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2014年10月 3日 (金)

『グローバリズムが世界を滅ぼす』のではない、それに対応できない国の政策が世界を滅ぼすのだ

『グローバリズムが世界を滅ぼす』と言ってみても、既に国境を越えてしまい、国籍がなくなってしまった企業を元の姿に戻すことなんかが出来るのだろうか?

 むしろ、別の方法を考えた方がよさそうである。

Photo『グローバリズムが世界を滅ぼす』(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹著/文春新書/2014年6月20日著)

 19世紀後半、1870年代から1914年の第一次世界大戦までの期間を第一次グローバリゼーションと呼んで、現在のグローバリズムを第二次グローバル化と呼ぶのが近年の歴史家の一般常識だそうだ。

 では、第一次グローバル化と第二次グローバル化はどこが似てて、どこが違うのか?

 第一次グローバル化がなぜ起きたのか、その要因は……

『一つは、大国が全面的にぶつかり合う大きな戦争が不在だったということです。

 二つ目に、当時のグローバル化はイギリスによって積極的に推進されていました。

 三つ目は、金本位制です。一八七〇年代からの世界の主要国のすべてが金本位制に参加し、国際的な通貨制度が確立しました。

 四つ目は。技術革新です。現代はIT革命の時代などと言われますが、当時は輸送革命の時代でした』

 では、第一次グローバル化と第二次グローバル化の比較ではどうか……

『一つ目は、国をまたいで商売を行う多国籍企業が当時も存在していたということです。

 二つ目は、「経済的な相互依存が平和を導く」という学説の存在です。

 三つ目に、一九世紀はイギリス、二〇世紀はアメリカですが、世界経済の中心国において自由主義経済学が大きな影響力をもったという点です。

 四つ目として、グローバル化の時代には、先進国と新興国の対立が次第に激しくなります。

 五つ目は、周期的な金融危機を起こすということです。

 六つ目として、一九世紀終盤から二〇世紀前半は、世界史における帝国主義の時代でした』

 以上が共通点。では違いはあるのか?

『まず、国際通貨制度が異なります。かつての金本位制は、かなり問題のある精度でした。各国の通貨発行量が、その国の持つ金の量によって規定されてしまう……現在は変動相場制ですので、経済状況が悪化しても、各国はさまざまな政策によって景気の浮揚を図ることができます。

 二つ目に、第一次グローバル化の時代には、福祉国家の仕組みがまだ未発達でした。したがって、グローバル経済の変動から国民生活を守るには、関税を引き上げるなどの保護主義政策を採るしかありませんでした。

 三つ目は、IMFや世界銀行といった国際機関の存在です。これらは国家破産や債務危機に陥った国に融資を行い、世界経済のショックを和らげる働きをしています』

 とは言うものの、EU内部では通貨が統合されてしまっているので、EU内部の変動相場制というものはない。ということはEU内部のドイツ一人勝ち状況は固定化されてしまい、スペイン、イタリア、ギリシアなんかのEU内部属国状況は変化がないということになってしまうのか。

 だとすると、アベノミクスのような通貨切り下げ政策を取れる日本は、まだまだEUに比べると状況としては良いと言えるのか。確かに、アメリカやイギリスなんかも独自の政策をとって国を守ることが出来る。

『今、世界でグローバル資本主義が主張する完全な自由貿易、経済的国境の撤廃が最も進んでいる地域がEUであることは言うまでもないでしょう……。その結果、何が起きているのか。各国は通貨の切り下げなど金融政策や財政出動もできない。独自の産業政策も不可能になりました。経済の自立を失い、国家主権さえ失っているような状況です。それは、完全な失敗であり、そのためにヨーロッパは死に瀕しています』

『私はヨーロッパを、平和の地域、リベラルな民主主義の地域、協調の地域と考え、どちらかといえば、アングロ・サクソン流の資本主義に対立するものとして見ていました。私にとってヨーロッパは、社会的連帯のある国家、社会保障、国家の是認、統合の推進といったものの地域でした。しかし、今ヨーロッパで起きていることは、こうした考えに全く逆行しています』

 しかし、考えてみればこうしたグローバリズムやネオリベラリズムといったものも、結局はリベラリズムの行きつくところの考え方なのではないだろうか。企業活動が旺盛になるということは、リベラリズムでは「是」であるはずである。そして、企業活動が旺盛になればなるほど、企業は国境を越え、グローバルになっていくのである。その勢いを誰も止めることはできないだろう。

 だとしたら、そうした企業活動、産業活動からこぼれ落ちた人たちを救うためには、社会のセーフティーネットをより充実させるための政策を、国や国際機関は積極的に行うべきだ。で、そのために必要な資金の拠出は、リベラリストであれば拒否すべくではない。つまり、増税などにも積極的に応じなければならないということである。高福祉社会は同時に高負担社会であるということを、企業も含めて全体で認めなければならない。

 海外からの投資や企業の進出を促進するためには、法人税を下げるといった方法ではなく、法人税は別に今のままで構わないから、その代わりの方法を考えるべきだろう。法人税を下げて企業の進出を促進させるというのは、新興国や弱小国の行う政策である。

 先進民主主義国としては、もっと別の振興策があるはずであり、そんな新しい政策をこそ先進民主主義国がとるべき政策である。

 じゃあ、それがどんな政策なのか……、というのを思いつかないところが、私のダメなところなんだけれども。

 まあ、そこは皆で考えようよ……、と逃げておいて……。

『グローバリズムが世界を滅ぼす』(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹著/文春新書/2014年6月20日著)Kindle版が出たら読もうと思っていたのだが、なかなか出ないのでついに紙版を買ってしまった。

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