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2014年1月23日 (木)

『ウェアラブルは何を変えるのか?』という新しい本の書き方・発表の仕方

 昨日書いた佐々木俊尚氏の『ウェアラブルは何を変えるのか?』について考えたことをもう一つ書いておきたい。

『取り敢えず、2014年に刊行する予定の本の前半部分を、KDPで著者自らが出版して読者の反応を見てから後半部分を考え書いていく、という新しい本の書き方で出てきた』ということだ。

20140119_134657『ウェアラブルは何を変えるのか?』(佐々木俊尚著/佐々木俊尚/2013年12月24日刊)

 通常、書き下ろしでない方法で本を出版する場合、雑誌や新聞記事、ブログなどで一度文章を発表し、それらを編纂して一冊の本にする訳である。

 その一つの理由は、まず出版に先だって原稿料収入を得られるということがある。本の印税というのは基本的に出来高なので、本がどれくらい売れるかによって収入が変わるし、また印税収入というのは基本的に著書の価格の10%なので、あまり安定収入とは言えない。むしろ安定収入化するのは著書が出版されて数年たって、何刷かして、最早別の本を出した後に再び元に戻って読まれたりすることによって「予期せぬ収入」になった時である。そんな訳で、出版印税収入に先だって雑誌や新聞の原稿料収入があるというのは、作家にとって安定収入になるのである。

 また、そうした一度発表した文章を編纂して一冊の本にするという形ならば、言ってみれば雑誌や新聞に掲載された際に一種のマーケットリサーチが出来ている訳なので、そのマーケットリサーチの結果によって、書籍化する際に文章を書き替えたりすることができる訳である。

 更に言ってしまうと、例えば遅筆の作家の場合、実質的に原稿締切がないのと同じ書き下ろしだと、いつ出版ができるか計画が立たないという問題があるが、雑誌などで原稿締切が定められていれば、作家を追い込むことができるという出版社側の事情もある。

 しかし、書き下ろしの場合、それらの要点がすべてないわけで、果たしてその内容の本を出版して売れるのかどうなのかが、事前にわからないという問題がある。

 そこで、一種の事前のマーケットリサーチという意味でKindle Direct Publishingで本を出して、読者の反応を見るというのが著者の種類によっては有効な手段になるだろう、ということ。

 特に佐々木俊尚氏のようなテクノロジー系メディアを専門とするジャーナリストの場合、当然、自分の読者は電子書籍なんかにもアレルギーはないだろうから、Amazon Kindleなんかのユーザーは多いと判断したのだろう。

 で、書き下ろしを予定している新しい書籍の一部を、しかし、それなりにきちんと読ませるボリュームでKDP化してアーリーアダプターにリーチする。それで読者の反応を見ながら、一種のマーケットリサーチをする訳だ。

 で、その結果を元に書きなおしたり、後半部分の書き方を新たに研究したりしながら、一冊の本を書き上げるということである。

 当然、その場合、完成版を出す出版社は決まっている筈である。でないと、予めその出版社から電子版を出せなくなってしまうことになる訳だから、出版社の了解を得てからKDP化をしなければならない。だとすると、これから紙版『ウェアラブルは何を変えるのか?』を出す出版社は、あまり電子版については前向きではない出版社だということなのだろうか? つまりフル完成版『ウェアラブルは何を変えるのか?』電子版も佐々木俊尚刊で出るのだろうか? あるいは、フル完成版『ウェアラブルは何を変えるのか?』電子版は出版社から出るのであろうか? いやいや今後の展開が楽しみになって来た。

 KDP版の使い方としては、勝間和代氏のように自らのメールマガジンや勝間塾などへの導入のためのツールとして使うという方法もあった訳だが、それ以外にも、こうした書き下ろし書籍のマーケットリサーチとして使うという方法もあった訳だな。

 まあ、KDP版の使い方としては、事前にKDPで小説などを発表して、その実績を持って出版社に企画を売り込むという新人作家が出てくるのではないか、という予想はあったわけなのだが、既存の作家がこうしたことを行うということはちょっと考えていなかった。

 そんな意味でも、さすがは佐々木俊尚氏らしいやり方ではある。

『ウェアラブルは何を変えるのか?』(佐々木俊尚著/佐々木俊尚/2013年12月24日刊)

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