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2013年8月12日 (月)

『5年後、メディアは稼げるか』って? そりゃ、無理でしょ!

 東洋経済新報社という出版社に勤務し、しかし、自ら手をあげ「東洋経済オンライン」の編集長になりそれを楽しんでいる姿からは、まさしく次なるメディアへの変化に対応した正しい編集者の有り方を見るわけだが、そんな佐々木氏が『これから5年で、日本のメディア業界が激変する』というのであるが、果たしてそんなに時代は待ってくれるのであろうか。

20130804_122816 『5年後、メディアは稼げるか』(佐々木紀彦著/東洋経済新報社/2013年8月1日刊)

 まず佐々木氏が言う「メディア新世界で起きる7つの大変化」というものは何か?

大変化① 紙が主役→デジタルが主役
大変化② 文系人材の独壇場→理系人材も参入
大変化③ コンテンツが王様→コンテンツとデータが王様
大変化④ 個人より会社→会社より個人
大変化⑤ 平等主義+年功序列→競争主義+待遇はバラバラ
大変化⑥ 書き手はジャーナリストのみ→読者も企業もみなが筆者
大変化⑦ 編集とビジネスの分離→編集とビジネスの融合

 というものだそうだが、どうも私なんかはメディアというと出版社をイメージしてしまうので、これらの変化は既に起きているという発想をしてしまうのだが、佐々木氏は新聞・出版を同等に見ているので、やはりこうした見方になってくるのであろう。

 つまり、出版社は既に「大変化② 文系人材の独壇場→理系人材も参入」「大変化④ 個人より会社→会社より個人」「大変化⑥ 書き手はジャーナリストのみ→読者も企業もみなが筆者」「大変化⑦ 編集とビジネスの分離→編集とビジネスの融合」といったあたりは少しづつだが既に起きている変化なのである。ところが、新聞の場合は文系を出た社員のみが書き、編集権の独立というファイアウォールにしっかり守られている中で記者たちは仕事をしている訳で、そうなると多分一番メディアの変化に疎い人たちがメディア中のメディアである新聞記者であるということになってしまうのである。

 ところがそんな「旧来型のメディアの代表選手」である新聞でも、それとはまったく異なった展開をしている新聞がある。多分それがフィナンシャル・タイムズやウォールストリートジャーナルであり、日本では日経新聞なのである。1980年代に当時の「ニューメディア」ブームの時にセミナーやらニューメディア本をやたら出していて「ニューメディア・ブームを煽ってオールドメディアで稼ぐ日経」と言われた日経新聞も、それから30年経ったら、しっかりウェブで稼げるような体質の会社になっていたという訳なのだ。多分、こうした変化はオールドメディアの代表選手である朝日新聞や、渡邊恒雄氏のような頑固者をトップに掲げている讀賣新聞あたりにはできない変化なのだろう。何しろ難攻不落の「宅配システム」を未だに捨てていない両社である。そんな意味でも、殆ど朝日新聞の販売店に頼っており、その他では企業の一括販売によって立っている日経新聞は一番ウェブ・メディア化しやすかったのかもしれない。

 紙メディアとウェブメディアの違いは;

    紙              ウェブ
総合力勝負⇔タイトル勝負
          理性⇔感情
          余韻⇔断言
          建前⇔本音
       一貫性⇔多様性
          集団⇔個人

 ということ。この辺は大体わかっていることではあるが……。

 結局、新しいメディアビジネスを生み出すには;

オプション①社内に、デジタル時代に適合した新組織を立ち上げる
オプション②既存の組織からスピンアウト(分離独立)した新しい組織を立ち上げる
オプション③デジタル時代に適合した組織を買収する

 という、割と当たり前のアプローチになってしまうのだ。

 更に、ウェブメディア時代になると『記者の価値が下がり、編集者の価値が上がる』ということになるらしい。確かに、「記者やジャーナリストだけがメディアに物を書く」時代から「誰でもメディアに物を書ける」時代になれば「記者の価値が下がり」それをキュレーションする「編集者の価値が上がる」ということになるのだろう。

 で、そんな時代のジャーナリストの条件とは;

条件① 媒体を使い分ける力
条件② テクノロジーに関する造詣
条件③ ビジネスに関する造詣
条件④ 万能性+最低3つの得意分野
条件⑤ 地域、国を越える力
条件⑥ 孤独に耐える力
条件⑦ 教養

 ということだそうだ。って、言ってみれば当たり前のことが出来るということが条件ということなんじゃないだろうか。だって、この条件というのは雑誌ジャーナリズムの世界では既に殆ど当たり前の条件になっていることなのだ。

 つまり、大会社という枠に守られた新聞ジャーナリストではあり得ない状況の中で生きていかなければならない雑誌ジャーナリストは、実は既にして次世代のウェブメディアで生き残れる状況を持っているとも言える。おまけに「低所得」に耐える生き方も既に知っている訳で、それこそ新聞記者では味わえない生き方ではあるのだ。

 そうか、雑誌記者や編集者ももうちょっと頑張ればウェブメディアの中心的な存在になれるのだ。頑張れよ!

 と言った後で、しかし、考えてみればそんな人たちの中の何パーセント位の人が、ウェブのテクノロジーについて詳しいのだろうか、と考えてみると慄然とする。

 そうだ、問題は「条件② テクノロジーに関する造詣」と「条件③ ビジネスに関する造詣」が大事なんだよな。大体「落ちこぼれ」が多い雑誌ジャーナリズムだもんな。

 その辺をちゃんと勉強しないと、5年後に稼げないメディアになっちゃうよ。

『5年後、メディアは稼げるか』(佐々木紀彦著/東洋経済新報社/2013年8月1日刊)当然、Kindle版が出ている。300円安い!

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