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2014年6月10日 (火)

『資本主義の終焉と歴史の危機』のあとに来るもの

「資本主義の終焉」というのは、今や私たちにも「実感」として感じることのできる状態だ。「ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレ」という状況に陥っている我が国を見ていると、本来「成長神話」の存在を前提としている「資本主義」が最早「終わりの始まり」の段階にあるのだろう、という実感である。

 では、資本主義の後にやってくる経済体制ってなんだろう。当然、革命が起きない以上は社会主義や共産主義にはならないだろう。ではどんな……。

Photo『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫著/集英社新書/2014年3月19日刊)

 基本的には、もともと資本主義ってなんだろう、というところから問題は始まる。

『永続型資本主義の始まりはオランダ東インド会社であり、それ以前の地中海世界における資本主義は一事業ごとに利益を清算する合資会社による資本主義でした』

『資本主義の性格は時代によって、重商主義であったり、自由貿易主義であったり、帝国主義であったり植民地主義であったりと変化してきました。IT技術が飛躍的に進歩し、金融の自由化が行き渡った21世紀は、グローバリゼーションこそが資本主義の動脈と言えるでしょう。しかし、どの時代であっても、資本主義の本質は「中心/周辺」という分割にもとづいて、富やマネーを「周辺」から「蒐集」し、「中心」に集中させることには変わりありません』

『それでも資本主義は資本が自己増殖するプロセスですから、利潤を求めて新たなる「周辺」を生み出そうとします。しかし、現代の先進国にはもう海外に「周辺」はありません。そこで資本は、国内に無理やり「周辺」をつくり出し、利潤を確保しようとしているのです。
 象徴的な例が第一章で述べたように、アメリカのサブプライム・ローンであり、日本の労働規制の緩和です』

『あらかじめ結論を言うならば、グローバル資本主義とは、国家の内側にある社会の均質性を消滅させ、国家の内側に「中心/周辺」を生み出していくシステムだといえます』

『あらかじめ富める人の定員は15%しかないのが資本主義ですが、曲がりなりにも今日まで存続してきたのは、その過程で資本主義の暴走にブレーキをかけた経済学者・思想家がいたからです。『道徳感情論』でお金持ちがより多くの富を求めるのは「徳の道」から堕落すると説いた18世紀のアダム・スミス、『資本論』で資本家の搾取こそ利潤の源泉であることを見抜いた19世紀のカール・マルクス、失業は市場で解決できるとはせず、政府が責任をもつべきと主張した20世紀のジョン・メイナード・ケインズらが近代の偉大なブレーキ役でした』

 まあ、そんな意味では、マルクスの存在も別に社会主義・共産主義を推し進めたわけではなく、資本主義の本質は何かを示しただけで、別に革命思想を植え付けたわけではないことが分かる。むしろ、資本主義を延命させることにも協力したのではないか。

『マルクスのブレーキは、19世紀半ばからソビエト連邦解体までは効き目がありました。そのうえ、1929年に世界が大恐慌に直面すると。ケインズ主義が暴走する資本主義のブレーキとなり、1972年ぐらいまではもちこたえることができました。しかしオイル・ショックが起き、スタグフレーションになって、ケインズ政策の有効性が疑われるようになると、一転してブレーキ役たるケインズが停滞の犯人のように考えられるようになってしまった。
 代わって、あらゆるブレーキを外そうと主張したのがミルトン・フリードマンやフリードリッヒ・ハイエクが旗振り役となった新自由主義です。21世紀のグローバル資本主義は、その延長線上にありますから、いわばブレーキなき資本主義と化しているのです』

 という具合に、もはや資本主義は終焉の危機にさらされているというのだが、じゃあ、それに対する「答え」というものがあるのだろうか、と問いかければ、それはまだ見つかっていないという。

 ということなので、『資本主義の先にあるシステム』が描けるようになるまでは、現在の状態を「定常状態」において、取り敢えず資本主義を延命させるしかないというのだ。

 で

『この定常状態の維持を実現できるアドバンテージをもっているのが、世界でもっとも早くゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレに突入した日本です』

 ということになる訳ですね。

 しかし、資本主義の未来像が描けない状態で定常状態を維持するというのはどいうことなのだろか。

 つまりそれは「増税」でもって基礎的財政収支を均衡させるということなのだ。つまり、消費税は20%まで上げて、法人税も上げる。

 しかし、そうなると富裕層の海外移住、企業の海外移転がますます激しくなるのではないか?

『87年の時点では金融資産ゼロ世帯は3.3%です。1972年から1987年にかけての16年間の平均は5.1%です。つまり、この時期は、金融ゼロ世帯は。20世帯のなかの一世帯だけです。ところがバブルが崩壊し、新自由主義的な政策が取られていく過程で、3.3%から31%へと跳ね上がったわけです。この31%はおそらく家ももってないでしょうから、無産階級といえます』

 という具合に、無産階級だけが日本に残って、というか残らざるをえなくなって、資本家は皆海外に移住、企業も基本的には海外に移転してしまい、日本に残されるのは自分で自分の運命を決められない人たちばかりになってしまう。

 となるともはや暴動でもおこして、政府を倒すしかなくなってしまうが、当然そんな先の目当てのない暴動では新しい価値観を生み出すような「革命」には至らず、その政府を倒した勢力は再び次の勢力に倒されるのであろう。という具合に、数年から数十年の混乱を経て、新たな体制が成立した時の日本の姿ってどんなものなのだろうか。

 私は、個人的にはそこには「通貨のない世界」が誕生して欲しい、と考えているのだが……。「通貨のない世界」については、改めて別稿で話す。

 なんて言っているうちに欧州中央銀行がマイナス金利を始めてしまった。欧州のデフレ対策なんだけれども、果たしてうまく行くんだろうか。

 多分、欧州バブルが起きるだけなんじゃないか?

『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫著/集英社新書/2014年3月19日刊)

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