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2014年7月15日 (火)

『旅とカメラと私』が言いたいこと

『旅とカメラと私』という設問は、基本的にはどんなフォトグラファーにも当てはまるタイトルで、それ自体は何も語っていないに等しい。つまり、写真を撮るために旅に出た写真家に、写真を撮った時の心象を語ってもらったというだけのこと。

 じゃあ、それが何の意味があるのかと言えば、つまりポイントは「RICHO GR/GRX」というところにあるのだ。つまり、リコーとのタイアップっていうことね。

Photo_3『旅とカメラと私』(森山大道・横木安良夫・赤城耕一・湯沢英治・田尾沙織・渡部さとる・岡島和幸・茂手木秀行・藤田一咲・大和田良・菅原一剛・小林紀晴著/インプレスジャパン/2011年12月21日刊)

 ということなので、別に写真集としてのテーマはない。

 まず、PHOTO ESSAYとして12人の写真家と12の日本の土地がある。

1 森山大道×熱海
2 横木安良夫×大泉町
3 赤城耕一×大阪
4 湯沢英治×掛川
5 田尾沙織×五島
6 渡部さとる×津軽
7 岡嶋和幸×越前
8 茂手木秀行×小豆島
9 藤田一咲×肥薩線
10 大和田良×会津
11 菅原一剛×遠野
12 小林紀晴×佐渡

 HOW TO TECHNIQUEでは

1 コザ
2 軽井沢
3 能登

 に岡嶋和幸が赴いてそれぞれの場所についてのエッセイと、それらの場所に行った際のGXRでの撮影方法について述べられる。

 最後のSHORT STORYでは

1 旅は好きじゃない 横木安良夫
『写真家として独立して36年。いまでは旅とは写真を撮ることと同義だ。純粋に旅を楽しむことはない。そういう意味で僕は、ただの「旅は嫌いだ」と、つい言ってしまった。
 いや、待て、撮影旅行より楽し旅は、出会ったばかりのガールフレンドと、未知の土地を旅することだ、
 そう夢想しながらも、やはり写真を撮ってしまうに違いないと思っている』

2 旅の味方 渡部さとる
『「なぜ旅に出て写真を撮るのですか?」
 インタビューを受けるたびそう聞かれる。そう聞かれても説明がつかない。もっともらしいことを答えているが、じつはなにも答えになっていない。
「なぜ?」なのかは自分にもわからないままだった。いえることは、突然どこかに行きたくなるし、行ったら写真を撮りたくなる。いや、写真を撮りたくなってどこかに行くのかもしれない。どちらが先かは、これもまたよくわからない』

3 旅とカメラと僕 小林紀晴
『撮って、見て、また撮って。また見て、また撮る。この反復がフィールドのなかで繰り返される。フィルムカメラでは絶対にできない。フィルムはフィールドでは常に獲物に向かい続けるしかない。それに対して、デジタルはフィールドのなかにあって、すでに獲物を味わっている。フィルムカメラでは持ち帰るだけだった獲物を、その場で口にし、さらに狩猟を続けることに近い。
 そんな写真行為が今は当たり前のものになっている。自分もそのことを積極的に取り入れて行きたい。同時にフィルムへの思いがここのところ増してもいる』

 と、三者の「旅とカメラ」についての思いが述べられる。

 昔、金沢へ子どもたちのドッジボールの取材に行った時のことを思い出した。

 同行したカメラマンは私たち編集者やライターに向かって、こう言った。

『あなたたちはいいよね、べつに現場にいなくたって、あとからいくらでも書けるもんな。でも、カメラマンは絶対に現場にいなければ撮影できないんだ』

 と。

「旅とカメラと私」の一番大きなテーマはそこだろう。

 旅に出なければ絶対に撮れない写真。旅に出て、そこの風景と出会わなければ絶対に撮れない写真。旅に出て、そこの人たちと触れ合わなければ絶対に撮れない写真。そんな写真がフォトグラファーを旅へ誘う。そんな風景との出会いがフォトグラファーを旅へ誘う。そんな人との出会いがフォトグラファーを旅へ誘う。

 つまり、「旅」と「フォトグラファー」は、実は一体なのだ。

 ロバート・フランクの「THE AMERICANS」が、まさしくそんな全アメリカを旅した記録なわけだし、ロバート・キャパの戦争写真ですら、そんな旅の記録でもある。

 写真集としての統一されたテーマがあるわけでもない本書が、しかし、ひとつのテーマを持っているとすれば、そんな『、「旅」と「フォトグラファー」は、実は一体なのだ』という重要なことを言っているのかも知れない。

『旅とカメラと私』(森山大道・横木安良夫・赤城耕一・湯沢英治・田尾沙織・渡部さとる・岡島和幸・茂手木秀行・藤田一咲・大和田良・菅原一剛・小林紀晴著/インプレスジャパン/2011年12月21日刊)

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