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2014年3月 8日 (土)

ネトウヨ化する日本

 佐村河内氏が出てきて「うそで迷惑かけた」と言ったそうだが、一体、誰に迷惑をかけたっていうのだろう。レコード会社は「ヒロシマの被爆者二世が作った音楽」ということでCDがクラシックでは破格に売れたわけだし、新垣氏にだってちゃんとお裾分けは行ってるだろうし、だいたい「ゴーストライター」なんて出版業界では常識なのだ。それで「迷惑かけた」なんて言ったら、タレントやスポーツマンなんかは謝り続けなければならなくなってしまう。

 あのAKB48の秋元康氏だって、作曲はしてないけれども「プロデューサー印税」はしっかり貰っているわけだしなあ。

 ということとは関係なく、「ネトウヨ」です。

 ネトウヨって言っても、別に保守思想とか右翼思想というものとは直接には関係がなさそうなのである。

Photo_7『ネトウヨ化する日本 暴走する共感とネット時代の「新中間大衆」』(村上裕一著/角川Epab選書/2014年2月10日刊)

『ネトウヨ化したフロートとは何者か、という意味合いにおいてまとめ直すとすれば、それは、「これまで政治的な活動をしたこともなければ、政治的な主張ももっていなかったにもかかわらず、日常的にスマホなどでネットを利用している中で、自然さを装った様々な情報に触れているうちに、右翼的、保守的、反・反日的な情報・思想バイアスを受けてしまった人たちのこと」となるでしょう』

『ネトウヨの問題を考える上でもう一つ重要なのは、これまで述べてきたような都市伝説的感性の暴走です。その点で、在特会の参加者の発言は印象的です。(在特会については後にもう少し詳しく取り上げます)

 とくに在日の連中。おとなしく普通に暮らしてくれるんだったら、俺ら、何も言わないですよ。でも生活保護もらって高級車を乗り回してるヤツがいるからね。直接に見たことがあるわけじゃないけど、そんな話、ごろごろしてますよ。(『ネットと愛国』)

 ポイントはこの「直接にみたことがあるわけじゃない」というところです。このように伝聞で他人の怒りを代弁しだす傾向は、昔から嫌韓志向の人間によく指摘されてきたものです。ネットで「真実」を発見した人たちは当然ネットの情報を重視し、次々にこのような「真実」を発見する中で、当事者ではなく参加者として、炎上や問題への介入を始めます』

 こうしてみると「ネトウヨ」というのは、ネット、それも2チェンネル及びそのまとめサイトなどからだけ情報を得ていて、なおかつそこに書き込まれている内容だけを無批判に受け入れてしまっている情報弱者ってことになるのだろうか。

 情報というものは基本的に複数のソースから仕入れてきて、それを批判的に検証して初めて自分に納得がいくものになる。それを「便所の落書き」とも言われる2ちゃんねるからだけの情報で判断していては、事象に対して間違った解釈をする可能性が最も高いことになる。つまりそれは「情弱」と言われても仕方のないことなのではないだろうか。

 ところが問題は、本来は正しい保守思想を持っていなければならない保守政治家自身が、こうしたネトウヨ的な発想に乗ってきてしまっているということなのだなあ。

『片山さつきは元々保守的な論調の政治家でしたが、先のハム速関連のツイートにも現れているように、近年はネトウヨ受けのいい発言が増えていました。もはや保守的というよりもネトウヨ的と言った方が適切かもしれません。従軍慰安婦の否定、領土問題に対する経済制裁の推進、国防軍の肯定などは、まさにネトウヨ的なバズワードだらけです。中でももっとも話題となったのは、先の芸人の生活保護不正受給問題に関する「活躍」です。当該芸人を名指しで批判し、当該制度見直しの旗振り役として、「見事」に生活保護費の引き下げを成功させた片山は、まさにネットの正義の代弁者であったことでしょう。そして無論、そのようなネット世論をハム速のようなまとめサイトが煽っていました。このような片山の行動には批判も多いですが、一方でそれを肯定する空気があることも間違いないことであり、その点で在特会がそうであるように、彼女もまた主張を先鋭化させることで政治的な立場を保持しているものと見えます』

 という片山さつき氏レベルの政治家(でも陣笠ではないが)ならまだ問題はないが、問題は圧倒的な自民党の横滑り逆転勝利を収めて今や我が世の春を謳歌している安倍晋三氏も同じように、最近はネトウヨ化したような発言、行動が多く見られるようになったということである。元々、安倍氏は保守的で右翼的な政治家ではあった。しかし、第一次安倍政権では小泉純一郎政権の後を受け継いだこともあって、かなり発言や行動は慎重であり、そこはキチンとした自民党的な政治的背景をもった発言、行動ではあった。ところが、今回の第二次安倍政権では、自分の周囲にお友だちばかりを配し、その発言、行動は、どちらかというと政治的なバックボーンを持ったものというよりは、かなり場当たり的に行っているようにしか見えない。

 その結果、本来の自民党の立場とでも言うべき「親米的」なスタンスは見えなくなり、反米的、反韓的、反中的な独りよがりのスタンスになってしまい、自民党の左右双方の心ある政治家からも反感を買ってしまっているし、アメリカからも警戒的な目で見られるようになってしまったのではないか。

 特に、先の都知事選なんかでも、本来は自民党とは袂を分かった舛添氏を応援するなど、その発想はまさしくネトウヨ的であり、場当たり的でしかない。

 そう基本的には「反米、反韓、反中で場当たり的な発想」でもって物事を判断するというのが脊髄反射なネトウヨ的なのであって、それらには一貫する主張というものはない。

 ノブレス・オブリージュというのではないが、選挙で圧倒的な勝利を収めた政党及びその代表は、しかし、だからこそ自らの主張に反対する政党の考え方を慮って発言、行動する必要がある訳で、それで初めて民主主義というものが成立するのである。そうでなければ、それは独裁政治であり、ファシズムであると言われても仕方のないことなのである。

 まあ、そんなことを言っても、ネトウヨ化した政治家たちには届かないだろう。

 むしろ、ネトウヨたちはそんな自分たちの立場をもっと弱いものとして、虐げられていると感じている人たちが多いのであって、決して自分たちがメジャーなところにはいないと考えているのだ。

 本来は圧倒的な力を持っている政党政治家たちが、しかし、自分たちがマイナーな立場にいると考えているとしたら、マイナーなるが故に何をしてもいいのだ、何をしても許されるのだ、と考えているとしたら、もはやそれは政治の暴走しかないだろう。

 今の安倍政権の暴走ぶりの理由が、そんな政治家のネトウヨ化にあるとしたら、まさしく政治の劣化でしかないし、そんな劣化した政治家に日本をまかせていいのか、という不安がよぎってくるしかないのだ。

「歴史は繰り返す」という。

 戦前の日本が陥った、「劣化した軍人と政治家」による「思考停止と無責任」が今また繰り返されそうである。

 果たして、それでいいのか?

『ネトウヨ化する日本 暴走する共感とネット時代の「新中間大衆」』(村上裕一著/角川Epab選書/2014年2月10日刊)

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