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2013年8月17日 (土)

『SHORT PEACE』は『SHORT PIECE』ではない

『SHORT PIECE』ではない、『SHORT PEACE』。

『SHORT PIECE』なら「短編」とか「小品」という意味だが、『SHORT PEACE』だと「小さな平和」という意味かなあ。

 まあ、原作表示としての『SHORT PEACE』じゃなくて、プロジェクト名としての『SHORT PEACE』なのだそうだ。

2013_08_13_0631_edited1 映画『SHORT PEACE』の公式サイトはコチラ

『SHORT PEACE』は大友克洋氏の初期短編集である。「宇宙パトロール・シゲマ」「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」「School-boy on goodtime」「任侠シネマクラブ」「大麻境」「WHISKY-GO-GO」「NOTHIG WILL BE AS IT WAS」「夢の蒼穹」「犯す」という9タイトルが収められている。つまり、この映画とは何の関係もない。

 映画は『OPNENING』(監督:森本晃司)、『九十九』(ストーリー原案・コンセプトデザイン:岸啓介/脚本・監督:森田修平/CGI監督:坂本隆輔)、『火要鎮』(原作・脚本・監督:大友克洋/演出:安藤裕章/CGI監督:篠田周二)、『GAMBO』(原案・脚本・クリエイティブディレクター:石井克人/監督:安藤裕章/脚本:山本健介/CGI監督:小久保将志)、『武器よさらば』(原作:大友克洋/脚本・監督:カトキハジメ/演出:森田修平/CGI監督:若間真)の4作プラス1のオムニバス。

 基本的テーマは「日本」。

『九十九』は、嵐を避けて山の中の古いお堂に逃げ込んだ旅の男が、お堂に封印された「物の怪」によって訴えられた、使い捨てられた傘や着物を再生させ、やがてメデタシメデタシとなるお話。なんか「モノを大切にしましょう」なんてメッセージが聞こえてきそうな、近世日本の東北地方あたりにあったような、まるで柳田国男の『遠野物語』のような話。

『火要鎮』は、江戸の大店の娘が隣のやはり大店の一人息子に恋をするのだが、その息子は刺青をして親に勘当されてしまう。その一人息子は小さい頃から火事が好きで、半鐘が聞こえてくると家を飛び出してしまう。勘当をいいことに火消しに入ってしまう一人息子に会いたい娘は、家の行燈から出火した際に、それを無視して大火の原因を作ってしまう。という八百屋お七みたいなお話。

『GAMBO』は、「落ち武者」なんかが出てくるから中世日本、舞台はやはり東北地方か。村に災厄を招いている「鬼」の存在に悩ませている村長。やがて人身御供に出せるのは女の子一人になってしまい、女の子は山に入る。とそこで出会ったのがシロクマのGAMBO。GAMBOに鬼退治を願う女の子の意を察したGAMBOは鬼と壮絶な戦いを繰り広げ、そこにどこかの大名の鉄砲隊や槍部隊も加勢に入って、やがて鬼は滅びる。しかし、この「鬼」がどこから来たのだろうか? もしかしたら宇宙から?

『武器よさらば』は、『AKIRA』に先行して大友克洋氏が『ヤングマガジン』に2回だけ連載したマンガが原作だ。どこかの砂漠化した大都市でロボット兵器と戦う独立部隊。仲間や隊長を失い、最後はたった一人でロボット兵器と戦う兵士は、ロボット兵器にプロテクションスーツや認識票を破壊されてしまう。その瞬間、ロボット兵器は彼を兵士としては認識しなくなってしまい、一般人は戦闘地域から出ていくように諭される。素っ裸になった兵士は石を投げて戦おうとするが無視されて、カメラがずーっと引いて超ロングショットになると、そこに見えるのは噴火する富士山。そう、戦いの場所は富士山の火山灰によって砂漠化した未来の東京だったのだ。

 結局、この映画で描かれている日本って何なのだろう。

 つまり、「ちいさな平和」ということでの『SHORT PEACE』なら、まあ、そんなことも言えなくもない。柳田国男の世界、八百屋お七の世界、人身御供と鬼の世界、そして所詮は東京という狭い世界でのお話。つまりそれらのすべてが「ちいさな平和」ということ。

 であるならば、それに私たちはどう対処すればいいのだろうか、という設問には答えてくれない映画なのである。まあ、「日本」という存在そのものが『小さな平和』なんだということなのだろう。そう「平和憲法」に守られた、小さな日本。

 勿論、そんな答えを映画に求めるほどには私たちは劣化していないはずだ。しかし、何かヒントになるものでも提示があれば、それはそれで嬉しいのだが、まあ、それも無理か。所詮、オムニバス映画にそんな結論を求めてはいけない。

 じゃあ、何を期待して映画を見るのか。

 多分、皆、大友克洋の9年ぶりの劇場用アニメーションということでの期待感だけか?

 だったら、そろそろ短編じゃなくて、劇場用長編アニメーションを作ってほしいものなのだが。

コミック『ショート・ピース』は今回のアニメとは何の関係もない。しかし、大友克洋の初期のコミックの面白さ「不気味+コミカル」を見るにはいい作品である。アニメに関しては、むしろ『CG WORLD』の方が関係あり。

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