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2014年10月18日 (土)

『楽天流』は永久革命なのか?

 私の関係者が楽天で仕事をしているつながりで、ついつい三木谷氏の本が出ると買ってしまうんだが、しかし、講談社が多いなあ。三木谷氏と講談社の野間氏って「お友だち」なのかな。

 しかし、「ルール」っていうのはそれまでに価値観を作り上げた既存勢力が、自らたちの世界を守ろうとして作り上げたものなのだから、新しい価値観をもって世界に登場しようとする人たちが「ルールを書き換えろ!」と狼煙を上げるのは当然のことなわけだ。

Photo『楽天流』(三木谷浩史著/講談社/2014年10月10日刊)

 で、三木谷氏がどんなルールを書き換えようとしているのか、取り敢えず目次から拾ってみると……

第1章 社内公用語英語化の全過程――言葉のルールを書き換える

第2章 楽天成長の原理――ビジネスのルールを書き換える

第3章 グローバル化を進める――成長のルールを書き換える

第4章 会社のM&A――買収のルールを書き換える

第5章 成功のコンセプト――企業文化を書き換える

第6章 ITはコラボレーション、スピード、喜びのツールだ――インターネットのルールを書き換える

第7章 ショッピングの新発見――eコマースのルールを書き換える

第8章 スピード!! スピード!! スピード!!――オペレーションのルールを書き換える

第9章 プロ野球、Jリーグ、オーケストラ――地域貢献のルールを書き換える

終章  eコマースの未来――ブランドは国家を越える

 というもの。

 どこかあまり凄いルール変更という感じはしないのだが……。まあ、普通「ニューカマー」として「オールド・エスタブリッシュメント」のルールを換えようという時は、こんなところだよな。

 一番おおきな興味を持って読んだのが、第6章、第7章だ。

『eコマースは自動販売機ではない。このことだけはぜひ覚えておいてほしい。eコマース界のリーダーたちは、インターネットを利用して世界規模の自動販売機を作りあげた。注文品を決めてクレジットカード番号を入力すれば、商品がはき出される(送られてくる)ようにしたのだ。楽天の競合企業の中には、莫大な資金を投じてこの自動販売機のようなシステムを作ったところもある。このため、インターネットで商売をするなら、自動販売機のように利用するのがいちばんだと考える人もいる。
 しかし、僕に言わせれば、その考えは狭くて、近視眼的だ。たしかにインターネットを使えば、効率的かつ迅速に商品を届けることができる。しかし世界中に存在する無数の販売業者がすべてインターネットに市場に参加しているわけではない。顧客が得るべき最大の満足を提供できているわけでもない。eコマース=自動販売機というやり方は、スタート時点では理にかなっていた。しかし、小売業者にとってもインターネットの利用価値はほかにももっとあるはずなのだ』

『しかし、ディスカバリー・ショッピングには二つの利点あがる。一つは、人間が多様性を求める点だ。人間は、けっして一つの行動様式にはこだわらない。ある人が、ある日あることをやりたがり、次の日は別のことをやりたがったとしても、それはごく自然なことだ。実際、多様性のない世界は退屈だ。だから、ディスカバリー・ショッピングは、新しいものを求める人間の欲望に強く訴えるのだ。
  ~
 二つ目は、人は他人とのコミュニケーションが好きだという点だ。僕の地元に魚を扱う店が2店舗あるという話を思い出してほしい。魚の品質が同程度だったとしたら、どうしてスーパーマーケットではなく個人商店を選ぶ人がいるのだろうか? その理由の一つは、人間同士のつきあいが持つ吸引力だろう。魚屋の店主のことが好きなら、人はその個人商店で購入しようと考える。たぶん彼はていねいに接客するだろうし、スーパーマーケットにはないような、個人対個人の気配りもしてくれるだろう。あるいはあなたは店主を隣人として知っているのかもしれない。これらはすべて強力な人間的要因だ。多くの人は店の棚やコンピューターのディスプレイから品物を買うよりも、人を介して買い物したいはずだ。オンラインショッピングだからといって、出店者と買い物客の関係を遮断する必要はないということだ。仮想環境でもこのような人間関係を作ることは可能だし、望まれていることなのだ』

 ちょっと長い引用になったが、なるほどそういうことだったのだな。

 つまり、私はAmazonでも本を買うし、リアル店舗でも本を買う。ただし、その買い方は違う。つまり、特に何を買うのか決めていない場合、何となく書店に行って、その棚の端から端まで見て回って何か面白そうなことが書かれている本がないか探すのである。時には書店員にお薦めの本はないか聞いたりして、こうして私は一軒の書店で2時間から3時間の時を過ごすこともある。これは一種の「至福の時間」ではある。

 一方、何か「この本」って決めている場合、書店に行ってもその本があるかどうかは行ってみないと分からない。時には2軒3軒と回っても見つからない時もある。なので、買う本が決まっている時は、結局Amazonで注文してしまうのだ。最近では本ばかりじゃなくて、いろいろな商品でもAmazonを使うことが多い。Amazonはそういう意味では、「買いたいものがすぐに出てくる」サイトの作りになっていて、商品が探しやすい。

 ところが「本以外」の商品を楽天で探そうと思うとなかなかamazonのような訳にはいかない。何故か? その過剰な余りのサイトの作り込みにその理由がある。なかなか自分の欲しいと思える商品には行きあたらないのである。最初はちょっとその作りにはガッカリしたのであるが……。

 そんな時、ある人からAmazonと楽天のサイトの作り方の考え方に違いがあるということを教えてもらった。つまり、『買いたいものが明確にあるときにはAmazonの方が便利だが、あまり明確にあるわけでもなく、「何かないかな」的なスタンスで買い物をする時には楽天の方がショッピングを楽しめるでしょ』ということなのであった。

 つまり仮想商店での買い物にリアル商店での買い物の楽しさを加えたのが楽天だということなのだ。フーム、それが「インターネットのルールを書き換える」「eコマースのルールを書き換える」ということなのだな。

 しかし、インターネットなんてまだまだ進化の途中にあるものである。そんなインターネットでも既に既存勢力と新規参入勢力があるというのである。確かにAppleやMicrosoft、Google、Amazonは既に大きくなりすぎてしまいそれ自体が既存勢力化してネットのルールを作りあげている側にまわってしまっているのかも知れない。

 だとすると楽天はどうなのだろうか。経産省の資料によれば2013年の日本におけるeコマース市場の売り上げは11.2兆円。楽天の2013年の売上げは5,000億円ということなので、まだまだ楽天がeコマース市場で「日本の市場を制覇」しているとはいえない状況ではあるけれども、今後とも楽天はそうやって自らの企業が作り上げたルールを自ら書き換えていけるのだろうか。

 これは一種の永久革命だ。トロツキーが成し得なかった永久革命を企業家がやろうとしているということには興味はあるが、はたしてそれは可能だろうか。

 更に、今後、三木谷氏が(死亡とか高齢化とかで)楽天を去った時にはどうなるのだろうか。

 興味津々ではある。

『楽天流』(三木谷浩史著/講談社/2014年10月10日刊)こちらの電子版はKindleだが、当然、Kobo版もあり。

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