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2013年5月 9日 (木)

『綾瀬はるか「戦争」を聞く』を読む

「なじょして、いかんのです?」
「ならぬものはならぬ」

 と思わず会津弁が出てしまう綾瀬はるかなのであった。

 めんごいねぇ。

2013_05_05_29312『綾瀬はるか「戦争」を聞く』(TBSテレビ『NEWS23』取材班編/岩波ジュニア新書/2013年4月19日刊)

 さほど「美人顔」というものでもないし、ちょっと「泣き顔」風の綾瀬はるかなのであるが、何故か応援したくなる女優である。

 本書は2005年に放送された戦後60年特別企画「ヒロシマ」と、2010年から2012年まで放送されたTBSテレビ『NEWS23クロス』のシリーズ『綾瀬はるか「戦争」を聞く』を書籍化したもの。そうかつまり『仁―JIN』の頃なのだなということが分かる。

 なじょして視聴率が上がらない『八重の桜』だが、今は京都が舞台のストーリー進行なのでどちらかというと松平容保に認められた山本覚馬が主人公、戊辰戦争の会津戦役になって初めて山本(川崎)八重のスペンサー銃を持って「幕末のジャンヌ・ダルク」と呼ばれる大活躍する姿が表に出るので、綾瀬ファンはもちょっとの辛抱だ。明治になってからも八重が新島襄と出会うのは、覚馬を頼って京都に出てきてからのことなので、当時の女性の立場なんてものはその程度のものだったのだな、ということが分かる。

「日本のナイチンゲール」なんて呼ばれたのはもっと先、新島襄が亡くなってからの話なのであります。

 って、何の話をしているのかな。『綾瀬はるか「戦争」を聞く』なんて話とは何の関係もない話であった。

 正確には『綾瀬はるか「戦争」(の体験談)を聞く』なんだけれども、そこにあるのは第二次世界大戦以降の現代戦では「前線」も「銃後」もないということ。現代戦では銃後の一般大衆も一緒に戦争の犠牲者になる可能性があるということだ。

 綾瀬が「戦争」の話を聞くために訪れた場所は、「広島」「長崎」「沖縄」「ハワイ」「東北(岩手陸前高田と福島大熊町から秋田県にかほ市)」。その多くは女性である。つまり戦争に行った男たちに対して、銃後に残った女性たちなのだが、しかし、であるがゆえに広島や長崎では原爆の被害に遭ってしまった。

綾瀬「やっぱり耐子さんが、いろんな経験のお話を、今まであまりされていらっしゃらないっていうのは?……」
耐子「したくない」
綾瀬「そうでうよね、思い出したくない」
耐子「表に出ない嫌なことを、いっぱい受けてきたからね」
綾瀬「原爆に遭われた人は、口で何か言われたりとか?」
耐子「原爆はすごい差別だったんですよ。もう産むのか産まないのか悩んで、どうしようと思って……」
綾瀬「戦後も、本当にいろんな語りきれないほど、嫌な思いとか本当にあったんですよね、きっと」
耐子「ものすごい差別があって」
龍 「そういうことがあったから、私も息子たちにあまり原爆のことを……」
耐子「言いませんね。私も話さないし。子供に背負わせてしまうものが多すぎる。私の中にあるものだから、私と一緒に死んでくれる」
綾瀬「……」
耐子「……頑張って生きていかなきゃ」
龍 「そうですね。生きてさえいれば、いつかはですね、またお会いすることも。こんなにしてから、お会いすることができるんですね。本当に夢のようね感じ」

 こうした言葉の一つ一つは実に重い。

中野「本当に戦死した当時は、誰を恨んでいいのかわからないほど、みなを恨みました。けども、こうしていろいろな好意が芽生えておりまして、感謝していますけど、やっぱりしてはいけないのは戦争ですね。泣くのは味方だけじゃない。敵、味方もいまだに泣いておるんですから。こういう悲惨なことは絶対しちゃいけない。戦争だけは絶対ダメです。いかなる理由があろうともです」

 1941年12月8日の真珠湾奇襲攻撃の大勝利に湧く日本の片隅で、しかし、55人の飛行兵が散っていったのである。

 許嫁をその戦闘で亡くした中野みこまさんの言葉である。

 もう一度言う。第二次世界大戦以降の現代戦では「前線」も「銃後」もない。現代戦では銃後の一般大衆も一緒に戦争の犠牲者になるのだということだ。

 それだけは心得ておかなければならない。

『綾瀬はるか「戦争」を聞く』(TBSテレビ『NEWS23』取材班編/岩波ジュニア新書/2013年4月19日刊)

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