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2014年9月19日 (金)

はあちゅうの『広告ガール』は平成の「気まぐれコンセプト」か?

 D通やH報堂などの大手広告代理店の社内ネタを面白おかしくマンガのネタにしたのが、1981年から続いているホイチョイ・プロダクションズの『気まぐれコンセプト』で、バブル時代には大いに読まれて一大人気漫画になったわけなのだが、このはあちゅう作『広告ガール』で展開されている電通社内ネタを見ると、いまだに広告業界は「バブル」をやっているのか、とも思ってっしまう。

 う~ん、まさに『気まぐれコンセプト』みたいに「反省」という言葉がない世界なんだなあ。

Photo_9『広告ガール 大手広告代理店新人日記』(はあちゅう著/ゴマブックス/2014年9月3日刊)

 はあちゅうさんの名前は前から知っていて、カリスマ・ブロガーとして名前をはせていたことなどは有名であった。有名ではあったが、ブログを読んで「まあ、女の子の自家中毒的なブログね」ってなもんで、あまり注目はしていなかったんだが、本になっていたのは知らなくて、今回初めてブログ本を読んでみたわけなのであります。

 で、結論から先に言ってしまうと「なんだ、いまだに広告業界って昔と変わらないバブリーなことを、それもかなり無責任にやっているんだな」ということである。まあ、業界の習慣なんてそうそう変わるものじゃないから、それはそれで仕方がないのだけれども、ねえ、それでいいの? とも思ってしまうのだ。

 ってことは、例えばアニメ番組を制作することを決めたとして、最初の頃は制作関係の打ち合わせにも何人もの人、つまりスポンサー企業担当の営業の人数人をはじめとして、プロモーション担当、キャンペーン企画担当、SP担当、CMクリエイティブ関係の人数人などなど、多くの人が集まった番組始まり前の状況が、番組がスタートして第1回目の放送が終わって視聴率が惨敗状態になると、徐々に会議に出てくる人が少なくなってきて、番組の打ち切りが決まった後には、ついに出てくるのはスポンサー企業担当営業の一番下っ端だけになって、番組プロデューサー(クレジット的には「制作担当」だが、実質プロデューサーっていう意味でのプロデューサー)たちとの番組の打ち上げに出てくるのは、その人だけっていう状況は今でも続いているのだろうか。って言うのは私の体験。

 うーん、あり得るな。

 どうせ他人のフンドシで商売をするのが広告代理店。「士農工商・代理店・そのまた下の制作会社」っていう業界構造は、まあ変わってはいないな。

 面白いのは

『偉い人「S、伊藤君(はあちゅうのこと:引用者注)のことを教えて」
S君「えっと……伊藤さんはブログが有名で……。ブログの有名人です」
偉い人「そう。でも、その他にないの?」
S君「その他にもありますけど……伊藤といえばやっぱりブログです」
偉い人「でも伊藤からブログを取ったら何が残る?」
S君「……」
北極の氷も溶ける勢いで打ち解けて打ち解けてうちとけまくったと思っていたS、まさかの沈黙。さっきまで饒舌だったでしょアンタッ!
沈黙が続くこと数十秒。追い打ちがかかります。
偉い人「伊藤からブログを取ったら何もないのかな?」
S君「……」
……っておい!! ねぇのかよっ!!
S君「いや、何も残らないってわけじゃないんですけれど、伊藤さんはブログっていう印象が強すぎて」
さっきまで伊藤だったのに急にさんづけ!? なんでいきなり距離あいたの、私たち。
ガーーン。
偉い人「で、あなたは伊藤さんのブログ以外は何も知らないと。大学時代、ブログ以外何もやってたとか。今の業務のこととか」
またもや、沈黙。
S君「えっと……伊藤さんは……誰にも分け隔てなく優しいです」
……ぶ……無難すぎる!! というか優しいって、他に褒めるところが何もない場合の最終手段だし!! もっとほら、大学時代はチアリーディングやってたとか、法学部だったとか、香港に留学してたとか!! たくさんあるじゃん!

私はアンタがW大学出身で、寮でリーダーだったこととか、ものマネがうまくて先輩に重宝されていることとか顔がでかいこととか、なんでも知っているのに、私にはまるで興味がないのっ!?
というわけで、思いがけず同期とのコミュニケーション不足が露呈。私の自己PRも甘かったかもしれないけどそりゃないよ、S……。』

 ってくだりなんだけど、まあ、他人から見た自分なんてそういうもんで、

『偉い人「じゃあ、自己紹介ならぬ他己紹介ってことで、お互いのことを話てもらおうか」』

 なんて言った「偉い人」が問題だね。

『広告界の最高新人賞をもらえるけれども10kg太るのと、絶世の美女になれるけれども新人賞はおろか広告界ではどんな賞もとれないとうになる、とか。さあどっちをとる、私!』

 って言うけれども、これはもう前者しかないでしょ。だって、はあちゅうが好きな林真理子さんがその一番いい例で、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ヒットしたり、西友ストア向け広告コピー「つくりながら、つくろいながら、くつろいでいる」でTCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞を取った頃の林さんは「ブ○」で「デ○」なネーチャンでしかなかったのに、今やねえ。ということで、これは「広告界の最高新人賞をもらえるけれども10kg太る」に決まりなのだ。

 まあ、この本も基本的にはブログ本なのだろうけれども、そのブログ本としてのユルさがいいのかも知れない。

 別に、本書を読んで何かを学ぼうなんて人はいないだろうし、自分の生き方の参考にしようなんて人はいないだろうし、まあ、時間潰しとして読むのにはいいのかもね。

 いろいろある書籍の中にはそんな本もあるさ。

『広告ガール 大手広告代理店新人日記』(はあちゅう著/ゴマブックス/2014年9月3日刊)紙版は<主婦の友社/2011年3月>、なるほどそういう展開もあったのか。

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