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2014年4月29日 (火)

47都道府県別 日本の地方財閥

 昨日のブログ、「ですます」調で書いてみたんだけれども、なんかしっくりいかないなあ。ということで今回は「である」調に戻して描きます。でもいずれかは「ですます」調にしたいなあ。だって、その方が「上から目線」で見た感じがないからね(本当は一緒なんですけれどもね)。

 なんでこの本を買ったのか。

 特に気を引くタイトルではなかったんだけれども、「[参考]東京府」のところに「野間清治」が出ていたり、長崎県の第一位に「松浦厚」が出ていたりっていう具合に私が知っている家が載っていたり、更にこの本の元ネタが『一九三四年(昭和九)年に大日本雄弁会講談社(現在の講談社)が発行した『帝国興信所調査 五十万円以上 全国金満家大番附 附全国多額納税者一覧』だったから、というのがある。

 まあ、それ以上の興味があった訳ではないのだが……。

Photo『47都道府県別 日本の地方財閥』(菊地浩之著/平凡社新書/2014年2月14日刊)

 ただ、面白いのは地域によって財閥企業の傾向があるということなのである。

『地方財閥、地方資産家は、およそ四つのパターンに大別できる。江戸時代以来の、①地主系、②老舗系、そして明治維新前後に勃興した③工業系、④商業・金融系』、更に「大名華族」というのがあるそうだ。

 北海道は基本的に明治維新以降なので工業系、商業・金融系が多い。というか「商業・金融系」というのは、商業で財を成した人が銀行を始めたというのが普通で、海運業から損害保険業務を始めた人が多いというのも、やはり本業との関連からということなのだろう。

 その典型が青森県で、質、呉服、酒造、農業、味噌醸造、商業などで成功した人が、みんな銀行業を始めている。その辺は秋田県、山形県、宮城県、岩手県などでも見られる傾向だ。福島県ではあまりその傾向は見られないのも不思議だ。

 関東に来ると私たちも今知っている企業の名前が見えてくる。

 神奈川県では味の素本舗鈴木商店の鈴木家とか、三渓園の原家、群馬県の中島知久平(中島飛行機→富士重工)、正田家(日清製粉)。また千葉県はなにしろ醤油メーカーが多い。ヤマサ醤油やヒゲタ醤油の浜口家、野田醤油→キッコーマンの茂木家など。

 参考資料で東京府が出ているが、当然そこは「地方財閥」ではなく日本の財閥と言ってよい三井財閥の三井家、三菱財閥の岩崎家、服部時計店の服部家に加えて、大日本雄弁会講談社の野間家なんてのも載っているのが夜郎自大で面白い。

 甲信越では石油業の人や農業(つまり大地主)から銀行業に転じた家が多い新潟県、片倉シルクなど製糸業が多い長野県など、その地方らしい業態が見られる。山梨県はいわゆる甲州商人と言われ商売がうまい家が多かったようだが、中でも「甲州財閥」の東電乗っ取り騒動が有名だ。

 更に、東武鉄道グループの根津嘉一郎も山梨出身だ。

 北陸になるとやはり北前舟の家が多く、そこから損害保険に転業し、現在の日本興亜損害保険につながる石川県の広海家、福井県の右近家などがあり、富山県もほぼ同じ状況である。富山でひとつ面白いのは北陸銀行の中田家で、みんな優秀な一家なのだが、中田家の業態のひとつに中田書店(現・中田図書販売)と言うのがあるのだが、多分、一番頭の悪いのが中田図書販売の社長なのかな。

 静岡では何と言っても「鈴木さん」の存在が大きいが、中でも大きいのが「鈴木与平」つまり現在の「鈴与グループ」である。元々、清水の廻船問屋だった訳だが、運送業からエネルギー業、清水エスパルスやフジドリームエアラインズまで進出している。

 愛知県では、今やトヨタ自動車の豊田家だが、実は豊田家というのは新興財閥で、伊藤家・岡谷家・瀧家・神野家・富田家という名古屋の五摂家というのがあって、松坂屋、中部電力、東邦ガス、名古屋鉄道、東海銀行の元を作ったわけだが、今やそれもかすんでますね。

 三重県では何と言っても「ミキモト・パール」の御木本幸吉が有名。

 滋賀県は「近江商人」で有名だが、中でも「ふとんの西川」の西川甚五郎が有名で、ふとんの行商で財を成した。

 京都では西陣織の矢村家なんかがあるそうだが、大谷光暢(真宗大谷派管長)なんかは如いかにも京都府というところだし、奈良県の中山正善(天理教管長)なんかも、いかにも「らしい」。

 参考資料の兵庫県、住友吉左衛門(男爵・住友合資社長)というのは地方財閥ではなく三井、岩崎と同じく「日本の財閥」だし、大阪府の野村徳七(野村合名社長)というのは現在の野村ホールディングスの創業者だ。

 中国地方では岡山県の伊原木藻平(天満屋代表)や、山口県の中部幾次郎(マルハニチロ創業者)は別として、鳥取県や島根県では「地主」というのが目立っている。これは第二次世界大戦後、GHQが農地改革を行って大地主は没落したのだが、山林がその対象外だったため、山林地主は残ったというもの。

 九州では圧倒的に福岡県に集中している。

 ブリジストンの石橋家、出光興産の出光家、安川電機の安川家などが有名であるけれども、もう一つ忘れてはならないのが炭鉱業をメインに置きつつ、電力、銀行、セメントなど多角化を進めていき、その後、セメント会社を吸収合併し、麻生産業→麻生セメントとした麻生家だ。

 ちょっと変わったところでは長崎県の1位が松浦厚(伯爵・元平戸藩主)というのが変わったところ。他の県では1位はだいたい企業人だが長崎県だけは華族が1位になっているというのは、それだけ長崎県の経済が遅れているということなのか。

 この平戸松浦家というのは、元々海賊の出身なのだけれども、まあ長門の毛利家だって海賊出身だし、だいたい武士階級というものが大元はその地の山賊だったり野武士だったりという出自がある。元々は蔑まれた人たちだった訳だ。

 という具合に読んでくると、日本を代表する大財閥はどんな業種にも手を付けてどんどん業態を変化させてきた訳だけれども、地方財閥はそれほど手を広げられる訳ではなく、その地方地方での特色ある業種でもって財を成した人たちなんだなあ。

 ということで、まあその人たちはまだまだ「財閥」という程のものではないのかも知れない。

『47都道府県別 日本の地方財閥』(菊地浩之著/平凡社新書/2014年2月14日刊)

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