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2014年8月27日 (水)

『世界と闘う「読書術」』

 佐藤優氏は「博覧強記」の人である、というかその「強記」ぶりはむしろ「狂気」という程のものであって、佐高信氏をして

『佐藤優さんは異能の人である。とてつもない博識もそうだが、話していると、それが直ちに彼の頭の中に立ち上がって動き出す。
 私がかつて読んだ本についておぼろげに思い出そうとしていると、まるで映画のワンシーンのようにそれがよみがえるらしく、具体的に語り始めるので、私は唖然とすることがしばしばだった』

 と書かせるように、とにかく佐高氏が何かの本について話し始めると、それを受けて即、佐藤氏が佐高氏のお株を奪って話し始める様子が、本を読んでいてもわかってくる。

Photo『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』(佐高信・佐藤優著/集英社e新書/2014年7月31日刊)

 一方、佐藤氏から見た佐高氏は

『左派、リベラル派の評論家には、カネに細かいマネー教の信者が多いというのが、私の見立てだが、佐高氏はその対極の人だ。経済合理性に反する行動を率先して取る。また、佐高氏は自分が持つ知識や経験を惜しむことなく他者に与える。それだから佐高氏には他者を惹きつける魅力がある。私も佐高氏の魅力に惹きつけられている』

 というもので、お互い尊敬しあっている風だ。

 ところが、この対談における佐藤氏は佐高氏が一言発すると十言くらい返す博学ぶりで、こんな調子

『佐高 私が『石原莞爾 その虚飾』を書いたときに「なるほど」と思ったのは、戦争中の日本の右、保守の思想というのは、「混合民族説」なんですね。他民族を認めていた。

佐藤 そうなんです。日本は超国家主義であるのと同時に、そこで「超民族主義」という思想が出てきたんです。決して単一民族ではないと。
 だから、実は「単一民族説」というのは、戦後出てきた神話なんですね。その件については社会学者・小熊英二さんが『単一民族神話の起源』の中で、実証的に分析しています。

佐高 つまり、日本人・漢人・朝鮮人・蒙古人の「五族協和」という話。ファッショ的なんだけれども、単一民族では五族協和ができないわけなんだよね。

佐藤 これは小熊英二さんが明らかにしているのですが、日本の戦前の国定教科書では、日本は多民族国家で、内地臣民と外地臣民がいて、外地臣民には台湾人や朝鮮人がいると書いてあるんです。

佐高 モンゴルまで含めてね。

佐藤 それから、一九三〇年代に進められたユダヤ難民の満州移住計画、いわゆる「河豚計画」というのがありますが、これはユダヤ人まで加えていこうという計画ですから。日本通で知られるトケイヤーという人が、この河豚計画について研究して『河豚計画』というのを書いてます』

 という具合。

 確かに、各章末に百冊ほどの、その省に書かれていることを理解するための本が紹介されているのだけれども、その数合計してほぼ1000冊ある訳だ。

 なるほどこれだけの数の本を読んでいれば、博識になるだけではなく、相当に思想は鍛えられるだろう。更に言ってしまうと、これらの紹介されている本のすべてを佐藤氏は諳んじているということなんだなあ。

 つまり、これは佐藤氏をはじめとする日本の官僚ってみんなこうなの? 

 ところで佐藤氏は2002年に自民党議員の鈴木宗男氏がらみの事件で逮捕され、その執行猶予付きの有罪判決が出て、文筆家に転向したわけだけれども、そんな訳なので基本的には保守系の言論人になるわけである。なので、左派、リベラル派と考えられる佐高氏とは本来は反対側に立っている筈なんだけれども、どうもこの本を読んでいるとあまりそのようには見えないというのがおかしい。

 まあ、佐藤氏の博識ぶり、碩学ぶりに佐高氏は惑わされてしまったのか、佐高氏だって相当の数の本を読みこなしていることが分かるのは、その著書から見て取れるが、その佐高氏自身が『私がかつて読んだ本についておぼろげに思い出そうとしていると、まるで映画のワンシーンのようにそれがよみがえるらしく、具体的に語り始めるので、私は唖然とすることがしばしばだった』と書くように、まさしく「唖然とする様」が見えるようである。

 とは言うものの、こうした碩学の人というのはとにかく本をたくさん読んでいて、その知識の量で人を測る所があるわけなので、それが嫌味になったりするところがある。ところが佐藤氏にはそのようなところがないというのは何故なんだろうか。

 あるいは本にするための対談原稿を推敲する段階で相当に書き直しているのだろうか。

 うーん、対談の場に居たかったなあ、と思われる対談ではあった。

 さて、およそ1000冊の本。私が読んだことがあるのは何冊だろうか。

『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える1000冊』(佐高信・佐藤優著/集英社e新書/2014年7月31日刊)紙版(集英社新書)は2013年12月刊

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