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2013年11月22日 (金)

『大学の淘汰が始まった!』って言われたって、そんなの当たり前でしょって言う前に

『大学の淘汰が始まった』って言ったって、日本の大学は国公立含めて783校もあって、高卒者の50%以上が大学に進学し、それこそ偏差値30もあれば大学に入れちゃうという、基本的に大学全入時代に入っているわけで、そんな状態であればそれこそファミレスに入るくらいに簡単に大学に入れるのであれば、じゃあファミレスと同じに競争淘汰は当たり前なのである。

 という前に、もうちょっと慎重に本を読み進めてみよう。

Dscf0517_edited1『大学の淘汰が始まった!』(平山一城著/宝島新書/2013年10月24日刊)

 私立大学では早慶・上智・MARCH・日東駒専・大東亜帝国なんて序列ができているが、まあその程度の大学はまだいいようだ。

 国立大学協会加盟86校、公立大学協会加盟84校、私立大学連盟加盟125校、私立大学協会加盟398校、合わせて693校はまだ多少は大丈夫。問題はそれらに加盟していない新設校など90校なのかもしれない。

『大学が783校にも増えて、天国か地獄かという競争になっています。大学は、生き残りのための改革に覚悟を決めて取り組まなければならないのに、資金が不足すれば学費を上げ、国からの補助金が少ないと嘆く。無責任体質をなんとかしなければ、立ちゆかなくなる大学が続出します。『財』の独立がなければ、『学』の独立もありません』

 というのは元山種証券社長から早稲田大学に転じ、財務担当の副総長・常務理事を務め、その後、現在も改革著しい東洋大学の常務理事に迎えられた關昭太郎氏の言葉である。問題はアメリカの大学のように卒業生からの多額の寄付金に支えられ、それを金融商品で運用し、学費収入は3割程度であるというような状況に日本の大学もしなければならないということであろう。

 文部科学省の学校基本調査というのがあるそうだ。

『現在の18歳人口は約120万人、このうち61万2千人が4年制大学に入学した。内訳は181校の国公立大に13万1千人、599校ある私立大に48万1千人である(いずれも2011年度)。
 その私立大への入学者をみると、599校のうち定員の多い47校に18万7千人が入学し、残りの552校に入学するのは、わずかに29万3千人ということになる』

『これが「全入時代」とか、ユニバーサル化と呼ばれる現実である。受験生からみれば、高望みしなければどこかの大学には入れる。しかし、それが社会にとって、いや本人にとってもよいことなのかどうか』

 と言ったって、結果はそうなんだから仕方がない。それが巡り巡って、3年生か4年生になると、「就職できない大学生」になってしまうのである。

 2012年11月に当時の田中真紀子文部科学相が唐突に3大学の新設を不認可した背景には、こんな現状があったわけである。

 一方、MARCHクラスの大学でも

『多摩移転でレベルの低下がささやかれる中央大では、理工学部や商学部で増えたものの、看板の法学部では2年連続の減少となった。全体でも2700人以上減らしている。中大は多摩丘陵の広大なキャンパスに、ほとんどの施設が移転しており、今後も厳しさを覚悟せざるを得ないだろう』

 などと書かれてしまっている。中大の理工学部は昔から礫川公園脇の後楽園キャンパスにあって「あれは中大じゃない」なんて他学部生から言われたりしていたんだが、今になっては他学部生からは羨まれる立場になってしまった。法学部も、以前神田駿河台にあったころは卒業して弁護士になったOBが簡単に立ち寄ることができたので、それが中大法学部生にとっての魅力だったのだが、多摩まではOBも来ず、今になって市ヶ谷などに法科大学院なんかを設置しているが、そんなことでは大したことではない。やはり、都心回帰というのが中大の基本的な戦略にならないと、将来は危ういだろう。

 都心に回帰して、立教大学商学部のように1年間の海外留学を義務付けるというような改革を中大には求めたい。そうでなければ我が母校の将来が心配だ。いつまでも「可愛い! 應援團長 本城亜利架さん」に頼ってばかりじゃあいけないのだ、って、あれっ? なんか脱線したなあ。

『日本は、世界一のスピードで高齢・少子化が進む。しかし高齢化は長寿社会を達成できたからこそ、問題にもなる。同じように、かつて公害に苦しめられた日本は、それを克服して公害対策・省エネルギー分野で世界の途上国の手本になっている。いま日本が抱えている問題の多くは先進国共通の分野であり、その先の「新しいモデル」を考えることが必要になっている。そのとき、米国も欧州も見つけていない答えを見いだす可能性のある数少ない国が日本、と私は考える。
 大学は、日本の人材育成の中核として機能しなければならない。内向き、自信喪失、自虐的…、最近の日本人は悲観的な見方、自己評価に甘んじている。しかしいかなる改革も自尊や自律の気位がなければ、うまく行かないだろう。学生たちを語る場合も、無気力や学力低下ばかりをあげつらってみても彼らを追い詰めるばかりで、はかばかしい結果は生まれまい。英国BBC放送の調査は「世界に最も良い影響を与えている国」として日本を取り上げたことがある。日本という国の歴史に自信を持ち、時代変化に負けず、もう一度自分たちの「坂の上の雲」をつかみ取る気概が必要なのだ。
 大学では、いったん解体された「教養教育」が復活しつつある。リベラル・アーツと呼ばれることもあるが、その具体的な形ははっきりしていない。目先を変えて、学生を呼び込むためだけに目新しい言葉が使われていないか。次から次へと耳目をくすぐる学部・学科をつくっては失望を招いた。社会が求めているのは、かつて戦前の旧制高校が掲げたようなエリート臭の強い教養ではない。日本人としてのアイデンティティーを堅持しながら、グローバルな視点で世界を見渡し、問題を解決できる強靭さである。
 それが、独りよがりではない「グローバル時代の教養」といえる』

 という言やよし。

 しかし、実際にそれを実現するのは、更に難しい。

 ことに、今の「内向き、自信喪失、自虐的…」な学生相手ではね。

『大学の淘汰が始まった!』(平山一城著/宝島新書/2013年10月24日刊)

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