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2013年3月14日 (木)

『火中の栗の拾い方』ったって、実は無理やり拾わされるのがサラリーマンの実態だ

「火中の栗を拾う=他人の利益のために危険をおかして、ばかなめにあること。あえて危険に身を投ずること」というのが広辞苑の解釈である。そんな「火中の栗」に「拾い方」なんてあるんだろうか。高城氏は、例えば「この仕事をやりたい人がいたら、手をあげてくれないか?」と、社員の自主性を促す形で仕事を任用する例を多くあげているが、現実的には「○○君、君に頼むよ」という形で一方的に上司から「火中の栗」を投げつけられることの方が多いのではないだろうか。

『火中の栗の拾い方』(高城幸司著/日経プレミアシリーズ/2013年1月23日刊)

 私も、サラリーマン時代こうした「火中の栗」を何度も拾わされたものだった。いわゆる「お鉢が回ってくる」というやつ。

 ある作品のアニメ化に関して作家とトラブルになり、その後を継いだ時には、その作家から「火消しの登場ですか」なんて言われながら、途中からプロデュースを続けた。とは言うものの、気難し屋で有名なその作家はなかなか首を縦に振らない人だった。「火消しの登場ですか」というくらいなら、私の言うことを聞けよといいいたい気持ちを抑えて、私がやったことは、実は前任者とあまり変わりのあることではなかった。要は、人の問題なのね。

「火中の栗を拾う」という行為は基本的に「リスクをとる」ということだ。ただし、リスクをとるということは、うまくすれば成功の可能性があるということだが、火中の栗を拾うのは、あまり成功の可能性はない。むしろ、火中の栗を拾ってそのまま火傷を負うことの可能性の方がはるかに高いわけである。

 しかし、そんな高リスクであっても、上司から「お前がやれ」と言われてしまったら、やらなければいけないのがサラリーマンの宿命である。その結果は「勝てば官軍、負ければ賊軍」というわけで、勝たなければその人のサラリーマン生活はもう先がない。

・親方日の丸の会社が潰れる
・定年まで働かさせてもらえず、子会社や取引先に出向・転籍になる
・勤務先の会社が他社と合併してしまい、職場に居場所がなくなる

 ということを高城氏は現代のサラリーマンのリスクとして上げるが、火中の栗を拾うのもそんなリスクの一つであろう。ただし、高城氏も書くように「火中の栗を拾う」リスクは、その栗に光明が見えれば拾うべきリスクである。勿論、光明が見えるかどうかは実は本人次第なのでもある。

 つまり

・ある人が「どうせ引き受けるのなら、仕事を楽しもう」
・別の人が「自分ばかりにやっかいな仕事がくるので、嫌になる」

 という後者では、見えてくるはずの光明も見えてこないだろう。

 火中の栗でも、食べればよく焼けていて美味しいこともあるはずである。だとしたら、そんな美味しさを味わってはどうだろうか。仕事は楽しくやらないと、自分にとって何も身につかない。勿論、仕事は「生活のため」にやるものであるが、一方、で「生活のために嫌々やるのであれば」何も身につかない、むしろ楽しんで仕事に当たった方が、結果としてはいろいろなことが身につくのである。

 まあ、結局は火中の栗を拾わなくてもすむことが多かった高度成長期と違って、今はあえて火中の栗を拾うようなリスクを冒さないと、美味しい結果も得られない時代になっているのだろう。

 そんなわけで本書のようなものも価値が出てくるのだろうけれども、しかし、ひとつだけ言えるのは、火中の栗は自ら選んで拾うのではなく、勝手に上司から拾わされるのである、というのがごく一般的なサラリーマンの世界である、ということ。高城氏のいたリクルートという会社が、社員が自ら選択して火中の栗を拾うような風土の会社であったのなら、それはそれでオープンないい会社だったのかも知れない。

 普通はそうじゃないのだ。

 無理やり上司から「火中の栗を拾え」と言われた場合の処し方が書かれていないのが、ちょっと残念なところである。

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