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2013年5月23日 (木)

『仁淀川遡行』

 新宿ニコンサロンで『第19回酒田市土門拳文化賞受賞作品展『仁淀川遡行』小林勝利写真展」が開かれている(5月27日まで)

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「仁淀川」とは、四国にある西日本最高峰の石槌山に水源を持ち、高知県の中央部を貫いて、土佐湾に流れ込む「水質日本一」の川だそうである。

 宮尾登美子の自伝的小説『仁淀川』も有名である。

「日曜カメラマン」小林勝利氏は今から33年前の1980年に、仁淀川の上流にある仁淀川町(旧呉川村)を訪ね、そこにいる元気な子どもたちの姿を写真に収めた。しかし、それから30年の後、同じ村は見事に寂れ、最早限界集落となってしまった。

 小林氏の写真はそんな限界集落の有り様、荒廃し、人影も少なく消滅の寸前にある山村の姿を映し出す。山鍛冶の姿、蚕を飼って絹糸を作る人の姿、山間の村に自ら積み上げた石垣と棚田を残す仁淀川町の姿、正月に繰り上げになって開催される成人式に出席した数少ない成人たちの姿、村に残された休憩所で通る人にお茶を接待する人の姿、夏祭りの時に帰村して地域に残された伝統の踊りを披露する少女(上下の写真)等々、そこに写し出されているのは、なんとも物悲しく儚い姿のように見える。

 元々、仁淀川の人たちは平家の落人だったそうである。こうした平家の落人伝説というのは実は全国至るところにあり、それだけ一時期は平家の力が強かったともいえるわけなのである。

 ところがこの平家の落人の人たちは、基本的に山間のそれも奥の方に隠れるように住んでおり、外部との接触も少なかった。つまり、初めから外部との通行がごく少ない場所を選んでいたわけで、その意味ではこうして時代を経てくると、その村が限界集落化するのもやむを得ないことなのかも知れない。

 そういう意味では、その集落に住むお年寄りたちもそんな荒廃した姿を、実は静かに受け入れているのかも知れない。初めからそうして村とともに消滅していくことを、先祖からの運命として受け入れていたとも言えるのではないだろうか。

 自らの村が消滅してしまうかもしれない寂しさはあるのだろうが、しかし決して暗くはない、写真に写し出されたお年寄りたちの姿を見ると、そんな気がしてくるのである。

 こうして日本の村は次第にその姿を消してきて、やがて人々はそんな村があったことすら忘れ去ってしまう。

 これは悲しいことなのだろうか。

 マスコミはこうした限界集落を取り上げる際には「悲しい話題」として取り上げがちだ。しかし、だからといってそのマスコミが積極的に「限界から抜け出す手助け」はしないのだ。つまり、単なるセンセーショナリズムでしかない。「限界集落の問題」といっても、それは所詮「他人事」なのである。

 むしろ、問題はこうして無くなってしまう村を、いかにそのまま、住んでいる人たちの気持ちを汲んで、静かに無くなってしまうことを見守るのか、村が死んでしまう寸前まで、村人の生活の水準を保つのかということだ。

 取り敢えず、村の消滅することは避けられない以上は。

 小林氏は『今日の閉塞感の極まった社会にあって、効率が悪く切り捨てられてきた山村社会の復活に、人間本来の幸せのありようを取り戻す術があると考えている』と書くが、マチに住んで、たまにムラの写真を撮りに行くような写真家が、そんな簡単に「人間本来の幸せのありようを取り戻す」なんてことを言ってもいいのだろうか。

 小林氏の写真を見ていて、確かにこうした「亡くなってしまうかもしれない村」を記録しておくことの大事さは分かるのだが、その一方で上記のマスコミと同じような姿勢を感じられないこともなく、どこか違和感を感じるのである。

 小林氏が仁淀川町に自ら住み続け、そして写真を撮っているのなら分からないではないが……。

 都会に生まれて都会に暮らし続ける私のような人間には、とてもじゃないが想像ができない世界なのではあり、偉そうなことを言える立場ではないが。

2013_05_22_49372今回の写真展の30点収録した写真集『仁淀川遡行』は和田書房という高知県の出版社から出ている。Amazonでは注文できないようなので、興味を持たれた方は直接和田書房へお尋ねください。電話088-8725-4859

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