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2014年1月16日 (木)

そうか『くまモンの秘密』はそういうところにあったのか!

 1月13日のJ CASTニュースのタイトルが『NHK大河ドラマしのぐ「くまモン」の経済効果 日銀熊本支店 異例の調査で2年1300億円』というもの。

20140113_172538『くまモンの秘密 地方公務員が起こしたサプライズ』(熊本県庁チームくまモン著/幻冬舎新書/2013年3月15日刊)

 2011年11月~2013年10月にくまモンが熊本県にもたらした経済波及効果は1244億円、テレビや新聞に取り上げられたパブリシティ効果は90億円以上というもの。調査は、くまモンが「ゆるキャラグランプリ2011」で優勝した2011年以降の「くまモンを利用した商品の売り上げ高」「くまモンによって増加した観光客数」を推計し、熊本県への経済波及効果を試算した。くまモン利用商品の売上高は、熊本県が利用を許諾した企業に絞ったという。ただし、熊本県はくまモンの使用料を取っていないので、多分、売上報告やそれぞれの企業の売上報告からの推定金額だろう。

 大河ドラマでは2010年の『龍馬伝』の際は高知県が535億円、長崎県が182億円。2008年の『篤姫』が鹿児島県に262億円、出雲大社大遷宮が285億円というから、まさにくまモンの経済効果は莫大だ。

 本書はそんなくまモンが小山薫堂氏のアイデアから生まれ、そして熊本のくまモンから、日本のくまモンになるまでの記録である。

 しかし何故、最初は大阪だったのだろうか、「熊本県庁チームくまモン関西部隊」だったのだろうか。普通は全国区になりたければ東京でしょ、と思ったのだが、そうか鍵は2011年3月12日の「九州新幹線全線開通」だったのね。確かに、東京から熊本へ行こうと思ったら、普通は6時間以上もかかるJRじゃなくて飛行機で行ってしまう。しかし、新大阪からなら3時間半くらいで熊本まで行けてしまうので、そこは大阪攻略がまず第一に考えられたのだな。つまりそれはJR西日本、JR九州とのある種のタイアップ企画だった訳だ。

 で、問題は熊本が九州新幹線の終着駅ではないということ。熊本県には新玉名、熊本、新八代、新水俣と4つ新幹線の駅があるところが如何にも整備新幹線という感じであるが、いずれにせよ鹿児島中央を終点とする九州新幹線では、下手をすると中間駅として皆通過してしまう恐れがある。それを払拭するためになんとか熊本県を売りだそうということで、くまモンが大阪に登場ということだったんだな。

 で、くまモンを関西に送りだす方向性は

1 関西の人みんながあっと驚くような面白いことをやったら、それだけで関西の人は自然に集まる。
2 お金を落として。そこに生まれた面白いものを関西の人みんなが見に来るようにする仕掛けを作る。
3 掛け算みたいに相乗効果でいろいろなものが絡まって広がっていく。

 という如何にもノリのよさそうな大阪人を相手にした考え方だ。

 で、そんなくまモンを大阪で売り出そうというチームくまモン関西部隊の活動コンセプトは

1 くまモンをメッセージ性抜きで関西各地に出没させる
2 ブログに活動報告をアップする
3 ツイッターで出没状況をつぶやく、つぶやいてもらう
4 素性を明かす面白い名刺を配布し、ブログとツイッターへ誘導する
5 新聞、ラジオ、交通広告のメディアミックスで、さらに認知度アップを図る

 というもの。なるほど現代のSNSを利用したパブリシティ手法ではある。

 で、2011年には「ゆるキャラグランプリ」で見事優勝したくまモンではあるが、これからのくまモンは今後どうしていこうかというと

1 くまモンのブランド価値を向上する
2 くまモンと熊本の関連性を強化する
3そのための持続可能な仕組みづくりをする

 う~む、ちょっとハードルは高いかな。

 しかし、もし可能であるとすると『迷ったらGO!』というのがチームくまモンの大きな方針が今後も守られてくれば大丈夫だろう。基本的に公務員の考え方は「迷ったらやめる」というものだから、これは普通公務員という立場からは考えられない意識変化なのである。

 で、他県などから「うちもくまモンみたいなキャラクターを作って展開したいのですが、どうしたらいいですか」といった質問に対しては

1 ターゲットを明確にする
2 TPOに合ったメディア戦略
3 SNSの最大限の活用
4 くまモンの爽快な動き・表現の豊かさ
5 くまモンを活用したPR・広報へのトップの理解と応援

 という基本的な考え方を示す。この中のポイントは5の「トップの理解と応援」という部分なのだろうが、多分、他県ではこの部分が難しいのではないだろうか。

 更に今回くまモンが成功した大きなポイントは

『ひとつは、組織の枠にとらわれず連携ができたことでしょうか。一般論として、行政に限らず組織が大きくなれば、ある課で何かを始めたら、それはその課の仕事であって、他からは協力が得にくいものです。この点、今回の新幹線開業に関連した各課の仕事については、そんな縦割りの縛りがなかった』

 ということであろう。

 本来、公務員というものは他の部署の仕事には口を出さないものだし、また他の部署には協力しないものだ。しかし、たまたま熊本県知事という人が、公務員出身ではなかったことが幸いしたのだろう。組織横断的な考え方をしたうえで、なおかつ知事の理解があったというよりも、率先して知事が理解と応援をしたということが、くまモンの大成功につながったのである。

 なにしろ吉本新喜劇の舞台でズッコケるような知事はまずいないだろうからね。

 熊本県庁のスタッフの人たちは良い上司に恵まれたものだ。

『くまモンの秘密 地方公務員が起こしたサプライズ』(熊本県庁チームくまモン著/幻冬舎新書/2013年3月15日刊)当然、Kindle版も出ている。まあ、多少は安いかな。

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こんにちは。楽しく読ませてもらいました。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうございました。

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