フォト
無料ブログはココログ

Amazonウィジェット

  • Amazonおまかせリンク
  • おすすめウィジェット
  • Kindle

« 紅葉の六義園 ライトアップは12月8日まで | トップページ | Fitbit weekly progress report from Nov.18 to Nov.24 »

2013年11月26日 (火)

『マンション再生』って、結構重要な問題を含んでいるのである

『マンション再生最大の課題は、マンションの「経年変化」と居住者の「高齢化」という二つの‟老い”への対応である』

 なるほどなあ。

S00107572『マンション再生 二つの‟老い”への挑戦』(増永理彦著/クリエイツかもがわ/2013年10月15日刊)

 もともと、なんでこうしたタイトルの本を選んだのかというと、私自身の体験からなのだ。

 現在、私がもともと住んでいた(所有していた)マンションが来年夏の引き渡しを目指して建替えの真っ最中であり、私自身はその建替え組合の副理事長を務めている。別に副理事長といっても何の権限もなく、偉くも何ともない。建替え作業そのものは同じ建替え組合の組合員であるデベロッパーが主導で進められているので、建替え組合の仕事といえば、以前の所有者(地権者)が新規マンションのどの部屋を取るかとかの調整や、新規マンションの管理規約の策定とか、予算の承認とかなどの雑事をこなすだけである。現在の建替え組合の焦眉の課題は「新規マンションでのコミュニティのありかた」なんてことである。

 しかし、現在マンションの再生を建替えで行っている例は全国でも52例しかない。あまり例がない中での建替えでは、先例がないためにいろいろ問題が出てきた際に、自分たちで解決策を練らなければならない。これはこれで結構大変なことではあるのだ。

  マンション再生には大きく分けて「リビルド」(建替え)と「リニューアル」(再生)の方法がある。当然それについてはメリットとデメリットがある。

 建替えには当然そのための費用がかかるわけで、それをどうやって捻出するかが大きな問題になる。等価交換方式と言っても実際には「本当の等価交換」にはならない。等価交換するためには、隣地を取り込んだり階数を増やして実際の建替え面積を定められた容積率の中で増やすとかしなければならないし、当然「増床負担金」なんてものも必要になってくる。もっとも、「増床負担金」は別に新規マンションでの獲得床面積を減らせば払う必要はないけれども。

 で、そこで問題になるのが最初に書いた「居住者の高齢化」という問題である。

 居住者が働き盛りの年齢であれば、増床負担金なんかも別に問題にはならないのだが、マンションの「経年劣化」とともに、居住者は高齢化するわけで、それがちょうどマンションの再生期になると、大きな問題になるのだ。我がマンションも居住者の大半は定年退職者であり、当初は「建替えなんてとんでもない」という雰囲気であった。

 約1千万円かけて行った「耐震診断」の結果、一部住居の窓が少なくなったり、三角形の補強材を入れてマンションの外観を損ねるという問題もあったが、大半は「耐震改修」を行う方向に管理組合でなったのであった。ところが、あるデベロッパーから「建替え」の提案があって、それがあまりにも良い条件だったので管理組合も大いに悩むことになった。

 そこで、我が管理組合では東京都住宅供給公社(JKK)のコンサルタントを受けることを決定。実は、これが一番功を奏して、建替えへと一気に流れが変わったのである。

 最初はJKKと一緒になって「建替え」で行くのか、「耐震改修」で行くのかの勉強会から始まった、我がマンションの再生問題であった。当然、最初はお金のかかる「建替え」には慎重な意見が多く、「耐震改修やむなし」という方向で進んでいったのだ。それの流れが少し変わったのが、隣地を取りこんで建替えを行えば少し条件が良くなるという発見があってからだ。少しずつ「建替え」派が増えてきたのだが、それが一挙に「建替え」に変わったのが2011年3月11日の東日本大震災であったことは言うまでもない。

 管理組合の建て替え決議は100%の賛成で建替え決定となり、デベロッパー3社のコンペとなり、そのうち1社を決定して、現在に至っている訳である。

 幸いしたのは、駒込六義園の正門前という立地の良さであった。

 結果、旧マンションの資産価値も結構高く、増床負担金もそれほど多くはなかったという結果となり、大半の権利者も満足できる結果となったのは、旧管理組合としても胸を撫で下ろすことになった。

 この間、比較的旧管理組合のイニシアチブが通ったのもJKKのコンサルタントのお蔭ではなかったかと考える。

 その辺、本書で語られている大阪の「千里桃山台第二団地」のような、『民間デベロッパー主導型建て替え事業の問題点』のような問題は出てはこなかったのである。

 千里桃山台第二団地では、建替え賛成派、反対派に分かれて管理組合はおおいにモメて、最後には裁判沙汰となり、『「賛成派住民のなかには、10名近くの死亡、うつ、精神不安あるいは体の変調など健康を害するもの」が多く出た。一方、反対派に対しては、「脅迫状、建物階段への排便、玄関からガスを入れる、などの脅迫や嫌がらせがなされたりした」。このような一連の居住者追い出し方法は、憲法の保障する居住権をはじめ財産権や生存権にも抵触すると思われる』という事態にまで至ったそうだ。

 勿論、我がマンションは1棟だけで戸数も24戸という小さなマンションで、千里桃山台第二団地のような17棟、380戸というような大マンションではなく、そのために以前より住民同士のコミュニケーションは良かったことも幸いしている。まあ、そんなコミュニケーションの良い小さなマンションではそんなモメごとになるということもそう多くはないだろうから、それ以外の大規模マンションには、結果として増永氏はマンション再生はリニューアルを薦める。

 当然そこには「地球環境の保全」というおおきなテーマがある。建替えをすれば、それまでの旧マンションの取り壊し、新マンションを建設するための資材の確保という、ふたつの自然環境破壊の問題が生ずる。

『①マンションの高層化・高容積化が進み、現容積率が法定容積率に比べ相対的に高く、建て替え事業後、保留床を生み出せないケースが多い。
②「高経年マンション」居住者には高齢者や低所得者が増え、こうした居住者は積極的に建て替えを希望しない傾向がある。
③1981年以降の「新耐震基準」が適用された比較的新しいマンションについては、順次耐震改修が不要な場合も多くなり、リフォームによる再生で対応しやすい。
④建築基準法上既存不適格のマンションには、建て替えそのものが困難なものもある』

 というのが、増永氏の基本的な考え方だ。

 まあ、確かにそれが一番現実的な解決方法であるが、しかしそれが根本的な解決方法であるのかどうかは、ちょっと気になるところではある。

 えっ? お前は最初は建替え賛成派だったのか、反対派だったのかって? 当然、賛成派です。だって、だってその方が建物の資産価値は絶対に上がるんだからね。

 そりゃ当然でしょ。

『マンション再生 二つの‟老い”への挑戦』(増永理彦著/クリエイツかもがわ/2013年10月15日刊)

« 紅葉の六義園 ライトアップは12月8日まで | トップページ | Fitbit weekly progress report from Nov.18 to Nov.24 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549500/58605352

この記事へのトラックバック一覧です: 『マンション再生』って、結構重要な問題を含んでいるのである:

« 紅葉の六義園 ライトアップは12月8日まで | トップページ | Fitbit weekly progress report from Nov.18 to Nov.24 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

PEN PEN チョートクカメラ日記

自転車フォトグラファー 砂田弓弦

シュクレはお留守番

アローカメラ&我楽多屋

まだ東京で消耗してるの?