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2013年3月22日 (金)

小林紀晴『写真と生活』を読むと、欧米化する写真家の姿が見えてくる

「本」ブログの体裁をちょっと変えてみた。

 今までように単純にアフィリエイトを貼り付けると、Facebookやココログ出版ではそれは反映されないので、上の方に書影が写っている写真を貼って、アフィリエイトは一番下におくことにする。書影と一緒にその本を読んでいる状態を写して、ちょっとした気分を出そうという試みである。

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 で小林紀晴の本である。

 小林が古屋誠一について書いた『メモワール 写真家・古屋誠一との二十年』について、その妙に重苦しい文章に何か不吉なものを感じた私は、しかし、この本ではいつもの小林紀晴だなあと感じられて、なぜか安心したのはなぜだろう。

 本書は雑誌『日本カメラ』2010年1月号から12月号まで連載された、つまり12人の写真家へのインタビューから構成された内容である。

 12人の写真家は以下のとおり。

平間至(1963年生まれ・50歳)
野村佐紀子(1967年生まれ・46歳)
亀山亮(1976年生まれ・37歳)
藤代冥砂(1967年生まれ・46歳)
金村修(1964年生まれ・49歳)
宮下マキ(1975年生まれ・38歳)
高木こずえ(1985年生まれ・28歳)
ERIC(1976年生まれ37歳)
山田敦士(1975年生まれ・38歳)
本城直季(1978年生まれ・35歳)
瀧本幹也(1974年生まれ・39歳)
石川直樹(1977年生まれ・36歳)

 これに加えて、小林紀晴(1968年生まれ・45歳)というラインナップになる。

 30代を中心に28歳から50歳までの若手から中堅に至る、それぞれ個性も、撮っている写真の対象もことなる写真家たちへのインタビューで小林紀晴は何を見てきたのだろう、というのが気になって本書を読んでみた。

 この30代の写真家たちに共通する状況は、彼らが独立して写真家になるころには、雑誌媒体や広告がかなり弱体化して、いわゆるアサインメントの仕事は、それまでの時代から見るとかなり少なくなってしまった時代である。

 小林紀晴があとがきで書くように;

『数年前にある写真学校の先生から「最近は卒業すると、そのまま写真家(作家)をめざす人が多い。就職しない学生が増えている」という話を聞いた。「世の中の景気と深く関係がある」とのことだった。
 景気の後退により就職先が以前より極端に限られ、条件のいい就職先が相当に減った。だから就職の道を諦めてアルバイトをしながら地道に写真家をめざすのだという。私が二十代の頃には、考えられなかったことだ。就職しないことにではなく、作家をめざすという発想が。考えてみれば私が会社をやめた20年前はバブルの絶頂期だった。選ばなければ仕事はいくらでもあった。雑誌や広告に元気があったからだ。おこぼれみたいな仕事をもらっていた。あの頃とは明らかに状況が変わっている』

 というくらい、以前は初めからフリーランスの写真家というものは少なく、広告会社や雑誌社、新聞社などでサラリーマン・カメラマンをして、それに飽き足らなくなった人、会社からの命令で仕事をすることに窮屈さを覚えた人、一発当ててやろうぜってな感じの人たちが、やがて独立してフリー・カメラマンになり、写真展や写真集で活躍するようになる、パターンだった。

 それが現在では初めからフリーで写真展や写真集で表現をするよう写真家が多くなってきたのである。確かに、この12人の写真家も初めからフリーの人が多い。

 本の中でも山田敦士が『いまはあまり夢がないじゃないですか。例えばいま写真学校の学生の八割くらいが作家志望らしいです』なんていう発言があったりする。

 ということは、日本の写真業界もこれからは欧米化していくのだろか。欧米の写真家は、もともと社員カメラマンというのはあまりいなくて、あとはフリーランスで新聞社や雑誌社と契約してアサインメントの写真を撮るカメラマンと、自分で被写体を選んで「作品」を作って写真展で写真を販売したりカタログ(写真集)を販売して生活している写真家とがいるらしい。

 まあ、本来は作家(小説家も写真家も)はフリーランスであるべきなんだろうけれども、それまでの日本のあり方が世界標準から見てちょっと変だったのかもしれない、と妙に納得。

 最後に本城直季の発言をひいて、今の写真家の生活を見ておこう。

『いまはどんなところに住んでいるのかと最後に問うた。高層マンションの最上階などという答えが返ってきて欲しいと半ば期待しながら。
「学生の頃から同じアパートに10年友達と住んでいます。印刷関係の仕事をしている男と。部屋は真ん中に廊下があって左右に分かれていて……」
「うるさいとか、プライベートがないとか、ないの?」
「ありますけど、平気ですね。10年も経つと、もうどうでもよくなっちゃうんですよね、もう家族になってますね(笑)」

『写真と生活』(小林紀晴著/リブロアルテ/2011年11月30日刊)

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