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2014年8月10日 (日)

『攻殻機動隊 大原画展』とは何か?

 士郎正宗「攻殻機動隊」が最初に「ヤングマガジン 海賊版」に出たのが、1989年5月号。単行本化されたのが1991年10月であるから、既にそれから25年も過ぎている訳だ。

 一時期「AKIRA」がサイバーパンクと呼ばれた時があったが、ウィリアム・ギブスンの小説(翻訳)を読んだ時には、「『AKIRA』はサイバーパンクじゃないよなあ」と思ったものだが、「攻殻機動隊」に関しては「まったくこれはサイバーパンクだ」と思い、日本のSFも完全に一歩進んだんだと感じさせられた。

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 ポイントはそのコミックの「書き文字の多さ」である。

 とにかく士郎正宗のその漫画の絵の描き込みの緻密さもさることながら、同時にそこに書き込まれた情報の多さも相当なものだった。漫画というものは、基本的には「絵」で見せるものだと考えていた当時の我々にとって、その漫画の情報量に関してはまさしく「吃驚」というものに値した。それはウィリアム・ギブソンの世界そのものだった。ギブスンの小説も、ストーリーよりもその「設定説明」がやたら多い小説で、読むのに大変苦労した記憶がある。

 確かに「電脳」というものを解説するのには、それなりの説明が必要だったんだろうな、当時では。

 今や、ウェラブルコンピューティングというのが当たり前になってしまって、眼鏡型や腕時計型の端末からクラウドにデータが集まって、そこから再度データがダウンロードされて、次には「何をしなさい」という命令がくるのが普通になってきつつある(私も使っている)。

 脳にそれが埋め込まれるのは、あと少しのことなのだ。

 ただし、そうした理解がまだなかった20世紀末。それは「屁理屈」という形でしか表現できなかったのでありました。

 で、その「吃驚」に値した漫画を原作としてアニメーションを作ったのが、以前、アニメーション「AKIRA」の監督として私が推薦した押井守だったというのには、二度納得。

 とにかく「屁理屈屋」の押井である。士郎正宗の屁理屈に対抗するだけの、もっとすごい屁理屈をもってこなければアニメにする意味はないわけで、でも、そうなればそれまでのアニメーションに関する一般的な考え方では製作はできないはず、という考え方もあったのだろう。しかし、押井を「攻殻機動隊」の監督に持ってきたのは正解であり、唯一の残念は、そのプロデューサーが私ではなかったということである。

 結果として、1995年に完成・公開した『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』は、日本では興行的には惨敗、しかし、アメリカでは興行的にはうまく行かなかったけれども、ビデオとしては大成功で一時期には「ビルボード」誌で第1位になるという栄光に輝いたのであった。

 ただし、その成果には我々は与かれなく、一時期は訴訟も考えたという後日談もあるのだが……。

 で、その成果に預かった(んだろうな、バンダイビジュアル・アメリカは)某バンダイビジュアル社だけが張り切っちゃって、第二弾『イノセンス』を作ったんだよな。

 勿論、『イノセンス』では押井モード爆発で、原作にないエピソード満載のストーリーにはなっていた。

 その後、「攻殻機動隊」は「Stand Alone Complex」「Stand Alone Complex 2nd GIG」「Stand Alone Cmplex SSS」となっていって、今や士郎正宗の原作とはほとんど関係ない世界に入ってしまっている。今や、コミックのアニメ版のコミカライズという訳のわからない世界にまで入って行ってしまって、士郎正宗氏が描いたコミックじゃない「攻殻機動隊」のコミックがたくさん存在するのである。

 まあ、コミケの世界では当たり前の状況(カオス)なわけだが、それがメジャー・コミック誌でも当たり前に存在する状況になったというのが、これまた新しい状況である。

 つまり、小説にインスパイアされて書いた新たな小説と同じように、コミックにインスパイアされた新たに描いたコミックというものが今や存在するようになったというわけなのである。

 で、逆にそれらの存在を許してしまう士郎正宗という作家も凄いなと思うわけだ。

 まあ、当然メジャー出版社(講談社)が手がけていれば、それはそれなりの原作料(というか原案料)の収入もあるだろうし、元々の原作者としてのリスペクトもされるだろうから問題はないわけであるが、これがもうちょっと小さい出版社だったらどうなるのだろうか。

 まあ、ちょっと想像するのも恐ろしい結果にはなりそうだ。で、それを訴訟で解決するのも、原作者、出版社相互の関係の中では、その両者のあまりにも低いレベルの法的対応力を考えると、ちょっと不安になってくる。何しろ、出版物の電子化に関しても、実はほとんどの出版社は何の対策、対応も出来ていないというのが現状である。

 で、そこに法律家のつけ入る部分がありそうだ。

 そんな非メジャーの出版社(法律的にアマチュア)と、非メジャーの作家(法律的に素人)の間の「法的論争」とか「訴訟事」こそが、「法律専門家」の入り込む場所ですよねえ。

 まあ、日本にいる幾多の、イソ弁、ノキ弁、宅弁、携帯弁、町弁などの「実質的には無業の弁護士さんたち」、ここはこれからの狙い目かもしれませんよ。

 って、何を言っているのかな、俺は。

 何か、話の方向が変わってしまった雰囲気があるが……、まあ、いいか。

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『攻殻機動隊 大原画展』は池袋西武で8月20日まで、以降、大阪、福岡、新潟の各地で開催。

公式サイトはコチラ

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