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2014年2月13日 (木)

『本の逆襲』は楽しい本だ

 タイトルを見て、また紙の本礼賛かと思ったら、そうじゃなかった。

Photo『本の逆襲』(内沼晋太郎著/朝日出版社/2013年12月15日刊)

『たとえば「飲食業界の未来」と「食の未来」、「アパレル業界の未来」と「ファッションの未来」とが別であるように、「出版業界の未来」と「本の未来」とは別のものだと考えるようになりました。「出版業界の未来」ははっきり言って暗いけれども、生き残る方法はたくさんあるし、「本の未来」に至ってはむしろ明るく、可能性の海が広がっているとぼくは考えています』

 という内沼氏は「本に関するクリエイティブ・エージェンシー」であるnumabooksを運営しており、更に、下北沢で「B&B」という書店を経営している人だ。

 そんな内沼氏が「本の未来についてどんな可能性があるか」と考える際の切り口として10項目を上げる。

1 本の定義を拡張して考える
2 読者の都合を優先して考える
3 本をハードウェアとソフトウェアとの分けて考える
4 本の最適なインターフェイスについて考える
5 本の単位について考える
6 本とインターネットとの接続について考える
7 本の国境について考える
8 プロダクトとしての本とデータとしての本を分けて考える
9 本のある空間について考える
10 本の公共性について考える

 という10の切り口だ。

 そもそも電子書籍が登場して以降、本はもはや定義できないものになってしまっている。『本を狭い定義の中に押し込めずに、あれも本かもしれない、これも本かもしれないと考えることが、これから本の仕事をするにあたっての大前提になる』ということ。

『時間はかかるかもしれませんが、おそらくいずれ、コピペできない電子書籍はもちろん淘汰され、ファイルがDRM(デジタル著作権管理)で保護されることもなくなり、電子書籍ストアの境もなくなり、フォーマットも統一されていくだろう』、何故か? その方が『読者にとって都合がよい』からである。

『いまハードウェア(=スマートフォン)を買っているのが誰で、求めているソフトウェア(=コンテンツ)が何なのかを考えることは、日常的に書店を訪れる人よりもずっと大きな母数の潜在的な「読者」を目の前にして、そのチャンスを活かそうとする』ことになる。

『大前提として、最適なメディアやインターフェイスというのはコンテンツによって違います。本全般を一括りにして、紙の方がいいとか、電子書籍がいいとか言うのはナンセンスです。これからの本を考えるにあたっては、そのコンテンツに合ったメディアを選択し、そのコンテンツに最適化したインターフェイスを設計する』という考え方が欠かせない。

『いま電子書籍のプラットフォームの多くでは、一部の雑誌が記事単位で本と並列に売られていたり、紙で1冊だった書籍が2分冊にされて販売されていたりします。目次に沿って章単位で分割し、ユーザーが自分なりに再編集して扱えるようにするべきだ、といった議論もよく見られます』つまり、音楽販売が以前はCD単位だったのが、今は1曲単位で販売されているようなものである。つまり、本の最小単位は「論点」である、ということ。

『本の定義を拡張して考えると、そもそも電子書籍もウェブサイトも広義では同じデジタルの本であり、その違いはないとも言えます。無料で読めて広告収入で成り立っているウェブマガジンやニュースサイトが存在する以上、絶版となってしまった紙の本をウェブサイト化して無料公開し、広告収入でマネタイズするという方法も、まだ事例は見当たりませんが』充分考えられる方法だ。

『インターネットの登場により、本が国境を飛び越えやすくなりました』という。いやいや翻訳の問題があるじゃないか、と言っても、そんなものはクラウドソーシングでもって安価にできるし、インターネットのおかげで印刷・製本・流通コストは圧倒的に安くなる。更に、2050年にはコンピュータによる自動翻訳も可能になるという予測がある。

『いま電子書籍と呼ばれているものが主流になるかどうかはさておき、紙に印刷された本ではなくデータにお金を払い、何らかの端末でそれを読むという行為は、これからは多くの人にとって、よりポピュラーになっていくでしょう。米国人乗客の多い飛行機にのっていると、もはやみなKindleやiPadなどの端末で文字を読んでいて、紙の本を読んでいる人などほとんどいないと言います。その一方で少なくとも日本では、電子書籍のユーザーからはよく「この本は電子書籍でほしいけど、この本は紙でほしい」といった声が聞こえてきます。プロダクトとしての本とデータとしての本を分けて考えるというのは、この二つの「ほしい」の違いについて考える』ということ。また、『データは200円で、普通の紙版は500円。革で装幀された豪華版とグッズのセットは、限定500部で1万円。さらに生原稿をリトグラフで複製し額装したものが付いているのは、限定10部で10万円』というような売り方も出てくるかもしれない。

 本のある空間ということで言えば、書店や図書館だけではなく、とにかく本が置かれている空間であり、更に言えばコミケや文学フリマのようなイベント、東京の谷中・根津・千駄木エリアで毎年やっている「不忍ブックストリート」なんてのもある。

 本の公共性というところは、まだ著作権との考え方とのバランスが必要になるのかもしれない。

 う~む、この内沼氏という人も面白そうだが、彼の経営する「B&B」にも興味が湧いた。彼がアルバイトをしていた千駄木の往来堂書店は私もよく知っているし、店長の笈入氏もよく知っている。

 うん、今度「B&B」も行ってみよう。

2014_02_11_11472ということで行ってきた。

 そしてどうだったかは、明日のブログで……。

『本の逆襲』(内沼晋太郎著/朝日出版社/2013年12月15日刊)Kindle版も出ている。

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