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2013年7月24日 (水)

『ツール・ド・フランス』というまんまじゃちょっと身も蓋もないタイトルなんですけど

 第100回ツール・ド・フランスも日本時間7月22日早朝に終了。チーム・ユーロップカーの我が新城幸也も第5ステージの逃げに乗った走りで、4級山岳のポイント1を獲得って、ちょっと不思議なリザルトでもって、トップのクリス・フルーム(チーム・スカイ)から2時間54分58秒遅れの99位という結果となった。出場の度に少しづつ総合順位を上げていく新城だが、アタッカーあるいはルーラーとしての存在を認められている新城である、来年あたりはステージ優勝を見たい。

20130722_200359 『ツール・ド・フランス』(山口和幸著/講談社現代新書/2013年6月18日刊)

 で、毎年この時期になると出版されるツール・ド・フランス関連本。今年は講談社から現代新書で出てきたわけだ。

 で、結局今年のツールに関しては決して触れないわけにはいかない「ランス・アームストロング」問題である。

 まあ、要はそれがこの世界で最も過酷なレースの裏表ということなのだろうけれども、更にそれが「フランスのレースで勝ち続けてしまったアメリカ人」という問題も含まれているのである。

『開催国フランスは、85年のイノーを最後に、総合優勝の栄冠から遠ざかっている。
「フランスの若者にとって、楽しいことは他にもたくさんある。あえてツラい道を選ぼうとしない」
 と、自転車競技の関係者が嘆くほどだ』

 という言い方は、何かに対する言い方と似ていないだろうか。

 つまり、それは2006年(平成18年)初場所の栃東を最後に、優勝するのはモンゴル人力士ばっかりという大相撲関係者の嘆きと同じなのである。

「日本の若者にとって、楽しいことは他にもたくさんある。あえてツラい力士生活を選ぼうとしない」という嘆きは、日本でも聞かれることである。

 で、結局は日本における朝青龍バッシングと同じような形のバッシングが、アメリカ人ランス・アームストロングにも投げかけられたわけである。そのあまりにも激しい批判に対して、ついにアメリカのUSADAも(14年も!)過去にさかのぼって究明せざるを得なくなり、その結果「ランスはクロ」と発表せざるを得なくなり、UCIもこれを支持し、ツール・ド・フランスの7年連続総合優勝は剥奪され、繰り上げ優勝もなし、ということになり『執筆時現在、ツール・ド・フランス99回の歴代優勝者リストにおいて1999年から2005年までは空白となっている』ということになったのである。

 ところがランスについての記述はその程度。なんかもっと突っ込んで書けよと言いたくなる。それとも、書いちゃいけないルールなんてものがあるんだろうか? 要はランス・アームストロングが勝ち続けることについてのフランス文化への悪影響とか、好影響とかがある訳で、基本的にはそれがあってのフランス人によるランス・バッシングなのだが、何故かそういった方向への思考がないのが本書なのであるなあ。ちょっと残念。

 つまり、本書において残念なのは、ツール取材歴25年というベテランの書籍でありながら、現代新書という本の性格からなのか、実に基本的な記述のみに徹しているということなのだ。

 目次から見ていくと;

プロローグ
第1ステージ フランスの英雄とアメリカの開拓者(ベルナール・イノ―、ローラン・フィニヨン、そしてグレッグ・レモン)
第2ステージ ツール・ド・フランス5勝クラブ(ジャック・アンクティル、エディ・メルクス、ミゲール・インデュライン)
第3ステージ 黎明期からビッグイベントになるまで
第4ステージ 偽りの王者に戦いを挑んだライバルたちの悲運(マルコ・パンターニ、リシャール・ビランク、ヤン・ウルリヒ)
第5ステージ カミカゼ・ジャポネ! (今中大介、別府史之、そして新城幸也)
エピローグ

 という具合。

 別に、私がツール・ド・フランスに関する知識が普通の人よりも多少多いからという訳ではない。というか、その程度の歴史は既にネットでも十分知りうる程度の知識なのであって、わざわざ本を買うほどのものではない。例えば、Jスポーツのサイトあたりでも十分知りえる程度の内容なのである。

 やはり「お金を出して本を買う」という行為を読者に強いる以上は、もうちょっと突っ込んで、この本で始めて知りえた情報、知識というものが欲しいと考えるのである。

 例えば、日本人で初めてツール・ド・フランスに出場したと言われている川室競(かわむろ・きそう)について書かれた独立した書籍はない。たかだか2ページだけの紹介でなく、この川室競についての本『日本人で初めてツール・ド・フランスに出た男』なんていうタイトルで本を出したらどうか。公式記録には「出場」と「リタイヤ」だけの記録しかない無名の選手ではある。しかし、今中大介については自伝もあるし、関連書籍もある。多分、今後、別府史之に関する本や、新城幸也に関する本はいくらでも出てくるだろう。しかし、川室競についての本はまだ誰も書いていない。誰か書かないものか?

 というところまで書いてみて、そうか誰も書かないのなら私が書けばいいのか、というところに気が付いた。

 よし、じゃあいろいろ調べてみようかな。

『ツール・ド・フランス』(山口和幸著/講談社現代新書/2013年6月18日刊/Kindle版も当然ある。6月28日刊、136円安い!)

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