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2014年9月18日 (木)

濱嘉之作『機密漏洩』を歩く

 今月から始まった「○○○○作『××××』を歩く」シリーズ第2弾は「濱嘉之作『機密漏洩』を歩くだっ! 刑事ものなので、いろいろなところに「デカ」けるのだっ!

 ってエクスクラメーション・マークをつけるほどではないが、濱嘉之氏も私が好きな作家のひとり。中央大学法学部法律学科を卒業後、警視庁に入営し、2004年まで勤務。警視庁警視で退官後は「警視庁情報官」で作家としてデビューした。まあ、元警察官だけに「反中」的立場は見えるんだけれどもね。

 作風としては、『かつて警察官だった者として、「嘘のないこと」を心がけており、臨場感のある作風が評価されている。全作品に共通する特徴として、メインで登場するノンキャリア警察官が、高学歴かつスマートで優秀な人物ばかりであることが挙げられている』(Wikipedia)そうだが、確かに今回の主人公たちも……。

『 青山望……麻布警察署警備課長。前警視庁公安部公安総務部公安総務課係長。中央大学剣道部出身。
 大和田博……浅草警察署刑事組対課長。前警視庁組対部組対四課係長。早稲田大学野球部出身。
 藤中克範……新宿警察署刑事課長。前警視庁刑事部捜査一課係長。筑波大学ラグビー部出身。
 龍一彦……築地警察署刑事課長。前警視庁刑事部捜査二課係長。関西学院大アメフト部出身』

 とまあ、それぞれそれなりの大学の運動部出身で、結構「できそうな」刑事たちだ。

Photo『警視庁公安部・青山望 機密漏洩』(濱嘉之著/文藝春秋社/2014年8月20日電子版刊)

 では、早速「歩く」シリーズであります。

『翌日、青山は代々木にあるその宗教団体の本部を訪ねた。このあたりの街一帯が、この宗教団体の施設で埋まっているような感じさえする』

『青山はここで大間が出てきたことにも驚いたが、それ以上に四谷教団という政教分離の批判をものともせず、常に与党に身を置く政党を左右する政治団体の存在が気になっていた』

『四谷教団の教主がノーベル平和賞を狙っていることはご存じですよね』

Photo_3

 とくれば、これは信濃町の創価学会しかないですよね。創価学会と公明党でしょう。

『新宿署から百メートルも離れていないビルの八階にある、逃避顧問会社の支店長室の応接用のソファに座って槇島が言った。投資顧問会社の支店長は岡広組系糸山櫻組の準幹部だった』

Photo_2

 新宿署は分かるんだが、そこから100mも離れていないビルって……、どこなの? あまりにも多くて……、ということでこれは特定できず。

『在日中国大使館を見下ろすことができるマンションの一室に入って、青山は訊ねた。この部屋はチヨダの了解を得て、中国大使館の視察拠点として、麻布署の外事課が独自に設定した場所だった。セレブの街・広尾とIT関連の最大拠点である六本木の中間地点という地理的条件から、この1LDKでさえ通常ならば月額二十万円は下らない物件であったが、所有者が青山の協力者であったことで月五万円という価格で借り上げられていた。ここから光学千ミリメートルの望遠レンズを取り付けたデジタルカメラと、ビデオカメラが並んで大使館内に向けられていた』

Photo_4

 これは簡単に発見。「HOMAT CATHAY」というマンションで、確かに高そうなマンションである。賃貸物件なのか、分譲物件なのかは分からないが、まあ場所から言っても賃貸料は安くはないだろう。月五万円なら私も借りたい。

『東京駅丸の内北口にある丸ノ内ホテルのロビーで待ち合わせた藤中と大林朋子は、ホテルのラウンジの窓側に向かい合って座った』

Photo_8

 これはまんま、そのまんまあります。東京駅丸の内北口前にあるオアゾというビルの6階くらいから上が丸ノ内ホテルで、窓際と言えば東京駅を出発する列車が見える場所です。ロケーション最高ですね。

『歌舞伎町一丁目と二丁目の境は新宿区役所通り交差点の風林会館前を、職安通り、靖国通りとほぼ平行に東西に走る道路である』

12

 まあ、警察もので、やくざ絡みと言えばすぐ出てくるのが歌舞伎町、風林会館なのであります。

『四谷管内にあるアフリカの某国の大使館には反社会勢力がひっきりなしにタムロしているようです』

Photo_5

 ということで四谷警察署近辺にも行ったのだが、「アフリカの某国の大使館」の場所は特定できず。

『五人に囲まれた西川は、総合庁舎の警察専用地下駐車場からワンボックスカーに乗せられて、半蔵門にある警察共済組合が所有するグランドアーク半蔵門の地下駐車場に入った。地下駐車場から営業用のエレベーターに乗せられ、最上階の十七階にある角部屋のデラックスツインに連行された。
「当分の間、ここで事情を聴かせてもらう。理由はわかっているな」
「何のことでしょうか?」
 西川は懸命に平静を装うとしていたが、将来の警察庁長官と目され、九州管区局長と同期の、カミソリとの異名をとる総括審議官の目には、愚かな抵抗にしか見えていない様子だった』

Photo_6

 いよいよドラマは核心に迫る訳ですが、しかし、本当に「警察共済組合が所有するグランドアーク半蔵門」なんて高級ホテルがあるのは知らなかった。

 本当にあるんですよ。

『今回、特別捜査本部は殺人が発生した麻布署に置かれたが、ここには築地、新宿、浅草の三署からそれぞれ刑事、組対、公安各課の捜査員が二名ずつ派遣された。それも各署各課のエース級で、捜査期間は二ヵ月と言う集中体制である。しかも、本部からも捜査第一課、組対第四課、第五課、公安総務課、外事第二課の五課からそれぞれ管理官以下六名派遣されるという、いまだかつてない捜査本部の陣容だった』

Photo_7

 うーん、麻布署ってそんなに大きな警察ではないんだけれども、それだけの大部隊を置いておけるほどの場所があるんだ。まあ中に入ったことないですから、何とも言えないのですがね。

 ということで、最後の麻布警察は、まあほとんど最後の始末をつけるだけのもので、基本的には「警察共済組合が所有するグランドアーク半蔵門」が事件が決着する場所。

 しかし、警察がそんなものを持っていたとはなあ。さすがに公務員共済組合、ってことですかね。

『警視庁公安部・青山望 機密漏洩』(濱嘉之著/文藝春秋社/2014年8月20日電子版刊)紙版は2013年8月10日刊。この1年間の差って、どうにかならないもんかなあ。

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