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2013年1月16日 (水)

『ノマドと社畜』というのは実は対立する概念ではないのだ

 今、本当に「ノマド」が「ブーム」なのかという基本的な疑問がある。本田直之氏やクリス・ギレボー氏などの「本当のノマド」というのは確かにいることは知っているが、そんなスーパーなノマドは本当に一握りに過ぎないわけだし、大半の人は単に企業にとって都合のよい、単なる「安いギャラで使えるフリーランス労働者」であるに過ぎない。つまり、一時の「フリーター」とそんなに変わらないわけだ。

『ノマドと社畜 ポスト3.11の働き方を真剣に考える』(谷本真由美著/朝日出版社/2013年1月11日刊/Kindle版のみ)

 ということで『要するにノマドブームは、世間知らずの学生さんや若者の中で、就職できない人や、就職することを不安に思っている人たちに、さまざまなモノやサービスを売る「自己啓発商法」の一種なんでしょう』なんて言われたりする訳なんだな。この「就職できない人」というのが問題で、実はそんな人こそ「ノマド」なんかにはなってはいけない人なのだ。

 結局、ノマドワーキングで食っていける人というのは、他の誰にもできないプロフェッショナルな仕事が出来る人、他の誰も真似のできない専門的な仕事が出来る人のことなのだ。だったら、それはノマドじゃなくても生きていける人と言うことになる。つまり、会社人であってもノマド的な仕事をしている人はいるわけで、そんな社畜ノマド以上の仕事が出来ることを自ら証明できればノマドワーキングはOKなわけである。しかし、そんな仕事が出来る人が実際のノマドワーカーの中にいるのかと言えば、実際にはそんなにいないわけだ。

『ノマドになるためには「自分にしかできない」ことを常に意識して、知識やノウハウを磨くことが大事です。
 これは誰かに雇われる場合でも同じです。「自分にしかできないこと」が提供できれば、雇用主に喜ばれますし、クビになることもありません。さらに、それを下地にノマドになることも可能なのです。
「自分にしかできないこと」を売りにするには、「自分がやった仕事」に対して責任を持つことも大事です。仕事をどのように計画し、どのように実行し、どんな結果が出たか、それらすべてに対して自分で責任を持つ、ということです』

 ということになってしまえば、それは人に雇われていても、そうではなくても同じである。つまり『ノマドセミナーに行ってしまうような人は、会社員としても公務員としても仕事がイマイチでしょう。学生なら、勉強ができないでしょう。なぜなら、ノマドになれるような能力のある人は、すでに自分で何かを始めているからです。能力のある会社員であれば、そんな詐欺まがいのセミナーに行く代わりに、専門技能や知識の習得にお金をつかうはずです』というミもフタもないことになってしまうのだ。

 そんなノマドの世界と言うのは『スキルや専門性の高い人はどんどん稼げるようになり、そうでない人は低賃金で働かざるを得ない、という「激烈な格差社会」を意味する』のであって、誰もが皆高い収入を得るというイメージを持っていたら間違いということなのだ。だったら、そんな働き方というものが日本人にできるのだろうか? という疑問が湧いてくる。

『イギリスなどの国で、フリーランサーや個人事業者の雇用が多く、その人たちが比較的良い収入を得られるのには、実は理由があります。
 それは、これらの国が「契約社会」であるからです。フリーランサーや個人事業者が雇われる際には、仕事の発注元と事前に責任分界点(役割分担)、成果物、納期、仕事のやり方、守秘義務などを事細かに決めます。雇われる方は、事前に合意した以外の仕事はやりません。客先で他の人の仕事を無償で手伝ったり、サービス残業をするということもあり得ません。あくまで事前に合意した「取り決め」の下で仕事をするのです』

『イギリスや欧州北部で会社員のノマドワークに前向きなのは、これらの国ではもともと仕事でも勉強でも個人の裁量に任せて、他人はなるべく介入しない、という個人主義(individualism)を原則とする社会があるからです』

 という「契約社会」「個人主義」というものが前提になっている。しかし、それは逆に高いプロフェッショナリズムが同時に前提になっているわけで、その辺の「ぬるま湯社会」や「集団主義」であるわが国では、またそんな「ぬるま湯社会」や「集団主義」がことさら好きな中途半端な人たちにとっては、ちょっとあり得ない仕事のやり方なのであるな。

『「社畜」の利点は、営業しなくても仕事が降ってくること、毎月給料が支払われること、有給休暇や傷病休暇があること、国によって労働者の権利がある程度は守られていること、会社が仕事の経費を負担してくれること、交通費も年金も出る点です』

 ということで、

『すべてをこなせるオールマイティーな「スーパーワーカー」だけが、ノマドになって生き残っていけます。すべてひとりでやらなければならないからこそ、法律や契約書についての知識、会計、税務、商習慣、大企業の意思決定方法、社会人としての常識などを知っていることが重要になります』

 ということだが、こんな人がいたら、会社だって手放したくはないだろうから、それこそ高給をとれる人材になるのである。

『企業に「雇われずに働く」という意味のノマドに関しては、私はフリーランスや個人事業者として仕事を継続的に取ってきて食べていける「能力」のある人にしか勧めたくはありません』

 と言う通り、むしろ「社畜」として会社が手放したくなくなる人を、まずは目指すべきであって、そんな自分が実現してからノマドになるかどうかを決めればよいのである。多分、そうなったら「ノマド的に働く社畜」という落とし所が見えてくるような気がするのだが……。

 てなことをMac(あ、MacintoshじゃなくてMacdonaldoね)で書いている私はノマド? えっ? スタバじゃないとダメなの? って、結局は形から入っている私なのであった。

 

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