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2013年1月15日 (火)

『マネジメント エッセンシャル版』は優れた教科書ではあるが

 暮れに買い溜めた紙の書籍を読んでいるうちにKindle版の書籍がだいぶ溜まってしまった。マズい! というわけでしばらくはKindle版で読んだ本(?)が続きます。

 で、最初に読んだのがピーター・F・ドラッカーの超有名本にして、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の元ネタになった本である。なんだ、ドラッカーも読んでなかったのかよ、と言わないでください。私は経済学部で経営学部じゃないので、ドラッカーの名前は知っていたけれども、読んだことはなかったのである。『もしドラ』はSONY READERで読んだけどね。

『マネジメント エッセンシャル版 基本と原則』(ピーター・F・ドラッカー著/上田惇生訳/ダイヤモンド社/2001年12月14日刊/Kindle版2012年9月14日刊)

 とは言うものの、ドラッカーも元々は経済学者だったわけで、というか元々経営学なんてものはなくて、経済学からの派生学問として経営学があった訳だ。

 そんなドラッカーにとってマネジメントという言葉は、ナチズムに対する概念ということなのであった。

『マネジメントは、以前にも増して大きな成果をあげなければならない。しかも、あらゆる分野で成果をあげなければならない。個々の組織の存続や繁栄よりもあるかに多くのことが、その成果いかんにかかっている。組織に成果をあげさせられるマネジメントこそ、全体主義に代わる唯一の存在だからである』

 しかし、今や企業はグローバル化して国家を乗り越えてしまった。

『グローバル企業は、300年前に一緒になった政治主導と国家経済が離婚した結果生まれたものである。少なくとも両者が別居した結果生まれたものである。もはやアメリカのような最大最強の国においてさえ、国家経済を定義することはできなくなっている。しかるに、政治主権のほうはいまだに完全に国家的である。しかも、国家に代わるべきものが登場する兆候はない』

 とは言うものの企業の存立基盤は昔から変わらない。

『企業とは何かを決めるのは顧客である。なぜなら顧客だけが、財やサービスに対する支払いの意志を持ち、経済資源を富に、モノを財貨に変えるからである。しかも顧客が価値を認め購入するものは、財やサービスそのものではない。財やサービスが提供するもの、すなわち効用である。
 企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす』

『今日、先進国の大企業の所有権は、少数の金持ちではなく大衆の手にある。取締役会はもはや所有者を代表しない。誰も代表しない』

 そして日本の企業経営を評価するのだが。

『日本について見解の一致があるとすれば、それは合意(コンセンサス)によって意思決定を行っているという点であろう。
 欧米では、意思決定の力点は、問題に対する答えに置く。意思決定についての文献も、答えを得るためのアプローチに重点を置く。ところが日本では、意思決定で重要なことは問題を明らかにすることである。そもそも意思決定は必要か、そもそも何についての意思決定かを明らかにすることが重要とされる。この段階でのコンセンサスの形成に努力を惜しまない』

 として、高く評価している日本の企業のマネジメント手法なのであるが、今や日本企業のそのようなマネジメントは逆に「ダメなマネジメント」の代表とされてしまっている。むしろ、欧米式に「コンセンサスよりも答えを出す個人だ」つまり、個人のリーダーシップを評価するようになってきている。

 しかし、本当にそれが正しいのかは誰もわからない。

 むしろ、何故我々はマネジメントについての本を読むのだろうか、という点が気になる。マーケティングとイノベーションが大事だというのは、最早、すべてのビジネスマンが理解していることだろう。それをマネージすることが大事だということも。ならば、何故それを本で読むのか?

 つまり、それは皆、自分の考え方についての正しさを確認するためなのだ。本で読んで、自分の考え方が間違ってはいなかったと確認する。ピーター・F・ドラッカー先生が言っていたことと、自分の考え方が間違ってはいなかった、と。

 しかし、重要なことは「考え方が正しいかどうか」ではなく、自ら行っているマーケティングとイノベーションが正しい方向に向かっているかどうかなのである。それを検証するのは、企業活動の結果を見るしかないし、失敗すれば企業の存立に関わってしまう事態に陥る訳である。

 それには教科書はない。

2013_01_14_019_2Fujifilm X10 @Igusa Suginami (c)tsunoken

 

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