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2013年3月 4日 (月)

『フライト』の限界は、ハリウッドの限界、キリスト教の限界、ロバート・ゼメキスの限界かも

 映画とはちょっと関係ないけど、こんなアル中でジャンキーなパイロットが普通に飛んでいるんだとしたら、アメリカで国内線に乗るのは実は怖くなったりして。

『フライト(FLIGHT)』(監督:ロバート・ゼメキス/脚本:ジョン・ゲイティンズ/製作総指揮:チェリーレーン・マーティン/製作:ウォルター・F・パークス、ローリー・マクドナルド、スティーブ・スターキー、ロバート・ゼメキス、ジャック・ラプケ/主演:デンゼル・ワシントン/日本公開:2013年3月1日)

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 映画のテーマは航空機の墜落事故なので、実在の航空会社、航空機製造会社は使えない。で、デンゼル・ワシントン扮する主人公ウィップ・ウィトカー機長が搭乗する航空会社サウスジェット 227便の機材はJR-88ということになっている。しかし、このJR-88は間違いなく、2000年にサンフランシスコ国際空港へ向かっていたが、スタビライザー(水平安定板・水平尾翼)が過大な機首下げ状態に陥って、ロサンゼルスに近い海に墜落して乗客全員が死亡した、アラスカ航空261便のMD-83であることは間違いない。何しろこの事故と全く同じ状態になって、だからこそウィトカー機長は背面飛行を実施し、墜落を防止し、胴体着陸に持ち込んで、102人のクルーと乗客を「たった」6人の死亡というだけの結果をもたらしたヒーローになったのだから。

 脚本のジョン・ゲイティンズは1999年にこの映画のアイデアを思いついてそうだが、それから10年以上の時間がたっている。ということは、その2000年のアラスカ航空の事故をアイデアに取り入れていることは想像に難くない。

 このJR-88もMD-83と同じ、リアエンジンでハイマウントされたスタビライザーを持っている、近距離専門の旅客機である。普通ならばもうちょっと大きい機材の機長になり、ワンフライトはもうちょっと長い距離にはなるけれども、「3日で4往復」するような過重な労働に就くはずのない60間近の老パイロットだ。それが未だに、そんな1時間や2時間程度の近距離便にしか乗らないということ自体に何か、彼についての問題があるのではないだろうか。つまり、会社も彼がアル中でジャンキーであることを承知して雇っていたのかもしれないという。

 つまり、アメリカでは国内線それも近距離便なんて、もはやバスに乗るのと同じ感覚なのだろう。そんな感じは既に30年前からそうだった。そういえば、ニューヨークから成田に帰ってくる便の機長も、この映画と同じ、アメリカンフットボール・ネタのジョークを言っていた。勿論、パイロット・ルームからであり、乗客の前にまでは来ていなかったが。

 事故調査の公聴会での話。クルーのアルコール調査を行った結果、ウィトカーと付き合っていた客室乗務員のカテリーナ・マルケス(ナディーン・ベラスケス)の体からだけアルコール反応があった。つまりウィトカーのアルコール反応は弁護士ドン・チードル(ヒュー・ラング)によって揉み消されていたわけで、そのままギャレーのゴミ箱から発見されたウォッカの空き瓶を、アルコール依存症の前歴があり、事故で死んでしまったカテリーナの物だといってしまえば万事OK、ウィトカー機長は無罪放免になったにも関わらず、なぜかウィトカーは自らの飲酒を告白してしまう。

 何故だ? というのが私の疑問である。それは「ハリウッド映画だから」というのが、やはり私の結論でもあるのだが、つまり、そこにはやはりキリスト教の壁があるのだ。

 なにしろ「嘘も方便」というのが、我が日本民族のビヘイビュアである。

 別にそれは嘘を擁護しているのではない。当然、日本人であっても、基本的には「嘘はいけない」という教育を小さいころから受けている。しかし、そこで嘘をつけば皆が幸せになるのであるならば、そんな嘘はついてもいい、というのが大人の日本人の判断である。そんなところで本当のことを言って、誰かがその犠牲にでもなったとしたら、「空気を読めない奴」ということになってしまう。

 つまり、公聴会でウィトカーは真実を求められたのではない、エレン・ブロック調査官(メリッサ・レオ)はウイトカーに対し「あなたの見方は?」と聞いたのである。そこで、彼が「もしかしたらカテリーナかも知れない」と一言っても別に偽証罪にはならない筈だし、そうすれば航空会社もパイロット組合も弁護士も皆幸せ、万事丸く収まって一件落着、悪かったのは航空機製造会社だけ、というハッピーエンディングになる筈だった。なにせ「死人に口なし」っていうのも日本語だからね。

 ところが、なぜかウィトカーは自分が酒を飲んでいた、麻薬もキメていた、飛行機が落ちたのは私の責任ではないが、事実は事実と認めちゃうんだなあ。

 つまりこれ「嘘をつくことは罪」というキリスト教の考え方があるというのがその結論。

 やはり、ハリウッド映画はキリスト教に忠実でなければいかん、という基本的なアメリカ人の発想がそこにはあるんだな。

 え、じゃあアメリカ人は絶対嘘はつかないいんですか? って、何を言ってるんですか、アメリカ人なんて嘘のつきっぱなしじゃないですか。

 つまり、これは「映画という別世界のお話」だけの問題。

 まあ、この辺がロバート・ゼメキスの限界であるな。所詮、ハリウッド的価値観でしか映画を作れないという、ハリウッド人士としての限界。

 もしかして、それを突き破って別の展開をしたならば、ゼメキスもフランスあたりで評価される監督になれたかも知れないが、まあ、フランスで評価されても「ハリウッド的お金のかけ方映画」は作れないからね。

 まあ、ハリウッド的妥協をするのも、ハリウッドで生きていくための智慧かも知れない。

 それより気になったのは、この映画の音響ポスト・プロダクションを行ったんだろうスカイ・ウォーカー・サウンドのフォーリー・アーチストとしてクレジットされていたゴロー・コヤマという名前。

 日本人なのか、日系人なのかが気になる。

 どなたか知っている人がいらっしゃったら、教えてください。

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