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2014年10月30日 (木)

ウイスキーと私

 世の中「マッサン」である。

 って、ついこの間まで村岡花子、村岡花子って言っていたのに、まあ軽薄なこと……、って私のことなんですがね。

Photo『ウイスキーと私』(竹鶴政孝著/NHK出版/2014年8月30日刊)

 本書は、昭和47年にニッカウイスキーが発行した単行本「ウイスキーと私」(非売品)を改訂復刻したものである。が、しかし充分エンターテインメントの本として読める内容になっている。まあ、それだけ竹鶴氏の経験は波乱万丈だったんだな、ということなのかも知れない。

 連続テレビ小説「マッサン」は、マッサンとエリー(リタ)が日本に来るところから始まるが、この本ではそれ以前の「竹鶴酒造」(テレビでは亀山酒造)に生まれた政孝氏から話は始まっている。造り酒屋の三男坊に生まれた政孝は、上の二人が家を継ぐことを嫌った為、大阪高等工業(現在の阪大)の醸造科に進む。

 学校で洋酒に興味を持った政孝は、大阪にある摂津酒造(住吉酒造)に入社し、摂津酒造で「赤玉ポートワイン」を作っていた関係から鳥井信治郎(鴨居欣次郎:堤真一)と知り合い、その後に竹鶴が寿屋入りするキカッケになったのは、テレビの通り。住吉酒造の一人娘・田中優子(相武紗季)という娘がいたのかどうかは、本書では知る由もないが、まあその辺はリタの手前もあってあまり深くは書かなかったんだろう。

 当時は第一次世界大戦のさなかで、日本経済は大変潤っていた。

『当時の好況ぶりは、世界大戦のおかげで大変なもので、輸出はどんどんふえ、輸入は殆どふえなかったから、日本のもうけはすばらしかった。歩が金になるいわゆる〝成り金時代″であった』

 ので、摂津酒造の阿部社長(住吉酒造の田中社長)から竹鶴は言われた。

『竹鶴君、君はスコットランドに行ってモルト・ウイスキーを勉強してくる気はないか。わが社のウイスキーは今は売れているが、いつまでもイミテーションの時代ではないし、品質にも限界がある。君にその意思があれば本場の英国に留学してその技術を習得してきてほしいのだが』

 で、まあそれが竹鶴政孝とジェシー・リタ・カウンとの出会いになり、二人は恋仲となり、結婚するのであるが、その二人の結婚式に摂津酒造の阿部社長が列席するのである。

 つまり竹鶴の実家ではスコットランド人との結婚には大反対で、結局、阿部社長がスコットランドに行って様子を見てくるということになり、阿部社長のお眼鏡にかなって

『優しい人だし、それになかなかの美人だね。日本に連れて帰るように』

 ということになったそうだ。

 だとすると、実家の母(泉ピン子)の猛反対や、優子のエリーいびりはなかった筈である。ということは、やはりあれはテレビ向けの演出であったのか。まあ、実際の波乱は日本とスコットランドという遠く離れた場所ではあったようだが、それではテレビ的には「絵」にならないので、そのすべてが日本であったような演出になっている訳だな。

 まあ、竹鶴政孝とリタは既にかの地で結婚式を挙げているわけである。そんなものを帰国してからいちいち反対したり、嫁いびりみたいなことをしたって手遅れなのだ。というか、そう言えば、テレビでは正春とエリーの結婚式のシーンはなかったなあ。テレビでは帰国前に結婚していたのか、帰国してから結婚したのかがはっきりしていない。ちょっと、それは気になる。

 まあ、いずれにせよ、政孝とリタの日本における夫婦生活はそんなに波乱万丈ではなく、普通に始まったようなのである。

 その後の、サントリーおよびニッカのことに触れてしまうと「ネタバレ」になってしまうので、その後の『ウイスキーと私』のストーリーには触れない。

 で、本書の最後の方に「竹鶴コラム」というのがあって、そこに「ウイスキーの正しい飲みかた」というのがある。なにしろ、日本で最初にスコットランドに行ってウイスキーの作り方を学び、日本で最初に本格的なスコッチウイスキーを作った人だ。それは傾聴に値するだろう。

『ウイスキーの香りをかぐとか、味を味わうという意味ならば、ストレートがいい。ところが、これを毎日やっていると、胃の粘膜を刺激しすぎる。刺激しつづけると胃をいためるおそれがある。だから、毎日飲むような人は、ストレートは避けたほうがいい。
 こんな人向けには、水割りが適している。水でうすめて、アルコール分を十二度から十三度ぐらいのあいだにする。
 つまり、ウイスキー〝一″に対して水を〝二″、倍量の水でうすめるのがよい。これなら、毎日飲んでも、胃の粘膜をいためることはまずない。
 水割りには氷をいれてもいいが、あんまり冷やしすぎてはダメだ。ビールでもあんまり冷やしすぎたのでは味が落ちるように、ウイスキーにも適温というのがある。ビールと同じ、摂氏八、九度が適温である>
 水割りの水はm何といっても井戸の水がいい。
 そうした意味からいえば、オン・ザ・ロックはあまり感心しない。あんまり冷やしてはせっかくの香りが消えてしまう。
  <中略>
 たとえばアメリカ人はストレートのまま飲んで、あとから水を飲む。イギリス人は、水でうすめて、それから飲む。これはイギリス人のほうが正しいと思う。
  <中略>
 しかし、これはしょっちゅう飲んでいる場合であって、たまにしか飲まない人であれば、好きなようにお飲みになって結構。飲みかたにこだわる必要はあまりない』

 ということ。

 基本は「ウイスキー1に対して、水2」の割合で飲むのが一番ウイスキーの味がわかるということらしい。

 10月6日のブログで書いた小樽のバーテンダーの話では、マッサンは『ストレートかトワイスアップ(小さなグラスにウイスキーと水を1:1)で飲んでいました』とあるが、やはり一般人に薦めるのはもうちょっと弱くしたウイスキーなんだな。かといって、「銀座の水割り」みたいに「ウイスキー1に対して、水9」なんてまったくウイスキーの味がしない飲み物はダメですがね。

『ウイスキーと私』(竹鶴政孝著/NHK出版/2014年8月30日刊)Kindle版も出ている。ついでにテレビ小説版『マッサン』もKindle版で紹介。

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