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2014年6月20日 (金)

『ぼくらの未来のつくりかた』のつくりかた

 家入一真氏の都知事選後初の著書が出たので紹介。

Photo『ぼくらの未来のつくりかた』(家入一真著/双葉社 YOUR BOOKS/2014年5月21日刊)

「88,936票」これが家入氏が今年の東京都知事選で得た票数である。

 これを多いとみるか、少ないとみるかによって、その人のネットに関わる姿勢というものが見えるのではないだろうか。

 つまり「多い」と考える人は、「ネットで選挙を戦いきる」という、これまでまったく誰もやらなかったことに対する支持がそんなにあったんだ、という単純な感想。一方、「少ない」とみる人たちは、何か家入一真氏が新しいことをやっているけれども、おうおうにして新しいことをやっても、人はそんなものにはノッてこないんだ。選挙というシステム自体が、もはやいつ崩壊してもおかしくない、旧来のシステムだからねという諦観がベースにあるのではないか。要は、物事を「単純」に喜べるか、まずもって「諦観」から入る私たちのような旧型の人間の発想がある。ネットに生きるのか、ネットは道具だと思うのか、がその違いである。

 勿論、私のような「じじい」には基本的には「諦観」があるのだが、「88,936票」というのは、「なかなかやるじゃないか」というのが私自身の感想だった。

『今回選挙に出てみて痛感したのは「政治や選挙の仕組みって、長いことアップデートされてこなかったんだな」ということだ。とにかくムダや、本質的でないことがとても多い』

 と家入氏が書くように、エスタブリッシュメントの世界である「政治」に入り込もうとすれば、それはそれ、旧世代が作った「ムダ」や「無理」、「前例のないことはすべてグレーゾーンに入れて、旧世代の都合のよいように解釈する」というような理不尽がたくさんあるはずだ。しかし、革命や叛乱などの暴力的な方法でなく、旧世代が作ったシステムを使ってエスタブリッシュメントの世界に入っていこうとするためには、それはやはり受け入れなければならないということなのだ。

 1960年代に世界の学生が「学生叛乱」を起こした理由はまさにそこにある。「旧世代が作ったシステム」に乗らないで社会を変えていこうと思ったら、それは暴力しかないということだった。勿論、それは決して大衆の支持を得て革命に至るような運動にはならない「プチブル急進主義」だったわけなのだが、それから40数年を経て、再びそんなエスタブリッシュメントへの抵抗運動が、しかし、暴力的でない方法で、しかし日本共産党とは違うやり方で、試してみようという人が現れた、というのが家入一真氏だったのである。

 その結果の「88,936票」である。1960年代後半の学生運動で9万人近い学生が日比谷の野音あたりにでも集まったら、それこそ「革命成就」なんて勘違いをするリーダーが出そうな勢いだ。そんな意味での「88,936票」なのである。

『ネットによって可能になった大きなチャレンジは、大きく3つあると思う。
①選挙資金をクラウドファンディングで集める
②ネットを駆使して新しい選挙運動の可能性を追求する
③みんなから政策を集め、本当の民意を抽出する』

 ①は、まあそれこそ今のSNS時代ならではの方法論である。『もちろんぼくにお金がないということもあったんだけど「お金を払ってでも応援したい」という熱量の高い人たちがどれだけいるのかを確かめたいという気持ちもあったからだ』という通り、「お金を払う」という行為と、「家入氏を支持する」という行為がつながるかどうか、という実験にはなった。

 ②は、要は『今回の選挙では、とにかく「タスキはかけない」「ドブ板はやらない」ということを徹底しようと思っていた』という選挙スタイルのことである。とにかく「当選するためには土下座だって何だってする」という日本型の「目的に向かって一直線」的な選挙運動を否定しつつ、でも、選挙に出馬するというのは政党選挙の中では絶対に出てくる選挙運動ではない。政党選挙は「当選する」というのが第一目的で、それがすべてに優先するのだ。

 ③が、実は一番家入氏が誤解を受けることになった原因だろう。つまり「家入は政策もないのに、選挙に出馬するのか」という、それこそ旧世代からの「選挙をバカにしている」という批判が巻き起こったのである。しかし、だからこそ、この政策の新しさというものが見えてくる。

『ネットで集めた120の政策も、間接民主主義のシステムの中で直接民主制を試してみた、ひとつの挑戦。もちろん当時は必死で、あらかじめそんな思想を持って試していたわけではなかったけれど、既存の枠組みを活用して新しものを生み出すという発想は、大きな変化を嫌う日本人のぼくたちにとってすごく親しみやすい手法なんじゃないかをいう気もしている。
 さらに言うと、ぼく自身の意識が大きく変わった部分もある。既存のものを否定して新しいものを始めるのは簡単だけど、その仕組みの上に乗っかって新しいものを作り、それを動かし、世の中に影響を及ぼすことによって社会全体のあり方をゆるやかにスライドさせたいのが今のぼく。以前のぼくが言ってきた「古い仕組みなんかぶっ壊せ!」「飛び出しちまえ!」みたいな言葉に比べると、すごくマイルドに聞こえるかもしれないけれど、これは一見丸くなったようで、実はより刺激的なチャレンジだと思う』

 と書くように、「政策はありません!」と家入氏がぶち上げた背後には、勿論、出馬したのは半ば単なるタイミングで本当に政策はイメージとしてしか存在しなくて、まさに「具体的な政策はない」状態で出馬したのだと思うけれども、じゃあ、それをクラウドファンディング式にみんなから募集してしまおうというところに、家入氏のユニークなところがあり、それが間接民主制の中に直接民主制を持ちこもうという発想だったんだと気づくところが、これまでにはなかった選挙の方法なのである。

『ハンガリーにその名も「インターネット党(IDE)」という政党があって、ここはまさにぼくがやったような、「政策がない」という状態での政治活動を行っている。ある議題が議会に提出されたら、それを党のサイトにアップし、そこに市民が投票できるようにする。その結果に基づいて、彼らは議会での行動を決める。例えば議員が10人いてネットでの投票結果が賛成70%、反対が30%だったら、彼らは議会の採択のときに「賛成」7票、「反対」3票をそのまま投票するのだ。私情も利権も挟まない』

 という先行例があるそうだ。ただし、IDEは国会に議席を持っていない、というのがちょっと残念ではあるけれども。とは言うものの、家入氏のような「政策はありません!」という選挙運動・政治運動の先行例が既に外国にあるというのは面白い。

 ネットの持つ直接民主主義的な考え方をこうして活かす方法があるんだな、ということ。

 ますます、「インターネッ党」には興味が湧くではないですか。

『120の政策』についてはコチラをご参照。

 この本については、明日も書くかな?

『ぼくらの未来のつくりかた』(家入一真著/双葉社 YOUR BOOKS/2014年5月21日刊)Kindle版はまだ出ていないようだ。

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