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2014年6月11日 (水)

『貨幣という謎』より、取り敢えずは「肩たたき券」だな

 昨日の続き……「通貨のない世界」なのだが……。

マウントゴックス事件で話題になった「ビットコイン」って何だ、取り敢えずお勉強してみようというつもりで読んだ本なのだが……。

 実は、ビットコインというのは本当は単純な発想で作られたものであり、それは別に特別なものでもないし、もともとネットの中だけで流通していたものが、実は実社会でも使える場所があるというので流通し始めたのだということが分かると同時に、麻生財務大臣が「こんなものは長く続かない、どこかで破綻すると思っていた」という発言が、実はまったくビットコインを理解していない発言だったということも分かった。

 ビットコイン自体は破綻しないのだ。

Photo『貨幣と言う謎 金と日銀券とビットコイン』(西部忠著/NHK出版新書/2014年5月10日刊)

『ビットコインは二〇〇九年に登場した当初は、国家(中央銀行)が発行した金融機関を通して決済される中央集権型の通貨ではない分散型ネットワーク通貨として、P2Pの設計思想に共感したハッカーなど一部の人たちが利用していたにすぎませんでした。それで買える物などほとんどないので、あたかもネットゲーム内マネーでしかなかったといいます。しかしある時、誰かが一万ビットコインでピザを買うことができると、さらにいろいろな物品や情報が買えるようになりました。こうしてビットコインはそれで買える物の数を増やしていくことにより、その購買力を高めていったのです』

『ビットコインの設計思想は、フリーソフトウェアとP2Pにあると言えます。ビットコインのマイナーたちもマイニングによって対価を得ることだけでなく、その自由主義で非中央集権的な設計思想への共鳴から参加しているように見えるからです』

『一言でいえば、集権性を核とする国家通貨や地域統合通貨が支配的である現状において、P2P型分散的ネットワークを活用する民間通貨がそれらと競合しうる世界がリアリティを持ち始めたということです。円やドルのような国家通貨は国家の権力や法律という後ろ盾を持ち、中央銀行が多大な労力やコストをかけて発行管理するのですから、きわめて大きな購買力を持つ強い通貨です。これに対して、市民や企業、団体などがビットコインの負の側面をうまく克服し、「採掘」をビルトインした民間通貨を独自に普及させれば、国家通貨と競争することが可能になってきたことを物語っているように思います』

『ビットコインが広まったのは、国家通貨の危機に対する市民の対抗手段として用いられたからだということも忘れえてはなりません。そして、すでにある電子マネーやコミュニティ通貨もビットコインの技術システムのメリットから学び、一定のニッチを確保すべく競争に入っていくことになるでしょう』

 結局、貨幣というものは「裸の王様」と同じ、そこで価値を同じくする国民(共同体)の共同幻想なわけであり、だからこそその国(共同体)に住む人たちの中で共通して使われる「価値」として意味を持つ。のであれば、別にそれが国でなくとも、もっと小さなコミュニティなどで共通する価値観を持つものを、そのコミュニティだけで通じる貨幣として定めることもできるということなのだ。

 なので、そのコミュニティにいる人々が「あるもの・こと」をそのコミュニティでの「共同幻想」ととして認めれば、その「あるもの・こと」が貨幣になる。

『グローバリゼーションの流れにある現行通貨制度については悲観的にならざるをえない面がある一方で、この一〇年ほど新たな貨幣が群生する動きも目立ってきました。世界各地で盛んに実施されているのは、市民団体・NPO、自治体、商工会議所などが地域経済や地域コミュニティの活性化のために独自の名称の通貨を発行し、特定の地域やコミュニティ内で流通する、先ほど述べたコミュニティ通貨です。また、日本でこの間急速に普及が進んでいるのは、貨幣価値をデジタル情報としてネット上のサーバーやパソコン、ICカード、携帯に保存し、特定の企業グループやインタネットの中で取引決済に利用できる電子マネーです。そして、それ以外にも、「採掘」というユニークなアイディアを導入した仮想暗号通貨ビットコインも挙げられるのです』

 ところがこうしたコミュニティ通貨や、電子マネー、ビットコインは現行の通貨と交換できなければ税収に繋がらないので、国としてはそれらの「新通貨」を認めることはできない。しかし、だからと言ってそれらの発生を法律で取り締まることはできない。なぜなら、それらの「新通貨」は単にそのコミュニティに属する人たちだけの「約束」にすぎないからだ。国家はコミュニティの内部にまで踏み込むことはできない。

 更に問題なのは、これらの現行通貨制度を否定する動きは、結局、現行の通貨制度では「バブル」が必然であり、そんなバブルに対するアンチとして存在するということなのだ。「成長神話」とともにある資本主義と現行通貨制度では、かならずバブルが起こるしそして、当然バブルは破裂するものなのだ。

 つまり

『ミクロレベルでの相互に強化する関係がエンジンとなって、それが加速度的に作動することで、バブルというマクロ的な秩序が作られます。そして、このマクロ的秩序の成長が、さらにミクロレベルに燃料を注ぐことで、ミクロとマクロの間にもループが作動し続けます。しかし、何らかのきっかけで、支配的トレンドと支配的バイアスが相互に否定し合い、弱め合うと、マクロレベルの秩序であるバブルは自己崩壊してしまうのです』

 ということ。

『マルクスは、商品生産が一般的な資本主義経済では、貨幣は必ず発生し、それは価値増殖しうる資本になると考えました。それは、人間が貪欲だから金儲けを行うのではなく、貨幣があるから人間は貨幣を増やそうとするのだということに他なりません』

 とは言え、マルクスは『貨幣なき社会主義計画経済こそ資本主義市場経済に取って代わるべき理想社会である』とは考えていなかったようで……

『経済社会が協同的に運営される「自由な人々のアソシエーション」では、労働貨幣のような疑似貨幣は使えるかもしれないが、それは「劇場の切符」(商品券ないしバウチャー)のようなものであり、資本として利用できる「貨幣」ではないということです』

 という考え方も、現在の資本主義経済のリアルな実態からすると、なんかマルクスが批判したロバート・オーエン何かのユートピア思想にも感じられてしまう。

 まあ、とりあえず「肩たたき券」から始めますか。えっ? 「肩たたき券」? と言ったあなた。「肩たたき券」はだって親子というごく小さなコミュニティで通じる立派な「通貨」なんですよ。

『貨幣と言う謎 金と日銀券とビットコイン』(西部忠著/NHK出版新書/2014年5月10日刊)

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