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2012年12月26日 (水)

『北井一夫、いつか見た風景』

 北井一夫といえば、日大藝術学部の闘争を撮影した『バリケード』や成田闘争の『三里塚』というかなり尖った写真家なのかと思ったら、その後『フナバシストーリー』なんかのほんわかした写真を撮り、最近は『ライカで散歩(Walking with Leica)』なんていう、すっかり肩の力の抜けた写真を『日本カメラ』なんかに連載したり、いろいろ変遷をしてきた写真家である。

 そんな北井一夫の、ある種の回顧展を東京都写真美術館で開催中だ。

Kazuo_kitai2(c)Kazuo Kitai

2012_12_23_005

 展示作品は『抵抗』『神戸港湾労働者』『過激派・バリケード』『三里塚』『いつか見た風景』『村へ』『境川の人々』『フナバシストーリー』『おてんき』『1990年代北京』『ライカで散歩』『道』などから全205点。

 それらの写真を順を追って見てくると、しかしそのカメラスタイル自体には変化はなく、要は被写体によって変化するように見える映像の不思議な姿である。

 中国で生まれた北井は、言ってみれば日本に故郷はない。その故郷喪失感が『フナバシストーリー』を撮らせたと言っては言いすぎだろうか。農家の長男は家を継がなければならないので、故郷を離れるわけには行かない。しかし、二男・三男はそんな故郷を離れて、当時は新しいファミリータウンであった船橋ではないフナバシに赴き、新しい生活をそこに見つけ、新しい故郷をそこに作り上げようとする。そんな「小さな幸せ」を育む「新しい人々」の姿を、北井は見出したのだろう。

 同じような眼で『抵抗』『神戸港湾労働者』『過激派・バリケード』『三里塚』を見てくると、なんかこれまで持っていた北井に対するイメージが変化してくる。

 例えば、『過激派・バリケード』を見ると、本来非日常的なバリケード闘争が、バリケードそのものが学生たちにとっての「生活の場」となって、日常的な風景になってしまうと、それら殺伐とした風景が、実はほんのり暖かい風景に変じているのである。

『1990年代北京』は、まだ今のように豊かになっていない頃の中国・北京である。そこも、なにか懐かしさが感じられる場所になっている。

 60歳になって動くのが面倒になってきたので、ライカを持って散歩カメラというお気楽な撮影スタイルになったというのだが、しかし、それも基本的に北井の撮影スタイルが変わったわけではない、撮影対象が変わっただけなのである。

 つまり写真家にとってのスタイルの変化とは、実は撮影対象の変化ということに過ぎない、という永遠の真実だけが、そこにある。

『北井一夫、いつか見た風景』は2013年1月27日まで開催中。

2012_12_23_018_2Fujifilm X10 @Yebisu (c)tsunoken

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