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2013年6月 2日 (日)

『やりたいことは二度寝だけ』は羊頭豚肉のエッセイ集だ

「羊頭狗肉」というのはこういうことなんだろうけれども、まあ入っていたのが「犬の肉」じゃなくて、「豚肉」くらいなので、許しておこう(イベリコ豚まではいってないけれどもね)。

 中国では「羊頭狗肉」つまり羊の肉だと言って、キツネ(つまり犬)やネズミの肉が入っているのは当たり前だそうだから、それに比べれば上等じゃないですか。

2013_05_29_54022『やりたいことは二度寝だけ』(津村記久子著/講談社/2012年6月18日刊)

 津村氏は「あとがき」でこんな言い訳をしている。

『ちなみに、いったんこのあとがきは二度寝について書いてみたのだが、あまりにも「悲劇」という感じで、自分で読み返してひいたので没とした。「二度寝について読みたかったのに!」という方がいらっしゃったらすみません。平日は、仮眠・本眠(?)・昼寝と一日に三回に分けて寝るわたしは、単純に計算して年に約八百回二度寝をしたくなる、という胸苦しい話なのです。
 二度寝ができる日にも、できない日にも、みなさんのそれぞれの事情が、それぞれの自責へと導かれないことを切に願う。また、みんさんを幸福か不幸か勝手にジャッジして、口出しをしてくる不埒な人が現れたら、でも世の中にはこんなにどっちでもないことばかりを考えている人がいる、とこの本を見せてあげてください』

 だとさ。

『やりたいことは二度寝だけ』というタイトルを見てしまえば、それはこの本には「二度寝」についての薀蓄がそこここに書かれており、私みたいにもはやサラリーマンをリタイヤし、もう二度寝三昧の毎日を送っている身としては、果たしてそんなに二度寝ばっかりをしていると○○になっちゃうよ的な「お言葉」をいただけるものとばっかり思って買ったら、実は「没とした」ってねえ。たしかに、「あとがき」は全体のゲラチェックが終わってから書くものであるから、その時点ではもはやタイトルは決まっており、でもそのタイトルに即しない内容の本になってしまえば、そりゃあ作家としては言い訳をしたくなるわけなのである。けれども、『あまりにも「悲劇」という感じで、自分で読み返してひいたので没とした』って言ったって、なぜ『あまりにも「悲劇」』なのかが分からなければ、それは読者としては納得できない。

 できれば、その「悲劇」ってやつを読者に開陳して、読者の前で素っ裸になって「受け」を狙うのが物書きとしての正しいあり方なのではないか!

 ということなので、単純に「羊頭狗肉だっ! 1575円返せっ!」って言ってもいいんだけど、考えてみれば津村氏は現在も(堅気の)OLをやりながら作家もやっているという二足の草鞋を履いている状態。そんな人が「二度寝」なんてできるわけないじゃん、出版社みたいないい加減な出勤時間でできる仕事(って私がそうだっただけ?)にでも勤務しているんなら別だけど、ということに思い至るのである。

 なので『やりたいことは二度寝だけ』という願望だけで、実際にご自分が二度寝を実践している訳ではないのであります。でも、たまにはやっているみたいだな。

 なんだそうか。じゃあ私の方が二度寝に関してはオーソリティーだなあ、ということであったのである。何しろサラリーマン時代にもしばしば、今では毎朝、家族で朝食を摂ったあとには二度寝をするというのがほとんど生活習慣になってしまっているのである。いいだろう。羨ましいだろう。

 で、二度寝の効用なのであるが、実は二度寝によって<ストレス耐性ホルモン「コルチゾール」>が大量に生産されて、うつ病に罹りにくくなるそうである。日本人に多いと言われる「真面目同調圧力」からくる「会社に遅れちゃいけない病」によるうつや、自殺なんかも「二度寝をすることによって解決」するのであります。

 私がこんなのんびりした性格になって、周囲の皆が幸せに暮らせるというのも、結局はこの「二度寝の効用」によるものであって、自分も幸せ周囲も幸せになる一番の秘訣は二度寝なのであります。な~んてね。

 なになに? そんなことをしていたら会社は成り立たなくなっちゃうし、その結果日本経済はグジャグジャ、ダメダメになっちゃうだろうって? 何を言ってるんですか。皆が二度寝もせずに真面目に働いて、大量のうつ病患者と自殺者を出した結果が今のグジャグジャ、ダメダメの日本経済じゃないですか。

 もうこうなったら、日本中の人が皆で二度寝をして、もっといい加減に仕事をして、不真面目な生き方を追求するようになれば、所得格差のない、皆が幸せになる国になるのではないでしょうか。勿論、その結果として日本の対外経済力は多少は落ちるかもしれないが、でも国民幸福度指数なんてものは逆に上がるかもしれない。

 もはや国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)の時代じゃなくて、国民総幸福量(GNH)の時代ですよ。国民が皆で日本の経済力を上げようと努力するんじゃなくて、皆で幸せになるように「一生懸命働かない」ということが必要なのである。

 で、GNH世界一と言われるブータンの人たちって、皆「二度寝」をしてるのかな。

 って、結局『やりたいことは二度寝だけ』というタイトルがついていながら、まったく「二度寝」について書いていないエッセイ集について書くはずが、まったくエッセイについては書かずに「二度寝についてだけ書くブログ」になってしまった。

 こりゃあ、やっぱり書評じゃないな。まあ、もともと「書評ブログ」じゃないことを宣言しているから、全然困らないが。

『やりたいことは二度寝だけ』(津村記久子著/講談社/2012年6月18日刊)

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