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2013年4月12日 (金)

『女子校力』ってなんだ? って読んで納得

『かつては「世間知らず」こそが女子校出身者の「美徳」でもあった。温室育ちで世間知らずの純粋な女性はかわいらしい。男性はそういった女性を妻にして家庭にいてもらうことを支えに、彼女や妻や子どもを守るために懸命に働いた』

 なあ~んて時代はもうとっくに過ぎ去っているのに、いまだに『女子校力』って?

Dscf7404『女子校力』(杉浦由美子著/PHP新書/2013年4月1日刊)

 いまやあるのが当たり前だと思っていた「スクールカースト」なのだが、女子校にはそれがないという。共学校と女子校の違いは、つまり「世間」があるのかないのかという違いがあって、それがスクールカーストがあるのかないのかという違いになるのだという。

『女子校は同じ偏差値で同じ性、そして一つの校風に集まる生徒は同じような価値観、家庭環境であるので、「似たものどうし」が集まって、同級生は他人というよりも姉妹のような存在になる。ガリ勉の姉、オタクの次女、ギャルっぽい三女。さまざまなタイプの女の子が集まっても、あくまでも「姉妹」なのである。たまにはケンカもするが、家族なのでお互いに気を許し、腹を見せ合っている』

 なるほど、私立男子中高一貫校はオタクの巣窟と言われているが、それは女子校も同じなのか。確かに同質で異性の目を気にしなくてもいい環境で6年間も過ごすと、それはオタクでも生き良い世界なのかもしれない。この辺は、大学こそ私立だが、それ以外はすべて公立の共学校に通った私なんかには想像できない世界ではある。公立・共学校はとにかく闘争(「競争」ではない、いろいろな意味でのケンカである)の毎日だったし、異性という世間の目に晒される毎日だったもんなあ。

 ところが女子校のような環境にいると、他人の目を気にせず自由に行動できるが、逆に「空気を読めない子」になっていくということもあるようだ。

『女子校の目的は「自立した社会人」であるが、彼女たちは「自分の価値観で行動しなさい」「目的をもちなさい」と「自主自律」を教育された結果、「世間知らず」になり、空気が読めない人間に成長し、社会で生きづらくなる』

 同質社会であり、同調社会である日本においてはこの「空気を読めない」というのは、これまではかなり不利な要素であった。つまり、就活でよく言われる「コミュニケーション能力」とはまさにこの「空気を読む能力」であると考えられている。

 ところが、この「コミュニケーション能力」と「空気を読む能力」とは、本来何の関係もないものなのだ。本来の「コミュニケーション能力」とは「情報交換をスムーズに行う能力」のことであり、それを能力要素に分けてみれば『アクション』としての「主体性」「働きかけ力」「実行力」であり、『シンキング』としての「課題発見力」「計画力」「創造力」であり、『チームワーク』としての「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「状況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」であるという。

 つまり「空気を読む能力」は、このチームワークの中のごく一部分の能力でしかない。

 もはや「みんなで渡れば怖くない」時代は過ぎてしまって、みんながみんな自分の生き残りをかけて戦う時代になってしまっている。企業は他の企業を蹴落としてでも生き残ろうとしているし、社員は社員で自らが他を蹴落としてでも生存競争で生き残らないとリストラにあう時代なのである。そんな時代においては、むしろ「空気を読まない」で自らのスキルアップに励んで、そんな自分のスキルをプレゼンテーションできないと生き残りができないのである。

 女性の社会進出という話題でしばしば取り上げられる「ワーク・ライフ・バランス」というテーマについても、結局それは「企業が優秀な社員へのご褒美として、『あなたは優秀だから生活と仕事のバランスをとれるように協力してあげるよ』と伝えるべきもの」だという。つまり能力があれば企業はその人の主張を認め、能力がない人にはそれなりの扱いしかしない。

『生き残りをかけた乱世の時代なのは、ほかの業種も同じである。右肩上がりに成長しているIT業界でも変化が激しいので、各企業は常に知恵を絞って切磋琢磨しないと淘汰されていく。
 だが、そのような競争が激しい時代は、女性にとってはチャンスが多いともいえよう。
 経済全体が右肩上がりの時代は、キャリアは学歴や性別で決まったが、いままでと同じことをやっていても利益が出なくなると、実力で評価せざるをえない。
 能力を高めていけば、いくらでもチャンスがある時代になるのだ』

『いま、ぼくは『自分力』が大切だと考えています。『自分力』というのは”他人なんてどうでもいいじゃん。自分は自分。やりたいことをやる”という力です。他人の目を気にしないで、自分の目標に向かっていける力が養える。世間がない女子校のメリットとしては『自分力』が養えることでしょう』

 なるほどなあ。だからいま再び『女子校力』なのか。

『女子校力』(杉浦由美子著/PHP新書/2013年4月1日刊)

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