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2013年9月 4日 (水)

サステナブル・コミュニティって何だ

 昨日(9月3日)は秋葉原ダイビル2階にある秋葉原コンベンションホールで『サステナブル・コミュニティ研究会セミナー「コミュニティ力が創る新しい暮らし」~集合住宅から暮らしが変わる~』というものを受講してきた。

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 問題は「サステナブル・コミュニティ」って何だということなのだろうけれども、「sustainable community」つまり「(環境を破壊せずに、現状を維持したまま)継続可能なコミュニティ」ということ。

 つまり、江戸時代までの農村のコミュニティというのは、基本的に同じ家には同じ家族が何代にもわたって住んでいて、そこをベースにコミュニティができていた。つまり、それがサステナブル・コミュニティの基本。その農家の次男・三男が江戸に出てきて大工修業なんかをして大工、園芸なんかを生業にしていたわけなのだが、しかし、みんな「宵越しの金」も持てないほどの貧乏暮らしで、そこは長屋でお互い支えあわなければ生活ができなかった。そんな生活は明治・大正期まで続いてきたわけなのであるが、それが一変するのが戦後の高度成長であった。

 高度成長初期はまだみんな貧乏で、下水なんかの生活インフラも整っていなかった時代であるから、たとえば町のドブさらいなんてものを共同で行ってきた時代もあったわけなのだが、高度成長中期になると「団地族」なんてものが出始めてきて、なおかつ生活インフラも整い、人々がみんな中産階級化してくる。そうなると、人は段々とコミュニティに気を使わなくなる。というか気を使わなくても生活ができるようになるのである。

  東京への一極集中はますます進んで、そうなると戸建ての購入は難しくなり、マンション建設が進んでくる。マンションはいいことに、同じ建物に住んでいても玄関の鍵をしめてしまえば、もう「隣は何をする人ぞ」という生活が可能である。

 まだマンション第一世代の時代はまだコミュニティという部分では良いのだが、それが第二世代になってしまうと、例えばマンション・オーナーじゃない人が住み始める。所謂、オーナー賃貸という住まいの方法である。オーナー賃貸のマンションに住んでいると、別にマンション住民のコミュニティなんてものはどうでもよくなる。別にそのマンションでのコミュニティに参加したくてそのマンションに住んでいる訳ではなくて、たまたま空き物件があったからそこに住んでいるだけ。別に仕事がある訳なので、他のマンション住人とは付き合わなくても生活ができる。何で、そんな私がマンションのコミュニティ形成に参加しなければいけないの? というのが最近のマンション事情でもある。

 オーナー賃貸といっても、たまたまそのマンションに住んでいたけれども、何かの理由で出なければならなくなり、空き家にしておくのがもったいないから人に貸す、というオーナーもいれば、元々、賃貸に出すことを目的にマンションを購入する人もいる。それぞれのオーナーのマンション購入の理由は、それぞれで異なり、それぞれの事情はそれぞれの数だけある訳である。勿論、借りている人にもそれぞれの借りている理由がある訳で、こちらもそれぞれの事情はそれぞれの数だけある。

 そんな「それぞれの事情のある人たち」が一緒の建物に住んでいるのがマンションという存在なのだが、いまや東京都23区の総世帯の47%がマンション居住世帯が占めている状態である。つまり「マンション住まいは常態」というのが東京での暮らしのデフォルトになっている状況では、デベロッパーの使命は「マンションというハード」だけを計画・生産するのではなく、「集合住宅において持続可能なコミュニティを形成するためのスキーム(枠組み、方法論)を開発すること」「集合住宅から新たな都市コミュニティの在り方を提案する」という、ソフト面での提案しなければならない、というのが三井不動産が「サステナブル・コミュニティ研究会」を立ち上げた理由だろうし、三井不動産がこれからの自社のマンション建設及び販売において、他社にはない有利さとして「ソフト面の充実」を謳い上げることは明白な事実である。

 つまり、それは「住民コミュニティ」ということ。

 そして、それを後押ししたのが2011年3月11日の東日本大震災だったというのも、何故か良いタイミングだったのかもしれない。

 つまり、東日本大震災の後、マンション住民同士のコミュニティと同時に、マンション周辺住民とのコミュニティなんかも重要視され始めたのである。

 マンション住民同士のコミュニテティということであれば、それは単なるオーナーの管理組合ではなく、マンションの住民による自治会を作ろう、住民同士で助け合って生き延びていく方法を考えようという動きが多くみられる。それと同時に、周辺住民とのコミュニティということであれば、普段からの周辺住民との付き合い方をどうすればいいのか、という問題があって、結局、東日本大震災の際にも、マンションは頑丈にできているので、そこを周辺住民の避難場所、被災物資の集積地にしたというようなこともあったようだ。

 そういったことも含めての、マンション・サステナブル・コミュニティなのである。

 単にマンション内部でのコミュニティではなく、勿論基本はマンション内部のコミュニティなのであるが、それを周辺住民まで巻き込んだコミュニティまで含めるというのは三井不動産も予測はしていなかったようだ。

 取り敢えずマンション内部のコミュニティをどうやって形成するかということが一番のテーマだったのだが、じゃあマンション内部だけで結束していればいいのかという問題が出て、結局マンション周辺まで含めたコミュニティ形成をどうするのか、というテーマとなったわけなのであるが、それについての結論はまだ出てはいない。まだまだ解決しなければならない問題は多いようだ。

 ただし、『【パネルディスカッション】サステナブル・コミュニティはどのようにしてつくられるべきか』での三井不動産のマンション管理会社三井不動産サービスの木村貴一氏の発言を聞くと、『外と繋がっているマンションは、内部のコミュニティがうまくいっている』ということだそうだ。

 マンションの基本には管理組合というものがあり、それには「コミュニティの形成」なんて目的も語られるけれども、基本的に管理組合の目的はマンションの財産管理と資産の向上という経済面である。むしろコミュニティ形成は管理組合が関わったとしても、管理組合とは別のところでやらなければならないということだし、そのためにマンション住民による自治会がいいのか、あるいはもうちょっと緩やかな親睦会のようなものがいいのかは分からないが、いずれにせよ、同じ建物に住んでいる人たちがなんらかのコミュニティを形成しなければならないのは、昔からの日本の「住まいの在り方」なのだろう。

 実は、今現在私もマンション建替えの現実に向き合っており、当然「旧住民(旧オーナー)」と「新住民(新オーナー)」とのコミュニティ形成をどうすればいいのかを模索しているところである。

 そんな意味では、おおいに参考になったセミナーではあるけれども、同時に、コミュニティ形成って難しい問題なのだなあ、と感じさせるセミナーでもあった。

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