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2013年5月22日 (水)

「紙と電子は補完しあうメディア」って、そんなこと当たり前じゃない

 出版界唯一の専門紙『新文化』5月16日号のカバーストーリーは『「紙と電子は補完しあうメディア」いま米電子市場で起きていること』という、朝日新聞デジタル事業本部の林智彦氏のレポートなのであるが。

 なんか「今更」感がただようのであるなあ。

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 記事の主体は今年1月5日付けの『ウォール・ストリート・ジャーナル』の「本を焼くのはまだ待って、紙本はまだまだ生き残っている」と題された記事の紹介だ。いわく「印刷本の死、という報道は誇張されたものだった」「電子書籍の成長は急速に低下しており、今後の成長は難しい」「電子書籍の読者のうち約90%が、紙の本も買い続けると回答した」「タブレットの普及で、電子書籍端末の出荷台数は前年比36%減」「電子書籍のベストセラーは、スリラーやロマンスなど、ライトフィクションばかり」「電子書籍はペーパーバックよりも軽量な、もっと扱いやすい(新種の)ペーパーバックという位置付け」「伝書書籍は紙本の代替物ではなく、オーディオブックのような、伝統的な読書の補完物のひとつ」というもの。

 しかし、そういったことごとは既に電子書籍の登場時に既に分かっていたことなのではなかったのだろうか。電子書籍のアメリカでのあまりにも急激な伸長ぶりに、まるで「電子書籍が紙の書籍にとって代わる」というような論調がなされていたのである。それが間違っていた予想であるという風に指摘がされているのである。ところがそれもまた間違った論調なのである。

 つまり、新しいメディアやテクノロジーがスタートした時点では、当然そのメディアやテクノロジーは急速な発展をするものであり、それがある普及の段階になると、当然「踊り場」状態になるというのもごく普通に起こることなのである。つまり2007年に第一世代のKindleが発表されたアメリカでは、その後物凄い勢いで伸長したわけであるが、それが5年経ってみて普及がひと段落したところで「踊り場」状態になっているというだけのことなのである。

 もともとアメリカの紙の書籍はハードカバーで25ドル位、ペーパーバックでも12~13ドルと結構高い価格が設定されており、それをKindleストアでは9.99ドルという破格の設定をしたものだから、当初はその普及スピードは物凄いことになったというだけのこと。問題はそれまで本を読まなかった人が、電子書籍が発表されたからと言って新たに読者になったのかということなのであるが、実はそんなことはなく、それまで紙の書籍を高いお金を出して買っていた人が、お手頃価格になって提供されたKindleストアで電子書籍を買っていた、ということ。今回の「踊り場」状況はそんな読書人に対するKindleの普及がひと回りしたというだけのこと。

 もし、電子書籍によって新たな読者が獲得できたのであるならば、そんな新規読者にとって、それはまさに新しいメディアの発見であるから、「踊り場」状況にはならなかった筈である。読書人の数ではもともとアメリカという国は日本ほどじゃなかった。問題は本の価格の高さの問題や、また自動車での移動が多い国では日本のような通勤電車での読書というような生活習慣がなかったことなどもあるだろう。オーディオブックなどのように日本では全く普及していなかった読書形態がありうるというのも、アメリカならではのことであったのである。

 したがって、電子書籍を積極的に購入したのがもともと紙の書籍の読者だったからこそ、「電子書籍の読者のうち約90%が、紙の本も買い続けると回答した」という調査結果になったのだろうし、」「電子書籍のベストセラーは、スリラーやロマンスなど、ライトフィクションばかり」「電子書籍はペーパーバックよりも軽量な、もっと扱いやすい(新種の)ペーパーバックという位置付け」という調査結果だって、日本の電子書籍の最大シェアを誇っているジャンルがガラケーによるBL物だというのとよく似た結果である。

 結局、電子書籍は紙の書籍の一番相応しいプロモーション・ツールであるというのが一番の電子書籍らしさと言えるのではないか。

 と、ここにきて講談社が週刊モーニングの電子版を月額500円で配信を始めたというニュースが飛び込んできた。つまり「そういう時代」になったということだろうが、問題はなぜモーニングだけなんだろうということ。

 もう講談社は日本の電子書籍をリードする立場なんだから、モーニングだけじゃなくてすべての雑誌を配信した方がいいんじゃないか。もはや雑誌が単独でペイする時代ではなくなっている。そんな時代にいつまでも紙の雑誌に拘っていないで、すべての雑誌を電子化してしまい、電子書籍の普及に務めるべきじゃないか。そして、日本の出版業界の業態変化を推し進めるべきである。

 ただし、その際に問題となる「著作隣接権」の問題を片づけなければならないのかもしれない。つまりそんな著作隣接権なんかに拘っていないで、「財産権である著作権」をキチンと著者から譲り受けるような契約を交わすことを実施すればよい筈なのだ。それをちゃんと出来るのは、今のところ講談社をはじめとする「著者との出版契約をちゃんと結んでいる」大出版社だけなのだから、「まず隗より始めよ」ではないが、講談社自ら著者から「出版権」だけを受け取る「出版契約」ではなくて、著者から著作権を買い取る「著作権契約」を取り交わすべきなのだ。

 役人の力を借りて「著作隣接権」なんて中途半端な権利を受け取るよりは、堂々と「著作権契約」を取り交わしてしまえば、出版社自身が海賊版退治をできるし、自炊排除だってやりたければできるのである。

 もはや紙の書籍を出す過程でなあなあでやってきた「出版契約」をやめて、初めから著者から「著作権を何年間に限って出版社が買い取る著作権契約」を取り交わす時代なのである。

 時代はそこまで来ているのだ。

 

 

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