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2013年11月19日 (火)

『僕がメディアで伝えたいこと』は至極真っ当な発言なんだけれども、でも言っていることはごく普通のことなんだけれどもね

 元NHKのアナウンサー堀潤氏の目から見たNHKジャーナリズムの裏側である。

 まあ、大方は予想通りではあるんだけどね。

Dscf0516_edited1『僕がメディアで伝えたいこと』(堀潤著/講談社現代新書/2013年9月20日刊)

 入社試験での面接の際

『僕は幹部を前に、NHKへの思いを熱く訴えた。
「NHKをもっと市民とつながれるような『正直な公共放送』に変えていきたいんです」
 すると幹部の一人からこんな質問が飛んで来た。
「君はこんなに大きな官僚組織を変えられるとでも思っているのか。いったいどうやって変えるつもりなんだ」
 NHKの幹部が自らを「大きな官僚組織」と評したことに、「ちゃんと自覚しているんだ」と一縷の希望を見出し、こう答えた。
「一生懸命説明すれば、何かが変わっていくと信じています。きちんと話をすればわかってもらえると思うんです」
 今にして思えば何と青臭い考えだったのだろう。空論にすぎなかったかもしれない。案の定、僕の答えにその幹部は大笑いしながら言った。
「随分、性善説な若者だな、君は」
 続けて、こう励ましてくれた。
「君がそう信じるなら、思う存分やってみたらいい」
  <中略>
 性善説と言われてもいい。もし入局できたら思う存分やってやる。
  <中略>
 しかし、この「大きな官僚組織」の壁は、僕が想像していた以上に厚かった』

 と、まあそんなところだろう。で、

『NHKは早いスピードで新しいことに取り組む必要があるとずっと感じてきました。公共放送は徹底的に開かれるべきだし、各職員は視聴者と本音をぶつけ合いながら情報を共有すべきだという考えで頑張ってきました。しかし、僕がすることはすべてコンプライアンス違反だと見なされるような状況では精神的にもちません。僕は今日辞めますが、これからもNHKのために働いていくつもりでいます。公共放送が日本でうまく機能するよう、外から貢献していきたいと思います。いったん組織を離れますが、日本のメディアを、NHKをよくしたいという気持ちは今も変わりません。ご支援いただけたら幸いです』

 という言葉を残して2013年4月1日、堀潤氏はNHKを退職する。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故というのが、すべての日本の大手メディアへの視聴者・読者による不信感のきっかけになった訳であるが、しかし、それは既にそれ以前から持たれていた不信感を再認識させられただけなのである。

『既得権ばかりがはびこる古い日本社会を変えていくために、僕らマイノリティ世代はつながり合いながら戦っていこう! メディア不信を払しょくするために情報公開を徹底させて、いつかNHKを侵食しよう! 僕らが討論の末、到達した結論だった』

 という言やよし、しかし、それはメディア内部にいては決して成し遂げられない幻でしかないというのも事実だ。ましてや大手メディア中の大手メディア、NHKの中にいては決して成し遂げられないのである。何故なら、それが出来るくらいなら、そんなメディア不信なんてものは起こりえないし、既にメディア自身が変化を遂げているはずだからである。

 結局、大手メディアというのは、自ら変化を起こさないからこそ大手メディアたるのであって、自ら変化を起こしてしまっては、決して大手メディアにはなれなかっただろう。自ら変化を起こさず、しっかり利権に喰らいついて自ら既得権益の塊になったからこそ、「大手」になれたのである。

 勿論、「既得権益の塊」などというとまさしくメディアの姿では「あり得ない」と考えるのが普通であるが、しかしメディアも企業である以上は成長し大きくなりたい。会社が大きくなればそれだけ経営は安定するし、潰れる心配もなくなってきて、積極的に取材などもできやすくなる。

 しかし、それがいわばメディアの抱える自己矛盾である。つまり、そうやって大きくなったメディア企業は、同時に会社を守らなければならないという意識が働き、それが冒険主義を避けるようになったり、自らの情報公開に消極的になったりという自己防衛に走らなければならなくなったりするのである。

 まあ、それが結局はマスコミ「企業」の生きざまなんだよなあ。残念ながら、そうやってマスコミは、コミュニケーションの立場では劣化していくんだよなあ。会社としては立派になりながらも、メディアとしては劣化していくってのも、経営者としてはどんな気持ちで見ているんだろうか。自らはメディア企業の経営者として君臨しながらも、一方自分の企業がメディアとしての役割を落としていくのである。

 それはそれで忸怩たるものはあるのだろうけれども、結局は自らの経営者としての立場からしかモノを見ることが許可されないのであるから、それはそれで大変な仕事ではある。

 で、結局はメディア企業は次々にそんな「企業」の範疇から飛び出してしまう人間を生み出すのである。

 まあ、それがメディア企業の宿命なんだけれどもね。

『僕がメディアで伝えたいこと』(堀潤著/講談社現代新書/2013年9月20日刊)Kindle版もあり

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