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2014年4月10日 (木)

校長という仕事

 杉並区立和田中学校って言えば、二代続けてリクルート出身の民間人校長を採用した中学である。

 しかし、中学の校長って結構忙しいんだなあ。

Photo『校長という仕事』(代田昭久著/講談社現代新書/2014年1月20日刊)

 朝7時40分には出勤する校長なんだが、既に副校長や生活指導主任は7時には出勤していて校内の巡回をしているそうだ。で、19時30分に退勤をする訳だが、その時にも7~8人の先生が残業をしている。で、多分そんなに働いても残業代なんてものは出ない訳だから、まあほとんどブラック企業みたいなもんだ。

 で、この杉並区立和田中学では先代の藤原和博校長や代田校長たちが教員の忙しさを解消するために三つのことを行った、というかやめた。その三つとは「校内研修をやめた」「休日の活動は手伝わない」「地域住民の力を借りる」ということ。

 これらのために、和田中学では「地域本部」という組織があるそうだ。

 地域本部とは、藤原校長の時に『学校では手が回らない、芝生の管理、図書館の運営などを地域住民の方々にサポートしてもらうためで、設立にあたっては、元PTAの会長や、自治会のメンバー、同窓会の役員など、ひとりひとりを口説いて回ったそうです。学校には「地域本部」専用の部屋が新しく用意されました』というもの。

『生徒の宿題や自習を大学生が中心となってサポートする、土曜日寺子屋(通称ドテラ)の参加生徒が100名を超えていました。先生役を務める大学生ボランティアのネットワークも、30~50名と大きなものになってきました。さらに、英語に特化した講座(英語Sコース)や、夜スペ(夜間特別補習授業)がスタートしました。ここにきて、地域本部の活動は、発足当初の芝生管理、図書館管理といったような学校のサポート的な活動から、生徒の学習を直接支援する活動へとシフトしていきました。
 そして、地域本部の部屋は、いつも誰かが打ち合わている、活気の満ちた活動拠点になっていきました。
 活動を始めた当初は、区から支援される50万円程度の補助金で、経費やボランティアの交通費等をまかなっていましたが、スタッフの数も回数も多くなり、それだけでは運用できないので、参加者から最低限の受講料をとるようになりました。たとえば、ドテラの参加者は、1回(3コマ)500円、英語Sコースは、1回(3コマ)1000円といったように、それぞれの講座の料金を決めていきました。
 こうして、全校生徒の4割近くにおよぶ200名近くが地域本部の活動に参加し、そこで学ぶようになりました』

 その地域本部が上手くいくための3つのポイントがある。まず「教員が一生懸命に関わりすぎないこと」、しかし「教員が関わらないとはいえ、無関心ではいけないこと」であり、「校長が、教員と地域本部との間をとりもつ蝶番になること」だそうだ。

『無給のボランティアである地域住民と、有給のプロである教員とが、一緒になって同じ子供たちを育んでいるのです。お互いに信頼しあっているか、それぞれが同じ目線の高さで、同じじ方向にむいているかは、とっても重要なことです。
 私は、毎週土曜日の地域本部の活動には必ず顔を出し、2つの組織のバランスに気を遣っていました』

 さらに代田校長は「50分授業で1週間で28コマ行っていたところを、45分授業で1週間32コマとし」、「20分の朝学習で脳トレを実施」したなどの、学校改革を行った。

 代田氏は『就任前から「5年の任期が終わったときには、次の校長は民間人校長でなくてもできるように」、という極秘ミッションを教育長から与えられていました。教育長の言葉を借りると、「和田中を上場させよ」ということ。会社を創業するのは、ひとりのワンマン社長でもできるが、上場させるには、事業内容を透明化し、持続可能なものにする必要がある。和田中を、校長の能力だけで浮沈しないような学校にしなさい、ということでした』

 また、「部活イノベーション」として、外部からプロのコーチを招いて、サッカー、野球、剣道、バスケットボール、バドミントン、テニスの6つの部活動の休日練習を行うようにしたそうだ。

『私は、これからの休日の部活動の在り方として、学校の部活動と切り離し、地域スポーツ活動として育んでいくべきだと考えます。現状、教員の情熱とボランティア精神によって支えられている部活動は、いずれ破綻してしまいます。また、このまま、多くの子供たちの才能を開花させることはでいないという現実に目を背けてはいられません。
 すでに、和田中では、休日の学習活動は、学校と切り離し、地域住民が行うスタイルが確立しています。「休日は、子供達を地域に返す」をコンセプトに、子供達の学習やスポーツ活動を、地域住民と保護者がサポートすることは十分可能だと思うのです。
 ただし、その際には、行政からの暖かい支援が必要ですが』

 まあ、基本的には公立の小学校、中学校は地域の住民と共になって支えていくシステムが出来上がっていないと、教員・職員だけに学校運営を任せてしまうことになり、それは学校を地域から切り離して存在させることになるのである。

 そんな意味では、この和田中のいろいろな改革はこれからの学校改革のモデルになっていくのだろうけれども、基本的には『教員には、「新しいことをして、混乱したり、失敗するよりも、そのままやっていればいい」という前例踏襲主義、事なかれ主義的な考え方』を持っている人が多い。勿論、その理由は何か学校に起これば結局、教員や校長の責任を追及する社会の姿勢というものがあるのだろう。

 だからこその民間校長の任用なんだろうけれども、これだけの学校改革を行った中学校ってあるんだろうか。

 今は佐賀県武雄市の教育監として武雄市にICT教育を導入して、武雄市を日本で一番教育レベルの高い町にするという目標に向かって邁進している代田氏である。ICT教育については批判的なことを言う人が多いが、私はこの流れは必然だと考えている。

 おおいに期待したい。

『校長という仕事』(代田昭久著/講談社現代新書/2014年1月20日刊)

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