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« 『「就社志向」の研究』といっても、別に特別なことが書いてあるわけではない | トップページ | The new mail magazine from Mr.Chris Guillebeau »

2013年12月 2日 (月)

PARIS GALERIE DE LUMIERE 2010-2013

 神田明神脇の写真ギャラリー、gallery bauhausuで小瀧達郎写真展‟PARIS GALERIE DE LUMIERE 2010-2013(PARIS 光の回廊 2010-2013)”が開催されている。

『1930~50年代製造の古いライカ・レンズで撮影したパリ。2010年から4年間にわたって撮影された小瀧達郎の10年ぶりの新作写真展』というのだから、そこには2010年のパリでありながら、1930~50年代の空気が写っているというのだろうか。

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沈黙する意志の光

小瀧達郎が撮影したパリは、その幻想的な作風から、一見すると甘美な憂愁の中にあるノスタルジーの表現のように映るかもしれない。けれども、それは大きなまちがいだ。かれのまなざしが向けられているのは、時の容赦のない流れの中にあって、変わることなく「パリ」という都市空間を支えている謹厳な意志だ。それは洋品店に置かれた古いトルソーや、大聖堂の上から下界を見下ろす怪物像や、使い込まれた階段の手すりや、ベンチにたたずむ老人の背中など、パリの街のあらゆる細部に浸透して、「パリ」を不断に生成させつづけている原型的な生命力のように思われる。「もの」をとおして立ち現われるこの細妙な意志をとらえるには、現実をおおう機能性や饒舌性をぬぐい去り、沈黙する純粋な光を浮かびあがらせてくれる古いライカ・レンズでなければならなかった。かつて小瀧さんとともに「マリ・クレール」誌の黄金期をささえた作家の故・辻邦生もまた、パリの街にそのような揺るぎない意志を見ていた。辻さんが今回の写真展を見ていたら、なにを想うだろうかとつい考えてしまう』というのが、作家兼翻訳家の田中真知による招待ハガキでの賛辞である。

 さて、昔のレンズで写真を撮ると今の町があたかも昔の町のように撮影されてしまうのかどうかは、私も3月11日のブログ「時の鐘と蔵のまち 川越散歩カメラ by Rolleicord」で試みたところである。

 しかし、そこに写っているのは、間違いもなく現在の日本である。雰囲気だけは昔の日本ね。

『しかし、このカメラについているカール・ツァイス・トリオター7.5cmというレンズはなんとまあ味のあるレンズなのだろうか。フィルムを詳細に見ていると、結構ピントはシャープであるが、ボケている部分になんか時代が写っている』

 なんて勝手なことを私は書いているが、実はそんなことはなくて、当然フォーカスが合っている場所は昔のカメラ(レンズ)であっても、今のレンズであっても、当然シャープであることは変わりはないはずだ。問題はアウト・フォーカスになっている部分の描写のことなんだろう。現代のレンズではデジタルデザインでやってしまうから、そんなにアウト・フォーカスの部分でもそれなりに写ってしまう。つまり、アウト・フォーカスの部分の描写能力なんてものは、デジタル・デザインができなかった時代は、基本的にレンズ設計者の好みというか、俺の設計ではこんなもんとか、取り敢えずは基本設計が終わってしまえば、あとはレンズの性格に任せるしかないというのがこれまでのレンズ設計思想だった。

 いわば、それが「レンズの空気感」というやつ。

 まあ、いわばそれは本当に写真を撮った人の「気分」の問題でしかない、という問題なのだ。

 で、この小瀧達郎写真展がどうだったのか。

 写っている空気感ってなんだろう。

 例えばFENDIの靴を撮った写真に1930~50年代のパリは写っているのか? ベンチにたたずむ老人の背中にオールド・パリは写っているのか? 数多く撮られているルーブル美術館の彫刻や、多くの町中の像に、昔のパリは写っているのか?

 いるんだなあ、これが。

 私のようなヘッポコ・カメラマンだと写っているのは昔の空気感ではなく、昔の空気感だという気分が写っているにすぎない。

 ところが小瀧達郎氏が写すと、しっかりそこにはノスタルジック・パリが写っている。

 この彼我の差というものは乗り越えることが出来ない大きな差である。

 もっと精進せねばなぁ、との思いを胸に神田明神を去るのであった。

 というのも「気分」だけどね。

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小瀧達郎写真展「PARIS 光の回廊 2010-2013 沈黙する意志の光」は2014年1月18日まで。

ギャラリー・バウハウスのサイトはこちら

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