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2014年5月21日 (水)

資格を取ると貧乏になります

 いやあこういうムチャクチャな断定的な言い方って好きだなあ。なにしろ『資格を取ると貧乏になります』っていうんだから、本当にミもフタもない。

 ただし、それはその姿勢を最後まで貫いた時だけなのだけれどもね。

Photo『資格を取ると貧乏になります』(佐藤留美著/新潮新書/2014年2月20日刊)

 確かに、今「士業」は厳しいらしい。国が「士業」を増やし過ぎてしまったからだ。

 弁護士『司法試験合格者は長らく500人程度だったのが、99年には1000人を突破。ここ数年は2000人超にまで達する。
 その結果、弁護士の数は13年3月には3万3624人になった。01年当時の弁護士人口は1万8000人だったから、わずか10年超で2倍近くに急増したことになる』

 公認会計士『現在、日本の公認会計士の数は3万2000人。ところが、たった10年ほど前の2000年には1万6000人しかいなかった。会計士は弁護士とまったく同じで、10年にして人数が倍になった、ある意味「異様な職業」なのだ』

 税理士『この資格の保有者もまた、毎年、登録者数が数百人ずつ増え、ここ10年で1割増えた。現在税理士の数は7万4000人に及ぶ。
 といっても、全税理士の中で税理士試験合格者が占める割合は45.9%と約半数。この資格が厄介なのは、約3割が“天下り組”で占められることだ。
 国税庁に23年以上勤務し一定の要件を満たした人、公認会計士、弁護士は「試験免除者」となり無試験で税理士になれる。しかも、「税理士の中で、稼ぎがいいのは天下り組に集中している」(都内近郊開業税理士)と言う』

 社会保険労務士『合格率は7~8%の難関だが、10年の受験者は7万人を突破し。過去最高を記録。累計の取得者は約3万8000人となり、この10年で約1万人も増えている。
 特に女性に人気の資格で、13年の試験合格者のうち、女性が占める割合は35.7%。税理士に約25%、司法試験の23.2%、司法書士の23.7%と他の文系資格と比べても、圧倒的に割合が高い』
『10年度の社労士の平均年収は760万円。07年度は531万円、08年度は604万円なので、年々上がっており(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」」)、しかもそれほど悪くない収入に思える。しかし、ある社労士に言わせると、「いわゆる数字のマジック。社労士試験は試験直前の5~3か月で詰めて勉強すれば一発で通る。それほど難しくない資格なので、一流企業にいる人事の人が結構受けるんです。だから、平均年収が上がってしまっただけ。独立して"平均"ほどの稼ぎがある人は、ほとんど見たことがありません」(都内開業社労士)とにべもない』

 TOEIC『TOEICスコアを上げたくて、一時、私も高い金を出して英会話学校に行きました。ところが、英語が喋れるようになればなるほど、TOEICスコアが下がる"不思議現象"に直面したんです』

 まあ、最後のTOEICはちょっと違うが、特に司法試験と公認会計士に関しては「完全に政府の方針が間違っていた」としか言いようのない有り様である。

『法科大学院を卒業すれば7~8割は弁護士になれます』

 なんていう「大うそ」を何故政府はついたのだろうか。

『97年時点の先進国の弁護士1人あたりの国民数を比べると、日本の6300人に対し、アメリカは290人、イギリス710人、ドイツ740人、フランスは1640人。日本はこのフランス並みの水準を実現するために、18年時点で法曹人口5万人を目標に掲げた』

 そのために「合格率7~8割、年間合格者数3000人」という目標を掲げたのである。しかし、年間合格者数3000人は達成できなかったものの、確実に合格者数は増えたわけだ。ところが、99年ころはまだ不良債権案件などのバブルの後始末やら、不動産の証券化、資産査定やM&Aなどの外資による日本買いなどの仕事があったものの、最近ではそんな仕事もなく、仕事にあぶれて「食えない弁護士」がやたら増えてしまったという訳。

