にも簡単に使うことができる言語なのです』

 ただし

『書き言葉としての日本語は、漢字に多くの読み方があることから、日本人にとっても非日本人にとっても一筋縄ではいかないくらい難しいと思います。たとえ日本語が他の国々に広がっていったとしても、おそらくローマ字のアルファベットか、よりありえることとして、カナとローマ字を併用することになったかもしれません』

 という形で。

 しかし、日本は第二次世界大戦に負けて、そんな壮大な実験ができる可能性はなくなってしまった。

 この東アジアの新興帝国主義と欧米列強の戦争を、そんな文化戦争として捉えると面白いかもしれない。

 つまり欧米列強からしてみると、やはりあるのは「大モンゴル帝国」の恐怖だろう。つまり、アジアから勃興した強大な国がヨーロッパまでやってきて帝国の版図を拡大する可能性はゼロではない。しかし、モンゴル帝国の時代は征服地の言語改革までは行わなかった。というか、当時の帝国はそこまでして征服地をしはいする必要はなかったのである。

 ところが自らが征服地で何を行ったかを知っている欧米列強は、日本はそのやり方を真似て征服地へ文化侵略を行っている日本の姿をみて恐怖したのだろう。で、必死になってこの東アジアの新興を潰し、そこへ欧米列強の文化を侵略することを考えたのである。

 それが「アメリカ英語」を世界語として、世界中の人々を訓化することなのだ。

『英語はいまや世界の国際言語になっていますが、それは何より大英帝国の世界制覇によるものです。日本より人口も国土も小さな英国は、海を越えて「新大陸」のアメリカに英語を移植して、そこに一三もの植民地を作り上げました。こういった植民地は新たな国家となり、まさアメリカ合衆国は、さらに強制と交渉による説得と高度な技術、あるいはこの三つを実に狡猾に組み合わせて、英語を世界中にまき散らし、次の新たな世界帝国になったのです。武器、宗教、映画、ライフスタイルとインターネット……。こいったものが英語とともに他の国に上陸したのでした』

 つまり、これはアメリカという国を介した、実はイギリスによる世界制覇がまだ続いているということなのだなあ。結局、イギリスははじめはバカにしていたアメリカ英語を、逆にイギリス英語の発展型として認めることによって、はじめは文化的にそして経済的に、最後は政治的に世界を自らの手中に収めたのである。

『日本語もたくさんある世界言語の一つなのですから、それが英語やスペイン語、フランス語のように国際言語になりえない理由などどこにもありません』

 しかし、その為には

『まず日本人自身が、日本語という言語への意識を変え、理解を広げ、深めなくてはいけないと思います。日本人が、自分たちの社会のなかで、非日本人が日本語を話しているのを不思議だと感じているのが、奇妙に思えます。
 しかし、それは単に、日本人がいまだに国際的な視野をもてないでいることを示しているのではないかと思います。「外国人」が日本語を話しているのを耳にしても、目をぱちくりさせないような日が来たら、そのときこそ、「国際的な視野をもつ」国民が現れたといえるのではないでしょうか』

 永遠に続く帝国なんてものは歴史上まったくあり得なかった。つまり、今後、アメリカ合衆国の世界支配がどこまで続くのかを知るものは世界中にどこにもいない。逆に、200年前には英語がこんなにも世界中を支配する言語になることとは、誰が予想したのであろうか。

 つまり、英語の次に日本語が国際言語になり得る可能性もなくはない、と言うことになる訳なのだが、それは日本語だけではなく世界中の言語にその可能性があるということだ。現状の世界観では、多分、英語の次に国際言語になる可能性が高いのは中国語ではないかと考えるのであるが、如何?

 で、その前に、日本語が国際言語になるためには、まず日本語から「外国人」という言葉がなくならなければ駄目だろう。日本人と外国人という二文法ではなく、日本人と中国人、日本人とアメリカ人、日本人とロシア人、日本人と……、日本人と……、という多様性があってはじめて、日本語が国際言語になる前提条件が満たされると考えるのだが。

『驚くべき日本語』(ロジャー・パルバース著/早川敦子訳/集英社インターナショナル/2014年1月29日刊) Kindel版はないみたいね。

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