フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 『ヒトは何歳までセックスできるのか』って興味あるなあ | トップページ | 101年目のロバート・キャパ »

2014年3月23日 (日)

『LIFE!』もちょっと残念?

 原題は"The Secret Life of  Walter Mitty"つまり「ウォルター・ミッテイ(ベン・スッティラー)の秘密の生活」って、つまりウォルターの空想癖のことなのである。

Life2『LIFE! (The Seceret Life of  Walter Mitty)』(監督:ベン・スッテイラー/原作:ジェイムズ・サーバー/脚本:スティーブン・コンラッド/製作:サミュエル・ゴールドウィンJr、ジョン・ゴールドウィン、スチュアート・コーンフェルド、ベン・スッテイラー)

 主人公ウォルター・ミッティは雑誌「LIFE」誌の写真管理室に勤めているサラリーマンだ。

 あの写真雑誌として世界で一番有名な「LIFE」である。それはそれで恵まれた立場ではあることなのであろう。ただし、グラフ雑誌である以上、一番偉いのはスタッフ・カメラマンだろうし(というか「LIFE」はそんな感じでカメラマンを雇っていた)、次は編集者だろうなあ。という意味では、写真管理室というのは、いわば「縁の下の力持ち」的な部門ではある。

 そんな部署に勤めていたウォルターは、少年時代はまだ夢見る立場で世界をバックパック旅行をすることなども考えていたのだが、父親の死によってそんな夢を捨てて、現実のみを見て生活することを決めていた。で、そんなウォルターの唯一の楽しみは「現実を離れて、夢の世界に逃避すること。」で、そんな生活が"The Secret Life of Walter Mitty"という訳なのだ。

 そのウォルターが、「LIFE」誌が紙版としては最終号を出して、その後はオンライン版として生き残ろうとするということになって、その最終版の表紙にショーン・オコンネル(ショーン・ペン)が撮影したカットを使うことになったのであるが、オコンネルから送られてきたネガ(雑誌だからポジだと思ったんだが、アメリカはネガなんですね)のNo.25がない。しかし、オコンネルから指定されてきたネガ番号はNo.25。ということで、このNo.25ネガを求めて、オコンネルを求めて世界をさすらうことになったウォルターを描く、というのがこの映画。

 結果は「幸せの青い鳥」みたいな話で、まあその辺は予測可能なのだが、おまけに「ああそういう結末なのね」というのが、如何にもハリウッドらしいハッピーエンディングで……。

 で、それはいいとして、ウォルターが行く場所がスゴい。まず、グリーンランドからアイスランドまで行ってしまい(うーん、寒そう)それでもオコンネルが見つからずに、一度ニューヨークのオフィスに戻ってくる。

 そこで前から片思いしていたシェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ:あまり美人じゃないところが最近のハリウッドの傾向なんだろうか)に対して変な思い違いをしてしまい、彼女を諦めたりしながら(つまり、この部分が物語のラストに向けての一番の「盛り下がり」部分なのだが)、家のグランドピアノの「傷」に気づく。それがオコンネルのネガNo.24に写っていた画像なのだ。つまりオコンネルはその写真を撮影するために、自分の家に来ていた! ということで、再びオコンネルを探す旅に出るウォルターなのであるが、その行先はアフガニスタンからヒマラヤ山脈へと続く大冒険ではある。

 つまり、それはウォルターが昔想像していて、行きたかったけれども行けなかった、大冒険の旅である。まあ、つまり冒険の旅はしたい時にしておけ、ということなんだけれども、それは遅すぎることもないんだなあ、ということでもあるようだ。

 で、結局オコンネルを見つけたウォルターだが、そのオコンネルの機材がこれまたスゴい。何しろ「ニコンF3T」ですよ。1982年製のカメラ。勿論、フィルム・カメラ。アナログ・カメラ。それだけでもまあお腹一杯になってしまうところだが、しかしこの映画、今流行りのデジタル・シネカメラではなくてARRIFLEXのARRICAM STというフィルム・カメラで撮影されているのだ。スゴいなあ、多分デジタル合成がかなりある映画なので、60コマか30コマで撮影されているのだろうけれども、やはりフィルム・ルックというのは映画を見ていて何となくホッとする瞬間でもある。

 で、結局「ああそういう結末なのね」という結末が(以下、ネタバレです)、ウォルターがネガを見もしないで首切り係のテッド・ヘンドリックス(アダム・スコット)に渡したフィルムを表紙に使った「LIFE」終刊号。なんと「DEDICATED TO」という言葉と共にウォルターが写っている写真が使われているのだ。

 う~ん、こうなっちゃうと本当に「予定調和」だなあ。

 ハリウッドってのは、本当に予定調和が好きな世界で、予定調和に収まった脚本じゃないと通さないんだろうか。でも、そんな予定調和の脚本でもって観客を呼べると思っているんだろうか。予定調和に即していない脚本は、多分ハリウッドの「シロウトプロデューサー(つまり法学部やMBAを出たバカども)」には多分不興なんだろう。つまり、彼らの想像の部分を超えちゃうからね。

 でも、予定調和の世界に収まっている脚本であれば「シロウトプロデューサー」であっても理解が出来る。なので、最近のハリウッドは「~2」とかリメイクとか、「昔の名前で出ています」的な企画しかできなくなってしまったんだろうな。

 ということなので、この"The Secret Life of Walter Mitty"も、最後の結末に至ってしまうと、ちょっとガッカリだなあ。普通なら、テッドの会社再建策は方針は変わらない筈だから、そんな時にメランコリックになってウォルターが写った写真や「DEDICATED TO」みたいな表現は表紙には使わないだろう。

 ということで、実際には1972年12月29日に通算19862号で休刊したときの「LIFE」には表紙には写真が載らなかったのであります。

 当然「DEDICATED TO ~」というのもありません。

 残念。

映画の原作『虹をつかむ男』(ジェイムズ・サーバー著/鳴海四郎訳/ハヤカワepi文庫/2014年1月10日刊)ただし、映画と原作ではまったくストーリーが違う。映画が頂いたのは「空想癖のある主人公」というアイデアだけ。

« 『ヒトは何歳までセックスできるのか』って興味あるなあ | トップページ | 101年目のロバート・キャパ »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/59336737

この記事へのトラックバック一覧です: 『LIFE!』もちょっと残念?:

» 「LIFE!」一歩踏み出す勇気、そして映画的な創造世界 [soramove]
「LIFE!」★★★★☆ ベン・スティラー、クリステン・ウィグ、 ショーン・ペン、シャーリー・マクレーン出演 ベン・スティラー監督、 115分 2014年3月19日公開 2013,アメリカ,20世紀フォックス映画 (原題/原作:THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY) 人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 「雑誌『L... [続きを読む]

« 『ヒトは何歳までセックスできるのか』って興味あるなあ | トップページ | 101年目のロバート・キャパ »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?