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2013年10月 6日 (日)

『クロニクル』っていうよりは、まんま『AKIRA』だな、こりゃ

『クロニクル』というタイトルでいかにも「記録映画です」ってな作りなのだが、内容はまんま『AKIRA』なのであります。

 さすがに20世紀FOXだとこういうことが出来ちゃうんだ。いつまでたっても実写版『AKIRA』の企画を辞められないワーナーブラザースじゃできない芸当ですね。

20131004_100940『CHRONICLE』(原案・監督:ジョシュ・トランク/原案・脚本:マックス・ランディス/製作:ジョン・デイビス/アダム・シュローダー/配給:ワーナーブラザース)

「撮影前に『AKIRA』と『エレファントマン』。それとドキュメンタリー映画を2本、監督からわたされたんだ」と語るのは主人公アンドリューを演じたデイン・デハーン。そうまさしく『AKIRA』のサイコキネシス表現のまんまパクリなのである。

 大友克洋氏は『AKIRA』を描くときに、それまでのマンガやアニメでサイコキネシスを描くときに波動を実際に描いたりや光の束などで分かりやすく表現していた方法をやめ、そんなものはあり得なくてなんにもないところで周囲の空間が歪んだり、周囲の人やモノ、壁や建物が「勝手に壊れていったり」する方法をとった。まあ、それがサイコキネシスを表現する当然の方法であったわけであるが、そういう表現をとったために、その様子が「実にリアルである」という具合に評価されたわけだ。

 映画は主人公アンドリューが日常をすべて記録しておこうという考えから使い始めたキャノンのXLシリーズのハイビジョンカム(最初の頃、途中からはHFシリーズになる)の映像と、ブログで映像を発表するために日常を撮影し続けているケイシー(アシュレイ・ヒンショウ)の、こちらはソニーのVGシリーズで撮影している映像だけで構成されている、というタテマエをとっているので、どこかドキュメンタリータッチなのです。というけれど、実際の手持ち撮影であんなに画面が安定していることはないので、これはウソということがすぐにわかる仕掛けになっている。ステディカムでも使わない限りは、そんなに手持ちでそんなに画面は安定しないのだ。今はステディカム以外にもカメラスタビライザーはいろいろ出ていて、それこそ本当の手持ちカメラで画面が安定させる方法はいくらでもあるが、映画の場面を見ている限りはそんなものは使っていないので、まあ、やっぱりウソですね。

 で、お話は三人の高校生がある日どことも知れぬ洞窟に入って、そこにある妖しく光る物体に触ることによって超能力を得るというお話。

 この辺が、もともと超能力の芽を持っていた子どもたちを、科学者たちが寄ってたかってもう力開発をするという『AKIRA』の方がなんかリアルですよね。結局、鉄雄もそんな科学者たちの手によって能力開発をされて、異常な破壊力を獲得したのであった。

 で、アンドリューが鉄雄だとすると、もう一人の超能力者マット(アレックス・ラッセル)の立ち位置はやっぱり金田なんだろうな。で、更にもう一人の超能力者で生徒会会長立候補者の黒人スティーブ(マイケル・B・ジョーダン)はもしかしたら大佐の役回りかなと思ったら、アンドリューに早いところ殺されてしまい、なんか中途半端な存在である。

 結局、物語に決着をつけてアンドリュー鉄雄を殺してしまうのは、金田マットなんだよな。この辺はお約束。原作『AKIRA』(って訳ではないですけれどもね)では、鉄雄を別の世界に送っていてしまい自分たちも一緒にいなくなるのは三人の年老いた少年少女たち。金田はすんでのところでケイに呼び戻されて現実世界に帰ってくるというストーリーである。

 とまあ、ストーリー的にはどちらがいいかは、お好きなようになのだが、『AKIRA』の方がもうちょっと重層的な話になっていて、その辺がハリウッド的には実現が難しく、ワーナーブラザースが何回も脚本を作り直してもうまくいっていないところである。私としては、3.11WTCビルの崩壊というのをうまく使えば、廃墟になった東京がそこから再生し、2020年の東京オリンピックに向けて、人々の記憶からAKIRAの災厄を忘れさせようと躍起になっている政府の姿という、まさしく『AKIRA』的な世界観をアメリカでも作れる機会じゃないかとも考えるのだが、なかなかそうは単純にはいかなそうである。

 一方、このように別会社になってしまうと、簡単に超能力表現をパクって、単純なストーリーでもって映画を作ってしまうということなんだろうな。実に単純。

 まあ、同じアメリカ人でも、国が外国から信用を失ってもいいから自分たちの主張を押し付けるんだという共和党茶会派みたいな単純バカもいれば、いろいろ日本人の原作者のことを慮って考える人もいるってことで、なかなか国をまとめるのは難しいようである。

 で、本作でもそうなのだが、黒人のスティーブは生徒会長に立候補するくらいなので、結構インテリなんだろうし、どうも生家もそれなりのちゃんとした家のようだ。多分、黒人インテリ中流家庭の育ちなんだろう。一方、アンドリューは、父親が元消防士だったのだが負傷し、その保険だけで自堕落な生活を送っている下層階級に育っている。マットはアンドリューの従兄なんだが、多分これも中流家庭の育ちであろう、リベラルな考え方を持っている。

 そうか、いまのアメリカでは映像で描くとなると、むしろ黒人の方を社会階層的には上に描き、白人は就業機会もないような下層階級に描くことが普通になってきているんだな。確かに、黒人大統領がいる国で、いつまでも「白人=上・中流」「黒人=下層」ってことはないか。現実的に「白人下層」と「黒人下層」が下層争いで鎬を削っている状態で、しかし経済的上流階級にはやはり白人しかいないという矛盾を抱えつつも、しかし、もはや黒人や有色人種を下層として映像に描くことはほとんどタブーというよりは無意味になっているんだろうな。

 まあ、その辺はキチンと押さえておきながら、しかし、映画としては『ブレアウィッチ・プロジェクト』あたりが対抗線になるんだろうが、はたしてどちらに軍配があがるんだろうか。

 私としては『ブレ……』おっと、これは言ってはいけないか。

 映画は10月10日までの限定公開なので、見るのならお早目に。

『クロニクル』の公式サイトはコチラ

 見逃してしまった人はコチラをどうぞ。

 映像的にはどっちもどっちもです。

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