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2013年5月25日 (土)

『 なぜフランスでは子供が増えるのか』ってねえ。そりゃセックスの回数が多いからねえ、っていう問題じゃないそうだ

 まあ、きっかけは「少子化危機突破タスクフォース」とかいうふざけた名前の安倍政権の組織が出してきた「女性手帳」(仮称)という名の、これまたおふざけプランを新聞で目にしたからなんだけれどもね。だって女だけが子どもを産むことを考えればいいのじゃないでしょう。ねえ、女だけじゃ子どもはできないんだからね。いまのところ……。

 ただし、これが先々、男の染色体はいらなくなってしまうという研究もあるんだよね。そうなると……。

20130517_1911『なぜフランスでは子どもが増えるのか フランス女性のライフスタイル』(中島さおり著/講談社現代新書/2010年5月19日刊)

 つまりなんで「子供を産む」ことを女だけの問題にするのかということ。確かに「産む」のは女だけど、でもそこには男が介在しないと女が子どもを産むことはできないわけだし、「産んだ後の子どもの養育」という問題は、それこそ男も女もなく同等に分担しないといけない問題なのだけれども、そこを捨象して女だけの問題にしようとする「女性手帳」って何なんでしょうね? 

 もしかして、安倍晋三氏は「日本の少子化問題は女性の方の一方的な問題意識の欠如によって起こっている」と考えているのではないだろうか。

 あるいは「3年間の育児休暇」という案にしても、それは「生まれてから3年間は母親が育てろよな」というような、それはほとんど脅しのような言い草にしかすぎないのである。

 確かに、安倍晋三氏は「山口県の」いい家庭に育ち、安倍昭恵さんという森永製菓のお嬢さんで聖心女子大を「下から」ずっと出た美しい人と結婚した、典型的なお坊ちゃんであり、なおかつ自身には子どもがいない(つくらない? できない?)というところなので、基本的には「少子化」に関しては実は「実感を感じていない政治的目標」に過ぎないのでしょうね。

 つまり、安倍政権の出す少子化政策では、日本は絶対に「人口再生産率(特殊人口再生産率)2.0以上」にはならないってこと。このまま、日本は人口縮小を続けるのである。そのために、日本の場合は外国人の流入を増やさなければいけないということになるんだが。でもそれは嫌なんでしょう、安倍さんは。

 では翻ってフランスではどうなのか、というのが本書の基本テーマなのであるが、しかし、それは簡単に裏切られる。つまり、第二次大戦後とかいう「短い」タームで作られた人口政策ではなくて、それはやはりフランスなんだなあ、18世紀のフランス革命まで遡る問題なのであった。

 勿論、フランス革命の直後からそんな制度ができたわけではないけれども、やはりブルジョワジー(今でいう「中産階級」という程度のもの)の力というものは大きかったわけで、そうしたブルジョワ革命の遺産があって1968年の学生叛乱の際にもそれが決め手になったわけなのだ。明治維新という名の名目的には市民革命だが、実質的には「侍」か「朝廷」かという支配者同士の政権移譲でしかなかった我が国と同じレベルでは、やはり語ってはいけないのだろう。

 でもまあ語っちゃうと凄いんだな、これが。

『まず子ども関連の手当て
 第二子から一律に支給される児童手当(ひょっとして日本で始まった「子ども手当」のモデル?)のほか、子供を保育ママやベビーシッターに預ける場合に出る公認保育ママ支援制度、低所得者の家庭に出る出産特別手当、三歳以上の子どもが三人以上いる家庭に出る家族関係補足手当、新学期の用意をするために毎年出る新学期手当。
 次に住宅関連の援助。
 住宅賃貸援助、住宅所得援助、三人目の誕生に伴う引っ越しのために出る一時金、家のリフォームや改築などのための援助。
 それから片親あるいは両親のない子どもへの援助。
 離婚や死別直後に子どもを抱えて残された親に出る単身手当、孤児または片親の子どもを養育する場合に出る家族支援手当、離婚したのに養育費の支払いがない場合に家族手当金庫が肩代わりする養育費補助手当。
 障碍者に関する援助。
 障碍者教育手当、障碍者手当、子どもが重病、または事故にあったり障害があったりする場合に親が仕事を停止したときに出る手当、障害児、障害者の世話をするために仕事を辞めた場合に、老齢年金積立金を家族手当金庫が肩代わりしてくれる制度。
 三歳以下の子どもがあるか、子どもが三人以上ある場合に、老齢年金の積立金を家族手当金庫が負担してくれる制度など、ホームケアをする人のための援助。
 RMI(社会参入最低保障)、職業復帰一時金、一六歳から二五歳の働き始めたばかりの収入の低い若者に対する援助など、失業対策ともいえるセイフティネット。
 これらすべてを家族手当金庫が出しているのだ』

 ということ。これはフランスの法律。

 つまりこれは、アメリカ共和党の人たちから言わせればまさしく「社会主義」どころか、中国だって成し遂げていない「共産主義」的な施策なのであり、それが「国からも若干は補助があるが、基本的には企業の経営者が(オーナー)が拠出する「家族手当金庫」が提供している制度なのである。

 よく言われる「フランスは社会主義国である」という諸外国からの言われ方のひとつがこれなんだろう。基本的にはフランスは資本主義の国だし、物凄く個人主義な国である。しかし、人々が平等に暮らさなければいけないという考え方が一方で徹底している国でもある。

 この辺が、フランスを世界でも一等国に上げている理由でもあるのだろう。この辺の微妙な関係ではやはりアメリカは野蛮な国になってしまうのであるなあ。

 基本的には、経済は資本主義であっても、その経営者がキチンと社会性を持っていて、社会に如何に貢献するか(というところが社会主義ですね)、如何に自らの会社の富を社会に還元するか(こうなると共産主義に近いかも)ということを考えているのが正しい資本主義だとすると、やはりフランスやドイツの国のあり方に注目するということになってしまうんだろうな、この極東の島国の住民としては。

 ヨーロッパの先進性ってこういうことだったのか。

 そう、我々の見本として見なければいけないのは「アメリカ式野蛮資本主義(グローバルスタンダード)」じゃなくて「フランス式優雅な資本主義(でもこれも「グローバルスタンダード)&相関する社会主義」なのではないのか。

 なんだよ、我々は今でも「和魂洋才」の遅れた人民なのですよ。未だに世界のグローバルスタンダードを作れないんだからね。

 ま、そうかも知れん、未だにね。あるいは永久にね。
 

『なぜフランスでは子どもが増えるのか フランス女性のライフスタイル』(中島さおり著/講談社現代新書/2010年5月19日刊・Kindle版は2012年9月28日刊・147円オトク、ってまあこの辺が講談社とAmazonの契約点なのかもね)

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