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2014年5月 3日 (土)

上野千鶴子の選憲論

 まあ、これが「憲法記念日」らしい企画かな、ということで……。

 上野千鶴子氏の言う、「護憲」でも「改憲」でもない、「選憲」ったって、結局それは改憲なわけなのである。

 むしろ、自民党の言う「改憲」の前で、結局何もしない「護憲」、後ろ向きに「保守」するだけの「護憲」ではなく、もっと違った立場から積極的に「改憲」をしようというのが「選憲」なわけなのだな。

Photo『上野千鶴子の選憲論』(上野千鶴子著/集英社新書/2014年4月22日刊)

 つまり

『憲法に対する選択肢は。ざっくり分けて次の三つがあります。護憲か改憲かの二者択一に加えて、ここでわたしは選憲という第三の選択肢を示したいと思います。
 第一は改憲です。自民党は改憲派です』
『第二に、それに対して護憲という選択肢があります。憲法は今のままでよい、変える必要はない、という立場です。
 ところが、改憲か護憲かという対立に、奇妙にねじれが起きています。
 いまのままではよくないから変えようという立場を、ふつう革新派とか改革派と呼びます。いまのままで変えなくてよいから、現状を維持しようという立場を、保守派とか旧守派といいます。ということは、改憲派の人たちが改革の旗手であり、護憲派の人たちは保守派だということになります。
 かつての保守対革新の構図が、憲法に関しては攻守逆転してしまいました。どんなゲームでも、攻めと守りの対立では、攻めのほうがどうしても勢いがあります。守りの側は、土俵際に追い詰められがちです』

『これに対してもう一つ、第三の選択肢が選憲です。選憲とは、現在ある憲法をもう一度選びなおしましょうという提案です』
『同じ憲法を、もう一度、選びなおしたらいいではありませんか。だって、もう七十年近くもたつのだから。できてからおよそ七十年、手つかずのままの憲法は諸外国にもめったにありません。アメリカ合衆国憲法も、ドイツ連邦共和国憲法も、なんども手直しされています。憲法は変えてならないものではありません。金科玉条のように「守れ」と言わなくてもよさそうです』

 ということで上野千鶴子氏のいう選憲でまず一番最初に直したいのは日本国憲法第一章一条の「天皇」の項なのだ。

『象徴天皇制というわけのわからないものは、やめてほしい。これがある限りは、日本は本当の民主主義の国家とはいえません』
『もし選憲するのであれば、日本に共和制国家になってもらいたいと私はつよく思います』

 つまりこれは自民党案とは別の意味での「改憲案」なわけだ。

 というのだが、むしろ自民党憲法草案では「象徴天皇制」から「天皇元首制」にして天皇の立場をより強くしようというのだから、真っ向から反対の提案である。

 私も日本が共和制にならない限り、本当の民主主義は根付かないと考えているが、だからと言って天皇廃止論というのはかなりこの国では難しい提案であろう。つまり、それは革命でも起きない限り「あり得ない」テーマである。

 およそ世界の国々でも、平和的に憲法改正で王政から共和制になった国なんかはなく、すべては革命によって王政が倒されている。ところがこの国ではまず革命は不可能であろう。それくらい日本国民は変化を好まない人種なのだ。

 でも、多分この国の天皇は共和主義者が「天皇制を廃止せよ」と声高に宣言し、それが国民の大勢になったら、多分、自ら天皇制の廃止を告げてしまい、国民を二分するような闘いには持って行こうとはしないような気がする。

 それくらい、日本の天皇は(今では)闘いを好まない家族であるようだ。

 但し問題は、天皇制を廃止し共和制になった時に、多分それは首相公選制かあるいは大統領制になるのだろうが、そうなると強大な権力をもった首相・大統領が登場することになる訳であり、その方が政治的に中立な天皇がいる現在よりも、日本はより危険な方向に行きそうな気がする。

 上野千鶴子氏が書くように

『天皇の威を借りて、敗戦直後の混乱のなかにある日本国民を統治しようとした占領軍の創作物、象徴天皇制というものが、統括戦略としてはウルトラC級の見事な作品だったことがわかります』

 という通りなのだ。

 結局、自民党も憲法9条改正が現実的でない、意外と九条擁護派が自民党支持者の中でも多数派だということに気が付いたので、むしろ憲法改正はせずに解釈改憲の方向に舵を切ったのだろう。

 しかしまあ

『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』

 と言いながら、いまや堂々とアジア第2位の自衛隊という軍隊を持って、国連平和維持作戦といいながら海外派兵もする日本って、まさしく「ホンネとタテマエ」の国、日本らしくていいですね。

 これこそ、本当に日本(あるいは日本人)らしいありかたなのかもしれない。

 じゃあ今の憲法でもいいじゃないか。

 あ、それを選びなおそうっていうことですね。

 それが「選憲論」。

『上野千鶴子の選憲論』(上野千鶴子著/集英社新書/2014年4月22日刊)今のところはKindle版は出ていないようだけど、すぐに出るだろう。

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