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2014年3月13日 (木)

『サンドウィッチは銀座で』のちょっと残念なところ

 カミさんが面白そうに読んでいたので、私も読んでみた本。『サンドウィッチは銀座で』というのであの店のことかな、と思って読んだんだが……

Photo『サンドウィッチは銀座で』(平松洋子著/文春文庫/2013年7月10日刊)

 食に関するエッセイと言えば故池波正太郎氏のものが最高だと考えている私だが、しかし池波正太郎氏の行った店は既に無くなっていたり、お値段が高くてあまり行く気になれないところなんかがある。従って、それ以外の、特に存命中の方のエッセイに期待するものは「そうそう、その店オレも行ったことがある」というものだ。

 ということなので、この本に書かれている店で私が行ったことがある店を以下に書きだすと……

 まずは、新橋のビアホール「ビアライゼ'98」、『文壇バーとして知られる「数寄屋橋」』、『「チョウシ屋」のコロッケサンド』、『「揚子江飯店」で冷やし中華』、『わたしの気に入りのひとつは神保町交差点のすぐ近く、ビヤホール「ランチョン」』、『江戸期からつづくのは「笹巻けぬきすし」』、『そばつゆの味わいは、「まつや」「神田藪」とも、きりっと辛め。蕎麦を手繰ると、だしと醤油の風味がしっかりからむ。せいろ一枚、かけ蕎麦一杯、たっぷりまんぞくさせてくれる庶民的なおいしさは、まことにありがたい』といったところか。

 しかし、なんで「うなぎは成田」なんだろうか。

『さて、朝から晩まで針が振り切れ状態、鰻の殿堂のような町があります。それが、ほかでもない千葉の成田である』

 というのは分からないではない。確かに成田山新勝寺の参道には鰻屋が沢山ある。

 で、

『成田でうなぎを食べるなら、ここ。目当てのの一軒が「川豊」である。明治四十三年創業、うなぎひと筋。はるばるやってくる成田山参詣での参拝客に「うなぎならやっぱり『川豊』」と評判をとってきた店だ。いってみればうなぎの本丸を一気に攻めるのです』

『「うな重ふたつ、肝吸いふたつ、ええとそれから……」
「あ、その前に鯉の洗い、白焼き、ビール一本ね」
 うなぎは、待っているひとときがまたうれしいものだ。期待感でいっぱいになりながら、「川豊」自慢の鯉の洗い、ついで白焼きをビールでやっつけながら本命の到来を待とうという趣向である』

 というのは分からないではないけれども、私に言わせれば「肝焼き」がないことと、鰻はビールじゃなくて日本酒でしょう。

 ということで、鰻なら私は南千住の尾花なのである。大鰻で有名な南千住の尾花。

 尾花は注文を受けてから鰻をさばくので時間がかかる。なので、蒲焼が出てくるのを待っている間に、肝焼き、う巻に日本酒(できれば冷や)で一杯というのが尾花での基本である。『うなぎは、待っているひとときがまたうれしいものだ』というのは私も同じ。ただし、待っている間に一杯やるのはやっぱり日本料理の場合は日本酒でしょ(それもできるだけ冷や)。

 というか平松さんのこの本に出てくるのは殆ど日本料理というか、日本のB級グルメなのだが、だったらビールじゃなくて日本酒(それもできれば冷や)だと思うんだがなあ。なんでビールなんだろう。

 女性には日本酒が苦手という人が多い。更に、いつも平松さんと行を共にしている文藝春秋の「Y田青年」も下戸であるらしい。そんなところから日本酒(それもできるだけ冷や)ではなくビールというところなんだが、しかし、それでは食べ物の美味しさが半減してしまう。

 やはり、日本料理(仮にB級ではあっても)には日本酒、中国料理には紹興酒、ヨーロッパの料理にはワインというのが一番合うのであり、そのようにして飲むのが一番美味しい食事の仕方、酒の飲み方なのであります。あのイギリスであっても、食事の際はワインを飲んで、ビールはパブで仲間と語り合う時の飲み物なのだ。

 というよりも、何でもビールのつまみにしてしまう日本人って何なんだろう。それこそ「世界に冠たる味音痴」とでも言うものではないだろうか。まあ、日本料理にも合うビールを作ってしまった、日本のビール職人の技もスゴイが、それでもやはり「食事と飲み物のマッチング」ということが大事である。

 平松洋子さんはフードジャーナリストとして多くの本を書かれているが、問題はお酒があまり強くはなさそうだというところなのかな。そこがちょっと残念。ただし、あまり強いと食事よりも酒の方が進んでしまい、あまり食の方が進まなくなってしまうという問題もあるのかも知れない。

 まあ、両方とも「ほどほど」というのがいいのかなあ。

『居酒屋でも、洋食屋でも、うなぎ屋でも、ほどよくにぎわう町場の店の扉を開けるというのは、みずから進んで幸福な風景の一部になりにゆくということ。世にも上等な場面に身を連ね、自分もその一部、一片になりにゆく。呼吸を合わせるときの間合いからして愉しい』

 という「おわりに 風景の一部になりにゆく」の言葉には同感できるだけに、「ビール一辺倒」という部分だけが、ちょっと残念だ。

『サンドウィッチは銀座で』(平松洋子著/文春文庫/2013年7月10日刊)文春なのでKindle版も出ている。殆ど紙版と同じ値段だけどね。

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