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2013年5月16日 (木)

『マダガスカルへ写真を撮りに行く』のは何故か?

「四月と十月文庫」というシリーズ名に思わず手を出してしまった。で、購入してから気がついた。それを言うなら「二月と十月」でしょ、ってね。

 まあ、タイトルが魅力的だから許してあげよう。

2013_05_05_29322『マダガスカルへ写真を撮りに行く』(堀内孝著/港の人・四月と十月文庫/2013年3月3日刊)

『ぼくがマダガスカル行きを決めたのは、神保町の古本屋で見つけた『ナショナル・ジオグラフック』がきっかけだった。何気なくバックナンバーを見ていた時、偶然、1987年2月号のマダガスカル特集に巡り会ったのである』

『そんなとき、ぼくのマダガスカル行きを決定づけたのが、1988年2月に出た『ブルータス』のマダガスカル特集だった』

 写真家が、彼の一生をかけて追い求める撮影対象に初めて出会う一瞬なんてものはそんなものかもしれない。ホンの小さなきっかけ。それが一生を決める。なんか男と女の出会いみたいなものである。

『それにしても二十七歳とは不思議な年齢である。会社に勤めて数年が経ち、少しづつ将来が見えてくるようになる。すると本当にこのままでいいのかと漠然と考えるようになる。そして次第に現状に満足できなくなり、外に飛び出したくなる。そんな不安定なときに、ふとマダガスカルが入り込んできたのだと思う』

 持って行ったカメラはニコンFEに35ミリF2レンズのみ。フィルムはコダクローム64プロである。プロフェッショナルとしての標準的なカラーリバーサル・フィルムと古い一眼レフにレンズは1本のみという。この装備に私は潔さと心意気を見るのである。

 これがアサインメントの写真だと、1990年当時ならニコンF3かF4に、レンズは超広角から望遠までフルサイズで揃えて何十キロという装備で撮影行に臨むのであるが、アサインメントじゃない時の写真家は自分が一番信頼しているカメラとレンズだけを持って撮影に行くのである。

 このどちらが意気込みがあるかというと、当然それは装備の軽いほうである。重い大きなカメラとフル装備のレンズなんてものは、単にスポンサーを騙すためのテクニックに過ぎない。背景をトバしたければ35mmだって絞りを開放にすれば被写界深度はかなり浅くなるし、被写体を大きく写したければ近寄ればいいし、近寄れば近寄るほどいい写真が撮れるのだ。

 こうした潔さに出会えるのは、堀内氏がPPS通信社というストックフォトエージェンシーに在籍していたこととは無関係ではないだろう。つまり、写真を撮ることよりも、写真を見て「いい写真とは何か」を知ることが一番の会社にいたこと、これが大事なことなのだろう。

 それにしても、何故、マダガスカルだったんだろう。

 それは堀内氏自身にも説明はできないことだろう。アフリカの一部ではある。しかし、アフリカ、中東、インド、中国他の東南アジアなどの様々な国から来た人たちで構成される国民性とその文化性。旧宗主国フランスの結構いい加減なインフラ整備と、しかし食だけは文化を残した態度。バオバブの木。秘境ツィンギー。霊媒師トゥンバ。改葬儀礼ファマディハナ。絹布ランバメーナ。森の民ザフィマニリ族。マダガスカルの音楽=ヒーラ・ガシ。割礼祭サンバチャ、などなど。

 すべてが魅力的に思える。マラリアだけはご免だけどね。

 マダガスカルかぁ。

 私も、行ってみたいな。

 ただし、私の場合は単なる観光客で終わるんだろうな。

 残念ながら。

 ところで「港の人」という出版社は鎌倉市由比ヶ浜にある人文書専門の小さな出版社のようだ。詩人の北村太郎という人との関係で1997年に立ち上げた出版社で、やはり詩集の出版に力を入れているようだ。

 こうした小さな出版社が自らの出版物を電子化するのはかなりハードルは高そうにみえるが、しかし、小さな出版社こそ書籍の電子化に取り組んでほしい。実は、それが出版社として長生きできる要素なのであるから。

 あ、そんなに長生きするつもりもないのかな……。

『マダガスカルへ写真を撮りに行く』(堀内孝著/港の人・四月と十月文庫/2013年3月3日刊)

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