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2013年6月12日 (水)

『写楽 閉じた国の幻』よりはラドリオでしょう

 神田神保町の「ラドリオ」が出てくる小説があるよ、と言われて買ったのが、この『写楽 閉じた国の幻 上・下』である。

2013_06_03_61892『写楽 閉じた国の幻』(上・下)(島田荘司著/新潮文庫/2013年2月1日刊)

 神田神保町「ラドリオ」というのは喫茶店(夜はバー)の名前なんだけれども、実は日本で一番最初にウィンナコーヒーを出した店ということでも有名なのだ。

 実は私が学生の頃からよく行っていた店で、私が学生の頃は「コーヒー」と注文すると、デフォルトでウィンナコーヒーが出てきて、始めてラドリオに来た客がビックリするのを脇で見ていて「やーい、田舎者め」なんて心の中で叫んでいたりしていたわけなのである。実は私も最初はビックリしたんだけれどもね。昔は今の「アートスポット ラド」の部分もラドリオで、今の倍くらいの面積があった。同時に、ラドリオは当時の私の書斎でもあったわけで、基本的に映画評論の原稿はここで書いていた。そんな、長逗留を認めてくれるシャンソン喫茶(夜はバー)「ラドリオ」は私の学友たちの溜まり場でもあったわけで、今でも当時から付き合いのあった私たちが集まる(今や)バーなのである。

 ラドリオは近所にあるタンゴ喫茶(いろいろな国のビールもある)「ミロンガ」や、カレーで有名な「チャボ」と同じ経営者がやっている店で、なんでも芝居をやっている人だそうだが、詳しいことはよくわからない。

 いずれにせよ、土地柄か物書きには優しい店で、長逗留して原稿を書いていてもまったく気にしてくれていなかったというのが、私の最大の思い出だ。

 そんなラドリオが小説に出てるよと教えてくれたのは、6月1日に一緒に映画『インポッシブル』の試写会に行ったY川氏である。

 で、早速買って読んだわけなのであるけれども、残念ながらそんなに重要な場所として書かれているわけではないのですね。

 ラドリオが出てくるのは;

文庫版(上)41ページ『私の勤務が終わるのを待ち。神田界隈の気にいったレストランを食べ歩き、好きな喫茶店、たとえばラドリオでコーヒーを飲み、山の上ホテルのバーでワインを飲んで、千恵子のマンションに帰って一緒に眠った』

文庫版(上)75ページ『ただコーヒーだけは飲みたくなるので、神保町のラドリオやさぼうるまで、ふらふらと出かけた』

文庫版(上)157ページ『帰りもこのバスに乗ってこの街に戻ろう、そして神保町のラドリオか、さぼうるに行こう、そしてあの本を読もう、などと考えたら、それだけで気持ちが浮き浮きした』

文庫版(上)275ページ『私たちは、すっかり世の更けた神田の街を歩いて路地に分け入り、ラドリオに行った。学生時代から、もう二十年近くもかよっている店だ』

 ついでに「さぼうる」も入れると;

文庫版(下)150ページ『学生時代には毎日のように通っていたさぼうるだが、久しぶりだった』

 という5か所だけ。それも実際のシーンとしてラドリオが出てきたのは1か所だけである。もっと積極的にストーリーに絡んだ登場を予想していたので、ちょっと残念。

2013_06_10_6931_edited1 手前が見た通りラドリオでちょっと奥がミロンガ、そのまた奥がチャボである。

2013_06_10_6934_edited1 ここがさぼうるとさぼうる2。

2013_06_10_6932_edited1 あ、主人公の塾講師・佐藤貞三と片桐教授がデートしたイタリアンレストラン「リベルテ」もちゃんとあります。ここは行ったことはないや。

 広島県福山市出身で東京都小平市にある武蔵野美術大学に通っていた島田荘司がどれほど神田や神保町に詳しいのかは知らない。ま、美大出とはいえ小説書きになった島田だから、さすがに神田神保町の街にはそこそこ詳しいのかも知れないが、いやいや、我々の方がずっと詳しいぞ、というのが神田駿河台に大学があった中央大出身の我々なのだ。

 というか、当時のラドリオは、基本的には日中は(まだ神田駿河台にあった頃の)中央大学生と明治大学生の溜まり場で、夜は周辺の小学館系や岩波系の出版社員やそれの周辺のライターなどの溜まり場であった。まあ、そんなところから出版社の人間なんてたいしたことないな、ってことが分かってきて、じゃあそんな出版社を選び倒してやろうじゃないか、なんて考えたのが私なのであるが、小学館は何故か選ばなかった。

 まあ、出版社の映画作りという意味では、スマートな方法であまり出版社の社員が映画作りの現場までは入らず、権利関係ビジネスだけに集中した小学館の方が正解なのであるが、しかし、現場にまで入りたかった私が選んだのが講談社だったし、その会社はあまりスマートではなく、現場までグイグイ入ってしまう会社で、そこにハマり込んでしまった社員が何人もいる会社だったので、まあ、私の指向には合っていたんでしょうね。

 で、ラドリオとかさぼうるについては語ってしまったのであるが、肝心の『写楽 閉じた国の幻』については全く語っていないブログになってしまった。

 実は、なんか微妙な小説なのである。ポイントが「写楽」なのか、「六本木超高層ビル回転ドア事件」なのか、はたまた主人公の「離婚問題」なのかがよくわからない話なのである。まあ、書き始めたモチーフは「写楽」であることはそうなのだが、その周辺に起きた出来事が、すべて中途半端なままなのであるなあ。

 うーむ、それはまた日を改めて。

『写楽 閉じた国の幻』(上・下)(島田荘司著/新潮文庫/2013年2月1日刊)

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