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2014年2月 1日 (土)

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』は、西原理恵子さんの「愛」の歌なのだった

 まあ、まさしく「壮絶なカネの話」なんだけれども、基本的には書かれているような「貧乏の連環」から抜け出した西原理恵子さんには感動なんだよなあ。

20140131_192319『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子著/角川e文庫/2012/10/1刊)

「貧乏」というのは、実は哀しいことではなく、普通のことなんだ。

『貧富の差がなかったから、いわゆる「貧乏人」がいなかった。町中みんなが貧乏だと、だあれも自分が貧乏だってことに気がつかないのかもね』

 ということなんだけれども、しかし、多少大人になると「自分の置かれた場所」と、「金持ちがいる場所」の違いが見えてくる。

 しかし、なので;

『「貧しさ」は連鎖する。それと一緒に埋められない「さびしさ」も連鎖していく。ループを断ち切れないまま、親と同じものを、次の世代の子どもたちも背負っていく。わたしが大人になってから出会ってきた人たちの中にも、子ども時代にかなしい思いをいっぱいしてきた大人がたくさんいる』

『女の子たちは、いい目が見られる若いうちに、町から出て行っちゃう。いつの時代も「若くてカワイイ」は女の子が世の中と渡り合うときの有効な武器だからね。
 でも、そういうなけなしのカードさえ持っていない男の子たちは、育った町から飛び出すことがなかなかできない。だから、男の子は「いかに自分は根性がある人間か」をまわりに示すために、地元で盛大にはっちゃけるしかない』

 まあ、こんな「負の連鎖」のような連環から抜け出すことが大変なんだよなあ。

 西原さんの場合は、まず土佐女子高校に入ったことがあるんだろうなあ。そこから「上の階級」の人たちの考え方なんかを知り、「ああ、そうか私が生きてきた世界と違う世界があるんだ」ということに気が付いて、そこから世界が始まるのである。

 まあ、取り敢えずは東京の大学に行くことである。そこで、故郷の町や、人と離れることはできる。つまり「故郷にいた自分とは別の人格をそこでは獲得できる」と言う場所が「東京」だったわけだ。

 まあ、それは地方出身者ではよくある気分のようで、私のような元々東京に生まれた者にはよくわからないのだが、そんなにも東京が凄いの? ってな気分もありながら、一方で、やっぱりそんな魅力が東京にはあるんだ、ということを再認識させられたりする。

 西原さんにとっては「東京の美術大学」と「東京」は対価じゃなかったのではないだろうか。まあ、確かに「絵を描く」ことが好きだった西原さんにとっては、東京の美大に行って絵のスキルを上げるというもの重要なことだったのかも知れないが、もっと大きかったのは、「東京に行って自分がどれほどその街で通用するのか?」ということを試したかったんじゃないかなあ。

 結果として、まあ「美術」としてはどうだかわからないれれども、「絵」としては勝ち組の方に入って、漫画家としてデビューできたんだものね。

 それが「エロ本」ジャンルだったってのが素晴らしい。

 要は「エロ」要素だけ入れておけば、あとは何をやってもいいという「ユルさ」がエロ本業界にはあった、って言うのは『NEW SELF』『ウィークエンドスーパー』『写真時代』というセルフ出版(今の白夜書房)の考え方であって、まさしくそこにはいくらでも勝手なことをやってもいい「解放区」がそこにはあったんだよなあ。

 でも、そうして高知の田舎町から出てきて東京で「功成り名遂げた」西原さんも、結局、結婚した相手は鴨志田譲っていう、これまたアルコール依存症の男だったっていう皮肉。

 結局、ここでも「貧しさの連環」があるんだよなあ。

 西原さんの生みの親の親父が「アルコール依存症」で、育ての親が「ギャンブル依存症」だったってのは、必ず西原理恵子さん自身にも繋がっていることであり、それは、一種の運命なのかとも思うのだが……。

 でも、そんな「鴨ちゃん」がアルコール依存症から還って来た時、西原さんはキチンと鴨ちゃんを受け入れるんだよなあ。

 そこで、そんな運命とも思われる「負の連環」を断ち切ることができるのである。

 まあ、それが西原理恵子さん自身なのである。

 むしろ、感動すべきところは、そこなのであろう。

 まさしく、「鴨ちゃん」に対する「愛の歌」ってとこでね。

 合掌

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(西原理恵子著/角川e文庫/2012/10/1刊)角川文庫版は2012年6月23日刊。価格があまり違わないのが、ちょっと残念!

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