 さらに、日本とアメリカの弁護士が置かれている環境が実はまったく違うということが、政府には分かっていなかったのではないか、ということもある。

 アメリカには税理士、司法書士、行政書士、弁理士などの法律系の資格がなく、それらの法律業務はすべてアメリカでは弁護士が行っているという事情がある。それでも弁護士が余っているアメリカでは、結構マッチポンプな弁護士やら、マフィアの仕事を引き受ける弁護士なんてトンデモ弁護士が多いわけで、多分日本の弁護士業界も今後そちらの方向に進むだろうという予測もある。

『これまで新米弁護士は、「イソ弁(居候弁護士)」といって、独立したボス弁(ボスの弁護士)に雇われ、兄弁(アニキ弁護士)に仕事を教わりながら、OJTで仕事を覚えていくのが常だった』

 ところが法科大学院出身の新弁護士が急増した07年頃から、事務所の軒先だけを借りる「ノキ弁」が急増し、今や「即独」の「タク弁」や「ケー弁」が増えているというのだ。

「即独」「タク弁」とは弁護士事務所への就職ができずに、司法修習終了後、即独立して自宅で開業するしかなかった弁護士で、そんなタク弁は携帯電話一本でどこへでも駆けつけ、仕事を受けるから「携帯弁護士」、つまり「ケー弁」なのだという。

 その結果、年間所得100万円以下の弁護士が22%、100万円超500万円以下の弁護士も19%に達しているという状態になってしまったのである。

 で、そんな「食えない士業」の人たちへの佐藤氏のアドバイスは以下の通り。

アドバイスその1・サラリーマン根性を捨てる
『資格職を選んだということは、潜在能力を買われてタダでトレーニングをして貰える日本の「企業人」としてのキャリアを捨てたということだ。プロフェッショナルとして生きると決めたからには、日本型の「就職できて当たり前」という常識は捨て、経験を積んで能力が高くなるまでは就職に苦労するくらいで当たり前と腹を括り、国際標準の常識に従うべきだろう』

アドバイスその2・資格にこだわり過ぎず、まずは就職を
『独立開業や有利な就職に必要な実務能力を身に付けるためには、まずは(自分の資格にこだわらずに:引用者注)就職して、OJTで先輩からノウハウを学ぶのが早道である』

アドバイスその3・サラリーマンになったらサラリーマンになりきる
『先にプロフェッショナルとして生きるからにはサラリーマン根性を捨てろと書いておきながら矛盾するようだが、「企業内弁護士」や「企業内会計士」として一般企業に勤めるからには、その組織の人として適合する必要がある』

アドバイスその4・人が行かない「空白地帯」を目指す
『いわゆる「即独」の弁護士でも、弁護士がいない土地の人からすれば立派な弁護士だ。お客さんにとって、若さが「頼りない」ではなく「頼みやすい」とかえって価値を感じて貰えるのなら、自分の存在意義も明確になるし、都会の過当競争で神経をすり減らすより、はるかに幸福な職業人生を送れるだろう』

アドバイスその5・出来ない仕事も引き受ける
『一度その仕事をものにしてしまえば、似たような案件が繰り返しできるようになる。繰り返していくうちに、手法も洗練されていくはずだから、自分の守備範囲を超えた仕事でも、まずは受けてしまうことだ』

アドバイスその6・顧客の話し相手になる
『独立するとは即ち、自分で自分を営業しない限り、仕事がないということだが、士業の人々は一般的に営業を好まないようだ。
 こうした現象を受け、社会保険労務士の北村氏は、「けち臭い単発の案件だけではなく、顧客からの顧問料が欲しいなら、ノーアポでどんどん訪ねるべきなんですよ」と活を入れる』

アドバイスその7・先輩を頼る
『士業の人は、弁護士会、税理士会などに属しているのだから、嫌でも先輩との接点があるのは大きな利点だといえる』

 というアドバイスなんだが、なんか「当たり前」みたいなアドバイスばかりだ。

 ということは士業の人たちって、あまり世間知らずで、外に出ていこうとしない人たちが多いってことなんだろうか。

 自分にはサラリーマンは向いていないと考えているから、初めから独立できると考えて「士業」に挑むんだろうか。

 んで、結局、そういう人たちに向かってのアドバイスっていっても、まあ「当たり前」と考えられるものになってしまうんだなあ。

 そこはちょっと残念。

『資格を取ると貧乏になります』(佐藤留美著/新潮新書/2014年2月20日刊)Kindle版はまだ出ていないようだ。

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