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2014年7月18日 (金)

『若者は本当にお金がないのか?』いやあ、ないこともないんですけどね

 まず、絶対的評価で言ってしまえば「若者はお金がない」というのは事実であろう。しかし、相対的評価で言ってしまえば、決してそういうことではないようである。

 つまりは、ひとつは晩婚化によって「若者の独身生活時代」が長く続いているために、取り敢えず「結婚しないでいる間は、それなりに裕福な生活が送れる」ということと、デフレ時代が続いたために、相対的に「使うお金の量は減った」ということのようである。

Photo『若者は本当にお金がなのか? 統計データが語る意外な真実』(久我尚子著/光文社新書/2014年6月20日刊)

 基本的には、今の団塊世代とか、団塊ジュニア世代が持っている「今の若者はかわいそうだ・非正規雇用が多くて収入が少なくてかわいそう・アルコール離れやクルマ離れ、海外旅行離れなどがおきてきていて内向きになってしまっていて情けない・未婚化、晩婚化が見られて将来の日本はどうなるんだ」という、見方に対して、政府が持っていて公開している様々な統計データを使って、実際の「今の若者」の実像を統計データから読み解いていこうというのが、本書のテーマである。

 で、その結果どうなのかという、それぞれの統計データは本書を読んでいただくとして、結論的に言ってしまう。

『統計データで見ると、今の若者は一概にお金がないとは言えない。一人暮らしの若者の所得はバブル期よりも増えている。若者を哀れんでいいる現在の中高年の所得よりも多い。
 また、若者は「海外離れ」や「留学離れ」をしているわけではない。「クルマ離れ」は一部で起きているが、一人暮らしの女性ではむしろ自動車保有率が高まっている。「アルコール離れ」は確かに20代で進んでいるが、若者だけの傾向ではない。
 さらに、現在、日本では未婚化・晩婚化、少子化が進行しているが、実は若者の大半は結婚を望んでいる。結婚に対する先延ばし感も薄らいでいる。恋愛・結婚の状況は、正規・非正規の雇用形態によって異なり、結婚には年収300万円の壁があるようだ。経済問題がある一方、結婚適齢期の男女の未婚理由の第1位は適当な相手にめぐり会わないことであり、恋愛の消極化という現代の若者らしい状況もうかがえた』

 ということ。

 つまり、結局は昔から言われていた「近頃の若者たちは……」的な、旧世代からの「イマドキの若者たち」への繰り言みたいなもので、「今時の若者」からしてみれば、「そんなの関係ないじゃん。僕らは僕らなりに、現在の状況から一番いいと思う方法で生きているだけなんだから、昔の人たちが自分たちの若かった時代と対照して、イマドキの若者たちは。なんてことは言ってほしくはないんだよね。むしろ、そんなことを言うんだったら、あんたらの世代がもっと一生懸命、その後の若い世代のために何かをして欲しかったんだよな。それもしないで、若者批判をしたって、それは『若者批判』ではなくて単なる『ジジイの繰り言』でしかない」という、まあ、いつもの不生産な世代論でしかないわけで、じゃあ本書はそれだけの本でしかないのか、と言えば、そうでもなくて、まあ、実際に統計データをキチンとみて見ましょう、ということであり、同時に、統計データをキチンとみて見たら、まあ、予想した通りであったということなのだ。

 まあ、ポイントは本書でも述べられている「年収300万円の壁」というところなのだろうな。

『内閣府「平成23年版 子ども・子育て白書」にて、年収別に20~30代の男性の既婚率を見ると、年収の増加に伴って既婚率は上昇している。20代では、高年収層で逆に既婚率が下がっているがこれは労働時間が長く忙しいということや、高年収の男性では相手を選ぶ余裕があるということなのかもしれない。労働時間は、年収水準の高い正規雇用者の方が、非正規雇用者より長い傾向がある。
 ところで、ここで注目すべきは年収300万円未満の層である。年収300万円未満の既婚率は20代でも30代でも1割に満たない。しかし、次の年収階層である300万~400万円未満では既婚率は3倍に上昇する。つまり、年収300万円を超えると一気に既婚率は上昇する。結婚には「年収300万円の壁」が存在しているようだ』

 まあ、結局この「年収300万円の壁」というのが、正規雇用と非正規雇用の差なんだろう。

 本書では、とりあえず

『非正規雇用者では、1人で年収300万円を超えるのは難しいケースも多いのかも知れないが、2人あわせれば300万円を優に超える。30~34歳の男女の平均値をを合計すると500万円を超え、結婚して子どもを持つことも十分可能だ』

 と書くけれども、問題はその結婚した妻が「妊娠・出産」した場合の問題だろう。非正規雇用者では育休所得が難しいし、保育所の利用なんかでも不利になる傾向があるようだ。

 それは著者・久我さんも分かっている。

 なので、大きい問題としては「非正規労働者であっても年収500万円」位を支払えるような企業環境を作らねばならないだろうし、非正規労働者であっても、普通に子どもを預けられるような保育環境が必要だということだろう。

 まあ、安倍首相が唱えている「女性を登用する社会」を実現するためには、そうした保育環境を作らなければならないだろうし、少子化を一番避ける政策としては、結局、正規雇用者であろうが非正規雇用者であろうが、同じ産業領域に働く人たちの「産業別最低賃金制」を導入せざるを得ないのではないかぁとは思うのだ。

 勿論、この「産業別最低賃金制」ってのは極めて「社会主義」的な政策であり、自民党の一部の人たちはとても嫌うだろう。しかも、その結果が出るのはその政策を開始してから20~30年作だもんなあ。これは政治家の政治生命の中には納まらない時間スケールなので難しいか。

 じゃあ、最早、自民党には頼らないで他の政党に……、と考えてみたのだけれども、他の政党は目の前の政争やら、政変やら、次回の選挙やらにばっかり追われている状況である。

 といいながら、今まで自民党に投票したことはないんだけれどね。

 う~ん、しかしここは、自民党のリベラル派に頼るしかないのかな。

『若者は本当にお金がないのか? 統計データが語る意外な真実』(久我尚子著/光文社新書/2014年6月20日刊)

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